魔物娘図鑑

登録日:2016/06/16 Thu 01:42:32
更新日:2023/07/04 Tue 05:15:45
所要時間:約 32 分で読めます





クロスは力をためている…。


『魔物娘図鑑』とは、ラミアアラクネなど、最早もんむす界では定番となった種族や、
オークやサハギン等、西洋系ファンタジー作品に登場するモンスターは勿論、
大百足や刑部狸といった日本の妖怪、マミーやスフィンクスといったエジプト系モンスターはおろか、
アリスやいかれ帽子屋(マッドハッター)といった童話系キャラや、
ショゴスやウェンディゴといったクトゥルフ系モンスターすらも萌え擬人化したキャラクター群のことである。

※以下の記述はR-18コンテンツに関する記述です。周囲に気を付けながら閲覧してください


概要

魔物娘図鑑とは、健康クロス氏が2004年から運営するHP『クロビネガ』のメインコンテンツであり、
モンスター娘愛好家の間では聖地とも言えるサイトである。
(ただし本サイトの魔物娘は総じて人外度が低めで、よく言えばライト路線、悪い言い方をすると若干コスプレ寄り。
 尤もケモ成分多めなケット・シーやクーシー、単眼属性のサイクロプスやゲイザーなども存在しており、
 逆に言えばビギナーからヘビーユーザーまで網羅しているとも言え、そこら辺の匙加減は決して悪い塩梅ではない)
2007年頃からサイトや2ch半角二次元板の人外娘スレ*1に投稿され始めた幾つかのイラストを発端に
「エロ魔物娘図鑑」として纏められたのがスタートで、イラストの画風も最初期から現在にかけて*2大きく変化し続けている(時折、過去イラストが差し替えられることもある)。

一見ただの設定集だが、健康クロス氏の絵師としての技量が極めて高いということに加え、
『モンスター娘はエッチな事と人間が大好きであり、特に旦那となった人間の男性の事を強く好む』
という大前提があるのが特徴であり、そこから派生した『図鑑世界』という独特な世界観を築いている。

図鑑世界のコンセプトは、魔物娘による侵略や闇堕ちといった、
本来ならば暗くなる要素を「とにかくエロく、襲われた被害者も不幸にならないご都合主義的に」やってしまうことである。
身も蓋もない言い方になるが、ようは
「うるせぇ! 私とラブラブしてお前が旦那様になるんだよ!」で大体説明がつく。ようは愛ですよ、愛!

なお、コンテンツそのものが設定集というものであるため、
二次創作にも(商業含めて)寛容であり、pixivにも(絵師の国籍問わず)多くの絵師が投稿を行っている。
公式サイト上でも小説投稿が出来る為、自分のお気に入りのモンスター娘を見つけたら、まず二次創作してみよう。
海外でのファンも多く、二次創作を行うためだけにわざわざ日本語を勉強した人間すらもいる程である。

創作上のルールとして、
「アンデッド系の魔物化以外では死人を出してはならない」、
「不倫とかNTRとかは禁止(モンスター娘を複数囲うのに限りOK。この辺は後述)」
などの「最低限守って欲しいライン」が提示されている一方、それ以外はかなり自由度が高い。
公式サイトでも、普通に電車やスマホが登場する現代に限りなく近い世界観のSS、
エロ無しのSS、版権作品のパロディ、果てはご当地地元ネタなども割と見受けられる*3
「(ルールさえ守れば)魔物娘図鑑は自由だ! どう楽しんだっていい!
二次創作物の中には、SSを飛び越えて同人誌として販売されているものも多く、中には原作者の健康クロス氏が挿絵を担当したものまである。

この創作上のルールは当初は「公式サイトに於けるルール」であり、それ故に一時期存在したルールに反する創作を行っていた作者は、
多くがクロビネガHPから離れてハーメルンやPixivなどに活動拠点を移しているとの見方もある。
しかし、後に更にルールの一部が改訂されあらゆる場所・形態を問わずルールに反する創作の投稿が禁止された
これによりpixivその他の外部サイトに於いてもルールに違反した二次創作は認めないものとなった。
また、個人で利用する範囲であってもルールに違反した創作を有償依頼する事も禁止となった。
どうしてもというなら自分で創作し、どこにも見せず自分の中だけで楽しむように。

ちなみに、健康クロス氏は『もんむす・くえすと!』にも絵師の1人として参加しており、
メインヒロインであるアリスフィーズの原画を担当している。
(詳しくは後述するが、もんくえと魔物娘図鑑は世界観は勿論、コンテンツの方向性自体も大きく異なっている点に注意)


大まかな世界観設定

もともと、「魔物」という種族は、獣じみたものや異形のものなど、
いわゆる普通のモンスターと呼べるものばかりであり、人間と対立しそれを襲ってムシャムシャパクーと食らう、天敵とも言える存在であった。
唯一現在と外見がほとんど変わっていないサキュバスも、当時は男性の精を吸い尽くして殺す存在であった。

しかし人間に対して好意的な一匹のサキュバスが勇者と共に、幾つかの偶然と「必然」を味方に付けて前魔王を打倒し、
新たな魔王の座に就いた事で、すべての魔物達はその影響を受け、人間に対して好意的であり、かつ人間の女性に近い姿となった*4
ちなみに性的な意味で男をおいしくいただいちゃって旦那様を得る押せ押せ系女子はもちろん、
「身体の構造上どうしても旦那様を体内に呑みこむ必要がある(=傍目には食べられたようにしか見えない)種族」もいる。

以上が『図鑑世界』のあらましである。

  • 魔物の生態
魔物娘は(ロリやぽっちゃりなのかは種族によって異なるが)美しい容姿をしており、いくら年をとっても容姿が衰えることはない。
ただし「不死の魔物」が明確に区別されている事、寿命がどうのこうのと言った話自体はあることから、(不老ではあっても)全ての種族が不死ではない。
他方、生と死を司る女神「デス」が魔物寄りであるため、「死者の魂を呼び戻す」ないし「不死の身体を得る」事は自体はけっこう容易
しかもデスとその信徒によって作られる不死の薬のレア度は三段階評価で最低である上、その信徒が積極的にバラまいている。

人間の精、特に彼女たちが夫に選んだ男性の精が大好物であり栄養源。つまり、セッ○スそのものが食事と趣味嗜好を兼ねている。
そのため、ぶっかけるならまだしも、ゴムを使ったりするのは食事を皿ごと捨てるも同然であり、かなり嫌がる。
なお、「精」は物質化させたり「物質化した精」での栄養補給もできるが、概して「不味い」という感想となる。
夫からの直搾りが一番という事である。

後述する世界のルールの名残で、魔物の出生率は非常に低い。毎日二桁回交わっているのに数十年に渡って子供ができない夫婦も多いという。
故に魔物にとって子供を産む事は最大の夢であり、特に希少な亜種を誕生させた場合は大いに喜ぶとされる。
この為、魔物間では時代設定の割に生殖のメカニズムはかなり研究が進んでいるという(メタ的には精子卵子云々といった淫語を使わせるためという事情から)。
「よく似た動物は卵生で殖える」魔物娘は基本的に卵生だが、胎生の魔物同様に暫くの間孕んでいる期間がある。
そのためハーピー系統やマーメイド系統でも実質妊娠を経て子供を産む。

