ウルトラ怪獣擬人化計画feat.POP Comic code

登録日:2016/06/03 (金) 05:54:14
更新日:2024/01/18 Thu 15:05:55
所要時間:約 5 分で読めます








……そうだろうねぇ。





概要

『ウルトラ怪獣擬人化計画feat.POP Comic code』とはウルトラ怪獣擬人化計画の一つである。
ヤングチャンピオンにて連載されていた。全7巻。
企画・キャラクター原案:POP
作画:風上旬

ウルトラ怪獣擬人化計画と一口に言ってもKADOKAWA版とPOP版など、
複数種類が存在しており、本作は擬人化計画が動き出す発端となったPOP版のメディアミックスの一つとなる。

KADOKAWA版にも『ウルトラ怪獣擬人化計画 ギャラクシー☆デイズ』という漫画が存在するが、
向こうがウルトラシリーズに詳しくなくても楽しめる日常系ギャグ漫画に対し、
こちらはシリーズを知っているとより楽しめるギャグ漫画と、見事に住み分けしている。
ただしライト向けのための調整もしており、そのために重要な第一話は「ネームを描く段階だけで2ヶ月も費やした」とか。

世界観を構築する上で参考にしたのは『ウルトラ怪女子(ドラマCD)』であり、それをベースに連載用にあれこれ設定を付け加えているとの事。
裏設定、裏事情が結構多く、風上氏によれば例えば「なぜ擬人化した怪獣が女性になるのか? 男性ではダメなのか?」という疑問にも作者なりの回答がある。

単行本には元のウルトラ怪獣の紹介が写真付きで掲載されている。
複数作品に登場している場合は初代が紹介され、本編中でのネタや扱いも基本的には初代に準ずるが、レッドキングのように別個体の特徴が(恐らくは意図的に)混同されている場合もある。

けっこう人気が出ており、16年11月時点で第1巻が6刷目の重版となっている。



登場人物?


本作の主人公。初代ウルトラマンと同等の能力を持つ強豪宇宙人
初代メフィラス本人であり、ウルトラマンとの戦いは試合に引き分け勝負に負けていたので、
負けた」と捨て台詞を言って逃げたのだが、死んでもいないのに怪獣墓場に送られたあげく女子高生にされてしまった。
負けた者が送られる場所と聞いて「私は負けた訳ではない」と不満タラタラだったが、
百合の気あるらしく(元が男なので当たり前だが)美少女に囲まれて満更でもない生活を送っている。
少女時の姿は153cm、41㌔。

暴力を嫌い紳士的に振る舞っているが、本質は短気なので直ぐに手を出しては「よそう……宇宙人同士が(略)」と言い出すまでがテンプレ。
ウルトラマンとの決闘の後やって来たにもかかわらず2代目の事を知っており、2代目について触れられるとキレる。どうやら黒歴史らしい。
曰く2代目はタロウのコミカル路線の被害者だと主張。
テンペラーと共に打倒ウルトラ兄弟に燃えており、人手を集めている。
作品内で戦闘シーンが多いが、ウルトラマンが(初戦)敗退した強敵怪獣には大体負ける。
人気投票ではダントツで、ついには殿堂入りするほどの快挙を成し遂げた。

『セブン最優秀怪獣』に選ばれるほどの可愛さを持つだけに、本作でもヒロインの座を勝ち取った。
マイペースで人懐っこく、直ぐにチューする癖があるのでメフィラスを混乱させている。
相変わらずウルトラセブンに尻尾・胴体・首の順番で切られたのは快感だったと言っている。
しかし、レッドマンの切断はどうにも嫌らしい。最終的に首だけだからだろうか?
頭の角を弄る事で大きさを変える事が可能で、稚魚状態にまで退化させられる。成長させるには電気が必要。

メフィラスの友人の一人で、メトロンの茶飲み仲間。
八つ裂き光輪で殺されたと語っている事や、体内に水爆を保有している事からおそらく2代目。
しかし単行本では多々良島に出た方が紹介されていた……。
けれど後にピグモンを殺してしまったことを気にかけていたことから初代も混ざっているものと思われる。
元のレッドキングは脳が小さいので少女になっても脳筋のアホの子。一人称はオレ。
彼女もウルトラマンに八つ裂き光輪でスパッとされたのが快感だったと語り、エレキングに共感している。
地球編では彷徨っていたところを大工の棟梁夫妻に拾われる。
棟梁いわく死んだ娘によく似ているそうだが…?

