巨大ヘビ(未確認生物)

登録日:2016/06/13 Mon 01:54:21
更新日:2024/02/12 Mon 22:59:09
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概要

地球では我々の常識の範囲を遥かに上回るような巨大生物が度々発見される。
牛やと肩を並べるほどのイヌ、子供程度なら一飲みに出来そうなナマズソーセージが何千本作れるのか分からないブタなど、
自然が生み出すロマンの数々は我々人間の興味と好奇心を刺激して止まない。
ヘビにとってもそれは例外ではなく、時折信じ難いほどの長さの個体が目撃・捕獲されることがある。

尚、で目撃されたものはシーサーペント(未確認生物)で扱う。

形態

世界中に実在する所謂大蛇と呼ばれるヘビは、大半がニシキヘビ科もしくはボア科に属していると考えて差し支えない。
中でも、東南アジア全域に棲息するアミメニシキヘビと、南アメリカのアマゾン川流域に棲息するアナコンダは、
その知名度と大きさから大蛇の二大巨頭とも言える存在である。
記録に残る最大全長は、アミメニシキヘビは9.9m、アナコンダは8.7m。

だが、これらはあくまでも学会に正式に認められた記録。
非公式な測定結果や未確認な目撃証言では、これらの記録を遥か上から見下ろすような驚異の数値が続出している。
特にアナコンダの場合、棲息地のアマゾンが 今なお人跡未踏の大自然が広がっている という神秘的なイメージからか、
10m、20mを越えるような個体が潜んでいる、或いは目撃したという証言が後を絶たない。

なお、成熟期を迎えると成長がストップする哺乳類とは違い、爬虫類は生まれてから寿命が尽きるまで際限なく成長していく。
つまり、 歳を取れば取るほどデカくなる ということである。
病気や自然災害、他の生物による襲撃などの困難を乗り越えてきた爬虫類が、
常軌を逸した巨体に成長し、我々の眼の付かない所で生き永らえている可能性もありうるのだ。

嘘か?本当か?全長11.4mのアナコンダ

1944年、地質学者のロバート・ラモンが率いる石油技師の一行が、
コロンビア東部を流れるオリノコ川の支流・メタ川で、巨大なアナコンダと遭遇。
どうにか仕留めて全長を計ってみた所、なんと 11.4m もあったという。
しかし、このアナコンダは後に息を吹き返し、一行の手から 逃亡してしまった。

発見者のラモンと、彼がこの事件を真っ先に報告した爬虫類学者エメット・ダン博士の名を取って、
「ダン・ラモン・レコード」 と名付けられたこの巨大アナコンダの記録は瞬く間に学会を駆け巡り、
爬虫類を取り扱った図鑑ではアナコンダの最大全長としてしばしば掲載される事になった。
しかし、研究者の間では当初からその真偽を疑う声は少なくなかった。
特に「アナコンダを逃がしてしまった」という話の結末は信憑性に大きな疑問を投げかけ、
所謂 「逃がした魚は大きい」 効果で誇張されているのでは?という意見も数多かった。

この記録に少なからぬ興味を抱いたのが、サンディエゴ自然史博物館で評議員を勤めていたレイモンド・ギルモア。
彼は1954年にラモンと連絡を取り、事の詳細を問い合わせた。
ラモンは「10年近く前の事なのでハッキリとは覚えてはいないが…」と断りを入れつつも、ギルモアの問いかけに快く応えてくれた。
彼が送った手紙の中にはこう記されていた。

私たちはヘビの大きさを測るのに長さ4mの物差しを使った。測定の結果、ヘビの身体は物差しの3本分より50㎝ほど足りなかった。
だが今思い返してみると、あれは3本ではなく2本だったかもしれない。
しかし、私は記憶が新鮮なうちにハバフォード大学のエメット・ダンに報告した。
12m近いヘビが存在することを確かに伝えたのだ。その時の記憶を信じたいと思う。

ぶっ飛んだ未確認情報が多いアナコンダのサイズの中でも、かなりの信憑性と知名度を持つこの記録。
仮に物差し約2本分=8m弱だったとしてもかなりの大物であることに違いは無いが、
11mを超えるという測定結果が本当ならば、アナコンダのみならず史上最大のヘビとして記録に残るのは明らかであろう。