  • 魔物の性嗜好
魔物は一切の例外無く、夫となる男性のみを愛する。魔物相手に不倫や寝取りは決して不可能である
催眠等々で他人を夫と認識させる事も不可能。逆に夫を他人と誤認させても夫相手の禁断の愛ごっこになるだけである。
夫にも同様の事が言え、泥棒猫行為も不可能である。

夫による寝取らせも不可能。魔物嫁の身体は夫に最適化されて行く性質上、夫は嫁を他人に使わせてやろうなどと思う事は決して無いため。
この性質上、一匹の魔物に二人以上の男が惚れた場合、どちらか一方は確実にフられてしまう事になる。
しかしそこは図鑑世界、フられる男性を専門に狩る魔物も存在し、そういった男性はそれに回収される事になる。

一方、男による重婚・ハーレム化は可能。
魔物としては夫を独り占めしたいのが本音であり、特定の魔物に「マーキング」された男には他の魔物は手を出さない傾向はある。
しかし魔物が気に入った男に本気で惚れてしまった場合のどうしようもなさにも理解はあるため、ハーレムが構築される事もある。
ただ、魔物は尽く人間を遙かに上回る程の精力絶倫であり、通常一匹ですら持て余すような存在である。
その為、ハーレムを構築できるのはそれこそハーレム主人公の様な「素質」の持ち主か、それに準じる並外れた努力が求められるとされる。

魔物は人間のことが大好きであり、また人間基準の美醜、要するにイケメンかブサメンかは魔物にとってはどうでも良い事である。
では生態に直結している「アソコ」の大きさならどうかと言えば、逞しい男なら格好いい♡、小さいならかわいい♡
テクニックに優れているなら格好いい♡、そうでないなら鍛えてあげる♡……といった具合であり、
やはりどう転んでも悪い印象にはならない。
内面の美醜で言えば、山賊程度であればやはり気にせず、夫にしてそのまま改心させる。
魔物が嫌う人間とは快楽殺人鬼の様な本当にどうしようもない残虐非道な者のみである。

魔物は概して肉食系女子だが、個体差もあるので全てがそうとは限らない。
気に入った男を搾りまくるのが好みの個体もいれば、わざと奴隷として捕まりハードプレイしてもらうのを狙う被虐思考の強めな個体もいる。

  • 人間の扱い
魔物が人間を殺傷することは例外を除いて無い。
魔物にとって人間は最大の友であり、唯一の食料であり、将来的な仲間であり、むざむざそれを減らす事は無いためである。
人間と戦うことになっても、魔界銀という特殊な素材の武器を使って怪我をさせないようにしたり、もしくは手加減をしている。
この魔界銀、斬ったり刺したりしても身体をすり抜け一切怪我を負わせず気絶させ(しかも当たり前のように性的なダメージも与える)、
しばらくすると毒が回ってきて魔物化を促すという凄まじいもの。

例外というのは、自衛の為と、夫を守る為の時のみ。
「膂力に優れた種族」は存在するが、基本的にその怪力は日用作業(SSの背景によってはお仕事とかでも)で活躍する。

一部の魔物は人間の女性を同族や眷属にする事も可能であり、魔物娘達はそれを善行だと思っている。
女性の魔物化、アニヲタ的に言うと闇堕ちにあたる要素であろう(表現やニュアンスの問題からか、魔物娘化は『堕落』という言葉が使われることが多い)。
魔物化の方法は、魔力を流し込む(つまり百合プレイ)というストレートな方法から、寄生(ローパー、マタンゴ、寄生スライム)、魔物化アイテムの横流し(刑部狸)、溶解(ダークスライム)、蘇生(ゾンビ)、性転換(アルプ)など、結構マニアックなものもある。
魔物化した女性は皆幸せになることが確約されており*5、公式書籍『堕落の乙女達』では、魔物化した7人の女性のいきさつが描かれているが、愛する男性(読者)と幸せにやっている。
集落や国家規模でコロニー化しかねないマタンゴなど割と記述が物騒なものもあるが(特に初期の面子が顕著)、
先述したようにこれでも魔王が代替わりした事により大分危険度がマイルドになった世界観という事は念頭に置くべきであろう。
一応、ラインナップを重ねるごとに魔物娘の記述もよりマイルドになっている側面はあり、アリス(不思議の国での欠点改善)やマッドハッター(マタンゴに知性付加)など、魔物娘側もそういった云々については改善の努力をしているとも解釈できる。

初期に比べて「図鑑世界」の概要が固まっていく中、図鑑の紹介文も新規の魔物娘になるにつれて分量が充実したものになる傾向がある。
特に書籍版の図鑑ではWEB掲載版から大幅加筆されているものも。

  • インキュバス
魔物娘と長く交わった人間の男性はインキュバスとなる。
種族的には人間ではあるものの、伴侶たちと同じく長生きで、容姿が衰えることも無くなり、身体は頑丈となり、性欲盛んで絶倫になる。
また多少の病気やケガ等々も治療され、元々老人であっても若返る。
魔物娘によっては単なるインキュバス化に留まらない特性付加もあり、特に「混沌の魔物」のカテゴリはそれが顕著。

この発端になった魔王は、今もなお魔界の最深部で最強のインキュバスとなった元勇者と子作りに励んでいる。
この魔王の娘が最強の魔物娘リリムである。

  • 図鑑の挿絵について
図鑑に掲載されている魔物娘のイラストは(詳しくは後述するが)魔物学者とその相方のリャナンシーが出会って書き記した「一個体」のものである。
一種の魔物娘に限っても当然人間のように個人差があり、容姿も様々に分かれる。
また別種として記載するほどでない亜種も多数存在する(例を挙げればジャージー牛・ガーンジー牛相当のホルスタウロスなど)。

  • 世界のシステムについて
旧魔王時代の魔物相手や人間同士の争いで男性が比較的落命し易かった頃の名残りで、
現魔王のシステムに移行後も図鑑世界に生まれる人間の男女比は自然摂理で男>女となっている。
結果、魔物が魔物娘になり、自然災害を起こしていた神がストライキを起こしたことで人間の間では凄まじい男余りが発生、
あぶれた男を狙って魔物娘がゲットする、という傾向になっている模様。
こういった事情や近世以前の世界観設定もあり、大部分の男性は魔物とは全く無縁の生涯を過ごす。

図鑑世界の外界(所謂「異世界」。現実世界と繋がった場合なども含む)の存在(非生物含む)が流入してきた場合も、当然の事ながら現魔王のルールの影響を受ける。
というよりもむしろ、図鑑世界の魔力を有していない=魔物の魔力に抵抗する主神系の魔力を持ってないため、図鑑世界原住の存在よりも強く魔物化の影響を受けてしまうらしい。

