世界忍者戦ジライヤ

登録日:2016/06/19 Sun 17:53:52
更新日:2024/03/18 Mon 19:32:40
所要時間:約 10 分で読めます






戸隠流正統・ジライヤ!


●目次

【概要】

世界忍者戦ジライヤとは1988年から1989年までに放送された特撮テレビドラマ。全50話。
メタルヒーローシリーズ」の第7作にあたる。昭和メタルヒーローとしては最後の作品であり、1989年1月7日に昭和天皇が崩御してからの49話と50話は年号が平成に変わっている。
ナレーターは昭和のスーパー戦隊を支えた声優、大平透氏が2年ぶりに担当した*1

劇伴を担当したのは若草恵氏。
BGMの一部は、後に同じ若草氏が担当した「特捜ロボ ジャンパーソン」「ブルースワット」「テツワン探偵ロボタック」でも流用された。
また、特撮関連以外だとドリフ大爆笑の階段落ちコントや志村けんのだいじょうぶだぁの時代劇コントなどにも使われたほか、特に有名なのは、なんといってもオールスター感謝祭の結果発表時のBGMだろう。
本作のBGM「渦巻く妖気」に合わせて、錚々たる顔ぶれの芸能人が得点不足で落選を通告される様は季節の風物詩となり、特に処刑用BGMでもないはずのBGMが(ある意味で)処刑用BGMと化しているという稀有な例となった。

この作品からメタルヒーローシリーズの主題歌を担当するようになった鈴木キサブロー氏*2は、以後「特捜エクシードラフト」まで多数の楽曲を手掛け、シリーズお馴染みの顔となる。
また、放送時間帯が日曜の午前中となった関係か、エンディング曲は基本的に明るい曲調の物が使われるようになっていった。
余談だが、制作社の一つ*3である旭通信社(現在のADK)は、放映中に「ASATSU」に愛称が変更されたが*4、この番組では最終回まで「旭通信社」名義だった。


『メタルダー』の早期終了に伴い、本作品は3 - 4月の放送開始が多かったそれまでのシリーズ作品と異なり、1月の第1週から開始予定とされたが、準備が間に合わなかったこともあり、メタルダーを2話延長し、初回放送はそれから3週遅れての1月24日となっている。

当時はソウル五輪の年。
「世界忍者戦」というタイトル及び「忍者オリンピック」というコンセプト通り、世界各国の変じ……いや世界忍者が登場する。



【あらすじ】

宇宙から飛来した世紀の秘宝「パコ」。その在処を示す「ボード」を代々守る戸隠流。
その34代宗家、山地哲山の義理の息子、山地闘破は、
ジライヤスーツと磁光真空剣を身に付けパコを狙う妖魔一族、そして世界忍者との戦いを繰り広げる。


【主な登場人物】


戸隠(とがくれ)流】

本作における主人公・闘破ら山地家が属する流派。宗家である山地哲山の圧倒的なカリスマに率いられ、独立した弟子や派生団体が観光地で働いている日本各地に点在しているほか、良好な関係を築いている同業者も数多い。
そのためか、他流派に抜きん出た圧倒的な情報網を誇る。
また、闘破を鍛え直すために、時おり哲山が縁の深い人物に依頼を掛け、刺客がサプライズで強襲してくるという無茶振りが激しい一面も。
稽古場である「武神館」と、山地家の普段の居住スペースであるマンションの二つによって構成されており、前者は厳守しなければならない秘密が多いためか二重三重の罠によるセキュリティで固められ、たまに妖魔一族が潜入してきても悉く返り討ちにするほどの鉄壁のガードを誇る。ただし、何故か窓ガラスだけはその限りに非ず。
哲山が世俗事に疎く無欲な人物であることから、“貧乏所帯”であることが何かにつけて強調されているが、その割には闘破の愛車がフェアレディZ(しかもミュージックホーンを搭載したカスタム仕様)だったり、たまにしか自炊をしなかったり(29話での学の発言より)、そもそも武神館とマンションという二つの拠点を持ち*5、それぞれの維持費や家賃を払わなければならないことを考えると、おそらく収入よりも出費が多すぎることがその原因であると思われる。
そのため、闘破は家計を助けるために様々な肉体労働の日雇いバイトに明け暮れている。


