鳳院坊了賢

登録日:2016/06/24 (金) 17:23:33
更新日:2024/02/23 Fri 20:26:02
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セッソウは、鳳院坊了賢(ほういんぼう りょうけん)という。

御剣検事とは、旧知の間柄でね。クククッ。


逆転検事2』の登場人物。
盲目の暗殺者。一人称は「セッソウ」、年齢は不詳。
凄腕の暗殺者であり、獰猛な猟犬と鋭利なナイフを使い、何人ものターゲットをその腕で葬り去っていった。
しかし現在は御剣怜侍の活躍によって法の裁きを受け、刑務所特別独房へと収監されている。

その腕は、同じく凄腕の殺し屋・虎狼死家左々右エ門とも互角に渡り合えるほど。その虎狼死家とは旧知の間柄でもあるらしい。
鈴の音と共に現れる暗殺者として知られており、闇夜に響く鈴の音が、ターゲットが聞く最後の音になるのだという。
その鈴の音は、仕事道具のナイフと猟犬かつ盲導犬のクロの首輪につけられている鈴から発せられるもの。
それらの鈴は、耳にしか頼る事ができない自分にもその在処が分かるようにとつけられたものらしく、2つしか無い特注品の鈴であり、今では彼のトレードマークになっている。
暗殺者として活動していた頃は坊主頭で黒い着物を纏い、相棒のクロと共に冷淡に仕事を行っていた。その姿はまさしく“破戒僧”である。
収監されている現在は手に数珠と托鉢を携えている事が多い。
現役だった頃は「人を殺す事こそが求道」という考えを持っていたが、現在は殺しに飽いているらしい。

名前の由来は「陰謀」と「猟犬」。容姿のモデルは妖怪「ぬらりひょん」から。
また、囚人ナンバーである「B-055」は、英単語の「BOSS(ボス)」から取られている。


獄中生活を送ってはいるが今でも裏社会に強い影響力を持っており、命令に忠実な“イヌ”も塀の外で飼っているらしい。
刑務所内に独自の情報網を持っているようで、刑務所内での出来事はある程度網羅している。
おまけにとある人物を脅して自分が欲するものを何でも仕入れ、刑務所内でも悠々自適の生活を送っている。
さらには、秘密裏に刑務所内で「調達屋」を開き、自分が調達した道具を他の囚人へ金と引き換えに提供する立場となる。そのため、刑務所では“影の支配者”として君臨している。

最近は彫り物に凝っているらしく、彼が収監されている独房には彼が暇つぶしに彫った仏像や祭壇などが所狭しと並べられている。
最初は仏像を一心不乱に彫っていたようだが674体彫ったところでやめ、現在はチェスの駒を彫っている。
見た目とは裏腹にチェスを嗜んでおり、塀の外にいる相手との通信チェスが現在の楽しみとなっている模様。チェスは刑務所に収監されてから始めたとのこと。
ちなみに、彼が持っているチェスの盤面には彼がオリジナルで作成した「猟犬」の駒がある。
チェスは戦争の遊戯なのに、なぜそこに戦争に欠かせない兵器であるはずの犬がないのか不思議に思ったらしく、戯れとしてその駒を作ったようだ。
もはや囚人と言うより隠居老人のような生活である。

相棒である猟犬クロを溺愛しており、よく「のうのう‥‥」と言いながら優しく撫でている。
クロは盲導犬としてだけでなく猟犬の能力も優秀な大型犬で、事が済んだ後は必ず血痕を消すように訓練されている。
普通の犬がよくやる「お手」も得意であるようだが、彼がクロに教え込んでいる「お手」は他とは“ちょっと”違うらしい。
そのお手とは、まず相手の手を噛み‥‥その後どうなるかはご想像にお任せします。


『検事2』の第2話「獄中の逆転」で初登場。
内藤馬乃介殺人事件の調査を行っていた御剣が、黒い犬(クロ)の目撃証言を元に彼の話を聞いておく必要があると判断した事で、独房で久々に再会し言葉を交わす。
内藤が留置所に入れられる際に「自分は大統領暗殺はやっていない!」と騒いでいた事を看守から聞いていた彼は、御剣たちの会話を聞いて「やはり冤罪だったか」と察する。
そしてこれだけは言えるとして「冤罪でここに来る人間は、確実にいる」と断言。
その言葉に流石の御剣も思わず言葉を詰まらせ、クロに威嚇されながら退散していった。

しかし、彼の通信チェスの相手が内藤である可能性が浮上した事で彼に殺人容疑がかかり、再び独房で御剣と対面する事となるのだが‥‥?


