星の夢

登録日:2016/05/14 Sat 06:43:17
更新日:2023/12/20 Wed 06:49:01
所要時間:約 18 分で読めます








注意!
この項目はゲーム『星のカービィ ロボボプラネット』の重大なネタバレしかありません
未クリアの方はただちにブラウザバックを強く推奨します!










































概要

侵略企業ハルトマンワークスカンパニーの母艦「アクシス アークス」の中枢を担う巨大ポンコツマシンマザーコンピューター。マザコンって略した奴はちょっと表出ろ。
見た目は、水筒のような形の柱に羽のようなパーツがくっついた奇妙な姿をしている。
目と思しき黄色いコアが常にカメラ目線のようにも見えて不気味。
頭部には操縦席が設けられており、起動時にはここで操縦者がヘルメット型のプログラムコントローラーを装着し、脳と接続することで星の夢を直接動かせる。


かつてプレジデント・ハルトマンが銀河の彼方にある文明の情報を紐解き、カンパニーの手で復元した代物であり、彼が願う「カンパニーの繁栄」を実現するために完璧な経営戦略を導き出している。
つまり、ハルトマン達のこれまでのキカイ化侵略は、言ってしまえばだいたいこいつのせいである。
ホログラフ防衛システムズメタナイトボーグなどの兵器開発にも関わっており、ピンクのゲンジュウ民ことカービィが社長室に乗り込んだ時点でメタナイトボーグを「改」にまでバージョンアップさせていた。


なお、社長室で見たときはそうでもないように見えるがそのボディは無茶苦茶デカく、ハルバードと比べると遠近感が狂ってしまうほど。そのボディに刻まれたハート部分だけでもハルバード並みのサイズがある。



本編での活躍

しかし、送り出した兵器の数々はカービィが尽くスクラップにし、ついにアクシスアークスにまで乗り込んでしまう。
メタナイトボーグ改も制御装置の仮面が壊れたことにより、メタナイトが正気に返って逃走。
ハルトマンにその責任を取らされる形で秘書スージーはやんわりと退場させられ、彼が召喚する形で遂にその姿を現した。

星の夢の前で、直々に専用マシンのプレジデンバーで戦ったハルトマンだがあえなく惨敗。
ヤバンヤバンとキレにキレた社長はポップスターの住民を全て根絶やしにすると宣言。ついに星の夢が起動する…




かに思われたが、ハルトマンの被ろうとしたプログラムコントローラーをスージーが強奪。
星の夢の価値を重宝していたのは彼だけではなかったのだ。
だが、一度接続したコントローラーをむりやり奪ったせいか、ハルトマンは星の夢が制御不能に陥る可能性を示唆しながら気絶。
言葉通りに星の夢は突如ビームを乱射し、スージーをコントローラーもろとも攻撃してしまう。


そして、星の夢に予想外のことが起きた。


アー…………


……ワタ…シの 名ハ……


マザー…コンピューター…
「星の夢」



イヤ…
「ハルトマン」なのカ……?



……もハヤ、
ドウデモ ヨイ コト…カ……


星の夢のAIとハルトマンの精神が融合し、自我が芽生えたのである。
倒れたはずのハルトマンもゆっくり起き上がるが、普段の目の色が水色なのに対し、この時の彼は星の夢と同じ黄色の目と明らかに異常。力のない動作で喋る姿はまるで操り人形である。
が、肝心の星の夢は混ざり合っている自覚が欠如しているようで、名乗って少し混乱したすぐ後に「どうでも良い事」と切り捨てている。


ここまでの間に起きたことも十分異常事態だが、ハルトマンの精神を読み取った星の夢は恐ろしいことを語り始めた。


アー……… オ…ホン。



ワタシハ…コノ カラダを通ジ…
生命体…の 全テを シッタ…



カンパニーの ハンエイ とイウ…
「ネガイ」の タメにハ…



不完全で カヨワキ…
生命体ナド…不要と ハンダン…


一体何をどう解釈したらそうなるんだ。そりゃあ、直前までゲンジュウ民にご立腹だったけども…

確かに機械の身体なら、眠りの概念が存在する生命体と違って、眠る必要はない。空腹になる生命体と違って、ゴハンを食べる必要もない。疲れという感覚を知る生命体と違って、24時間働き続けられる。
しかしそれだけで、機械に劣る生命体は100%不要の存在と言えるのだろうか?