山地闘破/戸隠流正統・磁雷矢 演:筒井巧

「俺には磁光真空剣……お前というかけがえのない友がいる!」

本作の主人公にして山地家の長男。…ではあるが家庭内でのヒエラルキーは妙に低く、妹にタメ口を聞かれたり家事全般は彼が一手に引き受けなければいけなかったりと、ある意味時代を先取りした主人公。
しかも家計を支えるためにアルバイトをやらなければならなかったり、赤字に悩まされ哲山がアメリカに行っている間に道場で「忍者エアロビクス」を始めてみたり*6、結構生活には苦労している模様。
だが、自分のそんな境遇にボヤきながらも、常に家族への思いやりを欠かさない立派な好青年。

物語開始時点では、まだ世の中が平和であったことから向上心がさほどなく、忍者としての実力は並程度であったが、屋根裏部屋に隠されていた山地家に伝わるジライヤスーツを託され、世界忍者との戦いの中で“若さの剣を唸らせ”、“昨日の自分を乗り越え”ながら成長を重ねていく。
序盤ではかなりのお調子者だったが、急速に成長し、中盤以降にもなるとゲストの一般人にも落ち着いて対応しライバルの世界忍者たちを諭せるほどの人格者へと変貌を遂げる。
が、忘れた頃に慢心してよく痛い目に遭う。

自分と同年代の少女との接点が妙に多く、しかもその大半から好意を寄せられるなど歴代メタルヒーロー主人公の中でも屈指のモテっぷりを見せるが、本作から27年後にあたる『手裏剣戦隊ニンニンジャー』にゲスト出演した際に「えっ、俺このくらいの息子が居てもおかしくないのか…?」というセリフを発していたことから、結局結婚はしなかった模様。

接近戦主体の戦法を持ち、意思を持った伝家の宝刀磁光真空剣レーザー刀に変化させて放つ必殺技「磁光真空剣・真っ向両断」は文字通り一撃必殺の技である。
一応世界忍者は人間ではあるが、容赦とかそういうのは一切無し。
なお、磁光真空剣を発動させる時は「許さん‼」という決めゼリフを発することが多いが、会話の脈絡がなく、何が「許さん」なのか分からないような回も多い(そのぶん、ジライヤの怒りに正当性がある回のカタルシスはひとしおなのだが)。
敵を倒したときは東映特撮でおなじみの爆発ではなく、虹色の光を放ちながら消滅するという「仮面ライダーBLACK」のゴルゴム怪人に似た演出が取られている*7

11話から特殊スコープ・ジライサーチャー、肩、喉、膝アーマーがついた「第二装着」、
13話から山地家に伝わる光線銃ジライバスターが追加される。
メタルヒーロー初の強化フォームである。が、バンダイから販売されたメタルヒーローの総集編ビデオ『ジバン誕生!メタルヒーロー大集合』などに収録されないなどシリーズから除外されていた時期もある。


山地哲山 演:初見良昭*8

「武芸に秀でた者は素手でも相手を倒せる。武器はあくまでも手段であって、武芸の究極の道ではない。
如何に名刀があろうとも、使い手の心に隙間風が吹いていればその刀は単なる棒きれにすぎんのだ」

戸隠流第34代宗家にして闘破達を導く父であり、忍者道場「武神館」を運営する師。趣味は盆栽。
そして、色んな意味で作中最強キャラ

変身とかしないのに名有りの敵キャラを圧倒するなんてのは序の口で、顔も非常に広く、世界忍者会議に招待されたり要人の亡命の手引きをしてみたり、
中世ヨーロッパに封印されていた世界忍者から恐れられていたり、悪霊に耐性があったり、息子たちが目撃した忍者やその流派に大抵は心当たりがあるなど知識量も抜群。解説キャラとか言うな。
おそらく、ラスボスである毒斎でさえ、対等な条件で戦えば実力は互角
しかし、第一話で彼の卑怯な戦法により脚を負傷。
以後、どれくらい後遺症が尾を引いたのかは不明だが、それでもや手裏剣、そして鍛え抜いた武術で敵と戦い、戦力として大いに貢献した。

