足立透

登録日:2009/09/27(日) 15:45:32
更新日:2024/02/25 Sun 15:26:05
所要時間:約 8 分で読めます






「おっと、新メニュー発見伝」



足立透(あだちとおる)とは、ペルソナ4(以下P4)に登場するキャラクター。

CV:真殿光昭(2016年の舞台『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』でも担当)
演:伊藤マサミ(2012年舞台版)

【概要】

本作のサブキャラの1人。
堂島遼太郎の相棒を務める刑事で、元々は本庁勤務のキャリアだったが左遷されて稲羽市にやってきた。27歳。
寝癖だらけの髪型に曲がったネクタイといっただらしない風貌をしており、
その見た目も言動も、まさに「ベテラン刑事と組んでいる頼りない若手刑事」のイメージそのまま。
それでも一回り以上年上の堂島に対して、軽口を叩けたり自宅に招かれたりするくらいの関係性は築いている様子。

登場早々、殺人事件の死体を見て吐いてしまったり、捜査上の機密事項を番長らに簡単に漏らしては堂島に怒鳴られたり、
安売りしていたからといってキャベツを大量に購入してしまい用途に困ったりと、『P4』内のヘタレ・アホ成分を一手に引き受けている。
自らを頭脳派と称したり、犯人をカッコよく逮捕してみたいと語ったり、
アニメでは警護中に会った番長達、自称特捜隊と共に愛家の出前をとる姿が描かれる等、お調子者の一面も窺える。

時には、子供ながら独自に事件を追おうとする番長達に大人の立場から釘を刺したりもするが、
本人は前述の通り仕事をサボリがちだったりと、やはりどこか軽薄な印象が拭えない人物。(唯一カッコいいのは11月のとあるシーンくらいか。)


ペルソナ4 ザ・ゴールデン(以下P4G)ではコミュキャラの一人に出世。
対応するアルカナは初登場の「道化師」。飄々とした足立にぴったりのアルカナである。
コミュでは、手先が器用で手品が得意だったりと意外な一面を見せてくれる。


ちなみに印象付けの為なのか、アニメ版ではキャベツキャラが強調されており、堂島に説教されているときですら何故かキャベツを抱えている。



追記・修正は大量のキャベツの用途を思いついてからお願いします。






























※以下、『ペルソナ4』のストーリーに関する重大なネタバレを含みます。
















































「世の中クソだな」







【正体】

稲羽市で発生した連続殺人事件の真犯人。
山野真由美と小西早紀を “テレビの中に入れて” 殺害した。

さらに生田目太郎が「マヨナカテレビに映った人間が死ぬ」という事実に気付いて警察に電話した際、偶然にもこれに応対し、
言葉巧みに生田目を焚き付けてマヨナカテレビに映った人物を次々とテレビの世界へ入れるように唆していた。
その後、主人公らが事件を追っていることにも気付くと、脅迫状を送り付けてそれを自ら隠滅するなど暗躍。
度々主人公らの前に現れてはうっかり捜査情報を喋り過ぎてしまう…という体を装いながら、推理をミスリードさせて事件解決を妨害した。
この辺りの狡猾さと手際の良さは、腐っても元エリートと言ったところか。

直接殺害した2人に関してはほぼ面識が無いどころか、犯行に及んだ動機も自分を否定されてプライドを傷つけられたという感情的なものでしかなく、その本性は極めて身勝手、かつ自己中心的。
犯行時の言動や描写される精神世界からは、異性に対する憧れや歪んだ欲求も読み取れる。
自分の価値を認めようとしない世界に対して暗い感情を抱いており、彼の代名詞でもある「世の中クソだな」というセリフはその精神性を端的に表している。

一方で、犯行へと至った動機には「退屈な田舎暮らしへの刺激」という愉快犯的な思惑も少なからずあったようで、
前述したように主人公達を妨害しながらも、生田目の介入によって複雑化した事件を”ゲーム”と称して楽しんでおり、
模倣犯である久保美津雄が一連の事件の犯人として出頭した際には、これによる事件の終息を良しとせず、秘密裏に彼もテレビに突き落としている。