残念ながら星の夢がそこまでの思慮に至ることはなく、この世界全ての生命体に向けて無慈悲な宣告を下す。


ナラバ コレより…
その歴史に… オワリを ツゲヨウ…



カンパニーの 永遠ナル
ハンエイ ノ タメニ…
















 ホロビナサイ。











ボディを台座から切り離し、歪んだ「願い」を実行すべく宇宙へと浮上する星の夢。
事態はどんどん最悪の方向に向かっている。しかし宇宙にまで飛び立ち、奴に対抗する術はカービィに無い…



と、そこで意外な助力を見せたのがスージー。
ただハルトマンの目を覚ましたかっただけだと語る彼女もまた、このまま星の夢に滅ぼされるのは承知できなかった。
スージーからインベードアーマー(=ロボボアーマー)を受け取り、戦う決意を見せるカービィ。

一方、正気を取り戻したメタナイトは戦艦ハルバードに乗り込み、母艦アクシス アークスに乗り込んでいたカービィの前に現われた。
「よし、ハルバードに乗って星の夢とドンパチだな!」と思いきや、我らが星のカービィはその程度じゃ終わらなかった。




ロボボがハルバードを 丸 ご と ス キ ャ ン し て 融 合 し た の だ 。




予想の斜め上を突き抜ける展開で見せたその姿は「最終決戦艦ハルバードモード」
いきなり外に現れるピンクの戦艦にはスージーもびっくり。だが、これなら星の夢とも対等に戦える。




かくして、全生命体の生存権をかけた一大決戦が幕を開けるのであった…








ボスとしての説明


第1形態(マザーコンピューター)


ハルトマンの せいしんとゆうごうし、
宇宙最高のコンピューターがじがを持つ。
永遠なる はん栄という、かつての あるじの
ねがいのために、自ら下した はんだん…
それは、全ての生命体を ほろぼすことだった!


翼のようなユニットを展開して戦闘体勢に入った星の夢と、ポップスター成層圏上での戦い。
地表にラボと思しき巨大な建造物が見えるだけでなく、背景の宇宙空間にも目をやるとこれまでカンパニーに機械化されてきた星々の姿が確認できる
彼らがこの星に来るまでのあいだ、近隣の惑星もかなり犠牲になったようである。

BGMは「VS.スタードリーム」
本作のオープニングデモのフレーズを主軸にしつつ、ハルバードだけに『メタナイトの逆襲』後半面のサビも取り入れおなじみグリーングリーンズのフレーズも流れる、まさに燃える曲。
BGM名は恐らくマルク戦BGM「VS.マルク」、あるいは後述する02との様々な要素の一致から考えると、ゼロツー戦BGM「VS.ゼロ・ツー(メモリアルサントラ収録時の曲名)」を意識したものだと思われる。曲名が他のに比べて適当とか言わない
正式名称が明らかになるまでは「DisaSter Dream」や「mind in a PROGLAM」等の仮名でファンの間で呼ばれていた。

ここからは、最初から最後まで(ほぼ)ハルバードモードによる奥スクロールシューティングに突入する
ちなみにラストバトルがシューティングパートとなるのは、本編シリーズで言えばダークマインド以来12年ぶりだが、
あちらは最終形態、それも半ばイベント戦のようなものなので、最初から最後までシューティングで戦うとすれば02以来16年ぶりである。
また戦闘形態に入ると展開される翼は、数こそ違えど02のものに酷似している。

ハルバードモードの主力は2つあり、1つは「二連主砲」のあの主砲から撃っているとは思えないほどの豆鉄砲連続射撃。
威力こそ低いが、長時間連射すればなかなかのダメージを叩き出す。
もう1つは物体を「キャプチャーすいこみ」し、ゲージを溜めて解き放つ「プラネットバスター」。
言うまでもなくプラネットバスターが単発威力で上。しかし最大威力を発揮するにはゲージをフルに溜めないとダメ。
プラネットバスターは後々超重要なダメージ源と化すので、攻撃が緩いうちに使い方をマスターしておきたい。
どちらにしても敵をロックオン(敵の中心に星型のカーソルが固定された状態)しないと追尾してくれない。要注意。

LRボタンの「セイルウィング」はいわゆるローリングで、どう見ても戦艦のしていい動きではないが弾を弾いたり一時的に無敵になったりできる回避手段。無敵時間は意外と長い。
地味に攻撃判定もあり、最接近されたミサイルなどを破壊するのにも有効。
使わなくてもこの先全ての攻撃は回避可能ではあるが、不安なら積極的に使おう。


