奇跡の精霊ミルザム

登録日:2016/06/21 Tue 13:07:40
更新日:2023/11/16 Thu 21:42:32
所要時間:約 10 分で読めます





神の座に最も近き、最強と謳われし、2体の精霊。


それがシリウスとミルザム。
*1


奇跡の精霊ミルザム》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM-29で登場したエンジェル・コマンド
後に数度再録されており、その際にエラッタもなされている。以下は現行のバージョン。


解説

奇跡の精霊ミルザム 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 11000
ブロッカー
ウルトラシールド・プラス-このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を上から5枚まで、裏向きのまま、自分のシールドいずれかひとつの下に置いてもよい。
W・ブレイカー

ヘブンズ・ゲート》で出せるファッティの中では、特にその能力と単純なパワーの両面で評価されやすい。
「ウルトラシールド・プラス」は「既にあるシールド1枚の上に、山札から5枚まで追加で乗っけてひとつのシールドと看做す」能力である。
割られても一気に6枚の手札補充になり、おまけにトリガー率が上昇するなど天門系*2のデッキでは採用率は高い部類。

9コストコマンドであるため、【九極侵略】のメンバーにも向いている。
また天門系では面白い使われ方をすることもある。
  • 《神託の精霊アルメリック》と組み合わせてアルメリックの誤答率を低減させる【アルメリック天門】
  • 《星龍の記憶》によってシールドカードを全部S・トリガー化させて《暴発秘宝ベンゾ》で一気に発動する【暴発ミルザム】

見た目は羽の生えた巨大ロボットであり、非進化の癖にちょっと進化っぽい見た目。
もっともエンジェル・コマンドは基本セット環境から現在まで生き延びている種族であり、その時代ごとに見た目が大きく変化するためあまり気にされないのだが。


関連カード

天海の精霊シリウス 光文明 (11)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 12000
ブロッカー
T・ブレイカー

準バニラファッティ。現代ではこれを超えるカードも多いが登場当時はパワーも最高峰のブロッカーであった。
ミルザムと並び称されるがミルザムと違って力しか自慢できないせいか、優秀な後輩に埋もれていった。
なおミルザムとシリウスの登場時期はかなり離れており、こちらはDM-05とかなり古いカードである。
ミルザムはなにしてたんですかね?

もっともシリウスがいなければ【天門】のロマンはなかった。
現在ではロマンどころかガチデッキの起爆剤なんだけどね天門…。

白騎士の精霊アルドラ 光文明 (12)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 15500
ブロッカー
このターン、自分の「ブロッカー」を持つクリーチャーをバトルゾーンに出した後でしか、このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない。
T・ブレイカー

ミルザムを更に超えるぶっ飛んだでかさ。
ループ非採用型天門では今でも採用されることは多い。
攻撃にデメリットはあるが、天門デッキでは些細なことだろう。

ミルザム、シリウス、アルドラはいずれもおおいぬ座の恒星の名前である。
特にシリウスはかの『ハリー・ポッター』の「シリウス・ブラック」で有名か。

神託の精霊アルメリック 光文明 (8)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 7500
ブロッカー
自分のクリーチャーが攻撃する時、カード名をひとつ選んで言う。その後、自分のシールドを1枚見る。そのシールドの中に選んだカードがあれば、相手に見せ、そのシールドを手札に加えてもよい。そうした場合、自分の山札の上から2枚を裏向きのまま、それぞれ新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。
W・ブレイカー

かつてのミルザムの友。登場はDM-36と遅い。
トリガー使用不可デメリットはないため、シールドカードを当てれば全部使えるという化物…であった。
当時は「相手のターン挟まなくていいとか《暴発秘宝ベンゾ》超えとるやないか!」「ベンゾは軽いだろ!いい加減にしろ!」みたいな会話もあったかどうかはしらないが 
後にベンゾくんもろともに悲哀に晒されることに。

一応、自分の仲間が攻撃するときも使えるので、2体以上いれば確実に(わざと間違えない限りは)ヒットする。

偽りの星夜(コードナイト) ブーケトス 闇文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/アンノウン 9000
自分のシールドがふたつ以下であれば、バトルゾーンにある自分の闇のエンジェル・コマンドは「ブロッカー」を得る。
自分の墓地にシールドが置かれた時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー
闇堕ちしたミルザム。一応シールドに関する能力を持っているが、効果はほぼ別物に仕上がっている。
《ウェディング・ゲート》を採用したいわゆる【祝門】デッキでは活躍できる。


