GEOPELIA/銀色の8機(エースコンバット3)

登録日:2016/04/24 (日) 18:40:02
更新日:2024/03/16 Sat 08:57:46
所要時間:約 6 分で読めます





GBS報道ログ「クーデター終結か?!」:

【ユージア海上空、焼け果てた人工島の空撮】
ご覧いただけますでしょうか!? これが、あのメガフロートの現在の姿です。
私(わたくし)、全く信じられません。まるでこの世の終わりのようです。
しかし、どうやら戦闘自体の方は終結に向かっている模様です。
先程の情報では、すでにクーデター側は壊滅状態で、各地で投降しているとの……あ、あれ?
ちょっと待ってください。カメラさん、ズームして!
【カメラが水平方向を向く】
あそこ……ほら! え……ズーム出来ないの!?
【編隊を組む謎の飛行物体が映る】
あぁっ、ほら、あっ! たった今、正体不明の銀色の……しかも沢山──。
くそ、何だ!? おい、こっち来るぞ! 逃げろ! ほら、来てるだろ! 右だ!
あっ……
【飛行物体が緑色の閃光を発する】
何か撃った!!
【通信途絶】




『GEOPELIA』はフライトシューティングゲーム『ACE COMBAT 3 electrosphere』に存在するミッション(ゲームステージ)の1つ。
MISSION ナンバーは33。公式ガイドブックの日本語名は『銀色の8機』
ゼネラルリソースルートの最終話となるミッションであり、合計5つのエンディング中、最もわけわかめな結末となるお話。


※以後、ゼネラルリソースルート後半のネタバレが存在するので注意※


前史

GRDF(General Resource Defense Force)飛行部隊長のアビサル・ディジョンを首魁として、ゼネラルリソース、ニューコム、UPEOから集った賛同者が起こしたクーデター軍「ウロボロス」
全人類の電脳化(サブリメーション)を掲げて決起した彼らだったが、GRDFのプレイヤーとキース・ブライアンに
中核となる空中空母を撃沈されたことを切っ掛けに弱体化し、各地で掃討されていった。

空中空母から脱出したディジョン機、そして「有翼の悪魔」ナイトレーベンを追撃し、プレイヤーとキースはユージア海のメガフロートから
セント・アークのジオフロントを経て、ゼネラルとニューコムそれぞれの本社が存在するスナイダーズ・トップのポート・エドワーズ上空で決戦に突入する。
ナイトレーベンを初めとするウロボロス部隊は撃滅され、かつての盟友同士だったディジョンとキースは相打ちとなって夜空に散る。
ただ一人生き残った主人公はGRDFのポート・エドワーズ空港に帰投し、その翼を休めていた。


……だが。


XR-900 GEOPELIA

GRDF COMMANDER:
諸君の活躍によりウロボロスは壊滅、クーデターは終結に向かいつつある。
ところがたった今、所属不明の飛行部隊が都市部を攻撃中との情報が入った。
──詳細は不明。相当数の戦力であるとしか確認されていない。
これまで戦い抜いてきた諸君の命を、いま一度、ゼネラルリソースに預け、これを殲滅。忌まわしい戦いに終止符を打ってもらいたい。
戦闘機乗りの栄誉を諸君に! 健闘を祈る!



ナイトレーベンに撃沈されたニューコムの海上移動都市メガフロートを取材中のGBS報道機が、謎の飛行編隊を撮影後、突如として通信を途絶した。
メガフロート跡地周辺から発進したと思われるナイトレーベンに類似した航空機の編隊はポート・エドワーズに到達。
これらを撃墜するべく、プレイヤーに再び出撃命令が下った。プレイヤーしかいないのにブリーフィングの「諸君」って一体何なんだよ


ブリーフィングでは「XR-900」という識別コードが表示されるだけのこの機体。ペットネームを「GEOPELIA(ジオペリア)」と言う。
カタログスペックは全長:17.18m、全幅:29.95m、全高:3.72m、総重量:30,218kg、最高速度:5,068km/h。
ナイトレーベンと同じくボックスウイング(箱型変型結合翼)による複葉全翼機の形態をとる異形の機体である。
角ばっていたナイトレーベンと異なり、こちらは流麗な流線型のブーメランといったフォルム。ウルトラマンが光線技で飛ばしそうな形をしている。
機体色も銀色と臙脂色でますますウルトラマンっぽい。


