ヅダ

登録日:2009/08/18 Tue 07:04:02
更新日:2024/03/13 Wed 12:16:01
所要時間:約 14 分で読めます






この事実は
何人たりとも消せはしない……!


……そうだな……フランツ……


型式番号:EMS-04→EMS-10
所属:ジオン公国軍
製造:ツィマッド社
生産形態:汎用試作機
全高:17.3M
本体重量:61t
出力:1150kW
推力:58700kg
装甲材質:超硬スチール合金

武装
120mmザクマシンガン
240mmザクバズーカ
シュツルムファウスト
シールド内蔵近接戦闘用ピック
ヒートホーク(劇中未登場、漫画版で登場)
135mm対艦ライフル(劇中未登場、同じく漫画版で登場)

主な搭乗者
ジャン・リュック・デュバル少佐
ヒデト・ワシヤ中尉
オッチナン・シェル
モニク・キャディラック特務大尉
エンマ・ライヒ中尉

OVA「機動戦士ガンダム MS Igloo 一年戦争秘録」第三話“軌道上に幻影は疾る”の主役機。
ミノフスキー粒子発見に伴い、宇宙空間において有視界戦闘の有効性が明らかと判断したジオン公国は、地球連邦との圧倒的物量差を逆転できる、新兵器の開発を各企業へ委託した。

UC.0075年に行われた正式採用を賭けたコンペティションに、ジオニック社の「ザクⅠ」とツィマッド社の「ヅダ」が選出。
ツィマッド社が得意とする機動性と推力を最大限に活かしたヅダはザクを圧倒するも、テスト中に機体が空中分解を起こしパイロットを死亡させてしまう。
このエンジンの欠陥に加えザクの1.8倍というコストの高さも大きな問題となったため、主力機にはザクが選ばれる事となった。
仮に欠陥がなくとも配備数が半減するのでは採用を勝ち取るのは難しかったであろう。
しかしコンペの敗北を経てもツィマッド社内にて開発はそのまま継続され、
UC.0079年、EMS-10として推進装置をリック・ドムの物に積み換える等、全面改修の行われたヅダは603技術試験隊の元でテスト運用されていた…

ヅダは
  • ツノのある1番機
  • ツノの無い2・3番機
  • ツノが無い1番機といった頭部形状の予備機

の計4機が存在する
1~3番機は迷彩塗装が施されている一方予備機は特に施されていない。

※以下ネタバレ
















本機は、ジオン公国の士気高揚、連邦へのプロパガンダを目的とした、いわゆるゴーストファイターである。
EMS-10と銘打たれているも実際にはUC.0075年当時のEMS-04の外装を交換したものに過ぎず、
『エンジン推力を一定値まで上げると制御が効かない暴走状態に陥り、最終的に機体が耐えきれず空中分解を起こす』という欠点も全く改善されないまま引き継がれていた。

尚、漫画版で当時のテストパイロットはデュバル少佐とフランツ*1と呼ばれる男性で、事故死したのがフランツという設定になっている。
人物像や少佐との関係は不明であるが、少佐は彼のが無駄にならない為にヅダに全力を尽くしていた辺りを見ると、親友と呼べる仲だったのではないだろうか。

劇中、三番機の空中分解事故から欠点が改善されていないことが露見し、
更に、軍上層部とツィマッド社しか知り得ない「プロパガンダ計画」を何者かが連邦へリーク、連邦のプロパガンダ放送により計画の全貌を暴露され、ヅダは期待の新鋭機から一転、欠陥機の烙印を捺されてしまう。

これらの状況から一時はテスト中止と判断されたものの、オデッサ防衛戦にて敗走し、宇宙に脱出したまま立ち往生し、ルナツーから落ち武者狩りに来ていたボールやジムに嬲り殺しにされていた*2多くの友軍を救うため、テスト再開と称し、ヅダは救援へ急ぐ。
ここの、敗走したザクⅡを助ける為に手をさしのべるヅダのシーンは感動的である。
この中でヅダは敗走兵を狙って現れたびっくりするぐらい強そうに見えるボールの内4機を撃墜、後続のジム6機の内2機(一機は指揮官機)を撃破した後、
デュバル少佐の1番機は「放送で恥をさらしたポンコツ」と嘲笑するジム部隊に憤りつつも、ジム達をHLVから引き離すべく残りのジムを挑発・追撃させ、衛星軌道上のチキンレースと相成る。
最終的に追撃してきたジム4機を空中分解させるも*3、1番機はエンジンを暴走させながら加速し続け激しいを放ち、徐々に分解していきながらデュバル少佐と共にその姿を消していった……。