最高の相棒と、必然と化した奇跡の末路


奇跡は起きるものではない、起こすものだ。

音感の精霊龍 エメラルーダ 光文明 (5)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 5500
ブロッカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをひとつ、手札に加えてもよい。その後、自分の手札を1枚、裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置いてもよい。(こうして自分の手札に加えたシールド・カードの「S・トリガー」を使ってもよい)

DMX-18で登場したミルザムの悪友。両方天使なのだが、それでも悪友としか言いようがない。
【白単天門(ミルザムエメラルーダ)】や【天門ループ】でコンビで猛威を振るった。
そのため「ミルエメ」と略されることすらある。

上述のアルメリックと同じくS・トリガーを使えないという注釈無しで手札に加える能力である。つまりトリガーがあれば発動していいことになる。
白単天門では《星龍の記憶》のほか、《聖英雄 ゴール・ド・レイユ》といったトリガー追加クリーチャーもあるし、
「そもそもデッキの大半をトリガー化」してしまえばそんな手間すらいらなくなる。

ミルザムもエメラルーダも天門系デッキでは「ふつうに汎用性が高い」効果であることから、
誰が気づくと言うでもなく普通にみんな気づいて試しておったまげた。
天門はかつてファンデッキや地雷デッキの地位に甘んじていたが、妙な展開力とトリガーでループコンボを組める強みで
気がつけば環境トップクラスのデッキになっていた。

エメラルーダの収録弾の「内容固定パックなので1枚でいいカードも4枚欲しいカードも同数しか出ない」という性質上エメラルーダが暴騰し、ウィザーズ・タカラトミーサイドも《音の精霊龍 パールダ》というパチモンを寄越すも、
エメラルーダのほうが明らかに強いため仕方なくエメラルーダを再録。パールダは泣いていい。

しまいにはミルエメが白単天門を意味しなくなり、《フォース・アゲイン》《目的不明の作戦》《黒神龍ブライゼナーガ》などが投入されて
ループしてエクストラウィンを決めるかライブラリアウトを誘発させるという次元にまで至る。

天門の勝ち筋は多々存在するが、例えばNパクリオ型の勝ち筋を説明すると
「ミルエメでフォースアゲインを100回使い回してパクリオとNワールドで相手の山札を全てシールドに置く」
……意味が分からない。意味が。

そのあまりの強さは他のTCGのアニメ次元にまで有名になってしまったらしく、「超ブラック・ボックス・パック」のコラボレーションで
WIXOSSの「タマ」が描かれた《DNA・スパーク》が収録された際、Twitterではタマを使うセレクターの小湊るう子
「タマ!シールドトリガー!DNA・スパーク!次のターン、ヘブンズゲートからのミルザム&エメラルーダで勝つよ!!」と叫んでいる。
やめてくださいしんでしまいます

だが、流石に環境を支配しすぎたのが原因か、あるいは奇跡とかいいながら奇跡でもなんでもなくなっていたからか、
あるいはるうちゃんにはWIXOSSをやってほしいというの願いなのか、
ミルザムはついに殿堂入り
かつてボルバルは「温泉送り」、キング・アルカディアスは「天に召された」などと表現されたが、
ミルザムはWIXOSSにちなんで「繭の部屋送り*3」と呼ばれている。

だが一枚だけになっても使い回す手段を持ってきては今日も盾を積み重ねる日々。
あろうことか、殿堂入りしたというのにそれでもなおミルエメを搭載したドロマー天門が全国大会を制覇してしまった。
勿論、その優勝にはミルザムの存在が必要不可欠であった。

そんなこんなで1枚になってもサーチなどで暴れ続けるという
脱獄まがいのことをしていた結果、ついに天誅がくだされることとなる。
2017年2月26日 光文明単体では初となるプレミアム殿堂入りをすることとなり、
同じ光文明単独の天雷王機ジョバンニX世と仲良く御用となった。

派生カード

神業の精霊ムルジム VR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 9500
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または破壊された時、自分の山札の上から1枚目を見る。それが「ブロッカー」を持つクリーチャーなら、バトルゾーンに出してもよい。出さないなら、手札に加える。

ミルザムのプレミアム殿堂後、双極篇第4弾で登場したそっくりさん。
能力はデッキトップからのブロッカーの踏み倒しと別物に変化しているが、新章~超天篇で登場したそっくりさんの中では実用性はあるためマシな方。
だが少しして自身が出た時と自クリーチャーのバトル勝利後にドローした後手札から踏み倒せる《闘門の精霊ウェルキウス》が登場したため、こちらを採用する意味は乏しい。