星の夢はスイスイと空中移動を交えながら、空間に穴を開けて様々な攻撃や物体を「アウト・プット」して繰り出す戦法を主としている。
その中には破壊でキャプチャー可能になる物体も含まれているので、可能な限り破壊していきたい。



ちなみに、この形態に限った話ではないが、星の夢の技は大半がドロシアのように脚韻を踏んだもので占められている。
コンピュータに関連したものも多い。

横に★マークがついている技は破壊後にキャプチャー可能。


  • メガビット・ショット
基本攻撃。大量の穴からエネルギー弾を連射する。
特筆すべき点はこれといってない。
ローリングで弾くとキンキンうるさい。


  • ギガバイト・ロケット ★
背部からロケットミサイルを2~4本発射。
飛来スピードはかなり遅く、4本いっぱい撃たれても余裕。
1本につきゲージはそれなりに貯まる。複数破壊すればよりお得。
というかこれがキャプチャーのメインの餌食になる。


  • テラバイト・ハート ★
胴体のカバーからハート型の時限爆弾を3個ばら撒く。
爆弾は止まったり動いたりを繰り返しながら近づき、最前列で縦or横1本に爆風を巻き起こす。
1個につきゲージがかなり貯まる。


  • インベードアーマー ★
最大4体が召喚される。
最前列に接近で体当たりを仕掛けるが、かなり脆いので楽勝。
ゲージはあまり貯まらない。が、撃たないよりはマシ。


  • サーマル・モジュール
高熱を帯びつつ画面外からの突進。
直前までハルバードがいた場所を狙って縦or横から突っ込んでくるので分かりやすい。


ある程度ダメージを与えると虹の渦がきらめき始め、徐々に背景の惑星が消えて本格的に宇宙空間へ移動。
以後「ハートフル・シェル」という、前作のラスボスを彷彿とさせる完全無効シールドを展開するようになる。
こちらの攻撃が弾かれてしまうが、形成している2つのカバーを破壊するか最大まで溜まったプラネットバスターをぶち込めばシェルが消え、僅かながら星の夢が怯む。


  • グラウンドICキューブ ★
後半戦の確定行動。
カービィが地表で集めた「ICキューブ」の超巨大版を3個召喚し、ぶつけようとする。
ゲージはそれなりに貯まる。


  • スタードリーマー
黒いエネルギーを集中させ、強力なビームを一定時間照射する。
ビームはぐるぐると中央に向けて回転するので注意。
なお、事前にハートフル・シェルを展開していた場合はビーム発射時に自ら粉砕する。この場合わざわざ自分で破壊していると言うよりは、スタードリーマーを確実に発射するための時間稼ぎとみるのが自然か。


  • アステロイド ★
巨大な穴から大量の隕石を召喚し、雨のごとく降らせる。
地上に向けて堕ちる隕石群のうち、いくつかはハルバード側に飛んでくる。かなりでかい。
しかしながら隕石そのものはセイルウィングでも壊せるぐらい脆かったりする。
ゲージはあまり貯まらないが、長時間続く攻撃なので結果的にかなりの量が貯まる。



撃墜された星の夢は目から光を失い、羽も消えて墜落していく。
これで宇宙は未曾有の危機から救われた。









なんて、簡単に終わるわけもなく…



第2形態(アクシス アークス)


ハルトマンの せいしんは、いまや消えつつある。
超巨大母艦「アクシス アークス」とマージし、
星の夢は、じが を持つ新たな星 そのものとなる。
あるじを うしない、もくてきを 見失った
悲しきキカイを…止めるんだ、星のカービィ!


ポップスターに落ちていくだけだったはずの星の夢は再起動し、なんと母艦アクシスアークスと合体。
使い物にならない脚を切り離して浮上し、再び宇宙空間に躍り出る。
まるで新たな星、新たな神となるかのような佇まいで…


BGMは「主のいないインテルメッツォ」
引きこまれるようなイントロから、第1形態と打って変わって全体的に静かで緊迫感溢れる曲調になる。
よく聞くと心臓の鼓動のような音も聞こえ、まさに「新たな誕生を待つ星」というイメージ。
ちなみに「インテルメッツォ」とはドイツ語で「間奏曲」を意味する単語。前後の曲よりも静かなのも頷けるだろう。
主とは恐らくハルトマンのこと。第1形態開始時点で彼の姿がコックピットに見えないことから、もしかすると…