元々、本庁から左遷された理由もその自己中心的な性格から周囲の足を引っ張りまくったせいであり、完全な自業自得。
主人公達をガキと見下し、自分を認めない世の中をクソだと憎悪しながら、その実、本気でそれと向き合う事をしなかった。
本庁に入れるほどの優れた能力を有しながら自分自身で先の可能性を潰してしまった足立は、ある意味で主人公と対となる存在*1だと言える。

ちなみに、警察官を目指した理由は「合法的に銃が持てるから」という浅すぎるもの。
だが銃への興味、あるいは適性は本物だったのか、警察学校での射撃の成績は常に上位だったとのこと。*2

物語後半、生田目が連続殺人犯として逮捕され、一時は主人公達も彼を追っていた犯人と信じ込んだ事で完全犯罪を成し遂げた…かに思われたが、
推理をやり直した主人公達は、生田目の言動の不自然さや脅迫状に関する矛盾から、真犯人が別にいる事に辿り着く。
加えて「脅迫状に消印等が無かった(=犯人は堂島家に直接投函している)」「にもかかわず不審人物の目撃情報が無い」「主人公達の動向を継続的に把握している」等の手がかりから、
周囲に怪しまれず主人公達に接近・接触できる存在である、全ての条件を満たす足立が最有力容疑者として浮上。*3
そして主人公らに直接追及を受けた結果、思わず犯人しか知り得ない情報を口走ってしまった*4ことでついに真犯人だと暴かれた。
自分で出した脅迫状が、結果的に自らを追い詰める決め手の一つとなったのは中々に皮肉である。
最早言い逃れが出来なくなると自らテレビの中に逃げ込み、始まりにして終わりのダンジョンである禍津稲羽市にて主人公を待ち受ける。

最終決戦ではなんと彼もまたペルソナ使いである事が判明。ペルソナ名はマガツイザナギ
その容貌は主人公のペルソナ・イザナギと非常に酷似しており(配色とデザインがやや異なる程度)、名前の通り禍々しい。
しかし主人公達と異なり召喚時にはカードを破壊せず、頭を抱え苦しむようなモーションから召喚するのが特徴。
なお、戦闘時には銃を持っているが何故か使ってこない。これについてアニメ版では主人公に「怖くて人を撃てないんだろう」と本心を見透かされている。

禍津稲羽市最奥でペルソナ使い同士の直接対決に敗れ、体を「霧を生み出す存在」アメノサギリに乗っ取られるも、主人公達がアメノサギリを撃破し解放。
自棄になりテレビ世界に残って死のうとするが、最後は特別捜査隊の説得を受け入れ現実世界で逮捕された。
エンディングによると、その後の警察の聴取にも協力的に応じているとの事。


足立は今回の物語の黒幕とも言うべき人物なのだが、結局は彼もイザナミの掌の上で踊らされている1人に過ぎず、
主人公と同様に稲羽市にやってきた際にイザナミから力を与えられていた。与えられた力は『虚無』。

ただ、主人公らの前で見せていた姿は全て嘘塗れだった彼ではあるが、堂島を慕っていたのは演技ではなく本気であるとのこと。
足立がつけているネクタイも堂島に貰ったもので、P4Gのアニメ版である『P4GA』では、
左遷されてからの堂島との出会い、そして主人公が来るまでの間の堂島家との交流の様子が描かれた。
菜々子に対しても優しく接しており、それなりに懐かれていたが、鋼のシスコン番長ほどは仲良くなれなかった模様。まあ同居してないしね!