現状は世界を支配する主神のシステムにより、魔物娘の妊娠率は異常に低くなってしまっている。
その上魔物娘からは魔物娘しか生まれず、「人間と魔物娘のハーフ」や「オスの魔物」は存在することができない。したがって、このまま放置すれば良くて人類という種がインキュバスに上書きされ、悪ければ人間・魔物娘共に緩やかに滅んでいく可能性が高い。
だがリリムや魔物娘の夫婦が増えることで世界の魔界化が進めば、そのような理不尽すらも打ち破れる日が来る…かもしれない*6
最終的にルールが完全に書き換わり「男性の魔物」が生まれるようになったら、「今度は寿命の長さもあって人口増加による資源不足で滅ぶのではないか」という疑問が寄せられた事もあるが、
高位の魔物は「不思議の国」のような異空間を割とホイホイ作り出せるため、資源と空間についての心配は無用とのこと。



より細かな設定に関しては、健康クロス氏の著作に詳しい。
いずれも同人誌としてメロンブックスやとらのあな等に流通しており、
近場に店舗がなくても通販で購入可能なのでそそられるものがあれば是非とも手を出してみよう。
同人誌という事もあって、一度売り切れになってしまったら多少入手のハードルは高くなってしまうものの、
新刊の発売に併せて定期的に再販もされているため、手に入れたい人は健康クロス氏の発信する情報を要チェック。


魔物娘図鑑の関連作品

ここで紹介するものは主にクロビネガより「公式」とアナウンスの入っている作品に留め、
健康クロス氏の監修の入っていない二次創作に相当するものは基本的に記載しない。

  • 魔物娘図鑑 I -Monster Girl Encyclopedia-(サークル:クロビネガ)
2010年12月31日刊行。コミックマーケット79にて頒布。
記念すべき「クロビネガ」による初の公式同人誌にして、図鑑ナンバー001から100までの魔物娘を掲載している。
WEB掲載版と異なりモノクロでの収録だが、その分文章は大幅に加筆されているものも多く、挿絵として新規カットも多い。
その他、図鑑世界の根底を成す世界観、魔物、主神についての記載もあり、図鑑世界をより知るためには必需アイテムと言っても過言でないだろう。

2016年10月25日には、米国の海外の出版社「Seven Seas Entertainment」より
英語版『Monster Girl Encyclopedia Vol.I』が販売。
日本版と異なり全頁フルカラー&ハードカバー、さらに一部初期の魔物娘のイラストも新規に差し替えられた豪華仕様となっており、
Amazonを利用すれば日本からでも注文することが可能。

  • 魔物娘図鑑 II -Monster Girl Encyclopedia II-(サークル:クロビネガ)
2016年8月14日刊行。コミックマーケット90にて頒布。
およそ5年半ぶりに刊行された『魔物娘図鑑』第2巻。図鑑ナンバー101から200までの魔物娘を掲載。
挿絵の新規カットはやや減ったが、その代わり1巻とは異なり念願の前頁カラー収録が叶った。

2017年9月26日には1巻同様の仕様で英語版『Monster Girl Encyclopedia Vol.II』が発売。

  • 魔物娘図鑑ワールドガイドI 堕落の乙女達(サークル:クロビネガ)
2011年8月14日刊行。コミックマーケット80にて頒布。
初のワールドガイド作品で、かつての宗教国家にして現・魔界国家である「レスカティエ教国」を舞台に、
「図鑑世界」というシェアワールドのコンセプトを解説するのが主目的とも言える一冊。
内容のボリュームもさながら、一見するとネガティブな見解を抱きがちな「堕落」に対する図鑑世界なりのアンサーも示されているため、
もし魔物娘図鑑の二次創作をやろうと考えているのであれば、可能であれば本書に目を通した方が良いだろう。

  • 魔物娘図鑑ワールドガイドII 魔界自然紀行(サークル:クロビネガ)
2012年8月12日刊行。コミックマーケット82にて頒布。
ワールドガイド2巻。魔界国家ポローヴェを舞台に、図鑑世界に存在する精霊やアイテムの紹介をしており、
1巻と比べて図鑑世界の「世界そのものの構成」の解説に比重が置かれている一冊。

  • 魔物娘図鑑ワールドガイドIII サバトグリモワール(サークル:クロビネガ)
2018年8月12日刊行。コミックマーケット94にて頒布。
実に6年ぶりのワールドガイドの新作で、魔物勢力におけるロリっ娘達の巣窟「サバト」を中心に、
図鑑世界の構成の根幹を成す「魔法」周りの設定に焦点を当てた内容となっている一冊。
当初の頒布予定より一年以上、延期に延期を重ねて発売されただけあって、ボリュームは前2作に比べて格段とパワーアップしている。

  • 魔物娘図鑑ワールドガイド外伝I ドラゴニア(サークル:ウィルサーガ)
2016年8月14日刊行。コミックマーケット90にて頒布。
クロビネガによる監修並びにアイデアとイラストの提供がなされた、健康クロス氏と親交のある外部サークルによる公式作品。
竜と人間が共存する竜皇国ドラゴニアを舞台に、ドラゴンを始めとする爬虫類系の魔物娘達の営みの紹介がされている。

  • 魔物娘図鑑ワールドガイド外伝II サルバリシオン ~レスカティエの魔界騎士たち~(サークル:クロビネガ+ウィルサーガ)
2017年12月31日刊行。コミックマーケット93にて頒布。
クロビネガとウィルサーガの合体サークル名義で刊行されたワールドガイド外伝2巻。
ワールドガイド1巻で紹介された「魔界都市レスカティエ」を再び舞台に、長らくファン間で推測の的となっていたレスカティエの実情を、
国で生きる乙女達を主役に、その過去と現在をピックアップすることで紹介した、ある意味WG1巻の補完本。

  • 魔物娘図鑑ワールドガイド外伝III 水の都コートアルフ~水の都の歌姫たち~(サークル:クロビネガ+ウィルサーガ)
2019年8月11日刊行。コミックマーケット96にて頒布。
ワールドガイド外伝第3巻。外伝2巻に続きクロビネガとウィルサーガの共著名義。
7つの島々からなる海上都市「コートアルフ」に焦点を当てており、
レスカティエやドラゴニアとは異なる国家の特色から、図鑑世界のまた違った一面を窺い知れる内容となっている。
当初はワールドガイド3巻と共に2018年夏のコミックマーケット94にて頒布予定だったが、
現状では文章量に比べて満足な量の挿絵を提供できない」という著者の判断で、C94目前にして急遽頒布中止が決定し、
クオリティアップのためおよそ一年後のコミックマーケット96に販売延期となった経緯がある。

  • 堕落乙女異聞―堕ちたる勇者と真実の魔剣―(サークル:エクセルガ)
2016年8月14日発売、コミックマーケット90にて頒布(パッケージ版のデータ)。
現在はDLsite.comなどのダウンロード販売サイトで配信されている。
魔物娘図鑑初の公式ゲーム作品で、こちらも健康クロス氏が監修・イラスト提供を務めた公式作品。
所謂ドットアニメーションによるR-18ゲームであり、魔界都市レスカティエを舞台に教国時代の最後の女勇者・エリスティアが
国を魔物から解放せんとする任務の中で、多種多様な魔物化の運命を追体験するという趣旨の作品。