全長40mの超メガ級大蛇出現

ペルーの首都リマから北東におよそ270キロ離れた位置にあるヌエボ・タクナ村。
アマゾンのジャングル深くに存在するこの地に巨大なヘビが現れた。
1997年8月20日、村はずれの練習場で、サッカーに講じていたルイス・イルマと仲間達が、
ジャングルの中を這いながら進む巨大なヘビを目撃した。


しかし、このヘビは事情が違った。


その全長、なんと前代未聞の 40m。
ヘビはおろか、地球上の生物全体から見ても規格外という他ない超特大ヘビであった。
そんなモンスター級の巨大ヘビがジャングルの木々をなぎ倒しながら、滑るようにして去っていったのだ。

イルマの通報で駆け付けた300人以上の村人たちは、
練習場の地面が抉れ、 小型トラックが通れるほどの道 が出来ているのを見て驚愕した。
だが、この話題を取り上げたペルーの国営ラジオ局は、
「大型の建設機械を見間違えたのではないか」と否定的な見方をしたのである。
しかし、地元当局者は村付近の一帯には重機などの侵入が許可されていないことを根拠に、次のように述べた。
「奇怪なことが起きている。村人が何かを目撃したのは確かだ。」

場所が場所であるため、この時目撃されたヘビもやはりアナコンダの一個体であった可能性が高い。
しかし40mという長さは、ニシキヘビや通常サイズのアナコンダなど比較するに及ばず、
あの 地球上最大の生物シロナガスクジラすら上回る 代物である。
記録に残れば動物学会がひっくり返る程の騒ぎになるのは想像に難くない。
タクナ村のジャングルに現れた40mの超大蛇は真正だったのか?それとも重機や乗り物の見間違いだったのか?
真実は当事者であるイルマ達のみぞ知ることとなった。

日本にも現れた!伝説の「剣山の大蛇」

巨大ヘビが目撃されるのは、何も人跡未踏のジャングルが広がるアマゾンや東南アジアだけとは限らない。
我が国日本でも、人間の予想を遥かに超える巨大ヘビの目撃例が存在するのだ。
その最たるものが1974年、徳島県の剣山で目撃された「剣山の大蛇」である。

四国第二位の標高1955mを誇る剣山。
その麓にある美馬市穴吹町古宮と美馬郡つるぎ町一宇にまたがる剪宇峠には、古くから大蛇の伝説がある。
曰く 峠を開拓しに来た人が大蛇に襲われた。 曰く 峠を越えていた剣の達人が大蛇と戦い、斬り殺した。
など、大蛇にまつわる恐ろしい言い伝えが数多く残されているのだ。

5月26日の朝8時ごろ、穴吹町に住む農家の男性5人が、
剪宇峠で草刈りをしていた時、斜面の上の方から不審な物音がした。
何事かと思い目を向けた彼らは言葉を失った。
そこには電信柱のような巨大なヘビが草陰から鎌首をもたげ、こちらを睨みつけていたのである。
仰天した5人は我先にと逃げ出し、ほうぼうの体で町へと逃げ帰った。
しかし、内2人は余りの恐怖からか、原因不明の高熱と悪寒に襲われ、しばらく寝込んでしまったという。

農夫達が目撃したヘビは上半身の部分だけでも5m、草むらに隠れていた部分も含めれば 全長は10mはあっただろう と推測される。
胴の幅はおよそ30㎝、背中は青黒い鱗に覆われ、腹部は青白く光っていたという。

この事件を受けておよそ2週間後の6月10日、地元では探検隊が組織され、大蛇の存在を確かめんと大規模な捜索が行われた。
その結果、大蛇の姿こそ確認できなかったものの、
雑草が倒れて溝のようになった跡や、表面が異様に擦れて皮の禿げた杉の幹など、
他の野生動物にはあり得ないような痕跡がいくつか発見された。
特に、最初に発見された溝の幅は40㎝もあり、大蛇が実在する印象を大きく強めたのだった。
「伝説の大蛇が今なお生きていた!」
町中が剣山の大蛇の話題で持ちきりとなり、新聞でも報道されるほどの大ニュースにもなったこの事件は、
日本における巨大ヘビ目撃の第一級資料として、今なお話題や議論の対象になっている。

