巨大フジ隊員

登録日:2016/06/13 Mon 20:45:23
更新日:2023/05/27 Sat 21:05:52
所要時間:約 8 分で読めます



巨大フジ隊員は、ウルトラシリーズに登場する怪獣の1人。

この項目では、巨大な姿を持つウルトラシリーズの女性キャラクター、
そしてメフィラス星人によって巨大化させられてしまった総理大臣についても解説する。

なお、『ウルトラQ』の巨人や男性のウルトラ戦士たちについてはこの項目では触れない。
ご了承ください。


【概要】

身長:40m
体重:1万t(相似巨大化の20倍以上の密度)

読んで字のごとく、科学特捜隊のメンバーであるフジアキコ隊員が、メフィラス星人の手によって巨大化させられてしまった姿。
そのため実質はフジ隊員本人なのだが、放送当時から現在に至るまで「ウルトラ怪獣」としてカウントされている。

俗に巨大娘と称されるジャンルの中で、日本において最初期に映像化されたキャラクター。
この話を見て何かに目覚めたかつての良い子たちも多いかもしれない。
庵野秀明さんや樋口真嗣さんなどの著名なクリエイターにも影響を与えており、
現代美術家の会田誠さんに至っては、葛飾北斎の有名な春画を現代風にアレンジした「巨大フジ隊員VSキングギドラと言う、
良い子には刺激が強すぎる絵画を製作している。
近年でも小説『ウルトラマンF』において重要な要素となっており、半世紀が過ぎた今でもその魅力(?)は色あせない。

演じたのは勿論フジ隊員役の桜井浩子氏。
当時は怪獣扱いされた事に対して不快感を持っていたと語っているが、現在は良い思い出として度々インタビューで振り返っている。
ただ、ビルの破壊や警官の銃を受ける際の弾着などの演技は相当大変だったらしい。
子役出身で既に当時芸歴9年だったとはいえ、アクション経験もない当時20歳の女優さんを特撮現場に放り込んだのだから仕方がない。


【登場作品】



【主な活躍】

◇ウルトラマン

地球を狙う侵略者・メフィラス星人が、捕らえたフジアキコ隊員を巨大化させて操ったもの。
フジ隊員としての意識はなく、特捜隊の仲間たちの声も聞こえないままビルを壊しながら暴れ続けていた。
いくら科学特捜隊の一員とはいえ、巨大化して町を壊すとなると最早怪獣に過ぎないと判断した警官隊は発砲。
それを見た科学特捜隊の面々と警官隊が揉みあいになった直後、空から響き渡ったメフィラス星人の高笑いと共に巨大フジ隊員は姿を消した。
そして、直後に手下であるバルタン星人ケムール人ザラブ星人を一斉に繰り出し、
メフィラス星人は科学特捜隊、地球人に挑戦を仕掛けた……。

なお、フジ隊員や一緒に捕らえられていた弟のサトル少年は、
メフィラス星人が潜んでいた円盤に突入した科学特捜隊の面々によって無事救出されている。
(ちなみに巨大フジ隊員が姿を消した後、元の大きさのフジ隊員がサトル少年の監禁されていた無重力室に転送されている)

また、この巨大フジ隊員については弾丸を食らっても平気なことやいくら巨大化していたとはいえ人間の腕でビルを壊していること、
そして彼女が消えたのとまったく同じ場所にバルタン星人が現れていたことから、フジ隊員本人ではなくバルタン星人が化けていたとする説もある。

◇ウルトラマン(楳図かずお版)

放送当時に連載されていたコミカライズ版。

こちらでは、「地球をあげます」と頑なに言わないサトル少年を脅すために捕らえたフジ隊員を巨大化させ、
手下の宇宙人が潜む卵を温める塚を作らせていた。
その際、「一言でも言葉を話せば地球はメフィラス星人のものになる」と言う約束を強いられたサトル少年は懸命に言葉なしで危機を伝えようとするも、
メフィラス星人は(人間サイズの)フジ隊員に化け、彼を陥れようとした。