2018年2月1日には同サークルより続編作品『堕落乙女異聞II―レスカティエ潜入記録―』が配信開始された。
ただし前作と異なり、健康クロス氏はイラスト提供という形で関わってはいるものの監修からは外れており、
製作者のexet-Mos氏からも公式作品ではなく二次創作であるという旨のアナウンスがなされている。

  • 魔物娘図鑑:調査記録 サキュバス・ノート(サークル:クロビネガ)
  • 魔物娘図鑑わーるどがいど外伝1.5 ウィルマリナ新婚旅行記 ドラゴニア編(サークル:ウィルサーガ)
2017年夏のコミックマーケット92で頒布予定だった『魔物娘図鑑ワールドガイドIII サバトグリモワール』が
クオリティアップを理由に発売延期となったため、その穴埋めとして頒布された小冊子セット。
前者は図鑑世界における「サキュバス」と種族をフィーチャーしたデータブック、
後者はワールドガイド外伝1巻の延長線上的なちょっとしたアイテム紹介、といった内容。
地味にWG外伝3巻で紹介されたコートアルフの名前がチラッと書かれてたりと、後々の伏線とも取れる内容も。
通販サイトでの取り扱いは無いが、2017年10月14日に配信された
クロビネガの同人誌『魔物娘図鑑被害報告 チェシャ猫のおいでませ不思議の国』のDL版に併録される形で電子書籍が販売された。


主な魔物娘


魔物娘図鑑の魔物娘一覧の項目を参照。


世界観


本家では図鑑世界(中世)と呼ばれている。大体の人間の国家は主神教を崇めているようだ。

  • レスカティエ
図鑑世界のベースになる中世文化圏に位置する宗教国家で、本作世界観のモデルケース。
主神教陣営においてNo2の勢力を持ち多くの勇者を輩出している強国。よくあるファンタジー的な舞台。
しかし上記の『堕落の乙女達』やゲーム『堕落乙女異聞』によるとたった一人のリリムに滅ぼされ今では魔界の一部なのだとか。
同作品によれば華やかなのは表向きで、裏では市民からの搾取、勇者個人の意思を無視した極端な戦力扱いを強いていたりと
深刻な腐敗の様相を見せており、国を守るべき勇者の大半の心が旧レスカティエから離れていたことが陥落の一因であった模様。
大々的な魔物に対する討伐作戦も遂行されながら、当の勇者内には魔物を殺める事に疑問を持った者も出始めており、
魔界化されなければディストピア、最悪内乱状態に陥っていた可能性が高い*7
『サルバリシオン』ではレスカティエ国内の城塞都市サルバリシオンを中心に更なる国の実情についての記述が割かれており、
それによれば魔界化以前の腐敗の度合いはおおよその読者が想像していた以上に深刻だった事が示されている。

後述するコートアルフが、書籍の解説の中で所謂本当の意味で悪人と呼べる人物がほぼ皆無だったというギャップもあり、
腐敗描写もあって色々言われがちではあるが、健康クロス氏曰く実のところ旧レスカティエの人間達も悪人という訳では無く、
やらかした人達は基本善人であっても、人間ならやりかねない間違いをしてしまったケースが多かった故と声明を出している。

  • ポローヴェ
『魔界自然紀行』で紹介されている魔界国家で、「明緑魔界」に属する。
レスカティエ同様に人間の国家が魔界と化した地で、かつては国全体が荒廃したスラム同然となっており、
新生児の死亡率も極めて高いという酷い有様の土地であった。
魔界学者サプリエート・スピリカが、かつて人間だった頃に精霊使いとなって土地の立て直しを図ったが失敗、
更に主神教団からの支援を無情にも断られてしまった事で、ダークマター化した彼女が国を魔界化することで救済する決断に繋がった*8
現在は酷く淫猥ながらも豊かな自然と魔力が広がる、精霊学・自然学のメッカとでも言える地にまで発展した模様。

  • ジパング
図鑑世界における日本。史実で言えば概ね安土桃山~江戸末期といったところか。
レスカティエなどと違い魔物娘との交流の歴史が深く、いち早く共存社会を築き上げた。
そういった事情からジパングの魔物は(一部除き)基本おとなしく、独自の進化を遂げている。
また、ジパング近海では海棲の魔物娘達が「竜宮城」を築き独自のコミュニティーを発展させている。
「日本人に見つかった結果」は図鑑世界でも健在である。
とはいえ教団と似通った思想を有する「退魔師」の勢力や、男尊女卑を思わせる封建制があることが示唆されたりと
まだまだ乗り越えていくべき問題は少なからず抱えている模様。

  • 霧の大陸
図鑑世界における中国。
こっちの世界のPM2.5は魔力たっぷり&実際の中国以上に濃い霧として浮遊している状態であり、
吸い込めばもちろんエロ方向に大変な事になる。
火鼠やレンシュンマオ(パンダの形質を持った獣人系魔物娘)、キョンシーなど、霧の大陸固有の魔物娘も存在する。
現状、人間と魔物が平等に文化を築いている明緑魔界「四神国」、魔物主導で徹底的に淫猥な暗黒魔界「四凶国」、
人間主導で他国への積極的な侵攻を仕掛けている「四霊国」の三国に分かれて睨み合う、実質三国時代の様相である模様。
SSの舞台にするなら驚き声を「げえっ!」にしたりしてもいいかもしれない。
尤もいずれの国家も強大な力を持った魔物を神として崇め、魔物と人間の関係は(方向性の差異あれど)共存の方針である。

  • 砂漠地帯
文字通り何人かの「ファラオ」(図鑑世界では強大な魔力とカリスマを持つアンデッドの支配者)によって統治されている広大な砂漠。
砂漠とはいっても固有種の魔物たちが人間の男性とイロイロ出来るように水と緑溢れるオアシスや日光を防げる洞窟&遺跡が完璧に整備されている模様。
ここで築かれる魔界は、統治者であるファラオが健在であったり、または宿敵「アポピス」によって堕落させられたりで方向性が変動する。
また魔王の代替わり前にファラオが滅ぼされた跡には、その残滓から産まれたとされる「ケプリ」達がコロニーを作り、
伴侶とした男性を新たな指導者として祭り上げるという。

  • ドラゴニア
『魔物娘図鑑ワールドガイド外伝I ドラゴニア』で紹介される、竜の楽園。
旧魔王時代は「ドラゲイ」という名の軍事国家で、世界最大規模の竜騎士団を抱え、対魔物国家でありながら教団の影響からも独立した国家だった。
その華々しい様相の裏側では貴族階級が下層の市民たちを搾取の対象とし、かつドラゴンを酷使の末に使い潰すというディストピアだったが、
一人の青年が立ち上がった事により、人間とのドラゴンの間に本当の絆が産まれる切っ掛けに繋がり、ドラゲイは瓦解。
後に当代の魔王へと代替わりした事で、紆余曲折を経てドラゴンの女王「デオノーラ」が統治する現在の国家となった。
(このため、魔物娘世界でも比較的珍しい「現魔王の即位前に人と魔物が和解を果たした国家」でもある)
現在はドラゴンを筆頭にワイバーン、ワーム等といったドラゴン族の魔物娘(+リザードマン系)と人間の共存の地を築いている。