残った2号機と予備機は「試験終了の後、第603技術試験隊に配備」という事実上の不採用決定と廃棄処分となったが、何れも無事撃墜されずに終戦を迎えている。
2号機はテストパイロットのワシヤがそのまま搭乗。
ほとんどがヨーツンヘイムの護衛としての戦闘だったが、小説版で「腕は確か」と書かれたことがありほぼ無傷で終戦した。
予備機は、今まで喚き散らしているだけだったモニクが搭乗。
秘書、事務的な事しかできないと思われていた女性がまさかのパイロット適正持ちだった事と、「仲間を救うために危険なMSに自ら乗り責任を全うする」という覚悟にマイは驚いた。同じく驚愕した視聴者、読者は多いであろう。
彼女はどちらかというと前線での戦いを担当。暴走の危険性に対してはマイに監視=命を任せるというストロングスタイルで活躍した。
最終戦にも参戦。相手がほぼ残党狩りの烏合の衆とはいえ、殺意の群れである連邦軍相手に激戦、ヅダの片腕を失うものの残った片腕に生き延びたマイを乗せて帰投した。

わずか数か月でMSがトンデモな進化をした一年戦争において、開戦前に作られたはずの本機が生き残れた辺り、(皮肉ながら)ポテンシャルの高さが証明されたと言えるだろう。
もっともその後の時代に一部を除きさっぱり出てこない辺り、事故とプロパガンダの悪いイメージを払拭しきることはできなかったようだが。
(メタ的には後年の後付で設定された機体なのでこの辺は仕方ないが)


ちなみに元ネタは、旧ドイツ空軍のハインケルHe-112戦闘機とその後継機He-100で、
実際にHe-112はメッサーシュミットBf109とタメを張れる高性能ではあったものの、軍部が速度性能と量産性を重視した結果、最終的に主力戦闘機争いに敗れ、
そのリベンジとして速度性能と量産性を重視したHe-100が作られるものの「凝りすぎ(意訳)」として蹴られ、
両機共に予備選力&他国への売却機としての余生を過ごす。

そんな中He-100はゴーストファイターとしてプロパガンダに使われ、実際に敵国に交戦したと誤認されまくり、多数の幻想He-100を生み出した。
当然ながら、ザクはBf109の立ち位置となる。(実際は隼や零戦のイメージだが)

なお売却されたHe-112及びHe-100を購入した国の中には日本もいたりする。
特にHe-100はその高性能さから自国での量産が検討される程ではあったが、「技術力が高すぎて断念」するエピソードがあり、当時のドイツの技術力の高さがうかがえる。

またルーマニア向けなどにも生産され最終的には100機近くが生産されている。
当時の7大工業国で比べると優秀どまりなのであって、世界的に見れば最新鋭の戦闘機なのである。試験機どまりのヅダとは大違いである


【欠陥】
「とても速いが加速すると勝手に自爆する爆発する脆いMS」などと誤解されがち。特にゲーム作品は何故かそのような描写が多い。ジオニック社の陰謀だ!
ヅダの最大の欠陥は前述の通り『エンジン推力が一定値を超えると制御が効かない暴走状態に陥る』という点。
つまり「一定出力に達するとエンジンが爆発する欠陥」「剛性が低過ぎて『耐えられない上限』があっという間に来る欠陥」ではなく、
一定出力を超えると爆発するまで(剛性の限界を超えるまで)エンジンを止められなくなる欠陥』である。これはオッチナン機の件でもしっかり描写されている。
付け加えて暴走すると途中で必ず空中分解する(いずれも宇宙での話なので地球環境に比べて機体への負荷はかなり小さい)ということは機体強度(耐弾性ではなく構造上の強度)も出力に対して不足しているという問題*4もあるため、
結果として無理矢理限界を超えた加速をさせられ続られたことで、遂には機体が耐えきれなくなり空中分解・爆発を起こすし、推進剤等が切れるまで機体をもたせるなどの次善策も不可能という描写しかないので暴走したらパイロットも必ず死ぬ。
……結局間違った扱いではない
わかりやすく言うなら「ジェット機のエンジンを取り付けたが、一定速度まで出すとブレーキのきかなくなる上に、スピードが上がりきる前に壊れる自動車*5」のような代物である。

