エミリア(Re:ゼロから始める異世界生活)

登録日:2016/06/03 Fri 00:28:19
更新日:2024/04/16 Tue 12:55:56
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―――――そこまでよ、悪党


Re:ゼロから始める異世界生活』のメインヒロイン。


概要

銀色の長い髪に紫紺の瞳を持つ、外見年齢十八歳くらいの美貌のハーフエルフ。
愛称はリア(パック)、エミリアたん(スバル)など。

お人好しで面倒見が良いが、本人はそれを認めようとせず、他者のための行動を自分のわがままと言い張る面倒な性格。座右の銘は「一生懸命」。
スバルとの出会いもそのお人よしさがきっかけだが、あくまでも聞きたいことがあるから助けただけと言い張っていた。
「――絶対の絶対、助けたりしないからっ」(→助ける)

その優しさからスバルからは「E・M・T(エミリアたん・マジ・天使)」、「E・M・B(エミリアたん・マジ・菩薩)」などと褒め称えられている。

『オタンコナス』『おったまげた』など、死語や古い単語、もしくは言い回しを時折会話の中に挟む癖があり、
そのたびにスバルから「~ってきょうび聞かねえな。」と突っ込まれ、それに対してエミリアが「茶化さないの」と返すのが定番になっている。

火をつかさどる精霊パックと契約して四系統の魔法を使いこなす『精霊術師』。特に氷系魔法を得意とする。
「火の精霊なのに氷?」思うかもしれないが、この作品における火属性は熱量を司るものなため、氷系統も熱量を操るという意味で火属性に分類される。
ちなみにパックとの契約条件は毎日の髪形や服装の決定権と毛づくろいを行うことなどだが、これは大精霊との契約としては破格の好条件。
しかもこれは鏡を見れないなどのトラウマを抱えているエミリアをフォローするために取って付けたようなものであり、実質的にはほぼ無条件のようなもの。
本来パックは顕現するのに大量のマナを必要とする大精霊だが、周囲の空間からマナを吸収する事で存在を保っており、エミリアのオドは使用していないらしい。

ルグニカ王選候補の一人であり、辺境伯ロズワール・L・メイザースの支援を受けている。
しかし400年前に災厄を引き起こした「嫉妬の魔女」と同じ銀髪のハーフエルフである事から差別を受けており、王選候補に選ばれていることに関しても批判の声が大きいのが実情である。
とはいえお人よしなエミリアたんはそれで人間を恨むようなこともなく、あくまで「公平」である事を求めている。


活躍

王選参加資格の証である徽章をフェルトに盗まれてしまい、それを追う仲でチンピラに絡まれていたスバルを助けた。
エミリアを放っておけなくなったスバルは彼女の探し物に協力することを決め、スバルを危険に巻き込むことを嫌ったエミリアは、
敢えて世間で忌避されている“嫉妬の魔女”の名前であるサテラを名乗り、スバルを遠ざけようとした。
しかし異世界から来たスバルは当然“嫉妬の魔女”の事など知らなかったため、そのまま付いてくる事になった。
その末に、スバルと共に徽章を奪おうとしていたエルザ・グランヒルテにスバルと共に命を奪われる。

しかしスバルが死に戻りした事により、運命は再始動する。
そして4周目にして徽章の奪還及びエミリアの生存は達成され、スバルは報酬として「君の名前を教えてほしい」と要求し、ようやくスバルはエミリアの名前を知ることになった。
その後、エルザに受けた傷が開いて死にかけたスバルを治療するためにロズワール邸に戻り、スバルはエミリア陣営に加わることになった。

が、死に戻りによって『エミリアがスバルを助けた』という(1周目の)事実はなかったことになったため、
エミリアは何故スバルが自分を、時に命を懸けてでも必死で助けようとするのかが分からず、スバルと仲良くなっていく反面、
当たり前のように無茶を繰り返し、エミリアのためと言い訳して彼女の心配を無碍にするスバルの姿に内心悲しみ、心を痛めていた。
時には直接スバルに理由を聞くこともあったが、死に戻りの情報を開示する事を魔女によって禁じられているスバルはその理由を語る事が出来ない。