ちなみにドラゴニア領内で人間その他の存在が魔物化すると、他種の魔物娘でも竜系統の意匠が付与される事が多いらしく、
うぃる氏のTwitterでは「ドラゴンテンタクル」「クイーンスライム(ドラver)」のイラストが掲載されている。

  • コートアルフ
『魔物娘図鑑ワールドガイド外伝III 水の都コートアルフ~水の都の歌姫たち~』で紹介される水の都。
アスラミス海域に存在する7つの島々「アル・マール」「マトリ」「ネーヴィア」「サイーダ」「ミラ」「デ・リューア」「クイン・ディアナ」で構成されている。
旧魔王時代はそれぞれの島が抱える事情により、ある島は他の島に侵略戦争を仕掛け、ある島は内部に大きな問題を抱えるなど
危うい均衡によって保たれた極めて暗澹とした情勢が魔王の代替わり以降も続き、ある時遂にそれが破られ、全ての島々を巻き込んだ大戦が勃発。
終末戦争かと思われた矢先、一人の人魚姫の歌った涙の歌によって七つの海と人々の心は一つに束ねられ、戦乱は終結。
現在はそれぞれの「歌」を授けられた7人の歌姫によって支えられる、人と魔が手を取りあい暮らす海上都市が築かれる事となった。
アル・マールを筆頭に、いずれの島々も旧時代に抱えていた内憂外患を乗り越えた先に現在の楽園を創り上げた歴史があり、
そういった経緯から国家によっては暗黒魔界でありながら主神教団とも決して悪いものとは言い難い繋がりを持っていたりと、
レスカティエやドラゴニアなどと比べてもかなり独自色の強い国家となっている。

  • 妖精の国
フェアリー系魔物が住む異世界。人間の住む世界とは違う次元に複数存在している。
伝承では「幸せに包まれた世界」とされており、仮に悪意を持って入り込んできた人間であってもティターニアの祈りによって悪意を消され、
気付けば悩みも苦しみもなく永遠に妖精さん達と遊んでしまうのだという。
キノコや樹木で作られた可愛らしい妖精達の家が立ち並び、幻想的な風景の広がるメルヘンチックな世界で、
遊びが大好きなフェアリー達が満足するよう、楽しい玩具や甘いお菓子があちこちにぶちまけられている。
統治者であるティターニアはこの世界を「もっと楽しいところにする」ことに心を砕いており、
その手段として「えっちなおあそび」を教えてくれる魔物娘を積極的に受け入れて、魔界化がガンガン進行している。

  • 万魔殿(パンデモニウム)
魔物娘の中でも異端の存在、「堕落神」が治める世界。
世界全体の時間が止まっており、ダークプリーストちゃんやダークエンジェルちゃんと未来永劫の時を交わり続けることができる。

  • 不思議の国
童話系の魔物娘*9とロリサキュバスの楽園。
魔王の三女『リリム』にしてサキュバス突然変異種『アリス』でもある気まぐれな「ハートの女王」により常にエロハプニングが起き続けている狂った世界。
住人達はエロハプニングの数々に慣れ親しむを通り越して転移トラップを交通機関替わりにする等して生活に役立ててすらいる。
アリス族はここに入ると「常に性行為をしている」と認識され、ナニをしても記憶は消えない。
また、ハートの女王に会いさえすれば、不思議の国から帰ってきた後も記憶は残る。

固有の魔物娘は、普通のワーキャットやマタンゴなどがハートの女王の魔力で変質したもので占められており、
不思議の国に足を踏み入れた結果、魔力の影響で変化してしまう魔物娘(例:人虎⇒チェシャ猫ならぬチェシャタイガー)も多い。

  • 主神教団
図鑑世界における最大の宗教……という名のやられ役集団。
基本的に組織は腐敗しており、レスカティエや二次創作では不自然なまでに性行為をタブー視する戒律があったり、
末端の連中が民衆を虐げてたりするのがお約束。
魔物の性質は認識してこそいる物の、その淫靡さへの忌避感と魔物は魔物しか生まない=人間が減るという危機感から、
民衆には旧来の性質をそのまま喧伝している。
図鑑世界ではまともな神経の持ち主からあの手この手で魔物に掻っ攫われていき、
性質の悪い者も性的なお仕置きを受けたうえで結局掻っ攫われていくので、もう存在自体が詰んでる組織。
終いには「愛の女神エロース」「海の女神ポセイドン*10」など明確に魔物娘の味方をしたり、中立だったりする神が存在しているという始末。

ちなみに構成員の多くは、教義の通りに人間として立派な生き方をしている神父や、
正義感を持つ聖騎士、慈愛の心を持ったシスター等である(旧レスカティエのように腐敗の度合いが酷い場所もあるが)。
要は普通に善人も悪人も居る組織であり、全員が全員モズグス様のような狂信者と言うわけではないことは注意されたい。
とは言えだからこそ一部の腐敗した上層部が良いように教徒を操れてしまっている部分もあるので痛し痒しである。

腐敗した巨大宗教組織、「性行為を過剰に忌避しているせいで正しい知識が一般に浸透せず、
それが故に存続の危機を含む様々な問題を抱えている」という点から、
もしかしたらモチーフは中世キリスト教社会や現代日本(の負の部分)なのかもしれない。

なお主神そのものについてはあまり設定が明かされておらず、
「魔王同様代替わりがあり、先代から継いだばかりの比較的新人」「おそらく女神である」以上のことは分かっていない。
現魔王の即位時に裏切った勇者を粛清しようとするも返り討ちに遭い、
現在は未だ傷の癒えぬまま勇者や教団に助力したり、部下の天使達を使って魔王討伐を試みている模様。
ただあまりアテにならない存在であることは知れ渡っているため、一部のファンは嘲りと少しの憐れみを込めて「主神ちゃん」と呼ぶ(※呼びません)。

健康クロス氏は公式ask.fmで「教団が勝つにはどうすればいいのですか?」という質問に「勝てません。」と答えている。

そんな主神教団であるが、『コートアルフ』においては国家にも差異があるものの、教団の兵士が魔物とある程度親睦を持っていたり、魔物の信者もいたりするという意外な一面が判明。
特にデ・リューアの歌娘の視点から見た教団の教義に対する解釈は、図鑑ファンなら一見の価値があるだろう。

