キングストロン(ウルトラ怪獣)

登録日:2016/06/18(土) 15:06:19
更新日:2023/06/26 Mon 15:03:49
所要時間:約 6 分で読めます





キングストロンは、ウルトラシリーズに登場した怪獣。
 別名は「マンション怪獣」

 この項目では、キングストロン誕生の基となった宇宙小怪獣クプクプ、両者が登場した『帰ってきたウルトラマン』の物語についても紹介する。

【概要:クプクプ】

身長:2m
体重:350kg
 信州に落下した隕石の中に潜んでいた、小型の宇宙怪獣。
 ちんまりしたかなり可愛らしい姿をしており、人間に危害を加える事もない大人しい性格であったが……。

【概要:キングストロン】

身長:60m
体重:1万5千t
 上記のクプクプの細胞を高田明夫少年が拾い、マンションの壁に貼り付けた事がきっかけで誕生した、いわばクプクプのクローン怪獣。
 「背中の頑丈な甲羅」「火炎放射を放つ大きな口」「尻尾からはレーザー光線」「背中に生えた長い角」など、彼が考えた設定通りの姿や能力を有している。
 名付け親も勿論明夫。

 その実力はウルトラマンをも大苦戦させるほどだが、実はたった1つ弱点があり……。

【登場作品】


【主な活躍】

◆帰ってきたウルトラマン

登場:第24話「戦慄!マンション怪獣誕生」
 今回の物語の中心人物、高田明夫は「ガラモン」と言うあだ名がつくほどの怪獣好きの少年。
 次郎少年を始め友達も多いが、父は船乗り、母は雑誌社の仕事と共働きで、いつも彼はマンションで1人留守番を強いられていた。
 おまけに家に友達を呼ぼうにも口うるさい管理人に怒られるからと断られ、彼は孤独な日々を過ごしていた。

 そんなある日、次郎から面白い誘いを聞いた明夫。
 怪獣攻撃隊 MATが発見した怪獣クプクプの「処分」が、近くで行われると言うのだ。
 上記の通りクプクプは無害な怪獣だが、その正体が分からない以上脅威である事には変わらなかったため、殺処分を実行する事になったのである。

 そして、子供たちが見守る中、哀れクプクプはMATのレーザーガンSP70により粉砕され、その破片も集められて焼却され、命を落としたのであった……。




 ……だがその時、砕け散ったクプクプの細胞片が明夫の元へと飛んできた。MATはその破片を見逃してしまう。
 それを拾った彼が、自宅のマンションにそれを貼り付けたところ、少しづつ細胞は壁の中へと同化していき、
 なんとクプクプそっくりの「絵」に変わったのである。

 それを見た明夫は、妄想を巡らせ始めた。
 レーザー光線をはじき返す鎧のような背中、大きな牙を生えた口――彼が思い描く姿と同じように、怪獣の絵は姿を変えていった。
 そしてその夜、怪獣の「絵」から唸り声のような音が響き、尻尾も光り始めた。


生きている……キングストロンは大怪獣になるんだ!


 翌日、明夫は友達に怪獣の自慢をしようとするも、口うるさい管理人に止められてしまう。
 不機嫌になった彼は、「キングストロンが大きくなれば、こんなマンションもすぐ壊してしまう」と呟いた。
 誰にも構ってもらえない寂しさ、マンションに閉じ込められる閉塞感、そしてそこから募る怒りを、「キングストロン」と言う存在に託そうとしていたのだ。

 そして、帰ってきた明夫の母親が見たものは、何者かによってボロボロにされた部屋だった。
 怒られた明夫少年は家から閉め出されてしまうも、そこにやって来たのはMATの郷隊員と岸田隊員。
 母親からの通報を受けて調査に乗り出していたのだ。

 明夫から全てを聞いた2人は急いで部屋に駆けつけ、クプクプの細胞が変化した存在――キングストロンを再びMATシュートで焼却処分しようとした。
 だが、パワーアップした怪獣にはそのような攻撃は効かず、逆にエネルギーを吸収。
 明夫が思い描いた何でもぶっ壊す巨大怪獣・キングストロンに変貌してしまったのである。