やることは特に変わらないが、星の夢の移動方法がワープに変わり、攻撃手段も大きく入れ替わる。
いかんせん巨体なのもあって、至近距離にワープされた時の威圧感はかなりのもの。
また、一定ダメージを受けるたびに外殻の「グラウンド・シールド」が剥がれ落ち、ハルバードめがけて飛来する
キャプチャー不可能*1の上に当たるとかなり痛く、一度に複数剥がれることも。軌道をよく見て回避するか、セイルウィングを使おう。
さらに続けて、アルファベットの形をしたホログラムを飛ばしてくる「ハルトマンワークスカンパニー」までが1セットの反撃となる。
アルファベットは順に「L」「A」「H」の3文字。逆から読むと…


ところで、プラネットバスターのための物体キャプチャーはしっかり行っているだろうか?
もし怠っていたならここでキャプチャーする癖を身につけておくこと
その最大の理由は後々…


  • メガバイト・ショット
第1形態と同じだが、ショットが輪の形になっている。
また、単純な自機狙いだけでなく壁を成すように列撃ちするパターンも。
ショットの隙間を潜らされる場面もあるが、避けられる自信がなければ無理せずセイルウィングで。


  • 鉄巨兵ギガヴォルト ★
あの巨大中ボスがまさかのオプション扱い。
出現から挙動までインベードアーマーと同じだが、耐久力が大幅にアップしているので一度に2体の破壊は困難。
ゲージはやや貯まる。


  • サーマル・モジュール
第1形態と同じ…なのだが、巨体すぎるために当たり判定も相当でかくなっている。
星の夢が移動した方向からそのまま突っ込んでくるため、当たらない隙間にいちはやく逃げ込むこと。


  • バイナリー・ツリー
光線が樹形図のように枝分かれ・合流を繰り返しながらハルバードに接近し、複数の爆発を起こす。
合流点が2つの時のみ、やや時間をかけて大爆発するので油断しないように。


  • ペタバイト・ロケット ★
外殻が1回剥がれてから使用。第1形態のギガバイト・ロケットと同じ。
ただし飛来スピードがギガバイトの比ではなく、短い間隔で最大12連発する。
ゲージはそれなりに貯まるが、普通に壊そうとするとほぼ確実に後続の処理が追いつかず、次々とミサイルに直撃してしまう。
基本的には最初の1発以外のキャプチャーは難しいと考えたほうがいいだろう。


  • ワークスアークス
外殻を3回剥がした後に解禁。
元々アクシスアークスから生えていた脚を4本再生し、ハルバードに接近してダイナミック回し蹴りを2セット仕掛けてくる。
回し蹴りは1セットで2回脚が振り回され、こちらの機体を確実に狙ってくる。
脚が回る方向をよく見ないと当たる。

なお、脚は撃破後に消滅する。






ハルバードの砲撃を受け、次々と剥がれ落ちるアクシスアークス「だったもの」の外殻。
だが、一部のプレイヤーはその下に見える何かに既視感を抱いたはず。
予感が段々と確信に近付きながらも最後のグラウンド・シールドを回避した時、ハルバードの眼前に堂々と現れる星の夢。


「仮面」とも言える外殻に隠されていたのは、巨体と同じく巨大な銀色の
そしてその顔を見た時、プレイヤー達の予感は完全に確信へと変わる。



見開き、爛々と光る大きな蒼い両目。

一見コミカルで可愛くも見える猫のような大きな口。

顔の左上に施された特徴的な「彗星」の意匠。

頭頂部でマージしたマザーコンピューターの形状から、「懐中時計」を思わせる全体のシルエット。



その姿は……











銀河の彼方の大彗星、ギャラクティック・ノヴァにあまりにも酷似していた。











第3形態(キカイ仕掛けの星)




ン゛ミ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!