  • 現代
SS検索の世界観ソートにのみ存在する世界観。

文字通り現代日本がベースとなっているSSが該当する。
「図鑑世界の遥か未来」なのか「魔物娘のいる現代社会」なのか「図鑑世界から見ての異世界」なのかは作品によりけり。
前者の場合は「魔物娘のAV」「"そういう前提の"結婚相談サービスや出会い系サイト」「魔物娘が経営・勤務する会社」などといった、
人間と魔物娘が共存しているからこそのアイテムや設定が登場することも多い。
またクロス氏により、現代文明の産物が図鑑世界に「異世界からの漂流物」としてやってくる事がある可能性が示唆されている。
なお、上記の通りそういったものは主神の魔力を持たないため、魔物の魔力の影響をより受けやすい性質を持つ。


有名人物


  • とある放浪の魔物学者
名前の通り、図鑑世界の各地を放浪しながら魔物の研究を続けている一匹狼の学者であり、
クロビネガの書籍『魔物娘図鑑』1・2巻、『堕落の乙女達』は彼が記した資料という設定。
(『魔界自然紀行』はスピリカの著作を監修、『ドラゴニア』『サルバリシオン』は下記の彼の弟子が執筆。
 『サバトグリモワール』は直接関わっていないが、著者のルーニャ・ルーニャに大きな影響を与えている)
図鑑世界の根底を成す各魔物娘のテキストは彼が旅を続ける中で記したものであり、
ある意味では『魔物娘図鑑』というコンテンツの語り部、健康クロス氏の分身とでも言うべき存在。

主神教団の勢力下からレスカティエ、ポローヴェにジパングと、
図鑑世界の様々な地を渡りながら魔物娘やそれらに纏わる様々な物事を研究し続けており、
彼女達やその伴侶からインタビューして得た、教団の偏見を排した嘘偽りない「真実」を記すモットーを貫きながらも、
その一方で魔物娘に襲われた時の対処法や危険性についても明確に触れたりと
人間・魔物娘双方にとって公平な立場を取り続ける、良くも悪くもジャーナリスト気質な人物であることが伺える。
それ故、主神教団からは指名手配されており、追っ手から逃れながら旅を続けている模様。

ちなみに旅の道連れとして絵描きのリャナンシーを助手として連れており、
道中未婚の魔物娘に襲われてお婿さんENDとならなかったのは彼女が睨みを効かせていたからであるらしい。
(魔物娘図鑑の魔物のイラスト、並びにクロビネガ各同人書籍の挿絵は彼女が書いたという設定)
魔物学者が彼女と「どういう関係」にまで至っているのかは今のところ不明瞭。

  • とある見習い魔物学者
上記「とある放浪の魔界学者」の弟子。彼の事は「先生」と呼ぶ。
『ドラゴニア』『サルバリシオン』といった外伝作品の執筆者という設定の存在。
(『コートアルフ』は国で配布されてるパンフレットという形式のため、執筆にはノータッチ)
放浪の魔界学者を深く敬愛……を通り越して明らかに恋慕している。
具体的には、「放浪の魔物学者に宛てたメッセージの中で頻繁にハートマークが出て来る」、
「手紙の最後に貴方を捕まえてみせます♥と書き残す」と言えばわかりやすいか。
現在は放浪の魔物学者と再会すべく、その足跡を追う形で世界を旅しており、また放浪の魔物学者とは手紙のやりとりは行っている様である。
なお性別は不明。少なくとも一人称は「僕」である。
手紙の語り口からして女性かと思いきや、『サルバリシオン』ではアルプ化した元男性の魔界軍師エバと意気投合している*11

そして、『コートアルフ』後書きにおいてとうとう旅の中でサキュバスであることが明示された
地の文では「ボーイッシュなサキュバス」と書かれており、男性からアルプ化したのか元々そうだったのか議論の対象となっていたが、
後に公式チャットにてうぃる氏によりアルプ化した元男性である事が確定した。
ちなみにサキュバス化した後も書物の執筆は続けていくようで、コートアルフ滞在中にも色々書いていたとはうぃる氏の談。

  • ウィルマリナ・ノースクリム
『魔物娘図鑑ワールドガイドI 堕落の乙女達』並びに『魔物娘図鑑ワールドガイド外伝II サルバリシオン』で紹介。
ゲーム『堕落乙女異聞』にも登場している。
多くの勇者を輩出してきた名家に生まれ、類まれなる才能で若干17歳でレスカティエ教国最強の勇者を務めていた少女。
幼い頃から使用人の息子である幼馴染の少年に想いを寄せていたが、所謂お約束的な「身分の違い問題」により引き離れてしまったという過去を持つ。
それ以来その感情に蓋をするように勇者として自分を律してきたが、幼馴染が聖騎士団の兵士として入隊して来た事で再会する。
しかし周囲の都合どころか、長年被ってきた「勇者としての体面」に支配され、
幼馴染として再会を喜ぶ事が出来なくなっていた自分に愕然とし、そんな最中デルエラに襲われ敗北。
精神的に不安定になっていたところに付け込まれ、サキュバスへと変えられてしまった。
そしてデルエラの指導で己の想いに素直になった彼女は幼馴染に強襲を仕掛け告白、なんやかんやでレスカティエは陥落したのであった。

その後は魔界と化したレスカティエで夫となった幼馴染や「同志たち」と魔界勇者として時折敵を撃退しながら爛れた生活を送っているが、
長年抑圧していた恋心の反動で、夫と恩義を感じているデルエラ以外の事には極端に無関心になってしまっている。
一方で仕事を部下に丸投げしたいがためとはいえ、魔界氷華騎士団の後進の育成には熱心な姿勢を示しており、
特に『サルバリシオン』辺りの記述を読む限りでは言われるほど「周囲に関心がない」という印象は受けないと思われる。
一応同書によると、好意的に接する者に対しては自分も好意的に接し、仲の良い者に対しては友好的な態度を示すとされる。
しかしその一方で自身と夫に敵意を見せる者に対しては敵対的を通り越して冷酷無比となり、
その能力で以って敵を瞬時に無力化し、次の瞬間にはその存在すら忘れ去るという極めて好き嫌いが激しい面もある事が判明した。
なお前述の通り彼女はずっと旦那とイチャイチャしていたいからという理由で積極的に後進を育成し、また自分以上に強い魔界勇者の出現を望んでいるが、
彼女はただでさえレスカティエ最強の勇者だった上に夫とかなり積極的に交わっている事で現在進行形で更に強くなり続けているため、
愛する夫との性活が「自分を超える後輩」育成の最大の妨げになっているという皮肉な事態となっている。

ちなみに彼女の幼馴染*12はレスカティエが人間の国だった頃からあちこちの重要人物から想いを寄せられていたフラグ体質で、
その事も彼女の動揺を加速させていた一因だったりする。

余談だが『ワールドガイド外伝I ドラゴニア』の挿絵で、夫と一緒にドラゴニア観光に興じている姿がちゃっかり描かれている。
『ワールドガイド外伝II サルバリシオン』によれば趣味は各地の観光と土産物蒐集だが、
彼女が集めてくる物品のセンスは魔物の価値観からしても頭を傾げてしまうような代物が殆どらしい。