何にせよ『最大の持ち味であるその速度を活かそうとすると暴走、最終的には空中分解・爆発する』のは事実であり、それを防ぐリミッターすら付いてない本機もまた紛れもなく欠陥機である。
ただ、生粋のヅダリストであるヅダの可能性を信じていたデュバル少佐を筆頭に研究を続けた*6にもかかわらず改善されなかった辺り、かなり厄介な欠陥だった可能性もある。(具体的に何故暴走するのかは未だに明かされていない)
普通この手の一定ラインを超えると危ない機能にはリミッターを付けたり、最悪暴走してもフレームが耐えられる程度の速度にデチューンするのが空想・現実関係なく軍事兵器の定番だが、
ようやくリミッターが付けられたのはコンペから8年後、デュバル少佐が空中分解した4年後なことから、リミッターの搭載自体が難しいエンジンだったか、
或いはリミッターを装備させると著しく性能が下がってしまう、という可能性も考察されている。
そもそもの問題としてリミッターを付けた場合どうしても出力や機動性能が落ちてしまうはずなので、そうなるとザクⅡどころかザクⅠをコスト以上に性能で圧倒できたかどうかすら怪しくなって来る。

「リミッターを付けないと自爆の恐れが常に付きまとう程安全性信頼性が低い」
「いざリミッターを付けるとザクⅠよりもちょっと良い程度の性能に落ち込み、それでいてコストはザクIの1.8倍」
「一方でザクⅠはヅダと比べこそ性能で劣れど、コストはヅダより安くて、軍の要求性能に不足分はなく、むしろ十二分に満たしている」
……となれば、ヅダがザクに敗れたのは、やはり陰謀でも何でもなく、ただの必然である。


ちなみに各種ゲーム内では装甲値が低くされがちだが、作中の描写では暴走以外での撃墜が無く、また片腕を失うほどの被弾をしても欠損部以外は問題なく動いていた。
以上の事から、装甲とは違う話になるがダメージコントロールに関しては一定の水準を満たしていたと推測される。
(ただしガンダム世界では制式採用されたMSが片腕が失う程度でコントロール出来なくなるという例はほとんどないので特筆点とは言い難い)


なお、「欠陥機」であるヅダより先に、仮にでも制式機であるジムが先に自爆した事について視聴者からは指摘が相次いでいるが、
この点は後に「この時のジムは先行生産された急造機*7であったため、品質がかなり低かったため」とされている。
とはいえガンダム世界では試作機や急造品ですら、不調や欠陥こそあれど、事故を起こすことは非常に稀という品質管理の凄い世界であり、低性能や設計不良の類はあれどもこんなヅダと大差ない不良制式機はほぼこの作品特有のものである。

なお、ヅダがフルスロットルしている時点で大幅不利なことに間違いなかったが、
連邦側はそもそも限界を超えるほどのスピード勝負に付き合う必要性なんてなく、集団戦なのだから散開などで対応するべきだったし、なんなら本来の任務通り「デュバル機は放置して、一部の機体にモニク機やワシヤ機の相手を任せて残りは落ち武者狩り続行」という作戦も取れたはずである。
(ヅダがポンコツという情報戦を仕掛けていたが、スペックを知らない連邦兵視点で考えても特定の分野ならジムを上回る可能性があると考えることはできるし、速度一点で負けても問題にはならない)

そもそもジムが本来付き合う必要のないヅダの追撃を行ったのは「欠陥機に負ける訳には行かなかったため」である。
連邦軍としては直前にプロパガンダ放送と眼前でヅダを散々コケにした手前、そのヅダから挑まれた勝負から逃げる事はそのまま自分で自分を「ついさっきバカにした欠陥機よりも格下」と認める事を意味する。
仮に負けて醜態がジオンに知られようものなら「連邦はジオンの機体をポンコツと散々貶したくせにパイロットはポンコツ相手に逃走するチキンしかいない上、当の新型機はポンコツにも劣る」と今度はジオンが連邦をコケにするプロパガンダ放送する可能性だってあり得る。尤もヅダより先に空中分解した以上、急造のジムはある意味ヅダ以上のポンコツになったが。
連邦軍とジムそのもののプライドに賭けて、逃げる訳には行かなかったのである。
またデュバルは最初の奇襲で指揮官機を撃墜しており、ストッパーがいなくなっていた事やデュバル機のチキンレースに乗った地点でモニク機が背後から追撃、HLV付近にはワシヤ機も健在なので、どの道逃げられなかった&落ち武者狩りも不可能だったのも留意点である。
…Igloo特有の連邦軍のヒャッハー振りからして、単にナメられたのが癪に障っただけな可能性が高いが。
ただしジムが先に自爆したのは事実だが、それまで ほとんど引き離せていなかったため
暴走する欠陥があるが速度に特化した機体が、汎用量産機のジムでも自爆するまでスラスタを吹かせば 同等の速度を出せる ということになり
安定した出力同士であればどちらが優れているかが言わずもがなである以上そこまでジムを卑下するほどではない。