この他日本国内では沖縄県尖閣諸島の魚釣島に大蛇がいると言われ、海上保安庁の作成した公式記録にその事が記載されている他、雑誌『ムー』に目撃談が載ったことがある。

野生化したペットか?北アメリカの巨大ニシキヘビ


世界最大級の水量を讃えるアマゾン川を擁する南アメリカで、
常軌を逸した大きさのアナコンダの目撃が度々報告されているのは上記で述べたとおりである。
しかし、同じアメリカでも北アメリカで巨大なニシキヘビを目撃したという証言も実は無いわけではない。

爬虫類が苦手な方には理解し難いものがあるが、
北米ではインドニシキヘビやその亜種のビルマニシキヘビはペットとしての人気が高く、
取り扱っているペットショップや飼育している一般家庭も多い。
無論、しっかりした設備と環境を揃えた上で飼育するのなら問題ないのだが、
困ったことに飼育にかかる手間や費用にウンザリした挙句、自然に逃がす無責任な者が後を絶たない。
エバーグレーズ湿地帯などでは、野生化したインドニシキヘビが成長し、
同地に棲息する ミシシッピワニを捕食 している光景が目撃されたこともある。

参考までに北米に棲息するヘビの中で最も大きく成長するのはインディンゴヘビ。
シマヘビやアオダイショウと同じくナミヘビ科の仲間であり、最大全長は2.6mと飛びぬけて大きいという訳では無い。
言ってしまえば北米で見られるヘビの大きさや数は日本とそれほど変わらないのである。

しかし、豊富な自然に餌となる動物、気温などの条件が揃えば、
熱帯のジャングルや動物園にしかいないはずの大蛇が北アメリカの自然で悠々と生きている可能性も充分にあるのだ。

1909年6月11日、アイオワ州ランドールの農夫H.G.ペダーソンが、耕作地で巨大なニシキヘビを目撃した。
突然の邂逅に肝を冷やしたペダーソンは、ニシキヘビの全長は目測で8m~11mあったと語っている。

ヘビが去った後、耕作地の地面には這い進んだ跡が土の上にハッキリと残されていた。
その幅はペダーソンが所有する一番大きな自動車のタイヤの幅(およそ24㎝)よりも大きかった。
ペダーソンはヘビが残した痕跡の余りの大きさに暫く目を奪われてしまい、
跡を残した張本人であるニシキヘビがその後どこへ行ったのかは知らないと証言している。

この事件、ペダーソン以外にも目撃証人が居るため信憑性はかなり高い。
彼が巨大ニシキヘビを目撃した時刻とちょうど同じ頃、
隣家のN.L.ヘンダーソンが使用人と共に、同一個体と見られる大蛇を目撃しているのである。
ヘンダーソンが猟犬とライフル銃を携えて這い跡を追ったところ、同州を流れるスカンク川で消えていたという。

主な目撃と遭遇の歴史


  • 1846年
イギリスの植物学者ジョージ・ガードナーが、
「アマゾン川の支流で射殺された巨大なヘビ」について日誌に書き残している。
残念ながらヘビは殺された後に解体されてしまったが、居合わせた学者が気を利かせて全長を測ってくれていた。
身体を伸ばした時の全長は10mを優に超えていたという。

  • 1877年5月21日
インド洋を航行していた帆船の乗組員ジョージナが、
インドネシアのスマトラ島に面した沿岸部を泳ぐ巨大なニシキヘビを目撃。

  • 1896年
南米ギアナの狩猟団が、疲れたため薄暗いジャングルの中で倒木に座って休んでいたところ、団の一人が「木が動いた」と言い出した。驚いた一行が倒木から飛び降りたところ、倒木だと思っていたそれは体を起こして藪へと姿を消した。
地域に伝わる巨大な守り神「キャムーディ」だったのではないかといわれる。

  • 1907年1月
イギリスの著名な探検家パーシー・フォーセットの一行が、
アマゾン川最大の支流であるマディラ川の上流を航行中に巨大なアナコンダに遭遇。
案内役の現地人はアナコンダの出現に怯えたが、フォーセットは銃弾を撃ち込み仕留めることに成功した。
岸辺に流れ着いたアナコンダの死体を計ってみた所、全長は18mにも達した。
陸地に乗り上げていた部分が約13m、水に沈んでいた部分がおよそ5mあったが、一方で太さは30㎝ほどしか無かった。
フォーセットは証拠として大蛇の皮を切り取ろうとしたが、悪臭が酷く断念したという。

フォーセットはこの狩猟記録に続けて、
現地の人の話によれば、アマゾンの奥地では 十数メートルクラスのヘビは度々目撃されている そうである。
更にブラジルの国境画定委員会の人から パラグアイ川で24mの大蛇を射殺した という話まで聞かせてもらった。
と自身の著書に綴っている。

