高高度攻撃ミッション(エースコンバット3)

登録日:2016/04/24 (日) 11:47:48
更新日:2021/11/04 Thu 05:53:03
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本項ではフライトシューティングゲーム『ACE COMBAT 3 electrosphere』に存在する3種類のミッション(ゲームステージ)を紹介する。




概要

プレイヤーの行動によって複数の所属組織間を移籍することができる『エスコン3』では、勢力ごとに同じシチュエーションで行うザッピングミッションが存在する。
一例をあげると、ゼネラルリソースルートのミッション19と、UPEOルートミッション5。ゼネラルルートでは停戦協定を破棄してニューコム基地を攻撃するのに対し、UPEOルートでは協定違反のゼネラルへの制裁としてニューコム基地を防衛することになる。

いくつか存在するザッピングミッションの中で、最もミッション内容の差が激しく、恐らくはプレイヤーの印象に最も残るのが、本項で紹介するホワイト・バレーを舞台に行われる3つのミッションだろう。
ちなみに『エスコン2』経験者や、『エスコン5』のアーケードモードを遊んだ人はピンとくるかもしれないが、
このホワイト・バレーはそれぞれ、「低高度奇襲作戦」の舞台となり、自由エルジア軍が立てこもっていた軍港島からそう遠くない位置にある土地である。



DISION:
前回の事件によって、我々の意志はUPEOに限らずニューコムにも確かに届いたようだ。
彼らは、最新の高々度攻撃機を使った戦闘に打って出た。
しかも、我々の持つこれまでのエアロコフィンが、自力でその高度まで到達出来ない事もすでに確認済みだ。
そこでキミには、今回の作戦用に特殊機体を緊急に用意した。
高々度までロケットを使って打ち上げられ、成層圏ギリギリから降下し、自分たちのテクノロジーに頼り油断している彼らを上から叩いてほしい。
私は基地を護衛……キースは下から彼らを襲撃し、挟み撃ちにするつもりだ。
これは、確かにかつてないタイプの作戦ではある。
しかし、テクノロジーを売り物にするニューコムを本気で相手にする以上、これからはゼネラルでの常識など通用しない場面も増えるだろう。
それは、越えねばならない壁だ。キミには、その力があると信じている。

KEITH:
それにしてもあきれた話だ。科学バカ連中も無茶するが、こっちも相当の無茶を考えたもんだな。
──俺たちゃアストロノーツじゃないって事だよ。
ま、下からの攻撃は俺に任せて打ち上げ花火に乗ってくれ。それじゃ……任せた。



紛争を続けるゼネラルニューコムの二大企業の間に立ち、平和的解決を模索してきたUPEOのクラークソン代表は、過激派のUPEO司令官・パークに睨まれていた。
プレイヤーの行動で変化するが、パークの陰謀により、クラークソンは暗殺されるか、または難を逃れてニューコムへ亡命することになる。
両企業の緩衝役が居なくなってしまったことで、それまで(比較的)自重の方向で動いていたニューコムは一転して攻勢に出ることを決定。

既存の戦闘機(エアロコフィン)では到達すらできない超高高度から悠然と攻撃を仕掛けるニューコム。
急造のロケット戦闘機で迎撃を試みるゼネラル。
中立を保ち過剰軍備が忌避される故に、まともな高高度戦闘機を持たず、既存機で過酷な介入を強いられるUPEO。

白銀の大地に穿たれたクレーター内にポツンと存在するGRDF空軍基地。その上空で激闘が繰り広げられる。



高高度戦闘

シリーズで最も空力・重力加速・慣性の影響が大きい『3』では、機体失速時のペナルティが大きく、立て直しが難しい。
他のタイトルでは「引っかかる感じがしたが下降したらすぐ直った」くらいの感覚なのに「地面から伸びる手に機体を掴まれたよう」に沈んでいく。

更に、他のエスコンタイトルでは大体どの機体でも一律の飛行限界高度が設定されているが、『3』では高速機と通常機で明確に到達可能高度が異なっている。
フルスロットルで飛んだ時、高速機なら高度34000m前後を飛行できるが、通常機では高度26000m程度が限界。
これより上に飛ぶと容赦なく失速するため、通常機の最大到達点はせいぜい32000m前後
失速し、機体が沈む寸前でようやくミサイルの射程2200mに高速機を収められるかどうかというギリギリのラインである。

また、高速機もフルスロットルで操縦桿を引き続けないとこの高度を維持するのは難しい。
加えて高速機は(当然ながら)最高速度に特化した設計になっているため、素の旋回性能や安定性も悪い。ドッグファイトは至難。


しかし、そうした困難を前にしても、この高高度ミッションは遊ぶ価値がある。
PS最高峰のグラフィックと浮遊感でプレイヤーを魅了する『3』。その中においても、成層圏すれすれの空域の美しさは群を抜いている。
まさしく「魂が凍る」ような旋律が特徴の専用BGM「Frozen Soul」も合わさって、浮遊感の表現は全シリーズ中でも頂点に限りなく近いと断言できる。