なおデュバル少佐が主張するジオニック社とツィマッド社の不仲およびジオニック社の陰謀説だが、
当時ツィマッド社はコンペ敗北後もザクのOEM生産を行い、後にツィマッド社が開発した地上用MSの決定版とも言えるドムやドムを転用したリック・ドムは公国軍に制式採用・量産されており、
最終的にジオニック社含む各社と共同でゲルググの開発を行う程度には協力関係を築いている。
ヅダの不採用の経緯もどう考えても兵器として信頼性が無さすぎ&性能の割にコスト高すぎなのが原因なので少佐の被害妄想というのが真相だろう。

なお、誰がプロパガンダや欠陥に関する情報をリークしたのかは不明。
戦況の変化でジオン敗北を悟ったり、元々ザビ家への不信感を持つ者などもこの時期にはかなりの数いるので、一部の高官や将校もしくはヅダの開発関係者辺りが何らかの目的で流したと考えるのが自然だろう。


【バリエーション】
■EMS-04
作中で登場するヅダのベース機体……というものの作中の描写や推測からするとほぼ外装だけの違い。
性能ではザクⅠを上回っておりヅダ有利という見方だったものの爆発事故及びザクの1.8倍の製造コストから採用は見送られた。
デュバル少佐はヅダの不採用はジオニック社と政権の癒着があったためと言っているが、事実かどうかはかなり疑わしい。
(製造コストに加え、何よりも重大な欠陥があったことから信憑性に欠ける。また、欠陥があるにも拘らずデマゴーグとひとまとめにくくっている。)
しかし、特に改良を加えていなかったと思われるEMS-10が一年戦争後期、さらには本来想定していなかった対MS戦においても活躍できたことから、
仮に欠陥が無ければ採用されたかはともかくとして、デュバル少佐が太鼓版を押すに見合った性能は持ち合わせていたようである。

『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』では、
ザクに拘った開発部員のエリオット・レム(MSVに登場するザク好き)が本機とザクのコンペによって、ザクが採用されたものの負けたと感じたことから、
ザクの安定性を持ちながらも高い機動性を持つ高機動型ザクⅡを開発する一因になったとされている。
巡り巡ってこのレム氏は最もヅダを評価していた人物とも言える(欠陥をどこまで深く認識していたかは不明だが)。

……なおその高機動型ザクもコストや装甲や総合性能でヅダを作ったツィマッド社のリック・ドムに敗れて主力になれなかったことを考えると、
高機動性の全振りという方針がなにか間違っていた気も……


【地上適性】
劇中のイメージなどから宇宙専用機と誤解されがちだが、あくまで宇宙での機動性を重視しているだけであり、
ツィマッド社は、ジオニック社との制式化競争の際、ジオン公国軍から求められた性能の一つに地球上での運用性能も求められており(EMS-04)、
本機にも地上適性もあると考えるのが妥当である。

ただし、地球環境による実験・実用テストなどが行われた映像やら形跡などは特にないため、
作中の欠陥っぷりと相まって地球で満足に実用出来るのかまではかなり怪しい。
カタログスペックで見ても、宇宙ではザクを圧倒しても地上でザクを圧倒する程の機動力を発揮出来るのかは不明。

一応漫画版では人口重力のあるコロニー内でザクⅠと模擬の格闘戦を行ったが、
「圧倒的ではないがザクⅠよりは優位」とのこと。

■ウォルフガング機
『機動戦士ガンダム黒衣の狩人』にて主人公のウォルフガング少佐がザクⅡの代わりとして搭乗した機体。
彼のパーソナルカラーである黒に塗られ部隊のエンブレムがマーキングされている。
ろくな補給が受けられないために組立途中で廃棄されていた機体を流用しており、そのためか通常のヅダとやや外見が異なる。

この作品ではヅダの欠陥は「性能限界を越えると土星エンジンが爆発する」と説明されている。(上述の通りこれは間違いである)
作者のエアプっぷりが炸裂しており、「ガノタへの媚び売り・話題作りの為に大して詳しくもないのに無理やり登場させた」と評判は悪い。