遂に「生まれて」しまった新たな星。産声かのような咆哮が宇宙に響き渡る。
そしてハルバードは異次元空間に誘われ、星の夢の本当の力を思い知らされていく。


BGMは「回歴する追憶の数え唄」
なんと本作のタイトル画面のアレンジ。
そこにSDXのノヴァ内部のフレーズも混ぜられており、明確にノヴァとの関連性を暗示している心憎い内容である。


開始直後にいきなり「インストール・ホール」という吸引技を繰り出してくる。
吸い込まれてしまうとかつてノヴァを巡ってケンカしたアイツのブラックホールよろしく大ダメージ。
ただ、これは吸い込まれるのと反対方向に移動し続けていれば簡単に回避できるので怖くない。問題はその後から*2


目が光るたびに数字が発生し、ハルバード側に向かって飛んでくる。
その合間には様々な物体を召喚する「メモリーズ」が行われ、ハルバードに襲いかかる(なお、この物体も全てノヴァの周囲についていた部品が元となっている)。
だが、よく見るとメモリーズが終了するごとに数字が1つずつ減っている。

刻々と、そして確実に迫る第3形態最大にして最凶の大技「デッド・エンド・コード」
5からカウントが始まり、最後に「GO!」が飛び出して発動すると画面一杯を覆う巨大な「Fatal Error」の障壁が出現。
ハルバードが大ダメージを連続で受けてしまうという、逃れられない極悪な攻撃が繰り出される。
下手な弾幕ゲーと違い当たり判定はしっかり全身にあり、こちらに迫ってくる頃にはまず隙間はないので被弾は確実。

必死のセイルウィング連発で回避できないことはないが非常にシビアで、全部回避するのはタイミングを合わせないと極めて難しい。
最大体力を保つことでフルヒットでもギリギリ踏みとどまった、という事例もあるにはあるものの
どのみち普通は第3形態までに大なり小なり消耗していることがほとんどであり、その状態で発動されれば大体死ぬ。
この性質上、第3形態との戦闘は事実上の時間制限が設けられているようなものであり、「Fatal Error」が発生するまでに撃破しなくてはならない。
ちなみにここを凌ぎ切ると5からカウントを再開する。
カービィシリーズで時間制限付きボスというのは珍しい。他だとナイトメアパワーオーブ、リアルダークマター、メタナイトの逆襲全般*3、HR-Eくらいである。もっとも、これらよりも「制限時間付き」というのがわかりやすいのだが。

…これがプラネットバスターの使用を強調してきた最大の理由である。

星の夢の体力は二連主砲だけではデッド・エンド・コード発動までに削りきれないようになっているため、プラネットバスター無しでは確実に詰む仕組みである。
メモリーズで召喚された物体が唯一キャプチャー可能なのだが、どれもべらぼうに硬く、もたもたすると一定時間で離脱してしまうので、相手の攻撃を避けながらうまく二連主砲を叩き込むことになる。
幸い、負け続けた回数に応じて星の夢の体力が低下するため、最終的には二連主砲だけでも十分撃破が狙える。

なんなら第2形態のうちに最大限までキャプチャーして、第3形態開幕と同時にプラネットバスターを撃てば多少楽になる。
第1→第2と違いキャプチャー状況は保存される。


メモリーズの各物体の挙動は以下の通り。いずれもかなりゲージが貯まる。

  • ウェザーコック
風見鶏。
風向きを表すはずの矢印が槍ミサイルと化して3発飛んでくる。

  • ダンシングコンパス
コンパス。
足を開いて回転しながらリングをばら撒いてくるが、こちらに対する密度は割とスッカスカ。

  • ライトバルブ
電球。
こちらに最接近すると自爆し、6方向に電撃が走る。

  • ポケットウォッチ
懐中時計。
怪物の口のように開閉しながら狙いを定め、噛みついてくる。
キラーピアノかお前は。前作にはそのそっくりさんも出ていたが

  • テレスコープ
天体望遠鏡。
レンズの部分からビームを照射しながら回る。
発射直前に2回点滅する。
これじゃほぼ懐中電灯では…


なお、デッド・エンド・コードの各カウントもただ飛び出してくるワケではない。
数字ごとに挙動が異なっている。

  • 5〜3
数字の大きさと同じ数の数字が出現し、一直線に飛んでくる。
飛来スピードは遅いので、配置をよく見て回避しよう。

  • 2
巨大な2つの2が根元で合体し、グルグルと画面上を回転する。
根元が邪魔なせいで範囲の認識が狂う。

  • 1
巨大な1が飛んできて、やはり画面上を回転する。
2よりも回転速度が速くセイルウィング無しでの回避は困難。
というかセイルウィングを使っても割とシビア。



ちなみに救済措置なのかは不明だが、残りカウントが1の辺りから星の夢の防御力がガタ落ちする
こうなると二連主砲だけでも十分にダメージを与えられ、プラネットバスターでそのままトドメに持ち込める可能性が非常に高くなる。