キャラクターの原型は、健康クロス氏がHP最初期に看板娘として描いた「ウィル」だと思われる。
この他にも、クロビネガの雑記過去ログを辿ると、後々のキャラクターの原型らしきものが見えてくるので一読の価値あり。

  • デルエラ
『魔物娘図鑑ワールドガイドI 堕落の乙女達』で紹介。ゲーム『堕落乙女異聞』にも登場。
最強クラスの魔物、魔王の娘「リリム」の四女。
赤い瞳を持ち赤い目の様な宝玉が幾つもあしらわれた衣装を纏っており、彼女の魔力を受けた眷属もまた同じ特徴を持つ。
夫を手に入れる事、夫と交わる事以上に勢力の拡大を望む変わり種で、過激派魔物の最先鋒。
その原動力は、心酔する魔王夫妻の理想の世界を一日でも早く実現させたいという想い。早い話がマザコンファザコンである。
とは言え無限に近い寿命を持つ生物にありがちなように行動のスパンが非常に長く、一度魔界を生み出した後はしばらくそこで大人しくして居るらしい。
ただ、ひとたび動き出せばあっという間に国一つを落としてしまうため、注意が必要な魔物に変わりはない。
その侵略方法と四女と言う早い生まれから一部では「お見合いおばさん」の愛称で親しまれている。

なお、彼女が伴侶を得ているか否かについては、「不明」というのが健康クロス氏の公式見解。
小説アンソロジー『堕落の花嫁達』では彼女に夫がいる設定で執筆された一篇が収録されているが、
これはあくまで小説用の独自設定とのこと。

  • サプリエート・スピリカ
『魔物娘図鑑ワールドガイドII 魔界自然紀行』で紹介。同作の著者と言う設定。
ポローヴェ生まれの精霊使いで、4大精霊と契約を結びその力でポローヴェの大地を蘇らせようとするも失敗。
主神教団からの支援も断られた後、契約精霊達を魔精霊へ変えるために魔界へ踏み込んだ所で野生のダークマターと遭遇し、同化してしまった。
その後は自身の性質を利用してポローヴェを魔界として蘇らせている。
殆ど夫の事しか考えられない通常のダークマターと違い理性を保っており、
魔界一つを循環する膨大な魔力を介して魔界全体の状態を把握する能力を得ている。

現在未婚。切実に夫募集中である*13
魔界自然紀行でさりげなく夫の募集をかけようとしたが監修に突っ込まれ(無論性的な意味は全くない)、
それからは唐突且つ露骨に研究協力者と言う名の夫の募集の【広告】を出すようになった。
精霊紹介のコメントやあとがき、著者紹介でも募集をかけている。必死である。
魔物娘関連の話で【広告】を出す人が居たらそれは大抵スピリカさんと思っていい。
因みに、男性の好みは「積極的にシてくれる人」らしい。

  • デオノーラ
『魔物娘図鑑ワールドガイド外伝I ドラゴニア』で紹介。
竜王国ドラゴニアの女王を務めるドラゴン。
ドラゴンの中でも特に強力とされるレッドドラゴン*14の一人で、かつてドラゲイを解放したドラゴン達を率いていた英雄でもある。
魔王の代替わり以降も「ドラゴンらしい」統治者として自分を律していたが、観光に来た魔王とのぶつかり合の末に説得され、
自分を含むドラゴン達に人間の男性を愛する気持ちが存在する事を受け入れ、人間との積極的な交流(性的な意味含む)を国の方針として掲げる様になった。
結果、望み通りドラゴニアはドラゴンと人間のカップルが溢れる国になったが、当の彼女には未だ春は訪れていない。
そして知り合いが次々夫を手に入れていく焦りから、最近は立場的に危ない手段が頭を過り始めている模様。
先述のスピリカさんとは色々な意味で境遇が似ている。

なお「デオノーラ」と言う名前は魔王に与えられた名前であり、本名は存在していたかも不明。
またその名と共に魔王の娘としての誇りを抱いており、本当の「魔王の娘」であるリリム達に対しては名前を呼び捨てにするなど姉妹か友達のような感覚らしい。
冷静に考えると魔王と同年代か下手すると年上なのだが触れないであげるのが情けだろう

ちなみに健康クロス氏によるラフ画は「レッドララフ」として執筆されたもの(うぃる氏のTwitterより)。

  • ドラグリンデ
『魔物娘図鑑ワールドガイド外伝I ドラゴニア』文中でその名前と存在のみが記載されたキャラクターで、
後にC92限定小冊子(後に電子書籍でも配信)『ウィルマリナ新婚旅行記』でその姿が初めて紹介された。
「赤き王妹竜」の肩書を持つドラゴンで、竜の墓場の管理者を務めているらしい。ウィルマリナ曰く「デオノーラの妹君」。

『WG外伝I』の記述に従えば、元々は人間、旧ドラゲイ時代の女貴族で、
当時の貴族階級では数少ない階級制度を嫌い、時にはドラゲイ王に対しても真っ向から異議を申し立てるほどの女傑であったらしい。
帝国の崩壊に際して上民達が逃げ去った後、彼女自身のその後の足取りは記録が残されてないとされているが、
資料中の推測や『ウィルマリナ新婚旅行記』を見る限り、貴族の中でただ一人逃げ出さず堂々としていた気高き精神を
竜の眷属としてデオノーラに認められ、一匹の竜として自身の古城で今も住み続けているというのが真相の模様。
竜の墓場の管理者としての任も、ドラゲイ時代に喪われてしまった竜達の魂の安息と「新たな生」を願っての
かつて貴族の一人としての責務として務めている、と推測することは想像に難くない。

なお、先述したドラゲイ王ことユリウス・レグラウド・ドラゲイとは幼馴染の関係で、
最後まで彼と対立していた唯一の貴族にして、ユリウスが唯一頭の上がらない間柄であったとされる。
資料中ではユリウスもまた帝国崩壊後の足取りが記されていないが、
教団の私兵団が「何か」を狙って定期的にドラグリンデ古城に派遣されているという記述、
そして先述したドラグリンデとの関係から「ドラグリンデがユリウスを伴侶として城内に匿っているのでは?」との推察もある。

  • エリスティア・ヴィトライユ
『堕落乙女異聞 -堕ちたる勇者と真実の魔剣-』のプレイヤーキャラ。愛称は「エリス」。
旧レスカティエの勇者の一人で、陥落時には任務で国を離れていたため難を逃れていた。
美麗な少女だが、教団の指名に対しては従順で、その冷徹な性格から味方内でもほぼ遠巻きに恐れられている。
首都奪還作戦からの撤退時に救出した教団兵士のユーリ・カレルシュテインを従騎士とし、
司教から命じられた「真実の魔剣」回収の任務に就く事となるが、
その中で自身も忘却の彼方に追いやっていた「真実」と向き合う運命を辿る事に。

ゲーム中では作中の強制イベントによって多種多様な魔物化を追体験させられる身の上であり、
プレイヤーからは存外チョロめな印象を抱かれがちな不憫な娘。
ちなみに被っている帽子は教団からの一般的な支給品だが、傀儡だった彼女にとっては数少ない「お洒落」であり、
肉体が溶解してダークスライムになった際にもエリス自身のアイデンティティーとして残されている。