『ウルトラセブン大賞』に選ばれた最も知名度があるであろう宇宙人。
学校中に茶室を作っており、やって来た人をセブン扱いし、アンヌ隊員も呼ばないか?と言って来る。
アイドルブームの真っ最中であり、オタ芸を磨く事に夢中になっているというギンガS仕様も。
そのため学校の皆からは変わり者(不思議ちゃん)扱いされている。
個体としてはセブン+マックス+ギンガS(ジェイス)の集合体メトロンであるが、Jr.はまた別の個体。
生徒の中で唯一、個人用UFOを所持している。

メフィラスの喧嘩友達。少女になってもウルトラ兄弟を倒す事に執着しており、対ウルトラ兄弟の部活まで作った。
メフィラスからは短足で顔と言動がひょうきんな奴だと言われており、本人はコミカル路線だからと食いついている。
「~だわよ」という語尾と、怒った時に足を振り上げるのが癖。
なおゴドラ星人におちょくられて激怒したときは「消し炭にしてくれる!」と語尾が消えた。
赤い球体がトラウマで、そのため校長が苦手。

メフィラス達のクラスメイト。「信じなさい」と言うのが口癖。
侵略のために歯医者を経営しているが、普段はシェルターぐらいしか患者がいない。
メフィラスにウルトラ兄弟を一緒に倒さないかと誘われているが、ウルトラマンエースにしか興味ないからと断っている。
南夕子が帰った後、夕子の後釜になり北斗星司を狙おうとしていたが(恋愛的な意味で)、それが出来なかったためエースを憎んでいる。
異次元空間を歩いて地球に行ける。

この世界に来たことで念願の人間に戻れたものの、
中途半端なうえ女体化しているので普通に人間に戻して欲しかったと嘆いている。
人間になった事で水が苦手な体質は治ったのだが、ウルトラマンに殺された事がトラウマになっており水が苦手のまま。
本作では人間だったころのジャミラの、怪獣になる過程/宇宙飛行士時代の思い出が描かれる。
作者のお気に入りの怪獣のためか、レギュラーキャラではないが彼女メインの話は多い。
ちなみに、本作のジャミラは元々は男性のようだが、本来ジャミラとは女性名である。

明るく人懐っこい性格。記憶力が虫レベル。
テンペラーやメフィラスをお姉様と呼び、慕っている。
スペシウム光線を受けきった肉体を持つが、
テンペラーから「その売り一つだけで今日までやってこれた一発屋だわよ……」と言われた。

自宅でカジノを開いており、一人優雅な生活を送っている。
メフィラスに詰めは甘いものの侵略計画の緻密性を買われ、ダークネスブラックに誘われた。
モロボシ・ダン好意を抱いており、最後に背を向けて逃げようとしたのは追いかけて来てほしかったから。

ヤプールの手下でパシリ兼漫才の相方をしている。窓を突き破って登場するのが癖。
芋虫が元になった怪獣だが、本人は芋虫をキモいと思っている。

はいたい!ウルトラ怪獣?!』とは違い決定版のデザインで登場。
口数の少ない学園側の擬人化怪獣。
怪獣墓場にやって来たアントラーを何処かに連れて行く、学園の事情を知ろうと詰め寄るテンペラーをぶん殴って気絶させる等、謎に包まれている。
ちょっと空気が読めない性格でお約束も破る。
が、その事に激怒したメフィラスのマシンガントークに引いてしまったり、メフィラスの嘘をあっさり信じてしまう面も。
どうも力仕事担当のようだ。

学園からUFOを奪い脱走した宇宙人。本作のメインヒールで凶悪な表情をよく見せる。
地球に住んでおり、異次元装置で東京タワーを破壊するなど過激な…というか我々の馴染み深い地球侵略を進める。
途中からやってきたゴモラには引き気味だが割と平和的にデートすることも。

学園からUFOを奪い脱走した宇宙人その2。非常に強い。
宇宙中に散らばった無数の同胞を怪獣墓場に住ませるため、学園の擬人化怪獣全員の退去を強要してくる。
要求を通すために3対3の怪獣デュエルに挑み、ゼットンと激闘を繰り広げる。
1人の少女の体を複数のバルタン星人が代わる代わる乗り移るため、多重人格のような言動になる。
最終的には再び宇宙へ旅立った。

  • 再生怪獣サラマンドラ
バルタン星人の手下その1。伝令役だが伝令が上手くできない。ちょっと子供っぽい性格。
再生能力はそのまま持つ格闘戦が得意な肉体派。怪獣デュエルではメフィラス星人と戦った。
実は元の怪獣が操られていたこともあって完全な指示待ち人間で、指示がないと何も出来ない。
バルタン星人が去ったあとはテンペラー星人を上司に仰ぐ。

バルタン星人の手下その2。UFOの操縦役だが操縦は上手くできない。二人揃ってこれは…。
丁寧語で話す大人っぽい性格…と思いきや格下は見下す、時々荒い口調になる、汚い手も平気で使うなど典型的な悪役。
怪獣デュエルではジャミラと戦った。
サラマンドラと同じく指示待ち人間のため、バルタン星人が去った後はテンペラー星人の元に着く。

古風な喋り方をするオタク。腐女子扱いのようだが百合好き。地球に同人誌を買いに行きたい。
消去エネルギー源で生徒3人を消してしまったため自宅謹慎中だった。
原作通り走るのが非常に速い。

新しくやってきた擬人化怪獣。死にネタが鉄板の悲運の存在。
かつて殺した事を謝ろうとするレッドキングを見てショック死するもその後何も無かったかのように復活しブログを始めた。
その後はピグモン系のキャラには珍しく腹黒ぶりっ子キャラ扱い。確かに本家も「人間に擦り寄った」と言えなくも無いが。

