工藤優作

登録日:2016/06/27 Mon 17:37:25
更新日:2024/04/14 Sun 14:08:41
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いや、私は探偵ではない…
ただの小説家ですよ…


名探偵コナン』の登場人物。



□概要

工藤新一(江戸川コナン)の父親で、世界的に有名な推理小説家。年齢は推定30代後半。*1
前髪の具合は新一とやや似ており、眼鏡をかけてちょび髭も生やしている。ちなみにコナンがかけている眼鏡は元々は優作のものである。
一人称は「私」だが、家族の前だと「俺」になる事もある。
3年前から小説家としての執筆活動が忙しくなったことから妻の有希子と共にロサンゼルスに在住しており、自宅の留守は新一に任せていた。
現在は工藤邸に帰ってきており、FBIと協力してコナンをサポートしている。
名前の由来は『探偵物語』の主人公「工藤俊作」と、それを演じた俳優「松田優作」から。


世界的に有名な推理作家なだけあって、米花町にある自宅の書斎は世界中から集めた推理小説や医学書、犯罪関係の書物で溢れかえっている。
新一が名探偵に憧れたのもこれが原因であり、彼の幼馴染である毛利蘭鈴木園子には、
「こんなものに囲まれて育ったから新一が推理バカになっちゃうのよ」「そのおかげであの推理オタクな息子が出来上がったのよ」と言われていた。
他にも犯罪記事をスクラップにしたファイルも多く残されており、コナンが過去の事件の情報を得るためによくそれを利用している。
まだ新一がコナンになる前には、ハワイで拳銃の扱い方やモーターボートの操縦の仕方などを教えている。
特に劇場版でその技術が披露される事が多く、コナンはそれらの能力を駆使し数々のピンチを切り抜けている。
これらの事からも分かるように、工藤新一が工藤新一となった原因は、間違いなく優作にあると言える。


新一以上の優れた推理力と知識を持っており、今まで新一(コナン)は推理で一度も彼に勝った事は無い。
その代表例として『追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件(後半)』がある。
この事件でコナンは真犯人の素性を見抜かないまま推理を披露していたのだが、その席で「まだまだ甘いな」と言いながら颯爽と登場。
自分が収集した情報(コナンの推理を含む)を元に真犯人の素性を見抜いて真相を明らかにし、真犯人や関係者にとって最善の策を講じて事件を完全に解決へと導いた。
作中で登場する度にコナンの上を行く推理を行っており、『似た者プリンセス』などでは事件の情報を聞いただけで真相を見抜き、現場に居合わせたコナンに対して的確なヒントを与えている。
また、劇場版唯一の登場作『ベイカー街の亡霊』は、劇場版史上最短のスピード(事件発生から数時間後)で解決に導いている。
登場するたびにいいとこ取りをしているからか、コナンからは「推理の事しか頭にない男」と皮肉を言われた事がある。お前が言うな。


ちなみに『上野発北斗星3号』で彼が以前執筆した小説のトリックが事件で使われた時には、そのトリックをコナンに全て解かれている。
その事でコナンに勝利宣言をされた時には「あのトリックはフェイクで本当のトリックは別に用意していた」と明かし、簡単には負けを認めなかった*2
アニオリ回である『米花町グルニエの家』ではとある事情で老人に変装してコナンの前に現れたが、その時のちょっとした仕草からコナンに怪しまれ、後に正体も見破られてしまう。
正体がばれた時には「いつかのお返しかな?」と負けを認めるような発言をしていたのだが、老人に変装していた時の演技の事を突っ込まれると「俺は小説家であって俳優じゃないんだから…」と弁明していた。


新聞を読みながら独り言のように事件を推理するのが癖。
なお、その独り言推理はほぼ100%の確率で的中しており、それを聞いた有希子がテレビでそれを披露した事で事件が一気に解決を迎えた事もある。
さすが大馬鹿推理之介の父親である。


上記のような圧倒的スペックから「あの方」は優作であり、自分の息子で遊んでいるor試練を与えているのではないかという説も一時上がっていたが、現在は原作者によって否定済である。


新一(コナン)を凌ぐ優れた推理力を持つ一方で子供っぽい一面もあり、新一(コナン)に内緒で帰国した際には彼に内緒で有希子や阿笠博士と組み、大掛かりなイタズラを仕掛けた事がある*3
劇場版の紹介ではコナンに「いつまで経ってもイタズラ心が旺盛で子供みたい」だと言われていた(これは有希子にも同じ事が言える)。
推理は得意だがユーモアのセンスはなく、『上野発北斗星3号』で渾身のダジャレを披露した時にはコナンと有希子に「サムい」とドン引きされていた。


ちなみにコナン(新一)と違い、本業が小説家なので当然だが、自分を探偵と名乗ったことは一度もない。
また、つい感情的になって事件の非(責任)が全て犯人にあるような物言いはせず、犯人に対してアフターケアをしたり反省を促したりするなど、作中では数少ない人情家な探偵役として描かれている。
まあコナンも数は少ないものの良心に訴える形で自首を勧めたことはあるにはあるが、基本的にどんな罪でも同情しないスタンスの為、そこは人生経験の違いといえる。


なお、登場は殆ど有希子とセットであり、単独で事件に関わった事は『工藤優作の未解決事件』や劇場版『ベイカー街の亡霊』ぐらいしかない。
ただし、緋色シリーズでは有希子の助力こそあったものの、沖矢昴に変装してコナンと2人で安室透を欺いたことがある。
マリアちゃんをさがせ!』で赤井秀一と共に組織の核心に迫り、その推理をコナンに話す。
そして事態を重く受け止め有希子と共に日本に滞在する事に決め、FBIと連携してコナンをサポートするようになった。
日本滞在を決めた直後、工藤邸に侵入してきた安室透にお茶を振る舞い、彼と何かを話したようだが…。


