星のカービィ ロボボプラネット

登録日:2016/05/03 Tue 12:43:39
更新日:2023/04/01 Sat 19:09:57
所要時間:約 13 分で読めます







平和な星に

キカイ化の脅威が迫る―――




星のカービィ ロボボプラネット』とは、2016年4月28日にニンテンドー3DSで発売された横スクロールアクションゲームである。
販売:任天堂
開発:ハル研究所



概要

前年に『タッチ!カービィ スーパーレインボー』をワンクッション挟んで登場した、星のカービィシリーズの王道横スクロールアクション。
同一ハードでメインシリーズが2作以上も発売するのは実にスーファミ(SDX3)以来である。

今回は「悪の企業の侵略によってポップスターが機械化されてしまう」という、なかなかに衝撃のストーリーから始まる。メガヘクス
公式でもポップスター最大の危機という旨の宣伝がされるほど。毎回危機に陥っているのに何を今更
過去にもカービィ達を追い詰めたり出し抜いたり、野望達成を(ほぼ)果たしたりした悪役は多く存在するが、
物語の開始早々から圧倒的軍事力で占領、しかも惑星規模で環境を大激変させた敵は前例が無い。(ただし最初から支配は3の黒雲の例がある。)

元々は『星のカービィ トリプルデラックス』の正統な続編として制作される予定だったが、過去作の既視感を脱却するために大幅な方向転換が行われていた。
そんな背景もあり、本作は全体に渡って組み込まれたスチームパンク、インダストリアルな世界観が最大の特徴となっている。

従来のカービィシリーズにも機械系のキャラクターやロケーションは一定数存在していたが、あくまでも作品世界を彩る一属性の範疇を出なかった。
しかし、打って変わって本作では、敵キャラからステージに至るまで機械の要素がふんだんに取り入れられ、過去作のどれとも違う独自の世界観を形成している。
機械化された草原地帯、町の中で車を走らせるワドルディ、巨大都市のステージ等、いつものカービィでは見られない近代的な光景が満載。
一方で、お馴染みのキャラの一部は半機械生物と化したショッキングな姿も見せる
外界から持ち込まれた文明に染まる人や町、改造された生物などからは同じハル研開発の『MOTHER3』に繋がるものがある、という声も。
任天堂らしく「土管、パイプらしきものでフィールド内を登る」「金網を登る」など(あつめてカービィなどのシリーズでも見られたが)マリオシリーズの要素も見られる。
過去作の既視感を払拭した世界観とは対照的に、過去作とのつながりを意識させるキャラクターや要素が多く登場しているのも特徴。

ゲーム性は『トリプルデラックス』の流れを引き継いでいるため、奥行きの概念は健在。
更に多様化したカメラワークや円形に繋がるボス戦フィールドなど『64』に近い部分も見られる。

また、本作の敵を象徴するメインテーマとして「銀河に名立たるハルトマン」という楽曲が存在するのだが、
なんと公式にカラオケJOYSOUNDなどで発売日から期間限定配信されている。(2022年3月現在も配信されている。)



あらすじ

みんなが平和に暮らしていたポップスターにある日突然、超巨大侵略母艦「アクシス アークス」が舞い降りました。
彼らはロボット軍団を操って星々を侵略する悪の企業「ハルトマンワークスカンパニー」。
ポップスターへの侵略を防ぐべくデデデ大王・メタナイトは激しく抵抗しますが、圧倒的な力を前に惜しくも敗れてしまいます。

その頃、遅めの朝を迎えたカービィ。目を覚ますと辺りの変わりようにびっくり。
何もわからぬまま走り出すカービィ。
こうして、世界を救うための冒険が始まるのでした。

(任天堂公式ガイドブックより引用)



新要素

新コピー能力

  • エスパー
  • ドクター
  • ポイズン
詳しくはこちらを参照。



ロボボアーマー

本作の目玉となる乗り物で、カービィの新たな相棒。
ハルトマンワークスカンパニーの敵兵士ハルトワーカーズが駆る搭乗型ロボット兵器「インベードアーマー」を奪い、カービィが乗り込むことでカービィ仕様にモデルチェンジする。
アニヲタ的に分かりやすく例えるならライドアーマー魔導アーマー、あるいはからくりうぉーかー、はたまたガンメン…(以下略)
ちなみに、公式PVで一瞬だけチラッと見えた操作パネルは本作の下画面である。

ロボボアーマーは非常にパワフルで、並の雑魚キャラをものともせずに蹴散らして進める。
仕掛けを動かしてステージそのものを大きく変えることも。
更に、能力持ちの敵をスキャンしてカービィ同様にコピー能力を得る機能を持つ(モードチェンジ)。
13種類のバリエーションがあり、モードによってロボボアーマーの攻撃方法や性質はガラリと変化する。
特にジェットモードは他のモードと性質が違い、モードチェンジした時点で自動的にシリーズおなじみのシューティングパートに突入する。