ただし金勘定には疎いタイプらしく、武神館は息子たちが何とか頑張ってくれているおかげで存続しているようなものである。

ちなみに戸隠流というのは実在する流派であり(こちらの読みは「戸隠そば」の「とがくし」)、演者の初見良昭は戸隠流忍術の34代目継承者。
本作における忍術や武芸の考証は彼が担当している。

山地ケイ/姫忍・恵美破 演:関口めぐみ

「二人ともナンバーワンで良いじゃない」

闘破の妹(厳密に云うと、血の繋がりは無いので義妹に当たる)。女子高生。…今で言うとNJKである。
彼を容赦なくコキ使い、タメ口を叩くわ家事の妥協を一切許さないわとキツい性格をしているが、心の内では兄を信じているツンデレ妹。
忍者としての資質は高く(というか、本編開始前は闘破よりも真面目に修行をこなしていたようで、その為こんな性格になった感アリ)、自らも途中からジライヤの女性バージョンとでもいうべき白いアーマーの忍者“姫忍・恵美破”として戦闘に加わる。
戦闘員のカラス天狗を難なく蹴散らし、紅牙や烈牙と渡り合える程度には強い。
本作では数少ない、常識的な範疇の忍術を使う忍者。
恵美破の登場は4話からだが、第1話のOPの段階でクレジットされている。


山地学 演:橋本巧

「忍法の奥義は相手を騙しても最後に勝つ事にあるんだ!わかったか!」

山地家のダイム族ナイト末っ子の小学生。
背伸びしたい盛りのヤンチャな性格で、テストの成績は悪いほう*9
良くも悪くも純粋な性格で、とある回では学校の授業で野生動物が人間のために殺されているという実態を教わったことから義憤にかられ、動物の毛皮などを取り扱っている店を片っ端から無差別攻撃するという向こう見ずな行動に走ったこともある。
が、手段がムチャクチャだったとはいえ、その優しい心は闘破にも認められ、この件がきっかけで捨て犬のクロを飼うこととなった。
足手まといのトラブルメーカーになることも多い一方で、敵を相手に意外なファインプレーを魅せることも少なくなく、途中からは正式な戦力として数えられるようになり、パチンコなどを使って戦うほか、途中からはアーマーも身に付けるようになった。
マスコットキャラみたいな役柄だったはずなのに、中の人のアクションセンスゆえにいつしか動きのキレが凄いことになっており、その急激な成長ぶりは、某明治剣客漫画に通ずるものがある。
機動刑事ジバン」にもゲスト出演し、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」でも忍術を学ぶ。


【妖魔一族】

毒斎率いる、秘宝パコを狙う悪の忍者集団。
基本的に欲深く、金銀財宝の類に目がないうえに、ディスコやライブハウスなど妙にパリピじみた場所を好んで潜伏先・取引場所として使用する。
本作における“悪の組織”ではあるが、あくまでも一介の忍者集団の派閥のひとつに過ぎず、忍者界において絶対的な力があるわけではない。
というか、名有り級の世界忍者であればアッサリ出し抜けるうえに、罠を仕掛ければ大抵は引っかかるなど、ぶっちゃけかなりの残念集団。こんなんがネロス帝国の一年後の敵とは…。
あくまでも利益重視で戦略的撤退や漁夫の利は当たり前で、矜持もプライドも感じさせない卑怯な戦法を好む(だからこそ少人数で一年戦い抜けたのかもしれない)。
味方側の本拠地に当たる忍者道場「武神館」の位置を第1話の段階で突き止め*10、度々襲撃している*11。が、罠にハマることもあり*12、中盤からは直接襲撃せずカラス天狗が外から偵察している事が多かった。
また、主な敵組織にも関わらず、全く話に絡まなかったり、回想以外でメンバーが全く登場しない回もある*13