この下には、セッソウに関するネタバレがある。



















実は内藤殺害に関しては全くの無関係である。
クロが運んできた内藤の遺体に、自分のトレードマークである「鈴」のついた凶器が刺さっていたために、あらぬ疑いをかけられないようにと、その遺体をクロに作業部屋まで運ばせて凶器を回収させていた。
目撃者の山野星雄が目撃したのは「クロが遺体から凶器を抜く瞬間」だったのである。
自分に疑いの目が向いた時には、回収させた凶器をクロの口の中に隠しその場をやり過ごそうとする。
この行為が、奇しくも真犯人が使った凶器消失トリックを解明するヒントとなった。

なお、この事件の真犯人の動機は「了賢の部下(内藤の事)を殺し、邪魔者である了賢にその疑いをかけて刑務所から追い出したかったから」というもの。
どうやら了賢に「待遇に注意を払ってもらわねばお前と家族の命はない」と脅されているうちに疑心暗鬼に陥ってしまい、チェス好きの内藤を了賢の部下だと思い込んで殺してしまったようである。
この事からも分かるように、直接殺害に関与していなかったものの、彼が真犯人に行った脅迫が事件を引き起こすきっかけとなったと言えなくもない。

なお、『検事2』の第5話「大いなる逆転」では、事件の3日前に刑務所を脱獄していた事が判明。以降は行方不明となっている。


なんと、更なるネタバレがあるとはのう。


















コッケイであろう?

あれだけの命をうばったセッソウが、
コゾウ1人の命にこだわっておる。

実は西鳳民国大統領・王帝君の影武者からの依頼を受け、12年前に本物の王を日本のとある児童養護施設の敷地内で暗殺していた
だがその後影武者の裏切りに遭い、影武者とその協力者である美和マリー一柳万才の3人に命を狙われる立場となってしまう。
凄腕の暗殺者とはいえ盲目というハンデを背負っていたため、3人がかりで襲われては流石に太刀打ち出来なかった。
しかし、18年前に彼が気まぐれで助けた少年が、現場となった養護施設にたまたまいた事が幸いし、彼の機転によって助けられ影武者たちの魔の手から無事逃れる事が出来た。
その後はその少年の事を気にかけるようになり、獄中生活となった後も私書箱を使い手紙で連絡を取り合っていた。
なお、了賢の通信チェスの相手は内藤かと思われていたが、正確に言えば了賢と内藤の間に別の人物(少年)が入っており、その人物が手紙の内容を点字に打ち直したりする事で2人の文通は問題なく成立していた。
そのため、了賢は通信チェスの相手は「12年前に自分を助けてくれた少年」だと思い込んでいた。

その文通が最近になって急に途絶え、12年前の暗殺に関わった人物が立て続けに事件に巻き込まれた事が気がかりとなり、その少年と会って話をするために刑務所を脱獄する。
少年を追ううちに一連の事件の黒幕がその少年だと睨み、御剣の前に現れた時には12年前の事件の真相と、彼らが捜している黒幕が自分が追っている少年である事を話す。

その後は隙を突いて逃走するが、一連の事件の真相が明らかになった頃に再び御剣たちの前に現れ、虎狼死家を裏切った事で彼に殺されかけていた黒幕の命を救おうとして2人の間に割って入る。
依頼人との信頼関係を何よりも大事にしている虎狼死家は、了賢の乱入にも構わず黒幕を始末しようとする。
しかし黒幕が了賢の命を救った恩人である事を知ると思わず心が揺らぎ、「セッソウの事は好きなだけ笑いものにすればいい。だが小僧の事だけはどうか見逃してやってくれ」とまで懇願されるとその心意気に免じて、彼と対峙する事にメリットを見出せないと言う理由で黒幕から手を引いた。

黒幕が無事逮捕された後は、真相を解き明かし黒幕に更生の機会を与えた御剣に対し礼を言う。その時に王の息子である相沢詩紋と対面する。
そして詩紋と言葉を交わし、「セッソウが憎ければ、このナイフでこの喉を一突きにするがいい」と言って詩紋にナイフを渡す。
しかし事件を通じて精神的に成長した詩紋は了賢を殺す事を思い留まり、「あんたに罰を与えるのはオレじゃなく母さん(水鏡秤)たちの仕事だ」と告げる。
その言葉を受けた了賢は「そうか‥‥」と呟き、黒幕と共に“自分たち”の家である刑務所へと帰っていった。


追記・修正は、暗闇で鈴の音を聞く前にお願いします。



チリン‥‥ チリン‥‥



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最終更新:2024年02月23日 20:26