結果として手下の宇宙人の誕生は阻止できなかったもののウルトラマンによって彼らは全滅。
メフィラス星人も敗北を認めて去り、フジ隊員も元の大きさに戻っている。

なお、この卵を割ってメフィラス四天王が登場するシーンは、後に『ウルトラマン超闘士激伝』の鋼魔四天王がオマージュしている。

◇ウルトラマンF

『ウルトラマン』本編終了後の世界を舞台にした小説。

ウルトラマンに代わって怪獣や侵略者から地球を守るものを生み出すべく様々な実験が各地で行われる中、
科学特捜隊の人体実験に反発していた富士隊員(フジ隊員)がよりによってその実験に巻き込まれ、
意識を持ったまま「巨大フジ隊員」になってしまう。

実はあの時、メフィラス星人は富士隊員のDNAに、巨大化作用を持つ無数の小型メカ「メフィラスボット」を仕込んでいた。
本来は役目を終えるはずだったのだが、特殊な電磁波によって再び機動、彼女を巨人に変えてしまった、という訳である。

そしてこれが、富士隊員を新たな「光の戦士」に変える戦いの始まりとなった……。


【ウルトラシリーズの巨大娘・巨女】

♀南夕子

『ウルトラマンA』で初登場した、元TAC隊員。
北斗星司隊員と共にウルトラマンエースに変身していたが、自身が月星人である事を明かし、因縁の相手であるルナチクスを撃破した後、
仲間が待つ冥王星へと帰っていった。

その後『ウルトラマンタロウ』にて、月からモチを食べに来襲した怪獣モチロンを説得するべく、ウルトラマンタロウ東光太郎の前に出現。
説得は失敗したもののすったもんだの末、ウルトラの父の一喝によりモチロンは食べた分のモチを臼になって返す羽目になった。

その際、夕子はタロウと同じ大きさに巨大化
ウルトラの父が眺める中、タロウが杵でついた餅を笑顔でこねていた。


♀サクヤ

ウルトラマンギンガS』で初登場した、地底人・ビクトリアンの少女。
本編終了後を舞台とした劇場版『決戦!ウルトラ10勇士!!』以降は、
地上の民の防衛組織・UPGの見習い隊員となって活躍している。

別の宇宙から来襲した超時空魔神エタルガーの本拠地・時空城に仲間たちと共に突入した際、
エタルガーの能力「エタルイマージュ」によって幻影世界に閉じ込められてしまい、
苦手な「虫」である巨大カブトムシに追い回されてしまう。

だが、試練を必死に乗り越えようとする礼堂ヒカル隊員の声を聞いて一念発起。
ウルトラマンのようなポーズをとりながら巨大化し、逆にカブトムシを掴みあげ、見事幻影を打ち破ることが出来た。
よく見ると可愛いと言っている辺り、虫嫌いも一緒に克服できたかもしれない。

なお、上記の通り巨大化したのは現実世界ではなく、エタルガーの幻想世界の中のみである。


玉響(たまゆら)

ウルトラマンオーブ』に登場する幻の姫君。
既にこの世の人ではないが、「入らずの森」の中に残留思念が残っており、SSP(Something Search People)の面々を助けた事がある。
実はかつてゾフィーと共に大魔王獣マガオロチを封印した経歴があり、そのマガオロチ復活が近づいた事で巨大な幻影となってウルトラマンオーブ=クレナイ・ガイたちの元に出現。
ジャグラス ジャグラーが言おうとしていた警告を発し、そのまま姿を消した。

♀浅見弘子

シン・ウルトラマン』に登場する禍特対構成員。
ウルトラマンこと神永新二のバディであり、同作のヒロイン。気合を入れるために自分の尻を叩くなど、言動がややおじさん臭い。

ニセウルトラマンこと外星人2号・ザラブをウルトラマンが倒した後、数日間行方をくらましていたが、ある日突然禍特対に信じられない形で発見の一報が入る。
田村班長率いる禍特対メンバーが駆け付けたところ、目にしたのは高層ビルほどの体格を持った巨大な浅見の姿だった。
禍特対のメンバーが彼女に呼び掛けても彼女は無反応のままで、周囲の人間を気にすることなく、彼女はビルを肘で打つなどの小規模な破壊行為を繰り返したが、しばらくして、「これはデモンストレーションである」という謎の声と共に、浅見は気絶。
その後、気絶した浅見に対して検査が行われたが、巨大化の秘密は掴めないままだった。しかし直後、先の声の持ち主である外星人第0号メフィラスが現れ、彼女を元の姿に戻す。
元に戻った浅見は「お酒も飲んでないのにビニールシートで寝てた?」と語っており、普段から泥酔することがあった模様。
そして、今回の事件はメフィラスが「地球人にベーターカプセルを駆使した巨大化による対外星人戦争の手段を与えるためのデモンストレーション」であると発覚する。

