No.98 絶望皇ホープレス

登録日:2016/05/11 (水) 23:56:59
更新日:2023/12/30 Sat 19:24:02
所要時間:約 9 分で読めます








そろそろ幕を下ろしてやろう…絶望という幕を
アンチホープにな!




???「ホープレス……?」
???「夢も希望もない奴らって意味さ」


No.98 絶望皇ホープレスとは「コレクターズパック-閃光の決闘者編-」で登場した闇属性・戦士族のエクシーズモンスター。

遊戯王ZEXAL』放送当時から「希望皇の対になる絶望皇の名を冠したNo.がボスキャラのカードとして出るのでは?」と予想されながらも、
ホープのナンバーである39を逆転させた数字である「No.62」や「No.93」は希望のカードとなり、
ボスキャラのカードも「偽骸」だったり「夢幻虚光神」「CiNo.1000」だったり「冀望」だったりと絶望の名を関したカードはほとんど登場せず、
ついに漫画版のラスボスにNo.ですらないウンチホープ絶望アンチホープ」が登場し、結局はデュエリストたちの妄想にすぎないなのか……

と思って1年弱たったある日、ついに登場した希望皇と正真正銘、対となる名を持つ「絶望」。
No.99 希望皇龍ホープドラグーンに次ぐ高位ナンバーである「No.98」の数字を持つナンバーズである。

そのカードイラストはホープの面影も残っているものの、ホープレイよりさらに黒を強調した色合いが特徴的で、
背景にある、No.99のアニメでの召喚シーンを沸騰とさせる雷雲も相まって実に禍々しさを感じさせるかっこいいデザインである。
それでいてどことなく残っているヒロイックさからダークヒーローのような印象も。

またナンバーズの数字は、左肩に数字が描かれていたホープに対しこちらは右肩に数字が描かれており、
ホープの対にあたるモンスターらしさをさらに強調させる。 ……つまり、アンチホープにイラストアドバンテージも勝っていると言ってもいいと思う。

ちなみにホープと違うのは肩で、パーツが増えている。


そして期待と不安が入り混じる効果は以下のものを持つ。

エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/戦士族/攻2000/守2500
レベル4モンスター×2
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
そのモンスターを守備表示にする。
(2):このカードが墓地に存在する場合、フィールドの「希望皇ホープ」モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを守備表示で特殊召喚し、対象のモンスターを下に重ねてX素材とする。
この効果は相手ターンでも発動できる。



???「それっておかしくないかな?」(アンチホープが登場した意味が)
???「これで…満足したぜ……」(アンチホープが不満だったプレイヤーが)
???「来た!やったぞ!ついにアンチホープするカードが現れたんだ!」
???「アンチホープなんてぶっ飛ばせ!」
???「アンチホープ、これが(ある意味正しい)絶望だ……ターンエンド」
???「アンチホープ?なにそれぇ?鈍いなこいつが正真正銘のホープを「アンチ」するホープだよ!」



ア ン チ ホ ー プ と は な ん だ っ た の か ?


ホープとは全く関係性がない上にホープをアンチすることすらできず、その手のネタカードの方が使い勝手がよいのでそちらを採用したほうが良いとまで言われてしまってるアンチホープと違い、
こちらは場のホープを吸収して蘇生できるというホープを完全にメタった効果持っている名実ともにホープキラーである。別名「アンチホープ」レス
早速詳しく見て行こう。

まずステータス、地味に貴重な闇属性・戦士族のエクシーズとこの時点でかなり優秀。
守備力も2500と指定なしのレベル4×2体という素材の軽さ、さらに(2)効果から場にでることを考えると十分な高さかつ絶妙なライン。
大抵の同格ランク4の攻撃力だけでは簡単に突破できないため、追加のカードの消費や、除去効果の使用を強制できる点は大きい。
出しにくい上にステータスもオーバースペック気味で有難みが薄いアンチホープとは大違い

欠点を上げるならば攻撃力が2000とこの手のカードとしては及第点以下であることがやや目に付くことか。
もっともエクシーズ召喚にしろ(2)効果にしろ、このカードで攻撃する機会は限られているので問題ないと言えばそうだが。

(1)の効果はどことなく希望皇を連想させる、自分・相手のモンスターを問わず、攻撃宣言したモンスターを守備表示にしてしまう攻撃抑止効果。

この効果は1ターン中の発動回数に制限がないので素材が許す限り発動可能だが、
このモンスターが存在する状態で相手が何の対策もなしに攻撃してくるということはまずないだろうし、
守備を持たないリンクモンスターや権ちゃん愛用の「超重武者」などの守備表示で攻撃してくるタイプや効果耐性持ちのモンスターには効果を使用できない。
あくまで抑止力程度に捉えておいたほうがいいだろう。もしくは第二の効果の補佐とするべき。

また逆に相手だけでなく自分のモンスターに使えることから、
場にすぐに出したいけれど攻撃力が低いモンスターを取り合えず守備表示にして戦闘ダメージのリスクを減らすために使うというのも一つの手だろう。
変わったところでは「断頭台の惨劇」とコンボさせる手もある。