鬼忍・毒斎 CV.飯塚昭三

「我らは妖魔一族、武器を貰いにきた!」
「ジライヤの命と大金儲け……これで両手に花だ!」

妖魔一族の頭領で、常に黒い般若の面のようなマスクを被っている。
かつて哲山とは同門だったが、パコのボードを巡っての争いの果てに袂を分かった過去を持つ。
ラスボス。一応ラスボス。本当に一応。そのくらい小物臭に溢れた娘に甘い親玉。作戦会議中、呑気にコーヒーを飲むなどユルい一面も見せる。マスク被ってるのにどうやって飲んでるんだよ。
本人の戦闘力はそれなりに高く、ジライヤと初めて対峙した際には磁光真空剣を真っ向から受け止めてみせたくらいの実力はあるが、基本的に策を弄する卑怯者タイプ。
「今までの俺は敵である戸隠流を欺く為の仮の姿よ!」
と昔の女パワーで急に強くなったり脚本の都合で弱くなったり強さが安定しない。
一人称も「儂」と「俺」、あるいは「俺様」になったりとこちらも安定しない。
声を担当した飯塚にとってはメタルヒーローシリーズにおいてジャスピオンのサタンゴース以来3年ぶりの敵首領役となった*14


蝶忍・紅牙 演:野原ひろみ

「ジライヤ、余計な事するんじゃない! 私はいつでも脱出出来たんだからね、フンっ!」

毒斎の娘で、妖魔一族が金品や財宝の強奪に明け暮れるのはだいたいこいつのせい。
幼女に変化できる能力を持つほか、ロケット砲やサイボーグ忍者などを造り上げる妖魔一族の科学力担当。
「妖魔忍法・乱れ蝶」という技を持ち、麗破、恵美破とほぼ互角の実力を持つなどそれなりに強いはずなのだが、何かにつけて他の世界忍者の罠にハマり拘束されるなど、悪役なのに捕らわれのヒロインと化す変な立ち位置のキャラ。
あまりに可哀想だったためジライヤに助け出されたことさえあった。

星忍・烈牙 演:永峰稜

「三下だと? いかにクモ御前とはいえ、暴言は許せん!」

妖魔一族の幹部。紫の忍者装束が特徴。
額の飾りは爆弾としても使える武器。
の達人で先述の紅牙と同程度の実力は持っているはずなのだが、彼女に比べてキャラが薄いゆえか、劇中での扱いはちょっと強い雑魚程度の不遇な三下。
むしろ戦闘員であるカラス天狗の方がキャラが立ってるかもしれない。
最終決戦で紅牙と共に戦略的撤退後、消息不明。


化忍・パルチス CV.依田英助

「ミスター毒斎! ジライヤたちをあのマンションから追い出し、奴が持っているボードの半分を奪えばいいんだな?」

19話から登場した妖魔一族の助っ人忍者。31話で死んだと思ったら無かったことにされて、ついでにフリーになった。実は代替わりかもしれない。
年齢・性別・体格を問わずあらゆる人間に変身する変化の術を使い世界中で暗躍していた。
素の外見は赤と黒が入り混じった格好で忍ぶ気が無さすぎるが、本作では割と忍者している世界忍者。
該当項目も参照されたし。


妖忍・クモ御前 演:曽我町子(表のクモ御前)/浦谷ひづる(裏のクモ御前)

「妾はこれまで外国のあちこちで優雅にくらしていたのだえ。その妾がお前さんの前に現れたか、おわかりかえ毒斎殿? 妾は……お前さんのお尻をあ、叩きに来たのでありん~す!」
「甘いぞえ、紅牙。忍者には誇りなどいらん。目的を遂げるためには、色々な顔が必要なのじゃ。敵は勿論、味方を騙すのも当たり前。親・兄弟・子供、そして自分の亭主を裏切ってこそ本当の女忍者!くの一じゃ……!」
「なぜ妾が表と裏の顔を使い分けるかわかるかえ? ひとつは敵を欺くための変装術。もうひとつは……『若くなりたい』という己の願望。昔の若さになることは身軽になり、闘争心を掻き立てることになるのじゃ!」

第37話から初登場。妖術の使い手で、毒斎と共に妖魔一族を立ち上げた女。
南米やカリブ海のリゾート地で優雅に暮らしていたが毒斎のあまりの体たらくに尻をペンペンしに叩きに来日。
毒斎とは「昔一緒に暮らした仲」らしく爛れた雰囲気を視聴者の前に見せつける。また、ジライヤを倒しパコを手に入れるためにわざとデモストの軍門に下るフリを提案することもあって紅牙や烈牙にはあまり好かれていない。
その名の通り両手や口から出すクモの糸やクモの巣の術などの妖術を自在に操り、団扇?から光線を出す「表のクモ御前」とスコープ付きのマシンガンを使う「裏のクモ御前」の二つの形態を駆使する。
表のクモ御前を演ずるは我らが曽我町子。いつもの圧倒的な存在感は変わらず。
中の人的にヘルサターン総統とヘドリアン女王、デスゼロウ将軍と女王パンドラの関係とは違ったベテランの妙味が光る。