ゼネラルの極秘計画「DOE」に基づいて製造されたX-49ナイトレーベンに似ているが、それもそのはず。
DOE計画に関わっていた元ゼネラル職員が作った「ニューコム版ナイトレーベン」なのである。
ただし、搭乗者への次世代神経接続装置(オプトニューロン)の移植を前提としていた=常人には扱えない機体だったナイトレーベンと同じ轍を踏む気はさらさらなかったらしく、ジオペリアは最初からUAV(無人攻撃機)化を前提として開発が行われていた。
ゲーム中に搭乗する試作機達にはテスト用にコフィンシステム(コクピット)が搭載されているが、最後は撤去される予定だったらしい。

流石にゲームの都合で耐久力はあちらより落とされているが、性能はナイトレーベンよりも若干ながら上。
都心部などに配された空気清浄装置「イーオン・ジェネレーター」が放出するイーオン粒子を使用する「イーオン推進システム」も続投しており、システムの恩恵を受けられる環境では狂った機動性を発揮する。将来的にはコフィンシステムが排除され、更に狂った性能になっただろう。
大電力を要し生半可な機体には搭載できない、ナイトレーベンの代名詞であるレーザーキャノンもしっかり搭載。
更に飛行音が凄まじいことになっており、ヘッドオンから交錯した時の音はもがれる翼の断末魔の様にも聞こえる。イーオン推進特有の緑色の粒子を放出し、狂おしい飛行音と共にレーザーを乱射する様子はただただ不気味。


ペットネームは海洋生物の学名から取られるニューコム製R-ナンバーの伝統から外れ、ハト科チョウショウバト属の学名に由来している。
平和の象徴としてUPEOロゴにも記されているハトの起用はシャレか皮肉のつもりだろうか。
「ナムコの」「ジオ」とくればジオソードが思い浮かぶ古参シューターも多いだろうが、恐らく関連性はない筈。



ミッション内容

CLEARED FOR TAKE OFF ~ ENGAGE

搭乗機はゼネラルルートの最上位機種であり、対ウロボロス戦が始まってから乗り続けてきたXFA-36Aゲイムに固定される。
作戦は離陸操作から始まる。エスコン3ではお馴染みの、離陸からシームレスで戦闘に入るパターン。

離陸後、4時方向から迫ってくるジオペリアに真っ直ぐ向き直る進路をとると、上手い具合にジオペリア編隊が太陽を背にする。
ミッションを通して鳴り続ける、神聖な電子コーラスをぶつ切りにしてDJ風に流すBGM「Morceaux」が不気味&壮大さを煽る。
ずっと聞いているとトランスするか、3D酔いと合わさって吐きたくなるかのどちらか。


会敵後、こちらが攻撃を開始するまではジオペリアは編隊を崩さない。
ここは編隊の背後を取ってミサイルを叩き込んでみよう。途端に粒子の尾を引いて散開する様子は中々に面白い。
散開後のジオペリアは密集せず、黄色中隊の様に連携して猛攻を仕掛けてくることはない。
ブリーフィング画面では余りの戦力差に絶望したプレイヤーも多いだろうが、実際の難易度はそこまで高くない。
ただし彼らは非常に動きが良く、耐久力も通常エネミーならミサイル2発で沈むところが4発も叩き込まなければならない。
命中率が低いレーザーキャノンも、被弾角度が悪いと瞬殺されかねないので気は抜かないように。


中々に面倒な戦闘ではあるが、まずは一機に集中して撃墜ダメージを与えてみよう。すると奇妙な現象が発生する。
一旦ミッションが中断し、ノイズ交じりで映像が不自然に右滑りする主観視点が表示された後、唐突に戦闘機OSが再起動する……。


HACKING COMPLETE


目が覚めると、私はジオペリアになっていた。
比喩でも何でもなく、以後の戦闘は誰かがいつの間にかハッキングをしかけて乗っ取ったジオペリアを操作することになる。


操縦性能はまさに異次元。劇中最高クラスの性能のゲイムやSu-47ベルクトですら生ぬるい。
『3』は航空機の挙動がかなり重いが、そのなかで1人だけ『04』以降の挙動に調整されていると言っても過言ではない。
ロール・ピッチ・ヨーの反応は怖いくらいに良好。加速も早く、トップスピードは高高度戦闘機にも匹敵する。