時には、普通のカービィでは勝てなさそうな巨大兵器に対する切り札としても活躍してくれる。
ちなみに前作の対ビッグバン専用ボスと違い、明確にボス名と体力ゲージが表示される仕様になり、ステージにより「隠された場所のロボットに乗ってロボットでしか進めない道を行く、普通のカービィでは壊せない物を壊す」という扱いが多くなる。所謂リック、カイン、クーの立ち位置。


また収集要素として、ステージ中で手に入れたステッカーはロボボアーマーの左右肩に貼り付けてカスタマイズすることも可能。
昔のカービィのCGアートワークからオリジナルの新規デザインまで種類は様々である。
中には明らかなネタっぽいステッカーもあるようで…



amiibo連動

Newニンテンドー3DS(または旧3DS用周辺機器)のamiibo読み込みに対応しており、プレイ中に読ませるとカービィがamiiboに対応したコピー能力をその場で獲得する。ただし一度使用するとステージを出ないと再利用ができない。
コピー能力シャボンに近いアイテム。

マリオならファイア、リンクならソード、ピットならスナイパー…といった具合に対象コピーはある程度決まっているが、対応付けがされていないamiiboはランダムで能力が選ばれる。
更に『スマブラ』仕様のカービィ・デデデ大王・メタナイト及び、『ロボボプラネット』仕様のカービィ・デデデ大王・ワドルディ・メタナイトのamiiboを読み込むと、カービィの場合はレアなコピー能力、他のキャラでは普通とはカラーやデザインが違うスペシャルなコピー能力を得ることもできる。



サブゲーム

前作のそれ同様、ダウンロード専用ソフトにボリュームアップ&独立化してもおかしくないクオリティーを誇る。
また、本編と独立しているためかサブゲームに登場する敵は機械要素がほぼ見られず、元の姿を維持している。

みんなで!カービィハンターズ

2Dアクション系のサブゲーム。
別にカービィをハントする訳ではない。そしたらむしろ我々がハントされて食われる側


内容を簡単に言うならボス戦パートに特化した『カービィファイターズ!
プレイヤー達は4つの異なるジョブの中から1つを選び、パーティを結成してクエストに出発し、時間内にボスを倒すことになる。
通信プレイに対応しているが1人でも挑戦可能。その場合他のメンバーはお供扱いのNPC。

2017年4月に基本無料ソフトかつバージョンアップ版の「みんなで!カービィハンターズZ」がダウンロード配信されている。


カービィの3Dチャレンジ

カービィのエアライド』以外では初の3D箱庭アクション系サブゲーム。

カービィボウル』の如き浮島のフィールド上で、次々現れるザコ達を倒していくシンプルなルール。
このサブゲームではコピー能力が一切無く、吸い込みと星型弾を駆使して進めることになる。
星型弾の向きは事前にマーカーで表示されるため分かりやすい。
ザコを撃ち漏らさずに連続で倒すとコンボが繋がる。
足場を踏み外すといつかの『コロコロカービィ』の如く落下死するので、ジャンプとホバリングを駆使して飛ぼう。

最後にはボスが登場する。
その相手はなんと『星のカービィ2』の吸い込めないザコ敵であり、アニメでは文字通りの最強魔獣としてカービィの前に立ち塞がった「マッシャー」。
武器を鎖鉄球から名前通りのマッシャーにチェンジし、やたら角ばったデザインで復活を遂げた。
カービィも鍛えたのか何故かマッシャーの死体を食うことが出来る。ハイスコア狙いには必須のテクニックなので覚えておこう。

ちなみに、一見オリジナルのサブゲームに見える本作だが実は元ネタがある。
今は亡き未発売作『星のカービィGC(仮)』の進展がやきもきされていた時代、裏でお蔵入りとなった、「3つの幻のカービィ」のうち1本の箱庭系カービィが原型となっているのだ。
よく見るとゲーム内の雰囲気も当時から変わっていないのが分かる。変わったのはコピー能力が撤廃された事ぐらい。



登場人物

主人公サイド

主人公。みんなのピンクだま。
呑気にお昼寝して過ごす筈だったが、ポップスター機械化という異常事態に、侵略者から自然を守り取り戻すべく立ち上がった。
いつもと違いパッケージからCM、本編で凛々しい表情を見せる事が多く、ヒーローらしいかっこよさが強調されている。
敵方からは「ピンクの原住民」と呼ばれている。


カービィのライバル。
オープニングでは子分のワドルディと一緒にチェスを嗜むという意外すぎる一面が明らかに。(更に小説版では勝っている。)
今回の事件ではハルトマンワークスの襲撃に驚きながらも、一国の主らしくデデデ城からの砲撃を指示して抵抗する。
が、敵との武力差は歴然であり、母艦からのビーム連発で城が全壊してしまい「エンディングまでデデデ城に埋もれたまま」となった。
デデデ城がここまで壊滅した作品は過去に例が無く、それだけ今回がのっぴきならない大事件であることを示している。