 崩れ落ちるマンションから住民たちを急いで避難させる中、
 郷隊員は明夫がキングストロンを追ってエレベーターに乗り、上の階を目指そうとしていたのを目撃。
 しかし、混乱の中エレベーターは途中で止まってしまう。
 キングストロンに助けを求める彼であったが、暴れまわる怪獣にその思いが届くはずはなかった。

 そこに駆けつけたのは郷隊員。
 閉じ込められていた明夫は彼の手によって救出され、MATの伊吹隊長の元へと運ばれた。
 だがその直後、キングストロンの大暴れでエレベーターのケーブルが切れ、郷隊員は真っ逆さまに落ちてしまう。

 絶体絶命の危機、しかし郷隊員は不死身の男であった。
 命の危機に瀕した時、彼の姿はの巨人・ウルトラマンに変身するのだ。



 投げ技などを使い、強力な力を持つキングストロンに立ち向かうウルトラマン。
 鋭い頭の角を何とか斬ることには成功したが、尻尾から放つレーザー光線の前に大苦戦。
 頼みの綱であったウルトラブレスレットも叩き落され、スペシウム光線まで「設定通り」頑丈な甲羅にはじき返されてしまった。

 絶体絶命の状態の中、明夫少年は意を決して叫んだ。
 キングストロンには「背中の角を後ろに向けられると動きが封じられる」と言う弱点がある、と。

 その声を聴いたウルトラマンは角の向きを変える事に成功。
 身動きが取れなくなった所に、拾いなおしたウルトラブレスレットを投げつけられたキングストロンは白骨化し、敗れ去った。

 そして明夫少年は、憑き物が取れたような満面の笑みを見せながら、無事帰還した郷隊員の名を呼ぶのであった……。


◆レッドマン

登場:第45話、第50話
 例の赤いあいつの番組。
 合計2話登場しているが、レッドマンと戦えたのは第45話のみ。
 第50話では先にステゴンとの戦いに敗れてしまい、レッドマンとステゴンが戦う傍に死体が転がる状態となってしまった。

 なお、第45話の戦いの最中に背中の角が後ろ向きにされてしまったが特に異常はなかった。
 どちらにしろレッドマンに倒されるのは変わらないのでさしたる問題ではないが


◆ウルトラゾーン

登場:第19話「怪獣ことわざ」

 ことわざコーナーにクプクプが登場。

笑う門にはクプクプ来たる


【余談】

  • 今回キングストロンを巨大化させる要因となったMATシュートだが、
    第5話でも謎の卵をただの「化石」だと判断しMATシュートで焼却処分しようとした結果、
    その中に潜んでいた怪獣ツインテールを孵化させてしまう不祥事を引き起こしている。

  • キングストロン誕生の要因についてもクプクプを殺処分し、しかもその現場に子供たちを入れたMATに責任の一端があるように見えるが、
    当時連載されていた内山まもる先生によるコミカライズではその部分が省略され、
    キングストロンの基になったのは宇宙から流れ着いた怪獣の細胞となっている。
    なお、世界観は違うが後の作品で似たような処分を行った結果、キングストロン以上の被害が起きた事例がある。

  • 今回の反省を生かしてか、MATが第26話で宇宙昆虫を処分する際には、周囲に人のいない屋外の訓練所を使用していた。
    残念ながらこちらも、処分に使用したスペースレーザーガンのエネルギーを吸収されて、昆虫怪獣ノコギリンを生み出す結果に終わってしまったが。
    • 続く「ウルトラマンA」にてTACはその反省を踏まえて宇宙空間でミサイルを使うも、結局超獣サボテンダーを復活させることになってしまった。

クプクプの細胞を自宅の壁に貼って思い思いの妄想を巡らせて理想の嫁を現実に作りたい人、追記・修正お願いします。

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最終更新:2023年06月26日 15:03