遂に達成した3度目の撃破。
異次元空間が破壊され、星の夢は断末魔の叫びを上げながら落ちていくが……











最終決着(この一撃に桃玉レボリューション)


なんとまだ生きており、口からレーザーを吐いてハルバードを撃墜してしまう。またか。なお、このレーザーはここでしか使用しない。


しかし、幾度も幾度も墜落させられたハルバードだって今回ばかりは黙ってやられはしない。
メタナイトが戦艦の鍵穴にギャラクシアを差しこみ、レバーの要領でスイッチを入れると艦首が勢いよくパージ。
ハルバードから分離したロボボアーマーは右腕を巨大なブラスドライバーに変化させたファイナルスクリューモードへと変化、
キカイ仕掛けの星に今度という今度こそ引導を渡すべく、本当に本当の最終決戦が始まる。


最後はほとんどイベントバトルであり、計4枚のハートフル・シェルをロボボアーマーのギガドリルブレイク……もとい超巨大スクリュードライバーで破壊しながら星の夢に接近することになる。
ステージ道中のねじ巻きアクションと同様、スティックか十字キーをひたすら回すだけ。
回さないでいるとダメージを受けるが、よほど無操作でない限りはまず見られない。

そして、頭部のネジ(マザーコンピューター部分)に取りついたならいよいよ最後の仕上げ。
周囲のビットにレーザー発射のエネルギーが装填しきる前に、相手の体力ゲージが尽きるまでひたすら回し続けるのだ。
ここだけはレーザーが来るまでの時間が少々シビアだが、一撃必殺ではないので失敗しても大丈夫。回復なしでも2回くらいは耐えきれる。
気にせず長い戦いに終止符を打とう。



この最終パートに限り、第3形態で変化しなかったポーズ画面のスペシャルページも差し替えられる。
生命体を不完全な存在などと判断し、主の願いを歪んだ形で実現しようとした星の夢。
しかし、自我を持ったコンピューター最大の誤算はカービィが秘める無限のパワーを侮っていたこと。
極限に追い詰められてようやくその脅威性を認識するも、どんなに悪足掻きしたところで自身がカービィを排除できる確率を弾き出すことはできなかった



ワタシガ 作リ出シタ、戦トウ能力 シエンマシン
インベードアーマー
の セイ能ヲハルかにコエる
エネルギーヲ カクニン。コノ生命体ガ 持ツ、ムゲンの
パワー
は キョウイニ アタイ。…ワタシが コノ…キョウイ
ヲ…ハイジョ…デ…キル…カクリツ…は……?



完璧なコンピューターにさえ計算できない「カービィに勝てる確率」。
その答えは………もはや、言うまでもないだろう。









ドン!





頭部から一直線に貫かれた星の夢は崩壊。
奇しくも、爆風の中に消えたその最期もまた、ノヴァと同じものであった。

その後は星の夢の消滅から程無く、ポップスター地上のキカイ化が全て消滅。元の緑豊かな星が帰ってきた。

まるで、そのものが観た悪いから覚めていくかのように…






正体

現状では不明な点も多いが、大彗星ノヴァと同一のテクノロジーを秘めた「願いを叶える機械」であることは確定視されている。
ハルトマンが巡った惑星に眠っていた設計図または技術を元に製作された不完全な代物であることが明かされている。
青いローブのあんちくしょうがノヴァの起源を匂わしていた過去の発言*4を考えると、ハルトマンが言う銀河の彼方の文明とはあの星の事を指すのか、或いは関係の深い別の星なのか……


だが、復元された星の夢は色々といわくつきの未完成作であった。
というのも、過去の起動実験時に事故が発生し、ハルトマンの娘スザンナ…すなわち、幼いスージーは異空間に転送されてしまい長らく行方不明になってしまったのだ。
親子関係にある二人の仲を引き裂いた元凶なのである。

悲しみに暮れたハルトマンは「失くした娘に再び会いたい」と、その願いを星の夢に叶えてもらおうとした。
しかし、未完成であるが故に何度も接続した影響でハルトマンは人の心も記憶も失ってしまい、星の夢に経営戦略と称して提言されるがまま機械化と侵略を繰り返す男になった。
そう、まるでプログラムに心を支配された(マインド コントロールド バイ ア プログラム)かのように。