■ヅダF
型式番号EMS-10F。
『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場。
ヅダをベースに改良した機体で、欠陥は直っていないがリミッターの強化により問題は解決している(が、前述の通りザクに近い出力になるのでは?という疑問が生じる)。
更にはギャンのパーツを組み込むなど性能の向上も行われている。
制式採用はされなかったものの、いくつかの部隊で運用されていた。
ヅダ要素を排して、
「最初からギャンの改良に全力を注いだ方がほぼ全ての面において良いのでは?」
「ギャンのパーツがあるなら、それでギャンを組み立てた方が良いのでは?」
というツッコミもある機体。


作中では0083年にジオン残党の「ファラク」によって使われていたが、
135mm対艦ライフルを対MS用に改良小型化した95mm狙撃ライフルを使った狙撃を行っており、
尚且つジム・スナイパーカスタムのカウンタースナイプで負けてしまい結局向上した性能は見ることができなかった。


…と、ともかく暴走の危険性が常に付きまとい、性能は高いが特出はしていない…という、
欠陥を直したらヅダではなく、欠陥をそのままにしたら兵器ではないという、話を考える側からしたら非常に厄介な存在となっている。
設定的に非常に扱いづらいデリケートなMSであるが、そのかっこよさやスピードに終始したロマンあふれる設計思想等は人気があるので、それらをどう落とし込むかが重要と言えるだろう。



【ゲームでの性能】
どのゲームでもその素早さは再現されているが、登場時期や他の機体との兼ね合いで低コスト機になる場合が多い。
また、原作での最期からか、 敵にKAMIKAZEすることで大ダメージを与える という特殊攻撃が搭載されるケースも。
それもはやHeシリーズじゃなくV-1とか桜花や回天では…。
とはいえひとたび暴走すると結果的にそうなるため、あながち間違いとも言えない。

アクシズの脅威無印以降ならイベントで開発プランを入手可能。
宇宙限定だが移動力11を誇り、MSどころか全ユニット中トップクラスの移動力を持つ。

しかし、開発時期の頃のメインの戦場は地上な為ゲーム進行とかみ合わず費用対効果が悪いこと、プラン入手時にパイロットであるデュバル少佐を失ってしまうこと等から運用に難のある機体である。つまりゲーム上ではデュバルをヅダに乗せることはできない。

なお、ヅダは量産タイプでも限界170%で指揮官タイプだと220%とこのころの機体としては無茶苦茶限界性能が高いが肝心のデュバルはというと戦闘系ステータスはそれほど高くない為、仮に乗せたとしても量産型ですら性能を活かしきれない。


igloo編の3話目に登場。
原作通りデュバル機とモニク機は途中退場してしまうため、最後まで使えるのはワシヤ機のみとなる
指揮官機仕様にするとツノが付き、もれなく135mm対艦ライフルが使える。
ザクⅠから開発できマシンガンの燃費も優秀だが、最初は素の火力や耐久の貧弱さから使いやすいとは言えない。
しかし改造を重ね、基本性能を底上げすれば火力や射程の優秀なザクバズーカや135mm対艦ライフルが生きる。
愛があれば主力として使っていける性能はある。

続編のWARSにもリストラされずに引き続き参戦。
だが開発元であるザクⅠと並んで初めから生産可能な機体となってしまっている。
また他作品の優秀な量産機や実体弾耐性のあるアビリティが流行る中でやや肩身が狭い思いをしている。

続編のWORLDと、その続編のOVER WORLDにも引き続いて参戦。
OVER WORLDでは通常機と指揮官機が区別され、ヅダ1番機という別機体となった。

GENESISでは原作で使っていなかった対艦ライフルが没収。
また1番機は射程2~3で高火力を出せるシュツルム・ファウストが追加されたもののザクバズーカが没収され遠距離戦に弱くなった。
ヅダファンにとっては割と涙目な調整となっている。


  • ガンダムアサルトサヴァイブ
機体性能的には旧ザクの機動性・スラスター関係を強化した感じで、チューン限界値が高め。同世代のMSと比べて全体的な性能も高い。
また武装もザクマシンガン・バズーカ・対艦ライフル・シュツルムファウストとほぼ完全再現。
ただし土星エンジンの欠点も完全再現されており、スラスターゲージが尽きてもダッシュし続けられる代わりにその間HPが減少し続けるという超上級者仕様。NPCを乗せると勝手に空中分解する事受け合い。
SPアタックは必殺格闘。高速で連続体当たりし、やがて腕や脚や頭がもげていき、最後は核爆発。移動距離が長くホーミングもするため、よほど離れていない限り回避は困難。見た目も威力もえげつない。
ちなみに核爆発後はなんと元に戻る。まさにジオン脅威のメカニズム。
また、限界までチューンアップするとスラスターゲージが尽きてもHPが減らなくなる。つまりいつまでもダッシュし続けられるようになる。