  • 1907年夏
三等航海士S.クレイトンが、セレベス海を泳ぐ巨大なニシキヘビを目撃。
全長およそ21m、泳いだ後には海面にいくつものうねりが残されていた。

  • 1922年5月22日
ドイツ人神父のビクター・ハインツがブラジル・パラー州のオビドスで全長24mのヘビを目撃。
後にこのヘビは射殺されたらしいが、確かな証拠は残されていない。

  • 1929年10月29日
ビクター・ハインツが原住民の漕ぐカヌーに乗ってアマゾン川を航行中、
原住民たちが突然「大蛇が現れた!」と騒ぎ出し、岸に向かって逃げるように船を漕ぎ始めた。
何事かと思って前方を見たところ、汽船が通過したような渦と青緑色の燐光が2つ水面に光っていた。
最初は汽船がライトを照らしているのかと思ったが、程なくして途轍もない大きさのアナコンダが姿を現した。
全長はおよそ30m、水面から身を起こしたと思うとあっという間に水中に潜っていった。

  • 1946年6月9日
オハイオ州ケントンで、オーランド・パーカーが自宅の近くで乗馬を楽しんでいたところ、
乗っていたが突然何かに驚いたように棒立ちになり、彼を振るい落とそう暴れだした。
何事かと思い地面を見ると、馬のちょうど股下の部分に巨大なヘビがいた。
全長3m以上、太さも10㎝はあり、今にも馬の脚に噛み付かんと身構えていた。

  • 1959年8月
ベルギー領コンゴ(現在のコンゴ民主共和国)の南部ガタンガの上空を通過中のヘリコプターから撮影された巨大ヘビ。
搭乗していたベルギー軍人達は高度40mの高さから撮影したと証言しているが、
写真を検証した専門家によれば、彼らの証言が正しければヘビの全長は14~15m、幅は40㎝にもなるという。

  • 1965年7月
南アフリカとモザンビークの国境にあるトマスダ村で、
はぐれたブタを探して山奥に分け入った村人が体長7m、太さ30cm余り、
全身が黒く赤い縞模様があり、小さな足が多数生えた巨大ヘビと遭遇した。
子供を連れていたため危険を感じた村人はブタを襲っていたヘビを短剣で輪切りにした。
輪切りにされた胴体は四方八方に逃げ去り、村では胴体が度々目撃されるとともに疫病が流行した。
件の村人はヘビの生首に咬まれて死亡しているのが見つかったという。

  • 1969年8月
北ベトナムで体長約13m、太さは40cm余り、
頭から7mくらいのところから二股に分かれた巨大ヘビが目撃された。
最初の目撃から10日後、兵士が被害に遭い、
助けを求められた獣医大学教授が駆けつけた時には既に死亡が確認されたため
被害の拡大を防ぐため数人の兵隊が軍刀で輪切りにしたという。

  • 1990年9月27日
ブラジル中西部マット・グロッソ州の奥地で、 全長約10mのアナコンダが農夫を飲み込む という事件が発生。
アマゾン川の支流で農夫たちが魚を探していたところ、ゴーッという奇妙な音と共に巨大な何かが川で跳ねたような音がした。
その直後、人間の叫び声が上がり、声のする方向を見ると農夫の1人が巨大なアナコンダに巻き付かれて水中に引きずり込まれようとしていた。
10分後にライフルでアナコンダを射殺したものの、農夫の身体は完全にアナコンダに飲み込まれていた。

正体の考察

既に語るまでも無いと思われるが、概要に記した通り爬虫類は死ぬまで成長し続ける生き物である。
しかしてその正体は長い年月を経て巨大化したアナコンダやニシキヘビ種などの既存のヘビであるとほぼ断定してよい。

アナコンダの場合、もともと陸地や樹上よりも水中を好む性質であるため、
巨大化した個体は地上で体重を支えるのが困難になり、更に多くの時間を水中で過ごすようになる、
これが転じて人目に付くことが少なくなり、結果として未確認生物のような扱いを受けている、
と解釈することもできる。

いずれ、地球上で最大の生物はクジラではなくヘビであると図鑑や論文に記述される日が訪れるかもしれない。


追記・修正は20mのアナコンダをコルト・アナコンダで仕留めてからお願いします。

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