奇跡の精霊ネオ・ミルザム SR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 11000
ブロッカー
W・ブレイカー
スーパー・シールド・プラス:このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、自分の各シールドの下に置いてもよい。(こうして重ねたカードの束を1つのシールドとみなす)

デュエキングパックで登場した直接のリメイク版。
原型からはウルトラ・シールド・プラスからラディオ・ヤエサルしか持ってないため忘れ去られたと思われていたスーパー・シールド・プラスに変化。そのためエメラルーダと組み合わせての爆発力は失われ、シールド数によっては十分な効力を発揮できないことも。
とはいえシールド数次第では原型以上の補充が可能なため、使い方次第といったところか。


そいつの前では奇跡を祈っても意味がない。そいつの存在自体が奇跡そのものだからだ。

連結 ミルザビ・ミラ R 光/闇文明 (7)
クリーチャー:ディスペクター/デーモン・コマンド/エンジェル・コマンド 11000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
自分のターンの終わりに、このターン中に破壊された自分のディスタスをすべて、墓地から出す。

ミルザムが《復活の祈祷師ザビ・ミラ》と連結させられたディスペクター。
ただし能力に関してはディスタスの蘇生であり、どちらかといえばザビミラ寄り。ミルザムっぽいEXライフはディスペクターの共通要素だし。



頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st  VR 光/自然文明 (9)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/ビーストフォーク號/ドラグナー 11000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、コスト6以下のエレメントを1つ、自分の超次元ゾーンから出してもよい。そうしたら、自分の山札を上から5枚を裏向きのままこのクリーチャーの「EXライフ」シールドの下に置いてもよい。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
自分のマナゾーンにあるカードを、すべての文明のカードとして扱う。

今度は《龍覇 イメン=ブーゴ》と接続させられたディスペクター。元ネタはDMGP-1stの決勝戦にて対戦した【イメンループ】と【天門ループ】の主要カードと言う繋がり。

効果の方は超次元ゾーンにコスト6以下のエレメントを用意しておく必要があるが、登場したときにEXシールドを追加してそれに5枚重ねる…つまり、「シールドが一つもなければ効果を使えない」ミルザムの上位互換的な動きが可能であり、アドバンスなら【天門ループ】を完璧に再現出来る。
イメン要素であるマナの染色効果も地味にありがたい。
ただし、オリジナルでは《テレポート・チャージャー》や「パンドラ・シフト」で先に超次元ゾーンにカードを置かなければ「EXライフ」シールドに重ねることが出来ず、
アドバンスでもムザルミ自身が除去されると重ねたカードごと「EXライフ」シールドが墓地に置かれる点には注意したい。

デュエル・マスターズ プレイスにおいて


全知全能の奇跡が、世界を変える!

奇跡の精霊ミルザム SR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 11000
ブロッカー
バトルゾーンに出た時、自分の山札の上から5枚をシールド化する。(シールドゾーンの上限を超えるなら、上限に達するまでシールド化する)
バトルゾーンを離れた時、自分のランダムなシールド5つを手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
W・ブレイカー

デュエプレでも第10弾EXパック「魔帝剣征 -BATTLE OF GLORY-」で登場。
デュエプレではシールド・プラスが実装されていないため、能力はシールドを5つ追加するというものに変化。自身が離れるとその分のシールドを回収しなければならないが、大幅に防御力を強化できる。また、《聖霊王アルファディオス》や《超神星ネプチューン・シュトローム》に進化させてしまえば「バトルゾーンを離れた」扱いにならないためデメリットを無視できる。

とはいえコスト9と踏み倒せないと厳しい重さなので、基本的には《ヘブンズ・ゲート》や《エンペラー・キリコ》といった踏み倒し手段と共に使用される。



wikiを満たす追記修正という名の奇跡、それをコントロールする者がアニヲタなり。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2023年11月16日 21:42

*1 画像出典:pixiv イラストレーターおけら氏 奇跡の精霊ミルザム 2008年9月18日投稿 https://www.pixiv.net/artworks/1643173

*2 《ヘブンズ・ゲート》デッキは俗に【天門】と呼ばれる。

*3 元ネタはWIXOSSの禁止・制限ルールの呼称で、遡ればWIXOSSのアニメで繭がいる白窓の部屋のことである