搭載武装はグランドミサイル(対地攻撃時のみに低空目標用ミサイルが発射されるが、空戦オンリーの本作戦ではお目にかかれない)とレーザーキャノン。
レーザーは『5』以降のファルケンとは異なり、ボタンを押してから約0.7秒ほど照射される単発発射型で、独特の偏差射撃が求められる。
射程はミサイル並。ダメージ判定自体はファルケンと同じく、照射中に複数回が行われているため、上手く全量を照射できれば並の機体は一発で落せる。逆にかするような感じで当てた場合は、それ相応のかすり傷になる。

それまで搭乗していたはずのゲイムはどこへ行ったのか……と疑問に思うプレイヤーは、自機の左側に視点を動かしてみよう。
なんと左横にゲイムがぴったり追従してくるではないか。明らかに有人機の限界性能を越えている動きが良く出来るものだ。
また、ミサイルのトリガーはジオペリアとゲイムで連動している。ジオペリアがミサイルを4発連射すれば、ゲイム側からも同じタイミングでミサイルが4発連射される。つまり一度に8発のミサイルが飛んでいくのだ。
なお、敵機は実はゲイム側ばかりを狙っており、ジオペリアが被弾することは極めて稀。これも敵の攻撃が薄いと感じる原因。



冗談抜きでシリーズ最大の瞬間火力と機動力あとステルス力を手にした状態ならば、残り7機を墜とすのもさほど難しくない。
Aランククリア条件は、ハッキング完了後4分59秒以内にジオペリアを殲滅すること。殲滅完了と同時にエンディングに突入する。



エンディングと謎



青空。一直線に飛ぶゲイムに合流するジオペリア。ランデブーした2機は完璧にシンクロしながら積乱雲の彼方へ飛び去っていく――
時は変わり、雨のGRDF空港。やはり完全に同じ侵入角、完全に同じタイミングの着地、完全に同じ減速で帰還する2機。
靄がかかった格納庫に移されたゲイムとジオペリアのコフィンには、誰も座っていなかった――



何故、ジオペリアは突如としてプレイヤー側に「寝返った」のか?
これは全ルートをクリアし、プレイヤーの正体が「AI:nemo」であることを知ればわかる。
プレイヤー(nemo)自身がハッキングを仕掛け、ジオペリアを乗っ取ったのだ。
ゲイムが明らかに異常な機動をしているのも、元々人が乗っていないからと考えれば納得がいく。


何故、プレイヤーは消えてしまったのか?
これも『3』の各ルートが「ディジョン抹殺シミュレーション」であることを考えれば想像はつく。全行程終了によるリセットだろう。
だが、それでも1つ謎が残る。


何故、「銀色の8機」は現れたのか?
これに関しては一切のヒントが無い。

クーデター対応でてんやわんやのニューコムにとっては、いくらライバルの本社があるとはいえ、自分の本社もあるポート・エドワーズを攻撃する理由がない。
元より中央部をナイトレーベンレーザーでぶち抜かれたメガフロートは浸水と津波で壊滅している。本当にジオペリアはそこから無事発進できたのか?

「ディジョン抹殺シミュレーション」としても、余りに唐突で浮きすぎている。そもそもディジョンを倒した時点で目標は達成している。
UPEOルートでもディジョンの死後に黒幕への報復が行われるが、それはディジョンの正体を知る黒幕の口を封じ、ディジョンを真に亡き者とするためという解釈もできる。

それに、「都市部を攻撃している」と説明される割には、他のポート・エドワーズミッションと異なり、街には目立った被害がない。
のんきに編隊を組んでいる辺り、8機は本当に「攻撃」をしていたのだろうか?

プレイヤー間では様々な推測が飛び交っている。
曰く、「ニューコム側システムの誤作動ではないか」
曰く、「生前のディジョンが遺した、あるいはウロボロス派が仕掛けたシステムトラップで起動したのではないか」
曰く、「ディジョンへのトドメをキースに譲ったことで、nemo作成者が急遽追加した最終試験・エクストラステージなのではないか」
そういえばnemo作成者は元ゼネラル出身のニューコム研究員だったな……。


「あらかじめ仕組まれた物語など、存在しない」のかもしれない……。







GBS:
アニオタWIKIの英雄によって追記・修正されたこの記事には、未だに多くの謎が残されたままです。
中でも、@WIKIでもハッカー側でもない詳細不明のプラグイン、
既にメンバー脱退したと思われる編集者についても、WIKI管理人からの発表は何もありません。


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最終更新:2024年03月16日 08:57