そしてアンチホープにとって問題の(2)の効果。
正規召喚されたこのカードが墓地に存在し場に「希望皇ホープ」が存在するときに、このカードを特殊召喚してその「希望皇ホープ」をX素材にできる。
この効果は相手ターンにも発動できるスペルスピード2であるためプレイヤーが望んだタイミングで発動できる。

どんな希望だろうと墓地に存在する限り自身の糧として復活してしまう、まさにアンチホープにとって希望皇ホープにとって絶望的なモンスター。

なお、ホープ・ザ・ライトニングには「エクシーズ召喚の素材にできない制約」が存在するが、
このカードの効果はX召喚の素材にするわけではなく、あくまでも効果でエクシーズ素材にするためNo.101等と同様に問題なくエクシーズ素材にできる。
(なお逆にエクシーズ召喚ではないため、もともと希望皇ホープが持っていたエクシーズ素材は墓地に行く)

つまりこのカードは採用率が高く、高耐性モンスターの天敵であるSNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング対策として有効なのである。

ただしこのカードの場合一番重要な問題が、この効果は墓地で発動する特殊召喚効果のため相手に承知されること。
上述したように正規召喚したうえで墓地に存在しなければならないため、奇襲には向かずあくまでも希望皇の抑制カードにすぎない。
機械デッキに対するキメフォとは立ち位置が似ているようで、扱いはかなり変わる。

ライトニング対策になると言っても、エクストラデッキを一枚圧迫&正規召喚の手間が釣り合うかはデッキに左右されてしまう。
さらに相手がそもそも「希望皇ホープ」を使わないデッキだった場合、ステータスが低く守備的な効果であるこのカードよりも有用なカードが多くなる。
ホープに合わせてかランク4となっているが、ランク4はかなりの激戦区なのでこのカードに枠を割くことは容易ではない。

また墓地にないと効果が使えないため、相手は鳥銃士カステルなどの墓地に送らない除去、または墓地にあるこのカード自体の除去を狙ってくる可能性が高い。
その場合、このカードを採用せず他の汎用性の高いエクシーズモンスターに枠を割いたほうが賢明とも言える。
そもそもライトニングはバトルにはめっぽう強いがそれ以外の耐性はないため、召喚反応罠やフリーチェーン妨害などでも対処はできる。

基本的に希望皇ホープを使わない相手だと出すメリットはあまりないため、
採用するならばどうしてもライトニングを何とかしたいデッキなどになるだろう。

それ以外の場合は、幻影騎士団ブレイクソードの効果で蘇生させてレベル4になったモンスターでエクシーズ召喚する場合の選択肢になる。
有用なランク4の闇属性・戦士族は現状かなり少ないため、不死武士等を採用した種族統一構築なら効果やステータスを少し無視して採用が可能である。
もっとも、種族統一でないのであればこのカードよりも使いやすいランク4が多いのは周知の事実だが……。

それでも、この手のいわゆるピンポイントメタの中では、単独でもモンスターとして機能する分扱いやすいため、
空いたエクシーズ枠に悩んでいるならお守り代わりに1枚忍ばせておくのもいいだろう。


ふっ…追記・修正した今、もはや貴様に希望は無い。あるのは漆黒の絶望のみ……。




















俺達は常に最悪の事態を想定しながら戦ってきた

共に戦ってきた仲間を敵に連れ去られる事も考えながら…だがたとえ奪われたとしても俺達は決して見捨てない


仲間は必ず奪い返す!




上記で絶望やらホープキラーだと言ったな、あれは半分嘘だ

確かに相手の希望皇ホープを奪えるという、まさに希望を刈り取る絶望的な効果を持つホープレス。
だが、バリアン七皇の希望こと、冀望皇バリアンが最終的に希望皇ホープたちと仲が良かったように、
まるで切り離せない光と影であるかの如く、このカードも実のところ、【希望皇ホープ】のほうが使いやすいカード(そもそも主要効果が「希望皇ホープ」に依存しているので当然の結果でもあるが)なのである。

というのも、このカードの(2)の効果は自分の場のホープにも使えるのだ。
相手ターンのバトルフェイズ、X素材を使い切ってしまったNo.39 希望皇ホープの自壊を防ぐことができるし、
最終突撃命令など攻撃表示を強制するカードが場にあれば、自分のターンの場合は場の希望皇ホープに重ねてこのカードで追撃できる。
ホープドラグーンの効果で蘇生されて効果が無効になっている希望皇ホープに重ねるというのも効果的。

逆に相手に使う場合でも、何も元々の持ち主が相手の希望皇ホープだけを対象にしなくてもよい、
エネコンやらコミックハンドやらこのカードと同じパックに入っている銀河眼の光波竜やらのように コントロール奪取 効果を持ったカードは少なくはない。
自分が使う希望皇ホープの内、自壊しかねない通常の希望皇ホープや相手が奪っても利益の少ないホープレイやホープONEはともかく、
強力な効果を持ったVヴィクトリー、あとライトニングはコントロール奪取効果を持ったカードがあればコントロールを奪おうとする可能性は十分ある。