コスト160の近距離機体として登場
メインにザクバズーカA・B、サブにシュツルム・ファウストとザクマシンガンを持つ
(アップデートによりザク・バズーカAはサブ、マシンガンはメインへ移行した)
機動8までのセッティングのみで装甲は持たない

低コスト機体だがブーストの回復速度は遅い。

最大の特徴はセッティングであり、動きにクセのあるジオン機体らしくバリエーションに富んでいる。
機動5は機動性に大きな変化はないが、着地硬直が緩和
機動6は土星エンジンのリミッターを解除。5よりジャンプ性能が低下したが、長時間ダッシュが可能。コスト+20
機動7はダッシュ特化型でタックル威力が強化。コスト+40
機動8は土星エンジンを暴走限界まで強化。長時間ダッシュとダッシュ速度、ジャンプ性能の向上を実現しているが、コストは+60

最近135mm対艦ライフル装備の予備機が登場、コスト200の遠距離機となっている。

シリーズを通して最低コスト(1000→1500)でパイロットはデュバル少佐。
メイン武装はザクマシンガン。エクバの頃は照準の定まらない不良品*8をジオニックから押し付けられていたが、後のシリーズで普通のマシンガンが供給された。
修正前時代はそれはそれで「ターゲットを残像に逸らすが被弾すると解除される」F91のMEPEに対して、照準が定まらないので散らばった弾が引っかかるという謎のメタ武装としての価値は存在したりしたが、そんな例外を除けばただただ不便なだけであった。
実質的なメイン武装は対艦ライフル。後述の格闘CSによる特攻モード*9では、弾数管理が別となる為、それを活かして高火力の対艦ライフルを当てていくのが主な立ち回り。
それと地味だが優秀なシュツルムファウスト。出が早く爆風が広がる為、迎撃手段としては非常に優秀。
アシストはオッチナンの乗るヅダ3号機。呼び出すと制御を失って敵へ向かっていく。 私の指示に従いたまえ プレイヤーからは逆に特攻を無理強いしている様に聞こえる。
エクバ2ではアシストが変更され、対艦ライフルを撃つ、又は、ブースト格闘同様の攻撃後敵を投げつける突撃攻撃の2種となった。
クロブではもう1種増え、物量で押すアシスト機体という立場も得つつあるが……(後述)

そしてVSシリーズで忘れてはいけないのが、格闘CSに設定された特攻モードへの移行。一定時間経過すると通常状態に戻る。覚醒中も特攻モードに移行する。
このモードに移行すると全身をオーラの様な物が覆い、機動力が上昇、マシンガンと対艦ライフルが別弾数へと変更される他、格闘CSが自爆へ変更される。
自爆は自身の撃墜と引き換えに1000コスト分の体力は吹っ飛ばすくらいの高火力であり、1000コスト時代は大半の1000コストを新品から一発で落としたりもできた。
NEXTのイージスと違い味方側のコストがヅダの自爆で0になる場合でも相手のコストを0に出来れば勝つことも可能だが、自爆入力直後を除きキャンセルが効かず*10、一定以上進むとその時点で爆発する為、下手に使うと何もないところで爆発して落ちるだけになってしまうので要注意。
素の性能は低いため基本的に特攻モードを維持しつつ覚醒で自己強化の上立ち回ることになる。
ちなみにこの特攻モード発動の為のチャージ時間は3.5秒もかかる上にモード終了時にはチャージ時間がリセットされる為、「連続開放」と呼ばれる方法*11で特攻モードを維持するテクニックが存在した。
が、エクバ2からはモード終了時にもチャージが維持されるようになった為、不要の技術となった。

後に追加された覚醒技もやはり自爆。
こちらは突進攻撃をした後、相手にヒットするとそのまま相手と一緒に直上へ急上昇。そのまま上空でいっしょに爆発する。
こちらも自身のコストがなくなる時でもこのダメージでコストを削りきれれば勝ちとなる。