アニオリ回には基本的に登場しておらず、台詞付きで登場したのは前述の『米花町グルニエの家』ぐらいしかない*4
仮に全編を通して登場したら間違いなくAパートで事件が解決したり、前後編の話も前編で解決してしまう事が大きな理由だと思われる。
だが、ご存知のようにアニオリ回での米花町の治安は改善されないうえ、コナンはひとりで解決しようとするのでメタ的にいえば結果的に解決が遅れて新たな犠牲者が増える事もしばしある為、コナンも相談でもしていたら事件もすぐに解決して犠牲者も増えない確率は高いはずだが…*5


代表作の1つである「闇の男爵」シリーズは世界的にベストセラーとなっており、多くのファンがその続きを心待ちにしている。
小説以外にも映画の脚本も手がけた事があり、『ベイカー街の亡霊』では次世代ゲームのシナリオの執筆も行っていた。
それらの執筆にもその優れた才能を遺憾なく発揮しており、映画の脚本は「緋色の捜査官」が初でありながらそれを高く評価され、見事マカデミー最優秀脚本賞を受賞した。
「闇の男爵」シリーズ以外にも数多くの連載を抱えているがその締め切りをすっぽかす事も多く、原稿を放り投げて有希子と海外旅行に出かけようとした事もあった。
工藤邸に戻っている現在は執筆活動がほぼ落ち着いており、自宅で暇をもて余したり、警察から未解決事件の相談をされたりする事もある。
有希子共々大型二輪免許を有しており、車の運転も上手い。


若い頃はよく殺人事件の捜査に協力していた。
目暮十三警部は警部補時代に何回も彼の推理に助けられたらしく、今では頭が上がらないでいる。
優作のほうも目暮の事を「鬼警部」と称して多大な信頼を寄せている。
日本の警視庁以外にも、ニューヨーク市警をはじめ、スコットランドヤードやICPOなどにも信頼できる友人が数多くいるらしい。
特にICPOの友人は優秀であるらしく、彼や彼の仲間に任せれば黒の組織は簡単に潰せるだろうとの事。
有希子に似てる人のライバルじゃないよね?
とはいえ、FBIと共に組織と実際に対峙し、敵(ラム)の卓越した洞察力・分析力をその目で確かめた結果、今まで相手のことを甘く見過ぎていたと気を引き締めていたので、現在はそこまで楽観視していないものと思われる。


実は怪盗キッドの名づけ親でもある。
元々キッドは「1412号」という国際犯罪者番号で呼ばれていたのだが、
記者が走り書きで書いたその番号を若い頃の優作が誤って「KID(キッド)」と呼んだ事で、いつの間にかそれが愛称として定着し、現在に至っている。
当時のキッドは黒羽快斗の父親・盗一であり、何度か対決するうちに良きライバル関係を築いていた。


自分が執筆した小説がドラマ化された事が縁で有希子と知り合い、付き合うようになる。
そしてプロポーズをするために彼女を米花センタービルの展望レストランへと誘うのだが、運悪くそのビルのエレベーターで殺人事件が発生。
事件の真相を解明した後はすぐさま有希子の元へと戻り、大声でプロポーズの言葉を言ったらしい。
この出来事は「伝説のカップル」としてレストランの店員の間で語り継がれており、それにあやかって同じ場所で新一が蘭に告白しようとした事がある
たまに夫婦喧嘩をする事もあるがコナン曰くそれは「日常茶飯事の出来事」であるらしく、今でも相思相愛の仲である事には変わりない。


□余談

モンキー・パンチとの対談で、青山は優作役に当初は山田康雄を希望していたと発言している。
しかし山田は『コナン』のアニメ放送開始の前年に死去したため、初代・小五郎役の神谷と関係の近いキャラクターで配役されることが多い田中が起用されることになった。
原作の『江戸川コナン誘拐事件』が描かれた当時は山田氏が健在だったので、その時に登場した優作は氏をイメージして描かれていたことになり、所持していた銃(おもちゃ)がワルサーP-38であるのもそれが理由だろう。

OVA『青山剛昌短編集』の「さまよえる赤い蝶」では、若かりし日の彼が主役を務めている。
原作漫画(4ページしかない)では私立探偵の北方優作が主人公であるが、アニメ化に伴いヒロイン共々工藤夫妻の若い頃が主役として抜擢されるに至った。
版権の都合上、推理ネタの『仮面ライダーBLACK』と『スーパーマンⅣ』はカットされている。
*6

優作と有希子が映画を見始めるという形で、OVA収録の『夏のサンタクロース』がスタートする、という趣向になっている。


追記・修正は「闇の男爵」シリーズを読破してからお願いします。

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最終更新:2024年04月14日 14:08

*1 劇場版『ベイカー街の亡霊』にて登場した彼の学生時代の友人が39歳だった為。

*2 その時にコナンに「出任せ言ってんじゃねーだろーな」と白い目で見られていた。

*3江戸川コナン誘拐事件

*4 会話中やイメージのみでの登場は『探偵団サバイバル事件』『上戸彩と新一 4年前の約束』等がある。なお、『探偵団サバイバル事件』は原作初登場回となる『江戸川コナン誘拐事件』より先に放送された為、アニメ版では原作回に先行して名前が登場した形となった。

*5 『太閤名人の将棋盤』では、「暇で暇で…」と言って推理に参加してコナンの話を聞いただけで犯人の使用したトリックに気づいている事を考えれば尚更である。

*6 もっとも、原作掲載当時『仮面ライダーBlack』が少年サンデーで連載中であった事と映画『スーパーマンⅣ』が公開されていたという、時事ネタの側面もあったため、版権の問題とは関係なく改編されたと思われる。