キャラクターの原型は、『堕落乙女異聞』製作者のexet-Mos氏が過去にRPGツクールXPで自主製作していたゲームの登場人物。
クロビネガの雑記過去ログにも、当時健康クロス氏が書いたイラストが一枚掲載されている。

  • ルーニャ・ルーニャ
『魔物娘図鑑ワールドガイドIII サバトグリモワール』で紹介。同作の著者という設定。
魔導国家プレジア生まれの白毛のバフォメットで、魔法知識の集積地、サバトの誇る叡知の巨大図書館こと「ルーニャ・ルーニャ・サバト」を運営している。
魔導に長けた魔物のバフォメットでありながら、生まれながらにして「魔法が使えない」という体質持ちであり、
それ故幼少の頃より書物と文字に埋もれて過ごし、いつしか自身も筆を取るようになっていった。
その結果、12歳の頃の著作である娯楽小説『まじかる☆ばふぉめっと』が魔王軍サバトの長・バフォさまのお目にかかり、「文字の魔導士」の異名を持つことに。
現在は魔法が使えないが故の独特の着眼点から記した数々の著作で注目を浴びながらも、自身らが運営するサバトで蓄えた数々の知識を管理、書物や書籍という形で各国のサバトに影響するという活動を行っている。
バフォさまからは前述した経緯から「先生」と呼ばれている模様。

現在に至るまで未婚魔物のトップというのはどうしてこうも
紙面における堂々とした態度とは裏腹に、リアルでは自身を酷く低評価する悪癖を持っており、それが故にお近づきになった男性を部下の魔女に譲ってしまう傾向にある。
スピリカさんみたく誌面で堂々と伴侶を募集したりはしないものの、むしろ部下の魔女達が全面サポートの上で彼女の旦那様を募っているらしい。

余談

  • 上記のとおり特定のジャンルは禁止されている。二次創作を取り扱う上で心配な時には「取り扱うジャンル・扱わないジャンル一覧」を確認することをお勧めする。*15*16


  • 本作は魔物娘とイチャイチャするコンテンツであり政治的な主張をしているわけではない。この作品に限ったことではないが作品にそのような要素を見出したり主張したりするのはトラブルの基となるためほどほどに。




追記・修正は、魔女のサバトの中でロリコンお兄ちゃんに目覚めた方がお願いします。

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最終更新:2023年07月04日 05:15

*1 余談だが、『モンスター娘のいる日常』の原型版もこのスレに投稿されたものだった。

*2 特に2008年から2009年にかけて、線や絵がシャープになったのが傍目にも顕著。健康クロス氏曰く「長く描いてるのでいろいろ変わる事もありますね!」。

*3 反面、健康クロス氏の提示した創作上のルールを「意図的に無視した」類のSSも少数ながら投稿されており、健康クロス氏もそういった類の作品、あるいはコメント欄が賛否両論で大きく荒れてしまった作品などはなるべく削除対応しているものの、所謂「チェック漏れ」した作品も少なからずあるため(とりわけ現状のルール制定以前に投稿された作品は削除されてないものも多い)、閲覧に際してそういう作品を避けたい時は十分用心する事。

*4 また旧魔王時代は女性を狙う男性型淫魔・インキュバスも存在したが、これらも魔物の代替わりと同時に全てサキュバスに変化している。当然、後述する現在の「体質が変化した人間の男性」としてのインキュバスとは別物である。

*5 より正確には、幸せになれるのは魔物化した『善良な』女性に限られる。クロス氏は「魔物化しても罪が消える訳ではない。大量殺戮犯やサイコキラーの様な度を越した極悪人の女性に限っては魔物娘化しても幸せにはなれない」としている。

*6 もっとも、健康クロス氏のask.fmの質問回答によれば「実は割と今の世代が生きているうちにインキュバスが産まれる様になりそうでもあります」という実情ではあるらしい。

*7 そもそも過激派の魔物娘が組織立って国家一つを陥落させるまでに打って出るのは「そういう危機的状態」に限っての話である。

*8 クロス氏によると、ダークマターによる魔界化は大抵の場合は暗黒魔界となるが、ポローヴェに限っては明緑魔界となったのはサプリエートだったからこそとの事。

*9 基本的にはルイス・キャロル著の『不思議の国のアリス』由縁のキャラクターが多いが、バリエーション増加を目的に同著者の『鏡の国のアリス』が元ネタの魔物娘も幾つか採用されている。

*10 2019年現在イラストは存在せず、「あらあらうふふ系お姉さん」「巨乳である」という事が健康クロス氏の証言で判明している。

*11 アルプはゲイないし強い女性化願望のある男性が魔物化したサキュバス亜種。エバもまた男性でありながら男性である「君」に恋慕心を持っていた事を大いに悩んでいたが、アルプ化を期に全ての悩みが解決した。

*12 クロビネガの同人誌『堕落の乙女達小説アンソロジー 堕落の花嫁達』では彼に「エルト」という名前が設定されているが、健康クロス氏からは「あくまで小説アンソロジー用の二次創作設定であり、設定や見解は公式のものではない」と言う旨のコメントが出されている。

*13 クロス氏によると、彼女がダークマターと化してなお理性を保持できたのはポローヴェを救いたいという思いと学者としての探求心が極めて強大だったためとの事。しかし同時にポローヴェに対する思いと同程度に性欲も増強してしまっているという。たった一人で東奔西走する程の国を救いたいという思いと同じ強さの性欲が芽生えてしまった彼女の現状は推して知るべしである。

*14 余談だが、『ワールドガイド外伝I』の裏表紙には図鑑世界に登場するドラゴン系種族名の英文が列挙されているのだが、カバーを外すと「ファイアドレイク」の位置に記載されているのは「バハムート」。これが何かの伏線なのかはまだ不明。

*15 その「特定のジャンル」を書けと、あの手この手で長年しつこく迫ってくる人間がおり、クロス氏は2023年時点で裁判含めた対応をすると宣言している

*16 Succubus Rhapsodiaの作者であるwiz氏に粘着をしている人物が「特定ジャンルを描けとクロス氏に粘着している人物はwiz氏とグル」だと主張。クロス氏は自身のTwitterで内容や人物をぼかした上で「何もわからず困惑している」「特定ジャンルのリクエストを断ったら粘着されたのが全て」とツイートをしており、一方のwiz氏もTwitterにて事実無根だとツイートしている。なお、噂を流した人物はwiz氏に長年粘着していた人物であり、健康クロス氏はそれに巻き込まれた形となっている。加えてその人物はクロス氏に対しても氏が特定ジャンル嫌いなことに関して否定的なツイートを繰り返しており、修正前に記載されていたような信者間対立ではない。2023年2月、wiz氏がTwitterにて粘着に対して裁判を行い勝訴した旨を報告したが、裁判の相手はこの件の粘着とは別人である。