が、この機体、特攻モード中の自爆が相手にヒットさせずとも自爆可能な事から、能動的に素早く自軍コストを減らす事が可能であり、家庭用マキオンでそれを悪用したジオニック社員ユーザーが話題となったり、エクバ2のキャンペーンでプレイ回数を稼ぐ為に悪用したジオニック社員ユーザーが出たからか、クロスブーストでは任意の自爆が削除されてしまった*12

そして今までの覚醒技は特攻モード中の格闘CSに変更となり、新規の覚醒技はオッチナンの暴走が復活する事となった。
アメキャン可能でメインをひっかけつつ当てたり、近距離迎撃用の壁にする等の過去作のオッチナンアシスト時代の強みはなくなったが、強誘導で多段ヒットしつつ大ダメージという今までの任意自爆をアシスト化したような性能な為、それなりに打ち得な性能をしており、日本中のツィマッド社員が切り札として活用している。なんでオッチナンすぐ死んでしまうん?
クロブでは覚醒技のポーズも変更され、左手を伸ばしてオッチナンを引き留めようとするようなポーズをとる(原作でオッチナンが爆散し、それを呆然と眺めるデュバル機のポーズの再現か)。

クロブで追加された「ヅダ(指揮官機) 呼出【追従】」は、一定時間追従し、デュバルの攻撃に合わせてマシンガンを連射してくれる武装。
優秀なアシストなのだが、技名にもあるように何故かツノ付きのヅダがやってきて援護してくれる*13
このせいで一部から少佐は「本物のゴーストファイターを召喚した」とか「ヅダが量産された世界線から来た」とか言われることも。

総合して火力と機動力はあるものの足が止まる武装が多くいかに特攻モードを活かして立ち回るかが肝の機体性能となっている。


  • バトルオペレーション
キャンペーン機体で通常ドロップしない低コストの汎用機で、装備は主兵装にザクマシンガン、ザクバズーカ、対艦ライフル。副兵装にシュツルムファウストとヒートホークを持つ。
性能ははっきり言って悪く、特にHPの低さが目立つ。これは汎用系統の中で最低で、61式戦車と同じ値である。
一方でスラスターの性能は非常に高く、速度、容量ともにケンプファー等の高コスト機に匹敵し、タックルも速く高威力。
そして固定副兵装のシュツルムファウストは他の機体よりも強力に設定されている。
とはいえ、いくらコストが低いからと言って攻撃の頭数が重要なファクターとなる本作ですぐ死んでしまうのは割と致命的と言え、また、HPが低いということは脚部HPも低いということでもあり、脚部破損がおきやすくこれまた致命的。
そしてこんな有様でありながら、これらを補うためのカスタムパーツのスロットが少ないという致命的な欠陥を抱えている。
一気にスロットが増えるLV5まで上げてようやく人並みのカスタムが可能。
コスト制限のない部屋で使うのはそれなりの下準備と技量と度胸が必要な機体。
一方で低コスト部屋では当然使い手にもよるが、圧倒的な性能を見せつけることが多かった。

  • ガンダムオンライン
低コスト強襲機。
ヅダ専用モジュール「土星エンジン」を搭載しており、ブーストの挙動が他の機体と大きく異なる。
他の機体と違い、ブーストケージが切れても耐久値を犠牲にブーストし続けられるが、この際体力が0になると一定範囲に攻撃判定のある爆発を引き起こす。ネット、スタンなどの状態異常時は不可。
ただし基本多vs多になるガンオンの仕様上特攻を狙いにくいが本拠点への自爆攻撃はとても有効。ただの低コスト射撃機として使おうとするとそれこそザク系統が対抗馬になるためにちょっと立場は厳しいところ。
だったはずが2018年7月の機体調整により一転、ジオン低コスト枠において最も扱いやすい機体へ変貌。
なんと最上位のマシンガンが実装され、半端な高コストなら対面での射撃戦で打ち勝てるまでになった。
装甲と機動性がに底上げされ、もはや高コストと肩を並べるまでに至った。ただしマシンガンしか強力ではない為、決定打に欠ける点は相変わらずである。連邦最上位であるユニコーンガンダムにすら勝つ場面がある事はまさに大出世といえる。
ゲーム内通貨であるGPで買えるもののうち、ジオンは有能な機体が少ない中500万GPを消費するだけの価値は本機にはある。
作中使った武装は軒並み使えるが、対鑑ライフルの性能は非常に低い。なお、今のところ一号機仕様しか実装されていない。