最初からいた擬人化怪獣。グドン犬に襲われるまで誰にも気が付かれなかった。

ヤプールが超獣製造機Γ(ガンマ)で再び造り出した超人。
学園が絡んでいない生まれの為か異常に好戦的。
エースを憎む心から作り出したため、「A」や「北斗」と付くもの全てを破壊し尽くす狂犬と化した。

「あたりうが~メフィラスかしこいうが~」
あほの子まるだしな口調だが研究所の所長。
予想通り怪獣擬人化の根本にかかわっている。

生まれたばかりの擬人化怪獣。とある理由により暴走する。

神戸港の海底に眠るスーパーロボット。
ペダン星人の手で擬人化したが、強大すぎるパワーをペダン星人も制御できず未だに眠っている。
最強の擬人化怪獣である彼女が目覚めたとき、数時間で地球は壊滅するという。

  • 校長先生
正体不明の学園の謎の校長。
普段は赤い球体の姿でいるため本来の姿は不明。
ウルトラシリーズで上司の立場にいて、赤い球体である事から正体はゾフィー兄さんもしくはエンペラ星人かもと予想されるが、どの説もいまいち決定打に欠けている。

かつてモロボシ・ダンを演じた森次氏本人。
森次氏が経営している『ジョリー・シャポー』とのコラボ回で登場。

学園の職員で、いわゆる「給食のおばちゃん」。
その他モブと同じく校則違反の罰則である黒塗りのシルエット状態で登場するが、何をやらかしたのかは不明。女性語で喋るため、一応擬人化はされているらしい。
なんにでもモチを使うなど困った面もあるが、根は気のいいおばちゃん。



人物以外の登場キャラクター


怪獣墓場を住処とする亡霊怪獣。元々の住民のためか、擬人化せず怪獣の姿のまま。
例のウルトラマンロケットにしがみついたまま空中を漂っている。
ちょっとした名物らしく、「あいつを見ると宇宙に出たって気がする」とはメフィラスの言。

「いかなる戦いにも負けたことのないガッツ星人と同等の力を持つ」とされる丸い鳥。
メフィラスちゃんが飼育係となり飼われている学園のペット。
風上先生が擬人化されていないガッツ星人を出したいがために作りだした策だとか。同様の理由で後に下記のグドン犬が登場した。
食料として調理されたり分身して選挙の票を操作するなど何かと便利屋として扱われている。

グドンと同じ性質を持った4足歩行の生き物。
街中を野良で徘徊しており、ツインテールをたびたび襲う。


用語

高度4万mにある『ウルトラゾーン』。やって来た者は何故か女子高生にされる。
原典とは違い死んだ者以外にも『ウルトラマンに負けた者』がやってくるらしい。
怪獣墓場学園を中心に上から時計回りで『昔ゾーン』『未来ゾーン』『不思議ゾーン』『自然ゾーン』が円状に広がっている。
これらの奥の方は住民達でさえ知らない。

  • 怪獣墓場学園
怪獣墓場の丁度中心に位置する女子校
学校と言いつつ授業はろくにせず、基本的に自習というフリーダムな学校。
怪獣・宇宙人が生徒なのに侵略に関する事が校長によって禁止されている。
メフィラスがサトル君に向けて言った「そうだろうねぇ」が学園中で流行している。
劇中で昭和作品のOPのようなシルエットで登場する怪獣は、校則を破った罰で一定期間そういう風にされるとの事。メタ的には「ネタやモブ要員に使いたいけどPOP版デザインが無いor許可の降りていない怪獣」を出すための措置でもある。

秋葉の人気アイドル『銀河アイドルULTRA78』にアイドルと勘違いされた際に名乗った組織名。
この時は結成していなかったが、その後アイドル路線で侵略する事にしたため実際に結成した。
名前の元ネタは『ダークネスファイブ


擬人化計画について


この作品では「なぜ怪獣が少女の姿になったのか」という点についても詳細に設定が作られている。


怪獣墓場内の遊園地「怪獣ランド」に来たメフィラス星人。
そこでエレキング共々雷に打たれて以降、地球人の少女の記憶がフラッシュバックするようになってしまう。
一体この少女は何者で、なぜこんな記憶を思い出すのかわからす困惑するメフィラス。
そもそも自分はなぜこんな姿になってしまったのか?そして学園にはどんな秘密があるのか?
学園側に属するゼットンの妨害を受けながらメフィラスは真実を追う。
そしてたどり着いた校長室、その中の「ある人物」からついに学園の真実と「ウルトラ怪獣擬人化計画」の全容が明かされるのだった。



余談

風上氏はPixivにて本作の宣伝イラストや漫画も掲載しているのだが、
「ウルトラ兄弟物語」や「STORY 0」のコラネタまで擬人化怪獣で再現したりしている。
コラネタまで守備範囲内だったのか……!?




追記・修正よろしくお願いするだわよ。


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最終更新:2024年01月18日 15:05

*1 「狙われない街」を正史とした場合。