また、長く(腫物扱いという形で)周囲に『特別扱い』されていたエミリアは、自分の容姿を気にしないスバルならば自分を『普通の女の子』として扱ってくれるかもしれないと期待していたが、
エミリアを誰より大切に思っているスバルにとって、エミリアを他の女の子と同じように扱うなど無理な相談であり、
上記の助ける側と助けられる側の意識の差異と合わせて、スバルとエミリアは付き合いが長くなっていくにつれ、気持ちがすれ違うようになっていく。

そのすれ違いは王選候補の発表の場でスバルがエミリアとの約束を破ったことでついに表面化することとなり、エミリアはスバルに離別を突き付けた。

そしてその後、エミリアが表舞台に姿を現したことで魔女教が動き出し、その襲撃によって死亡してしまう。
スバルはエミリアから拒絶されたことにショックを受けながらも、それでもこれまでと同じように『エミリアの死』を覆すために『死に戻り』を繰り返し、
その過程で何度も失敗し、時に心を折られることもあったが、ついには絶望を乗り越えてその運命を覆すことに成功する。


全てが終わり、しばしの眠りから目覚めたスバルに、エミリアはその命懸けの献身に感謝を伝えながら、もう一度その理由を問いかけた。



どうして、私を助けてくれるの?


――エミリアが好きだから、俺は君の力になりたいんだ

エミリアが誰になんと言われて、自分で自分をどう思っていようと、俺は君が好きだよ。大好きだ。超好きだ。ずっと隣にいたい。ずっと手を繋いでたい

君が自分の嫌いなところを十個言うなら、俺は君の好きなところを二千個言う

俺は君をそうやって、俺の『特別扱い』したいんだ



それは、エミリアにとって初めての、「されて嬉しい『特別扱い』」の理由であった。

涙ながらにその『特別扱い』を受け容れたエミリアは、彼と共に王を目指すことを決意する。


しかし問題が解決したのも束の間、エミリアは聖域で自分の過去と向き合う事になる。

それは彼女がエリオール大森林を氷漬けにした過去。

100年前、突如として凍結したエリオール大森林のエルフの里、それがエミリアの故郷。

エミリアは100年前にエリオール大森林を自分ごと全て凍結させ、そして本編が始まる7年前、パックが氷を溶かすまでずっと氷の中で眠りについていた。
氷の中でも肉体の年齢は経過していたが、長命な種族であるエルフの血を引くエミリアは100年程度では大して老化もせずに生きていた。
つまりエミリアは実年齢約百七歳、外見年齢十八歳、精神年齢十四歳という非常にアンバランスな状態にあるのである。
今日び聞かない古臭い言い回しや、世辞への疎さ、子どもじみた仕草や態度はその弊害によるもの。

そして目覚めたエミリアはハーフエルフであった事から近隣の村から「氷結の魔女」と呼ばれ、大森林の中でパックと共に過ごしていた。
そんな折、ロズワールによってルグニカ王家に伝わる龍の血ならば、この地の呪いを解けるかもしれないと教えられ、彼を後援者として王選に加わる事になったのである。

そして試練でエミリアは故郷の仲間達が自分を呪っているという過去と向き合い、それでも皆の呪いを解いて謝りたいという答えを出した。
にも関わらず試練は突破できない。何故か。

それは、その記憶が本物ではないからである。


100年前、エミリアが暮らしていたエリオール大森林は襲撃を受けた。

襲撃者の名は「虚飾の魔女」パンドラ。
その女はエリオール大森林の封印を解くため、レグルス・コルニアスと魔獣黒蛇を引き連れ、エリオール大森林を壊滅させ、
母替わりであったフォルトナの命を奪い、父親のような存在であったジュースの心を壊し、エミリアの世界を蹂躙し尽くした。
そしてエミリアはパンドラへの怒りによって自分の力を暴走させてしまい、エリオール大森林は凍結され、エミリアはパンドラに記憶を封じられて永い眠りについた。