鳥忍・カラス天狗 CV.山中一徳、斉藤茂、西尾徳

「みんな見るでヤンス!」

妖魔一族の戦闘員で諜報が得意で語尾にヤンスが付くでヤンス*15
何故かは知らないが一話につき最大三人までしか出てこないでヤンス。*16
撤退してるから無事…というワケではなく、ちょくちょくジライヤに斬られたりして普通に死んでるけど来週には何事もなかったかのように三人に戻ってるでヤンス。
何処から人員を補充しているのかは不明でヤンス。
裏剣や含み針、ロープなど様々な武器を使いこなすでヤンス。
ユーモラスな口調とは裏腹に、その暗殺テクは意外とエグいでヤンス。
空中を泳いで移動することが出来るでヤンス。
39話では、裏のクモ御前が開いた忍者スクールに集まった子供たちを使ったカラス天狗予備軍も登場したでヤンス。
次回予告の締めも担当し*17「ニンニンジャー」のジライヤ回でもこの文句が使用されたでヤンス。


キラー 演:大竹浩二
コマンド 演:中川清人

第34,35話で登場。毒斎が雇った傭兵忍者で、キラーは右腕の二連装銃と赤い柄の
コマンドはピッケル型の鎖鎌が武器。


妖魔巨獣ゴーマ
第34,35話に登場。ジライヤを抹殺すべくヒマラヤの密教の流れをくむ妖術使いの髑髏から毒斎が生み出した。
を持ち、目からピンク色の光線を発射し口から火炎を吐いて攻撃する。また炎に変身して移動することが可能。
35話で磁雷神と戦うが、刀で真っ向両断され爆死。髑髏も磁雷矢に破壊され二度と登場することはなくなった。


【世界忍者】

柳生麗/貴忍・麗破 演:田谷知子

「ある時はジライヤの味方。またある時はジライヤの敵」
「あなたは、パコを正しく使うのが使命。私は、それを見守るのが使命」

第2話から初登場、序盤から何かにつけて闘破たちを陰ながらサポートしてくれていた謎の女忍者。
白銀色のハイレグに電飾の付いたサイクロップス風バイザーという、ブッ飛んだセンスの忍者装束が特徴。
「ある時はジライヤの味方、またある時はジライヤの敵」…とは言っていたものの割とすんなり味方化し、以後はクーデレ的キャラが定着。仲間として共に戦ってくれるようになる。

その本職は国際秘密捜査官。正体は秘密にしておきたかったらしいが、話の流れ的に結局アッサリとバレてしまった。
プライベートでは放送当時の金持ちのステータスであった銀のリベット付きの黒皮のボディコンスーツ(いわゆる“カラス族”)に身を包み、車載電話まで持っている等、かなりのセレブであることがうかがえる(張り込み中にハンバーガー食べてたりもしたけど)。
「一匹狼の貴忍」を名乗っていたのに、途中から同僚が出てきたのは御愛嬌。
基本的に日本刀とブーメランを使用するが、状況に応じて眼から謎の光が放たれ、ジライヤスーツや磁光真空剣の力を引き出してくれるという不思議な力を持つが、その反動で昏睡状態に陥り記憶喪失になった事も。
古代文字などを解読できるが、その際相当エネルギーを消費するためか必ずと言っていいほど立ちくらみを起こす。
闘破に輸血できるのは彼女の血のみであり、それにより28話で杉谷悪之坊により瀕死の重傷を負った闘破は一命を取り留めた。


飛鳥竜/槍忍・突破 演:広田一成

「それにしても、妖魔一族と世界忍者を相手に戦わなきゃならないなんて、アイツもキツい運命だよなあ」
「彼はカンフーを甘く見ている。心配だな……」

第5話で初登場の、鎌状の二振りのやカンフーを使う麗破の同僚の国際秘密捜査官。
かつてアジア各地で幾つもの犯罪組織を撲滅させた実績を持っているが、そんな彼でも漢忍・緑龍が属していた香港の秘密組織のように潰しきれていない数々の組織があるらしい。
たびたび登場しては闘破とコンビを組むことが目立ったが、第24話ラストで麗が記憶を取り戻した後、新しい任務のため日本を去りそのままフェードアウトした*18。一応最終回の回想シーンに出てくる。
彼の忍者装束も紫色であるため、烈牙とどっちがどっちだか分からなかったという子ども達も多かったのではなかろうか。
なお、演者はかつて光戦隊小さな中国拳法の使い手も演じている。