実装より4年、ガンダムUC時代へ突入。
MSヅダは もはやゴーストファイターではない

ガンプラでのヅダ】
初出はBクラのガレージキット。原作がマイナーな為これで終わりガンプラ化は望み薄だったが、なんとHGUCで商品化!
パッケージには予備機が描かれている
本体はMG並みの情報量で、特に土星エンジンのバーニア部はミクロン単位の加工技術により、精密に再現されている
オプションも非常に充実していて、ザクマシンガン,対艦ライフル,シュツルムファウスト,ヒートホークと、バンダイの愛を感じる出来
涙が出る。
頭部のコンパチとマーキングシールで全機種再現可能。
ちなみに、宿敵であるザクⅠの次にリリースされた…

他に、今は亡き『MS IN ACTION!』でもリリースされたが、末期の頃に作られたものであまり出来は良くない。



【余談】
ビルドファイターズ14話のMSレース場面にチラっと出演している。
何故かベースジャバー搭乗で 。作り手の姿は画面に映らなかったが、やっぱり分解するところも忠実に再現してしまったのだろうか?


ヅダの直接のモチーフは上記の通りだが、偶然か意図したものかヅダの経歴は大日本帝国海軍の駆逐艦「島風」とも似通っている面がある。
島風とは「次世代主力機の試作品として建造される」「高コスト(を含む問題)故に量産化されず試作止まり」「最後の最後で実力を発揮せしめるも、それが原因でエンジンが吹き飛び喪失」という点が共通している。






中尉、ならびにヨーツンヘイム

MSヅダは
もはやゴーストファイターではない
この独立戦争の一端で
確かに戦っている


…この事実は

何人たりとも消せはしない……!




デュバル「私はこうして追記・修正している。今、ここで、確かにな」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ガンダム
  • ガンダムMS_IGLOO
  • 一年戦争
  • MS
  • ジオン
  • 土星エンジン
  • ゴーストファイター
  • ツィマッド社
  • HGUC_065
  • ジオン公国軍
  • 空中分解
  • 欠陥機
  • 欠陥
  • 特攻
  • ジオン脅威のメカニズム
  • He-112
  • 戦場の絆
  • 漢のロマン
  • でかい花火
  • コンペ落ち
  • EXVS参戦
  • ヅダ
  • ゴーストファイター
  • He-100
  • ヒデト・ワシヤ
  • ジャン・リュック・デュバル
  • モニク・キャディラック

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月13日 12:16

*1 オッゴの少年兵に「フランツ・プラント」という人物がいるが彼とは無関係

*2 この時、ジオン軍のHLV群は少しでも多くの人員を乗せるべく最小限の燃料しか積んでいなかったため、軌道上まで上がったは良いがそこから身動きを取れなくなっていた。またHLVの搭載機だったザクも迎撃に出撃するも、宇宙用装備を全撤去した陸戦用だった故に宇宙ではまともな機動が取れず、ボールにすら翻弄・圧倒される有様であった。

*3 正確には1機はエンジンが停止し落伍した所を後ろから追撃して来たモニク機に撃墜された。

*4 これは当時の技術力の限界で、ヅダの欠点と言えるか微妙だが。

*5 この例だと地球での話になるので壊れずとも空を飛んで制御できないままどこかに高速でぶつかるor墜落することになるが

*6 とは言いつつも、この時にはドムとリック・ドムが既に開発・配備されており、ヅダは最早必要ない型落ち機だったことやツィマッド社にもデュバル以外にヅダに拘っている人間が見受けらない、更に時期的にジオニック社ら競合他社と共同でゲルググの開発が行われていた時期なのでデュバルは「いつまでもポンコツに拘っている上に陰謀論を振り撒いてジオニック社との連携を乱す」と白眼視され「ヅダの評価試験」という名目で厄介払いとしてヨーツンヘイムに送られたのでは?という説もある。

*7 オデッサ作戦はジャブローでジムが量産されるより約半月以上前である。

*8 止まっている相手に撃ち続けると撃った弾が螺旋状に見える。

*9 初期は名称不明だったが、後にコマンド表で判明

*10 爆発前に強制ダウン攻撃を食らえばダウンして中止はされる。

*11 終了と同時にCSを使用すると自爆でなく特攻モード移行の方が発動する。盾と合わせる等すると安定して行える。

*12 クロブではスサノオの切腹も挙動が変更され、この手の武装は運営から追放された形となった。

*13 原作に出てきた1-4(予備)番機でツノ付きはデュバルの1番機のみ。