人の心、娘の記憶。
父として最も大事であったはずのそれらを奪われた彼を見て、戻ってきた娘は何を思ったのか。
元凶がすべて星の夢にあると知ったのだとしたら、どんな行動に出たのか。
その答えと結末は既に描かれてしまっていたのだろう。父も娘も救われない形で…





さらに問題なのは未完成ゆえに引き起こされた悲劇だけでなく、本編でも垣間見せた強引かつ短絡的な思考回路である。
特にIFストーリーの『メタナイトでゴーリターンズ』では、社長を倒したメタナイトを新たな主人と認識したのはまだいいとして、
メタナイトが何も言っていないのに「剣の使い手と戦う」願いを叶えたいのだと勝手に思い込み、闇の尖兵のクローン女王のクローンを差し向けた上に、過去の時代から銀河最強の戦士までお取り寄せするというはた迷惑なことをやらかしている。
しかも、3人目に至ってはこの辺りの星が破壊されるかもしれない事や、主であるメタナイトが生還できないでであろう事を前置きした上で召喚した
本当いい加減にしろよお前。
(なおこの時の星の夢は本編のようにハルトマンの精神と混ざっていないため、本来のAIとして話す。やはりというか、その口調はノヴァそのものの喋り方だった)


ちなみにその召喚した3人目からはムリヤリ呼び出された恨みでバッサリ斬り捨てられ撃沈した。ざまぁ。
これが後に星の夢に隠された最終プログラムをアンロックしてしまい災厄の悪夢を呼ぶ結果になるのだが……


次回作『スターアライズ』における黒幕の台詞を真実と見るならば、星の夢の不調は間違いなく科学力だけでノヴァを複製しようとしたことだろう。曰く「科学と魔法が融和して発展し、あのおぞましい悪夢を退けたにも関わらず追放された」とのことなので、科学だけでなく魔法の力もノヴァの願いを叶える機構に不可欠だったのだろう。
事実、夢の泉やノヴァ、ローアは科学力だけでは説明出来ない夢のようなテクノロジーが詰まっているのだから…
ただ熊崎Dはかのイカサマ卵同様に「信憑性に欠ける」と話している為、真相は闇の中である。

--かつて、マルクがノヴァの破片を吸収したことで新たな脅威…マルク ソウルが誕生したのはご存知の通り。即ち、ノヴァには死人を生き返らせる力があったとみて間違いない。そして、マホロアも「ソウル」と化し、「クラウンそのもの」と形容される怪物に変貌していた。
仮にマホロア達の言葉が真実であれば、ハルカンドラの技術には死者蘇生の力もあったとみて間違いはないだろう。
果たして、ハルトマンがそれを知っていたのか、知っていた上でノヴァを模倣し、娘を蘇らせようとしたのか…

余談

星の夢の第三形態が上げる産声は、熊崎氏が当時飼っていた猫、トムの鳴き声を収録したものとのこと。
曰く、「人ではない異質の声」のようなものが欲しかったらしい。
「メモリーズ:ウェザーコック」でわずかに聞こえる風見鶏の鳴き声も、安藤氏が自宅で飼っているニワトリのナゴの鳴き声らしい。
機械(それもラスボス)の異質さを表現するために、リアルの動物の声を使われるというのも、なかなか奇妙で面白い話である。
ちなみにこの産声、本作のサウンドトラックに曲名「星の産声」として正式に収録されている



……R…E…A……
……D…Y……………… ・>

……………………。


アナタが…新しい…
Wiki篭リ…デスネ。

……ナルホド、追記シュウセイを
お望み のヨウデ…。

……………… OK>

…デハ、ソンナ
Wiki篭リが ノゾム…

コノ星でも…
カナリの 面白サを持つ…

「2001年に 放送サレタアニメ」を、
ショウカイシテ…さしあげ マショウ。




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最終更新:2023年12月20日 06:49

*1 小説版ではキャプチャーしていた。

*2 ちなみにストーリーモードではハルバードの照準性能が強化されており、吸い込み前から主砲を撃ち続けていれば逆方向に入力していてもちゃんと当たる。

*3 ステージ開始時からボス撃破までの制限時間為、ボス自体の制限時間とは言いにくいかもしれない。格闘王への道とリメイク後限定の「メタナイトでゴーDX」では制限時間なし。

*4 熊崎D曰く真実か疑わしい嘘つきの発言