バーテミウス・クラウチ・ジュニア

登録日:2016/06/11 Sat 22:13:45
更新日:2024/02/11 Sun 08:53:20
所要時間:約 5 分で読めます




ハリー・ポッターシリーズ』の登場人物。

演:デヴィッド・テナント
:桐本琢也(現・桐本拓哉)

魔法省国際魔法協力部の部長であるバーテミウス・クラウチ・シニアの息子。

映画では蛇のように舌なめずりする癖が見られる。

父親曰く、学生時代は「O・W・L(ふくろう)試験」を12科目合格するほどの秀才だったらしいが、その後に悪の道に走り死喰い人となる。

10代の終わり頃に、ヴォルデモート卿が失踪すると、消息をつかむため、仲間の死喰い人と共にネビル・ロングボトムの両親である闇祓いのフランクとアリス夫妻に磔の呪いをかけて拷問し、廃人にしたかどで逮捕される。
ちなみに共犯はベラトリックス、ロドルファス、ラバスタンのレストレンジ家。

裁判で自分は無実だと涙ながらに訴えるも、父親により終身刑を言い渡され、アズカバンに収監される。
収監直後は母親を呼んで泣いていたらしい。

収監されて1年後、両親との面会の直後に死亡し、吸魂鬼により監獄の外に埋葬され、間もなく母親も亡くなったという。

彼の死後、彼は父親に愛されずに道を踏み外したとして同情されるようになり、父親が批判されるようになる。
当時バーテミアス・クラウチ・シニアは魔法法執行部の部長職にあり、死食い人の検挙を精力的に行ったことから次期魔法大臣と目されていたが、この批判が原因で窓際部署とされる国際魔法協力部に左遷された。










【以下、第四巻「炎のゴブレット」の展開に関する最大級のネタバレ





「こやつはアラスター・ムーディではない」



なんと、ハリー4年生時の「闇の魔術に対する防衛術」の教師アラスター・ムーディは、死んだとされているバーテミウス・クラウチ・ジュニアがポリジュース薬で変身した姿だった。

真実薬を飲まされた彼の告白によると、死期が近い母親が父親を説得し、ポリジュース薬で母親と入れ替わって脱獄したという(アズカバンで死んだのは彼に変身した母親である)。

その後はヴォルデモートを探す機会を伺っていたが、父親の服従の呪文により家に幽閉されて管理され、屋敷しもべ妖精のウィンキーに世話をされていた。

ある時、クラウチ家を訪れた魔法省勤務の魔女バーサ・ジョーキンズは彼が生きているのを目撃し、父親に強力な忘却術をかけられた。

その後、バーサはアルバニアで闇の帝王と手下のワームテールに捕まり、忘却術を破られ、三大魔法学校対抗試合のこと、ムーディが防衛術の教師に着任すること、クラウチの息子がまだ生きていることなどを話した後に殺されたとされ、ヴォルデモートはこれらの情報をもとに復活計画を立てたとされる。

クィディッチ・ワールドカップで闇の印を打ち上げたのも彼。
前述のとおり幽閉の身にあった彼だが、それを哀れんだウィンキーがクィディッチ好きだった彼のために父を説得して透明マントで姿を隠して観戦に訪れていた。
しかしこの頃になると服従の呪文を破り始めていた彼は、アズカバン行きを逃れた元・死喰い人たちがお祭り騒ぎではしゃいでいるのを目にすると、彼らへの怒りから目の前の席に座っていたハリーの杖を盗み闇の印を打ち上げたという。

その後、ヴォルデモートと合流し(この頃、逆に父親が服従の呪文で管理されるようになった)、彼はハリーを例のあの人の元に送り出す役を買って出る。
ワームテールことピーター・ペティグリューと共にムーディを監禁、以降ポリジュース薬で変身してアラスター・ムーディとしてホグワーツ魔法魔術学校に着任する。

ポリジュース薬の材料確保と癖を学ぶため、本物のムーディを服従の呪文にかけてトランクに監禁し続け、携帯用酒瓶からポリジュース薬を飲み続けていたという*1



その後は炎のゴブレットに強力な錯乱の呪文をかけ、ハリーの名前を入れて三大魔法学校対抗試合に出場させたり、ルビウス・ハグリッドを唆してドラゴンを見せるように仕向けたり、
ハリーに恩を感じているセドリック・ディゴリーに卵のヒントを教えたり、ドビー(映画版ではネビル)に鰓昆布をハリーに渡すように仕向けたり、最後の仕上げとして第三の課題で優勝杯を移動キーに変え、主君に怨敵を献上すべくハリーの前の障害を事前に取り除いていった。

父親に関しては、服従の呪文に抵抗を始めていたので、表向きは病気療養として家に幽閉することにしたが、監視役のワームテールの隙をついて逃走しホグワーツに向かった。

父親を止めるように指示を受けた彼は、禁じられた森で父親を殺害し、骨にしてハグリッドの小屋の前*2に埋めたという。



こうして完璧な作戦を遂行していた彼であったが、ヴォルデモートの復活現場からハリーが予定外に生きて帰ってきたので、ハリーを連れ去って殺そうとする。

この本物のアラスター・ムーディらしからぬ行動や、興奮でポリジュース薬を飲み忘れたことによりアルバス・ダンブルドアに正体がばれ、ダンブルドアの制裁を受けることとなった(逆に言うと、この時点までダンブルドアを完全に騙していたという快挙を成し遂げていたわけである)。


その後、彼は、コーネリウス・ファッジが勝手に連れてきた吸魂鬼のキスを受け、より酷い姿となった。



なお、クラウチ・ジュニアには「父親に失望していた」「父親と同じ名前を付けられた」「父親を殺す楽しみを味わった」などといったヴォルデモートとの共通点があり、
彼に心酔した動機の一つとされる。

彼にとっての最大の喜びは主君から褒められ、名誉を受けて最も身近な支持者になることであり、実際にヴォルデモートからは「最も忠実なる下僕であり続けた者」と評されている。

偽者であったものの、(違法行為があると言え)実践的でレベルの高い授業をする、ドラコ・マルフォイを処罰させて痛みを分からせるなど、厳しいが教育者としては有能で高く評価できるかもしれない。
というか彼がハリーに与えた影響はホグワーツの教師の中でも特に大きい。上述の指導だけでなく、闇祓いという卒業後の進路を勧めたのも彼である。

「もし彼の正体が露見することがなければ、その後にどのような任務に就き、本物のムーディをどう始末するつもりだったか」などといった疑問も出てくるかもしれない。



(人にもよると思うが)おそらく「真実薬」の章は、ハリー視点で描かれない敵側の行動の時系列がまとめられているなど、ハリポタ作中でもかなり内容把握が難しいと思われるので、何度も読み返しながらきちんと内容を把握できるようにしたい。



追記・修正をすれば、あのお方は俺を褒めて下さるだろう…


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最終更新:2024年02月11日 08:53

*1 ムーディはを盛られるのを防ぐため、自分の携帯用酒瓶からしか飲み物を飲まない習慣があった

*2 「魔法生物に地中の金貨を探させる」実習を行った直後で、一帯の土が掘り返されていた