MISSION24:STRATOSPHERE/眼下の強敵

GRDF COMMANDER:
先の作戦に対しニューコムが報復攻撃を展開してきた。
既に先発隊が迎撃に向かったが、敵の高々度攻撃機を相手に苦戦を強いられている。
そこで、増援部隊として新たに用意した特殊機体で出撃、この高々度攻撃機を撃墜してもらいたい。


ゼネラルリソースルートで行われる、一番スタンダード(?)な高高度ミッション。なお、各ミッションの日本語名は公式ガイドブックで掲載されている。
本作戦では搭乗機がRF-12A2ブラックバードで固定される。ペットネームで「おや?」と思った人もいるかもしれないが、その名の通りSR-71ブラックバードの『エスコン3』版だ。なぜ型番に71が入っていないのかというと、SR-71は開発中は「A-12」という名前でCIAの機体だった。この偵察専用機にミサイルを搭載した機体が「YF-12」でこちらも空軍ではなくCIA所属機。これの改良型が生産されたら、というif機体が「RF-12 A2」なのだろう。マニアック過ぎる。ちなみにブラックバードに乗れるのは『3』だけ
このブラックバードはとにかく挙動が重い。ピッチアップは遅く、ヨーはないも同然。加速も遅いが最高速だけは神。原型機と同様、パイロットに欠陥品扱いされても仕方ない程の尖りすぎた性能の機体である。機体選択画面に表示される性能の円チャートも、びっくりするほど尖っている。

ミッションスタート時、4機の大型ブースターを装着して舞い上がるブラックバードの雄姿は必見。
……基地の上空でブースターをポイ捨てしているが大丈夫か? 緊急時だからそんなことも言っていられないか。
高度34000mに到達後、このミッションだけの「ENTERING STRATOSPHERE」の専用システムボイスと共に失速寸前の状態から交戦開始。ゼネラルルートは燃えるミッションが多い。


ターゲットは6機のR-531モビュラ。その子機である8機(開始時は7機で、全てターゲット外の通常エネミー。残り1機は後述)のR-311レモラが護衛として立ちはだかる。
ところがミッション開始から30秒が立つと、高度3000m前後で敵を待ち受けるキース機が集中攻撃を受け始める。
キースは援護を求めるが、ディジョンはそれぞれの任務の遂行を優先、独力での回避を命じる。
イベント後はミッションが更新され、キース機に張り付くレモラ1機がターゲットに追加される。

この追加ターゲットは次ミッションの分岐フラグとなっている。
キースの援護に向かわず、初期目標を殲滅すると、何とかキースは自力で窮地を脱する。プレイヤーはディジョンに高評価され、彼と共にコモナ諸島のニューコム宇宙基地制圧作戦に参加する。
一方、追加ターゲットを撃墜するとその時点でMISSION OVER。クリアランクは最低のDとなり、基地は辛うじて生き残った形となる。ディジョンに叱られたプレイヤーは、キースと共にコモナ諸島に帰還するニューコムのスペースシャトル撃墜作戦に赴くことになる。

ちなみにAランク獲得には、初期目標の全滅に加えて通常エネミーのレモラ2機以上の撃墜が求められる。
なお、余程遊んでいないとおこらないだろうが、ミッション開始後5分以上経過してしまうとモビュラが作戦空域外に出てしまいMISSION FAILEDとなるので注意。



MISSION10:FATES INTERTWINTWD/UPEOの革命

CHIEF OF SURF OPERATIONS:
ゼネラルリソース所有のホワイト・バレー空軍基地に向けてニューコムの高々度攻撃機の出撃が確認された。
クラークソン代表のいない現在、両社の戦闘は歯止めが効かない状況だ。
これ以上のエスカレートを招かぬよう早急に両社の武力衝突を鎮圧せよ!


UPEOルートのミッション。クラークソン亡き後、事実上UPEOの最高司令官になったパークの新体制が始まった。
本作戦以降、パッケージタイトルを飾るUPEOトップ2の機体・Su-37スーパーフランカーに搭乗可能となる。既存のしょぼい改修機や、ゼネラルから支給された型落ち機、ニューコムが提供した下っ端次世代機から隔絶した性能。機体選択画面の「全ての性能に優れる」の文字を見て感動した人も多いのではなかろうか。
……だが、フランカーはあくまでも「通常戦闘機」として高性能な機体に過ぎない。
前述したとおり、高高度機に対してはロックオンするだけでも苦しい。高性能がまるで実感できないステージが初陣とは嫌がらせか何かか。

更に、そもそもこのフランカーはパーク司令の陰謀に利用され、機内の護衛として同行した同僚のフィオナ共々、クラークソン代表の搭乗機を撃墜したプレイヤー達への「報酬」として一般配備が決定した物。
フランカーマニアとして知られる同僚のエーリッヒも、はしゃぐどころか沈鬱な表情で「フランカーはどう?」と気弱に語りかけてくる有様である。