そんな時にこのカードが墓地にあればそんな悪逆非道な残虐行為を抑止し、最悪奪われようとその希望皇ホープを奪い返すことができる。
死してなおホープを守り、共に戦い続けるその姿はまさに守護戦士。

また【希望皇ホープ】とは若干相性が悪いが、相手に敢えてホープを送り付けた上で奪うという荒業だって可能。

……希望が与えられたのに、それを奪われる…その瞬間きっと相手は一番美しい顔をするだろう。


またどんなランクの希望皇ホープでもこのカードのX素材とできるということは、
逆に言えばどんな「希望皇ホープ」でもランク4にできるということである。

ランク4といえばあの汎用RUM、RUM-リミテッド・バリアンズ・フォースに唯一対応したランク。
つまりランク4ではない希望皇ホープでもこのRUMに対応させることができるのがホープレスなのである。


この効果の応用の使い方として

例えば、No.11 ビッグ・アイなどの永続的に自分の希望皇のコントロールを奪ってくる相手に希望皇ホープを奪われたとき、
このカードを墓地に送っておけば……

1.相手の場にある自分の希望皇をホープレスにする。

2.ランク4のホープレスに対してRUMを発動(バリアンズ・フォースなど)、Vやヴィクトリーにカオスエクシーズ・チェンジ!

3.エクシーズ素材のホープレスを使ってランクアップ効果を使う 。

という一連の流れが可能。
この際、Vやヴィクトリーなら自身の効果でホープレスだけを再び墓地に送れるため非常に効率がいい。
これによってもう一度、ホープレスが効果を使えるようになる(制限があるので同一ターンには無理だが)。

その他、No.93 希望皇ホープ・カイザーともなかなか面白い動きをすることが出来る。
ホープとホープレスは両方ともランク4であるため、
重ねてカイザーをエクシーズ→カイザーの効果を使用してホープレスを墓地へ→相手の動きに対応してホープレスを蘇生しカイザーを素材にする、と動ける。
希望と絶望が一つとなり新たな希望を生む、という演出的にも絵になるコンボである。


さらに新マスタールールではこのカードをメインモンスターゾーンに蘇生した後に希望皇ホープをエクシーズ素材にできるため、
エクストラモンスターゾーンを開けるためにも使用が可能である。リンクモンスターを使えないパターンの場合には明確なメリットとなるだろう。


そう、このカードはアンチホープにとって希望皇ホープにとって絶望的な力を持ったカードではあるが、
同時に希望皇ホープと共に戦える特殊な立場にいる、コインの裏表の関係を含むモンスターでもあるのだ。


No.98 絶望皇ホープレス…あなたのデッキに一度入れてみても面白いかもしれない。

きっとアンチホープにとっての絶望だけでなく、その奥に秘められた希望の力を見ることができるはずだ!

その希望の力によって生まれる絶望の力を見るあまりアンチホープが泣いてるとか言ってはいけない。


【余談】

このカードの存在が発表されたとき、上記のようやく絶望皇が登場したことを喜んだり驚いたりする声が多い中、
絶望皇やホープレスという名前だけならラスボスを担当できそうなのに守備的な効果を持っていたことから、
あとアンチホープよりよっぽどホープのメタができるからか

「殺意に満ちたホープの逆なんだから守備的か」
「ホープの対になる存在だから守りの能力」
「名前はラスボスだが効果は味方」
「これ主人公とまではいかなくても、第三勢力が使ってきて最終的に共闘するタイプだろ」
「ホープは必ず奪い返すという鉄の意志を感じる」
「ライトニングを出される前に潰す真の希望」
「アンチホープから戒名すら剥ぎ取るというのか……」

などと、絶望の名を関したカードなのにまるで主人公側のカードであるかのような反応も見られた。改めてホープの殺意の高さがうかがえる
中にはOCGオリジナルで「CNo.98」がほしいという声もあがっており、初登場ながら結構なファンも確保できているようだ。
仮にヴィクトリーの対となる名前が付いたら、ディフィート(敗北)とかだろうか?

なお、アニメや漫画版では言及がないのでさすがにこのカードに対しての遊馬アストラル等の反応は不明。
アニメや漫画版のナンバーズは少し描写に差異があるものの、開眼するまではイラストや名前が決まっていないため、
仮にNo.98が開眼していた場合も「No.98 絶望皇ホープレス」だと確定しているわけではないので、おそらくホープレスという存在は知らないと思われる。

ちなみに「ホープ」の名を持っているが、「輝望道」は3体のエクシーズ素材が必要なホープを指定し、
「マスター・ピース」は光属性指定とこのカードは現状ハブられている状況となっている(素材が特殊なホープ・カイザーもだが)。


追記・修正はたとえ希望が永遠のアンチホープにとっての絶望に堕ちても、その絶望の中で一瞬見出した希望をつかみ取れる人がお願いします。


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最終更新:2023年12月30日 19:24