城忍・フクロウ男爵 演:須藤正裕

「そんなに欲しけりゃくれてやろう。アイアム偽物などノーサンキュー!」
「私が必要な時にはいつでも呼んでくれ。ワールドの平和のためには、喜んで駆け付けよう」
「イエスタディはついクールさを欠いてしまった。ワンモアタイム、話を聞いてみようと思ってな」

金の仮面にイギリス国旗が施された甲冑が示すように、イギリス出身の世界忍者で十字軍の末裔。
敬虔なキリスト教徒であり、江戸時代の「隠れキリシタン」の歴史を知ったことから、その魂を弔うため、そしてパコの力を手に入れるために来日した。
見た目、喋り方ともにけったいな人物のように見えるが、パコを狙う目的は「飢えに苦しむ者のいない愛に満ちた世界を作る」であるため、決して悪い人物ではない。
の扱いにも長け、爆弾を仕込んだ十字架を持ちに騎乗して自在にを振るうなど世界忍者の中でも屈指の実力者。


他にも、見るからにヒャッハーな外見と裏腹にに敬虔なイスラム教徒の牢忍・ハブラム、
西部生まれの陽気なガンマン雷忍・ワイルド、祈祷師姿に見合わぬ刀マニアの異形忍・紅トカゲ、ベトナム戦争で活躍した爆忍・ロケットマンといったジライヤの協力者も登場。
また、アフリカの密猟忍者・獣忍マクンバ、封印された中世ヨーロッパの魔女・魔忍シルビア、海賊の末裔・水忍シルバーシャーク、「神に選ばれた私以外は宝石を持つに値しない」とトンデモ理論を駆使する占い師兼宝石泥棒の闇忍・デビルキャッツ、
火忍チャンカンフーの息子(正式名称)*19獣忍マクンバの兄(正式名称)」などなど、ジライヤ怒りの磁光真空剣の露と化した様々な悪の忍者もいる。
忍者って何だっけとか考えてはいけない。キン肉マンの超人みたいなものだ。

詳細は該当項目にて。



【他の忍者】

ヘンリー楽珍 演:鈴木正幸

「どうして私が元忍者だった事を!?」

山地家の知り合いの売れない占い師。ケイに好意を抱く。
演じるのは宇宙刑事シリーズの哀れな小次郎さんでお馴染み鈴木正幸氏。
扱いもほとんど小次郎さんレベルだが出番は少なめ。
終盤にかつて修行に耐えかね逃げ出した忍者であった事が判明。


スミス博士 演:スワミ・ボデイ・アクシヤラ

「私の夢はですね、忍法の中に科学技術を活かし、その忍法を通じて世界の平和を守る事です」

スターウォーズ計画(戦略防衛構想)に反対し哲山の手引きで日本に亡命してきている科学者。
ジライヤスーツを強化し、闘破にレーダー、ミサイル、二連装砲などを搭載した忍者カー黒星馬(ブラックセイバー)を与えた。
実は哲山の弟子の一人であり縄脱けの術を使う忍者。



【磁雷神】


「恐らく聖徳太子だ。何百年後に奈良の大仏が作られているから不思議ではない」

金剛山に封印されていた巨大ロボ。34話の終盤で初お目見えし、35話で本格的に起動する。
磁雷矢達の絶体絶命の危機に呼応するかのように地中から姿を現し、当初は棒立ちのまま動かなかったが、磁雷矢の心に感応し、彼と“合身”することによって遂に活動を開始。これまでジライヤ達が手も足も出なかった妖魔巨獣ゴーマを見事撃破した。
先端に回転する風車がついた風車槍と腰の日本刀が武器。
磁雷矢が「とうき!*20」という掛け声を発し、精神統一することによって一体化する。

聖徳太子が造った」というトンデモ設定、千両箱のようなランドセル(バックパック)、股間の部分に“磁雷神”と書かれているそのデザイン、しかも聖徳太子が造った割には鎧武者のような形状をしていたり(奈良時代ではないのだろうか?)、それでいてナレーションでは「それまでは巨大なハニワに過ぎなかった」云々と紹介されたり、玩具に付属している収納ケースが寝袋にしか見えなかったりなど今なお語り継がれるほどのネタ要素の塊であり、実は出番もそれほど多くないのだが、放送当時は非常に好評だった。

パコについて重要な秘密を隠し持つ。
それにしてもジライヤ世界の大仏は動くのだろうか?