ターゲットは高度34000mを飛行する4機のモビュラ。
これらを1分30秒以内に殲滅できなかった場合、生き残りのモビュラはターゲットから外れる代わりに、1機につき2機のレモラが発進し、新たなターゲットとなる。
2分以内に全ターゲットを殲滅すればAランククリア(誤解されがちだがモビュラを逃す=Dランクではない)だが、1分30秒経過時にモビュラが2機以上残っていた場合、まず間に合わない。結局は1分30秒以内でのモビュラ殲滅が求められる。

高高度戦闘のコツが掴めないプレイヤーにとっては、全ミッションAランク取得の高い壁となるミッションの1つである。
頑張ればR-101デルフィナス#1でもAランク獲得は不可能ではないが、縛りプレイをする気がないなら素直にフランカーを選んだ方が良い。
基本的には高度26000mで巡航し、速度2400に達したら機首上げ。ロックオンしたら即ミサイルを撃ちこめば、とろいモビュラは確実に撃墜できる。
モビュラは横一列編隊を組んでいるため、横から回り込んで、攻撃時のみ少し機首を上げて順番に破壊していけば楽だが、操作に慣れていないならお勧めしない。
自信が無ければスタート地点から直進し、一気に垂直上昇→失速降下→再上昇する形で一機ずつ潰していこう。失速時に減速するため、敵編隊を追い越すこともない。うまくいけば、20秒ほどの余裕を持って撃墜することができる。



MISSION39 POWER FOR LIFE/ニューコムの力

NUN OPERATOR:
停戦状態にもかかわらず度重なる攻撃を仕掛けて来るゼネラルリソースにこちらから攻撃を仕掛けます。
新開発の高々度攻撃機『モビュラ』で出撃。そこから子機の『レモラ』で発進して
ゼネラルリソース所有のホワイト・バレー空軍基地を破壊してください。


ニューコムへの移籍後初となるミッション。即ちニューコムルートの始まりである。
ミッション名「POWER FOR LIFE」は、ゲーム開始直後に流れるニューコムのコマーシャルメッセージであり、次世代技術で革新を続けてきた同社を象徴する名言。
プレイヤーと、クラークソン代表を護衛していたフィオナは、フィオナの姉であるNEUフライトチーフのシンシアに率いられ、NEU(Neucom Emergency Unit)としての初陣に臨む。

本作戦ではR-531モビュラから発進するパラサイト・ファイター、R-311レモラに搭乗機が固定される。
このレモラ、エスコン3でもトップクラスにとんでもない戦闘機。高速性能を重視した翼面積極小のルックスはぶっちゃけ弾道ミサイルにしか見えない。「まともな戦闘機になった桜花」とでも言えばぶっ飛びぶりが想像できるだろうか。
作中世界では文句なしに最速の機体。フルスロットルで平行飛行を続ければ、フランカーが速度3600前後、ブラックバードは速度4700前後で最高速になるが、レモラは速度5000くらいになる。
そして最初から高高度戦を想定していただけあって、その機動性は抜群。ブラックバードでもひいひい言ってる高度で文字通り魚のように飛べる。

勿論そこまで甘い話はない。機体が軽すぎるので逆に変な空力が働き、安定性は劣悪。操作性は良いのだが高速度と不安定性のため、飛ばし方によってはドリフトのような横滑りをかますことすらある。
その上、ゼネラルルートでは対空攻撃のみを考えればよかったが、このニューコムルートではよりにもよって安定性が重要な対地攻撃をしなければならない。幾多のレモラがベクトル調節を誤り、本当にミサイルになってしまった。
更に豪雪地帯であるホワイト・バレーは一面が銀世界。ミッションは雲海を抜けた上空から始まるため、基地への降下時に雲と大地の区別がつき辛い。これが地味に嫌らしく、これまた幾多のレモラが引き起こしのタイミングをミスって墜落死した。


1次攻撃では迎撃に上がってきたブラックバード2機がターゲットだが、これを4分以内に殲滅できないとモビュラが撃墜され、ミッション失敗になってしまう。
2次攻撃では地上の基地施設4つと、基地の直掩機2機がターゲットになる。ここでも分岐フラグが隠されており、基地のレーダーサイトとオイルタンクを合計7機以上破壊したかどうかで次ミッションが変わる。
そしてターゲットとして登場し何の感慨もなく撃墜され退場するキース……

破壊に成功すると、失敗ルートよりも1つ多い2つのミッションが連続する。
R-102デルフィナス#2にはこの2ミッションでしか乗れないため、乗りたい人はなにがなんでもレーダーとタンクを全滅させておきたいところ。
一方で破壊出来ないとミッション評価はDランクとなり、シンシアから怒られる(ディジョンに比べるとキツイ叱り方の為、彼女の悪印象に拍車をかけている)。
ただし、次ミッションはなんとシリーズ唯一の宇宙戦闘が楽しめる「ZERO GRAVITY/大気圏離脱」が選ばれる。宇宙戦に行きたい人は敵を見逃しておこう。


ちなみに友軍機はシンシアとフィーの他に名無しのレモラが3機いるが、この名無し達はたまに撃墜されることがある。
ほとんどないが、2機以上撃墜されるとCランク以下が確定するので注意。


追記・修正はデルフィナス#1でモビュラを全機撃墜してからお願いします。




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最終更新:2021年11月04日 05:53