つまり、たとえエミリアがエリオール大森林の呪いを解いたとしても、もうフォルトナは帰ってこない。黒蛇の病に蝕まれた仲間達も生きているかは分からない。

それはエミリアにとって、仲間達が自分を呪っている事よりもなお辛い現実だった。
故に、その記憶と向き合う事を恐れたエミリアは無意識にパックを封じ込め、偽りの記憶に逃げ込んでいた。

しかしパックが自ら契約を破り姿を消したことでエミリアは自分の記憶と向き合わざるを得なくなり、自分が知らない記憶があふれ出して自分が自分じゃなくなるような恐怖に苛まれる。
そんなエミリアをスバルは励まし、何を思い出してもきっと想いは変わらないと諭す。


大丈夫だよ、エミリア。たとえ何を思い出しても、俺はお前の味方だ。
忘れてたこと何でも思い出したらいい。それでもまだ恐いなら、見つけよう

見つける……って、何を……

俺がエミリアを好きな気持ちで突っ走れるみたいに、
エミリアも周りのこと気にしないで突っ走れるようになる、大事な気持ちをだよ


そして試練を乗り越え、全てを思い出したエミリアは、それでも「きっとみんなは生きている」という希望を捨てず、必ずいつか幸福な未来を掴むため、母に自分は幸せでいると伝えるために、進み続ける事を決めた。

これ以降、自分の中の膨大な魔力を自覚した事で精霊の力を借りずとも魔法を使えるようになった。



【関連人物】

エミリアの第一の騎士。
最初はまるで天使のような理想的存在のようにエミリアを見ていたが、今では割とダメなところがある事も分かり、それでも変わらぬ好意を抱いており、エミリアもスバルに信頼を寄せている。
しかし精神的ロリのエミリアたんはいまいち恋愛感情が分かっていないため、返答は保留中。

  • パック
エミリアの契約精霊。ただし現在契約解除中。
エミリアを守護し、その望みを叶える事だけを目的としており、エミリアを傷つける者には容赦しない。
エキドナの手によって精霊となった人工精霊であり、元々は人間だったらしい。
精霊になる際にいくつかの制約を結ばされており、それによって肝心な時に出てこれなかったり力を発揮できなくなったりしている為、あんまり役に立たない。
ちなみに周囲のマナを吸収しているというのは真っ赤な嘘で、実際はエミリアの膨大な魔力から頂戴していた。一応周囲のマナも吸収できるが、その場合存在しているだけで世界を凍結させ殺していく事になる。
エミリアの父親らしき文章があり、エミリアが死ぬと本来の姿・終末の獣となって辺り一面を凍土と化す。

  • ジュース
魔女教の大罪司教。またの名をペテルギウス・ロマネコンティ。
当時の魔女教の中でも穏健派とされ穏やかで誠実な人物であり、エリオール大森林のエルフ達を支援しフォルトナからは好意を持たれていた。
襲撃をかけてきたパンドラとレグルスからエミリアとフォルトナを守るために、適正が無いことを押して怠惰の魔女因子を取り込み決死の覚悟で立ち向かった。しかし、パンドラの権能により命を捨ててでも守りたかったフォルトナを自らの手で殺めでしまい精神が崩壊し、さらにパンドラの権能に掛けられ現在の状態となってしまった。
100年後、エミリアと再会した時には既に狂い果てており、エミリアも記憶を失っていたため、どちらも相手の事を思い出せなかった。
しかしエミリアはスバルが取り込んだ怠惰の魔女因子にジュースの存在を感じている様子。

  • パンドラ
虚飾の魔女。魔女教において禁忌の存在とされる少女。
エミリアにとっては故郷を壊滅させた仇だが、それだけではなく、エミリアの実の両親を殺したのもこいつであるらしい。
エミリアを「魔女の娘」と呼び、その出生の秘密を知っているようだが…


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最終更新:2024年04月16日 12:55