その後、浅見の巨大化姿はSNSを中心にネットに写真をばら撒かれ、彼女は憤慨することになる。
しかし、事態を知ったメフィラスがせめてもののお詫びにと、画像を全て削除するのだった。

♀ニセ美剣サキ

宇宙テレビ局員のザラブ星人美剣サキに化けて町を破壊するシーンを捏造した。
しかしザラブ星人の変装がお約束のようにつり目だったため、映像を見た美剣サキ本人は「私はあんなにつり目じゃない!」と言ってキレた。
なお、このシーンの撮影は巨大フジ隊員よろしく、演者の木下彩音が実際に特撮セットの中で撮影している。


ドラキュラススノーゴンなど

人間の女性に化けて暗躍していた宇宙人や怪獣たちの中には、人間の姿のまま巨大化した後、
正体を現すという形を取った者がいくつか存在する。

♀ウルトラ戦士、悪のウルトラ戦士など

ウルトラの母やユリアン、カミーラを代表するウーマン悪の巨人の皆さん。
ユリアンのように、地球人とウルトラ戦士双方の姿を併せ持つ者も存在する。
またアミアは自力では巨大化できず、スターシンボルを使う必要がある。

なお、ウルトラマンジャスティスも女性に似た地球人の姿を取る事が出来るのだが実際の性別は不明。
元の設定では「中性」と言うイメージだった。

【メフィラス星人に巨大化させられた人間】

♂総理大臣

登場:『ウルトラゾーン』第17話・第18話「メフィラスの食卓」

男性だが巨大フジ隊員同様メフィラス星人に巨大化させられた人間という事で紹介。

とあるホームレスの男から「地球はあんたのものだ」と語られた事で、あっという間に日本を侵略してしまったメフィラス星人。
だが、その男から聞いた「食事は誰かと一緒に食べたほうが美味しい」と言う言葉の意味を知るため、幾人かの地球人を呼ぶことにした。

1人目の身勝手な若者を追放した後、2人目に呼んだのは総理大臣。 
だが、「子供たちを救ってくれ」と綺麗事を言う癖に、
用意したラッキョウにケチをつけたりそもそもホームレスの男すら救えていないと言う事実にメフィラス星人は失望。
超能力を使って総理大臣をラッキョウごと巨大化させ、街に出現させたのである。

その後人々が驚く中、巨大化した総理大臣は虚ろな瞳でラッキョウをほおばっていた。

「君では地球を救えんよ……」


【余談】

フジ隊員を演じた桜井浩子氏は『ウルトラQ』でもヒロインの江戸川由利子役を務めているが、
その第17話で、今回の巨大フジ隊員とは逆に1/8の大きさに縮小されてしまう「1/8計画」に巻き込まれてしまう展開が描かれている。
この時「イヤよ。私は大きくなりたい方なんだから」と言ったばかりに次回作で本当に大きくされてしまった、という訳ではない。
幸いこのエピソードは夢オチなのだが。
この話では由利子を救う為に万条目淳と戸川一平が1/8都市に訪れるのだが、全てが1/8サイズの都市では相対的に大きいため、あたかも彼らが巨人になったかのように見える、というシーンもある。巨大フジ隊員同様に役者がセットの中で演じているのだが印象は大きく異なるだろう。



ゲーム『スーパー特撮大戦2001』のメフィラス星人ステージでは、フジ隊員は巨大化せず、代わりにウルトラ警備隊友里アンヌ隊員宇宙刑事アニー巨大化させられる。ただし、こちらはザラブ星人とバルタン星人が化けていただけだった。





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最終更新:2023年05月27日 21:05