【近年の活躍】

映画『スーパーヒーロー大戦Z』ではドンさんギャバンtypeGがどこからともなく取り出したメタルヒーローキーの力でゴーカイチェンジ。時間的事情でガレオンバスターを持つだけだったが、
忍者繋がりで『手裏剣戦隊ニンニンジャー』忍びの34にゲスト出演。
父から送られた言葉を後輩たちに送った。

「闘破、忍法とは心と体を鍛練し、正義を守るための武芸だ。
少しでも心に油断が、慢心があれば技を鈍らせる。それを忘れるなよ」

「いいか、忍法とは心と体を鍛練し、正義を守るための武芸だ。少しでも気持ちに油断や慢心があれば、技を鈍らせる。それを忘れないでほしい」



そして2019年12月、闘破役の筒井氏が戸隠流忍術の宗家を継承。
氏は哲山役の初見氏にこの番組での共演を縁として実際に弟子入りしており、ついにその後を継いで戸隠流35代目となったとのこと。
ファンからは「とうとう番組の枠を飛び超えて本当にジライヤになった」と評されているとか。


追記・修正は磁光真空剣をレーザー刀に変化させてからお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 19:32

*1 今作から基本的にサブタイトル・ラストの締めのナレーション・次回予告ナレーションのみとなったが、まれに序盤や中盤にナレーションが挿入されることもあった

*2 レコード大賞を受賞した中森明菜の「DESIRE」の作曲者。

*3 他はテレビ朝日・東映

*4 社名自体は「旭通信社」のままであった

*5 作中での描写を見る限り、武神館にもある程度は居住スペースがある模様

*6 当然、帰国した哲山にばれて怒られた

*7 大抵敵が倒される時は磁雷矢と至近距離である事が多い。ただし、例外として最終回など倒される際に爆発するこれまで通りのパターンもある

*8 声は長沢大が吹き替えている。

*9 とあるエピソードで、知り合いの女の子を訪ねて学習塾の教室に入っている場面があったが、彼もそこの塾生なのかどうかは明言されておらず不明

*10 ただし42話の回想で学が小さい頃にも襲撃し、その時に哲山の妻を殺害しているため、場所自体は把握していたようだ

*11 メタルダーでは16話で基地の位置がバレかかったため洞窟に移転したが、終盤の36話でそこもバレて破壊された

*12 カラス天狗がが仕掛けられた落とし穴に落ちるなど

*13 13・26・27・36話

*14 前年のメタルダーでは凱聖ドランガー等、前々年のスピルバンではデスゼロウ将軍と、主に敵の上級幹部の役だった。ちなみに、翌年のジバンでも敵首領役・ドクター・ギバを担当するが、ウインスペクター以降は出演していない

*15 22話では闘破がカラス天狗に変装して「(ジライヤを倒して)ジライバスターと磁光真空剣を手に入れた」と毒斎に報告した時は「ヤンス」の語尾はつかなかったが、正体を明かすまで毒斎は全く気付かなかった

*16 少なくとも設定的にはそれなりの人数がいるらしく、14話などでは、合成や映像編集をフル活用することにより何とかしていっぱいいるように表現するというセコさを見せつけた。

*17 6話の予告以降から。2〜5話の予告は大平透氏の「みんな、見てね!」だった。また、26・28・35・36・41・42・49の各話の予告には締めのコメントはなく、最終話である50話の予告の締めのコメントも地方局向けバージョンのみ。

*18 別れのシーンは特に描かれず、ナレーションで説明された

*19 声の出演は前作の主人公、メタルダーの声を担当した飯田道郎

*20 漢字だとどのように表記するのかは不明。