上記の理由から本作ではハルトマンワークスがひそかに採取した彼の細胞を用いて生み出された生物兵器「クローンデデデ」が、カービィの前に立ちはだかることになる。

ちなみにあの後そこらの丘に放置されてた筈なのに定位置に戻ってる。流石に置き直してもらったのだろうか。

前作で大活躍した反動か本作のデデデ本人の出番はOPとEDのみである。

ここ2作に渡って本編に出させてもらえず、なんとかしナイト(公式LINEスタンプより)な状況が続いていた仮面騎士。
ハルトマンワークスの奇襲には待ってましたとばかりに空中戦艦ハルバードを駆り、宇宙船に突撃を試みた。
しかし、こちらも敵の圧倒的な攻撃に対応できず開始早々まさかのスピード撃墜。
またもハルバードの墜落伝説に新たな一ページが刻まれてしまった。今度はシリーズ史上最速記録である。
オープニングの時点で恒例行事のように船を落とされたメタナイトは泣いていいと思う。

そして彼もまた、ハルトマンワークスの制御装置で洗脳されてしまい、剣士の誇りさえ奪われ傀儡に堕とされた戦闘兵器「メタナイトボーグ」と化してカービィに刃を向ける。
メインシリーズではリメイクを除くと参ドロ以来10年ぶり(番外作品を含めるなら『毛糸のカービィ』から6年ぶり)の決闘がこんな形で行われるとは、彼もカービィも予想できなかっただろう…


アシストスター補給所。
今回は上司のデデデが不在のまま物語が進むが、いつもと変わらずカービィの冒険を支援する。



ハルトマンワークスカンパニーサイド

ハルトマンワークス所属の秘書で、本作のキーパーソンの一人。中の人はピンクの原住民かつフロラルドの女王様
詳細は項目へ。

ハルトマンワークスカンパニーの最高責任者にして、本作の諸悪の根源。CV:麦人。
社名、スージーの「秘書」という立場、前述の社歌などなど、最近のシリーズでは珍しく発売前やゲーム外で存在が明かされている希有な黒幕である。
詳細は項目へ。



エリア紹介

それぞれのエリアには、ハルトマンワークスカンパニーの母艦「アクシス アークス」の脚部が拠点として突き立てられており、これを破壊するのが目的となる。
ただし、ボスへの道はバリアで妨げられているため、各ステージに散らばる「ICキューブ」を一定量集めてバリアを解除する必要がある。
前作に引き続きEXステージも用意されており、前作はWiiのBGMが流れたが本作は他の過去作のBGMも流れ、カービィボウルやきらきらきっずなど意外な出典も。

本作はシリーズで初めて通常ボスが3段階以上もの行動パターンを有するようになり(一部例外あり)、更にバラエティー豊かな動きを見せ、更にそれとなく手強くなった。
本作でも過去作同様各レベルの(レベル1~7)の頭文字を繋げると…?


  • エリア1 プレイン プロプトン
原型は恐らく『星のカービィWii』のクッキーカントリー。
草原の大部分が鋼鉄に覆われ、シンボルであった葉っぱ風車の大木も完全に機械化してしまっている。
途中、ハルトマンワークス系列の鉄道に乗り込む場面も。

ボスはお馴染みのウィスピーウッズが無残にもサイボーグと化した「ウィスピーボーグ」。
本編では『SDX』のヘビーロブスター以来久々となるボス戦外での襲撃を行ってくる。


  • エリア2 ラスタード ロード
沢山の家やマンションが立ち並ぶ居住区。
自動車を難なく運転するワドルディなど、ちゃっかり順応している住民達の姿も確認できる。おまえら…

ボスは過去に戦ったボス達をホログラフ再生する防衛機構「ホログラフ防衛システムズ」。
単にWii、TDXのモデルを再利用した安上がりボスラッシュかと思いきや
なお、このボスは地味に本作の世界観の奥深くまで関わってきたりする。2面ボスの癖に…


  • エリア3 オクターン オーシャン
海に面した港。
近くには巨大な冷凍倉庫や海中都市も存在する。

ボスは幹部専用マシン「リレインバー」に乗り込んだ秘書スージー。


  • エリア4 ギガント グラウンド
砂漠のど真ん中に打ち立てられた工場地帯。
スージーのしんりゃくレポートにより元は海だったことが明かされている。恐らくオニオンオーシャン。
工場、ということで流れる音楽はもちろん…

ボスはかつての好敵手「メタナイトボーグ」。


  • エリア5 リポジトリム リズム
ノリの良い大都市。
Wii以降のマリオやドンキー程ではないが音楽と連動したギミックがある。
(本作でポーズをかけた時にBGMが途切れるのは恐らくそれらと同様であるこの仕様を導入したため)

ボスは禁断の複製生物「クローンデデデ」だが…?





余談

やたらと気合が入っているのはゲームだけでなく、リアルでもマグネットやポスターなどといった予約特典がAmazon、アニメイト等の通販媒体で付属したという異例の展開も見せている。
明確に特典がついた作品はシリーズ内でも恐らく『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』ぐらいであろう。
カラオケ配信も昔の星のカービィでは(アニメ版の主題歌を除き)到底考えられなかった展開である。
一体どうしたハル研



追記・修正はロボボアーマーに乗ってからお願いします。

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最終更新:2023年04月01日 19:09