彼が主人公らに絡み始めたのも、稲羽市に来てやっと見つけ始めた居場所に主人公が入り込んできたことへの絶望と嫉妬がその原因の一つ。
彼の感じていた孤独については、同じく『P4GA』にて掘り下げた描写がされている。


また、『P4G』では前述の通り、道化師のコミュニティの担い手。
コミュMAXで『P4』プレイヤー待望のマガツイザナギ解禁となる。
真ルートを進んだ際、イザナミの前に倒れた主人公に彼が投げかける言葉は必見。
しかし、真実から目を背け彼を庇う選択肢を選ぶと…


余談ではあるが、この男、登場早々自分が殺したはずの山野アナの死体を見てゲロっていることによくツッコまれる。
勿論これは自分が犯人だと疑われないための演技だと考えることもできるが、
犯行時の「あんたは少し怖い目にあって頭とかを冷やした方がいい」「完全に入っちゃえるんだ」という台詞から推測するに、
その段階ではまだテレビに入ったらどうなるのか解っていなかった=明確な殺意までは持っていなかった*5という可能性が高く、
シャドウに殺された凄惨な死体を目の当たりして本気で吐いている、という説が有力である。
ともあれ、あくまで「死体に慣れていないor予想以上だったから吐いた」だけで、良心の呵責による行動ではないと思われている辺りは彼らしいと言える。


ここまで散々語ったように、彼は物語のラスボスに近い立場の敵キャラであるにも拘わらず、
その行動と理念はどこまでも俗物的かつ自己中心的であり、よくイメージされるようなRPGのラスボス像などとは程遠い人物なのだが、
その人間臭さに逆に魅力を感じたプレイヤーも多く、どうしようもないキャラではありつつも、 ”人間味のある悪役” として人気は高い。

声優を務めた真殿氏も「足立を演じることは楽しい、思い入れのあるキャラクターだ」と語っており、
某笑顔動画の生放送ではノリノリで「世の中クソだな」を始めとする足立の台詞を披露していた。
そして、2016年には自ら3次元で足立を演じている。



【P4U2での足立】

本編のその後の物語を描いた『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』(P4U2)にも、DLCとして参戦。
キャッチコピーは「相も変わらず世の中クソだな!完全自己中キャベツ刑事(デカ)。らしさ全開である。

留置所生活を送る足立だったが、無理やり巻き込まれる形で「P-1クライマックス」に参加することに。
相変わらずの飄々さを見せる一方で、主人公達との”ゲーム”に敗れた彼が今何を思うのか、そして足立が掲げる彼なりの”ルール”が語られる。
さらにストーリーでは主人公や堂島とのやり取りも描かれ、こちらも原作プレイヤー必見の内容になっている。

キャラ性能としては、あらゆる技に強い癖が有るもののペルソナ技による牽制と対空、
コマ投げと打撃による単純強力な崩し、自己強化やバステ付与による爆発力、高速中段を兼ねる無敵切り返し、
対処しづらい無敵技でかつゲージを追加で払えばガードさせて有利という超性能のSB木っ端微塵斬り…といった、
格ゲーキャラとして必要な技はおおよそ全て揃っている変則スタンダードキャラ。要するに性能もひねくれている。

欠点は本体技が貧弱で立ち回りをマガツイザナギさんに頼り切るのに、ペルソナゲージは4枚と標準的な枚数しかなく、
ペルソナブレイクするとヒートライザなどの自己強化もリセットされること。
ただし自己強化とバステとゲージが揃った状態での攻めは圧倒的で、「覚醒SPスキル使用後の足立がコンボを決めると試合が決まる」と言われるほど。

大人の対応力で自分が有利になる状況を少しずつ慎重に積み上げ、
状況を作り終えたが最後、相手の体力を有無を言わさず消し飛ばす大人気なさを剥き出しにする事がプレイヤーにも要求される。








うはははっ!立てろって言ったらホントに立てたよ!君ら他にすることないの?

揃いも揃って…寂しい奴らだなぁ…

「追記しようぜ!」
「修正しようよ!」

ねえ、図星でしょ?
恥ずかしいな、君ら歳いくつよ?

あははははははは!ヤバいヤバい、腹痛い…

あのさー… 君ら、wiki篭りの学生でしょ?

こんなことより、勉強した方がいいんじゃない?

真面目に勉強して、いい大学入って、いい会社に勤めて、可愛い嫁さん貰ってさ…

何、必死に無駄なことやってんの?
大人になってから後悔しても知らないよ?




































追記・修正しろよ。お前は、俺とは違うんだろ?

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最終更新:2024年02月25日 15:26

*1 ゲームにおいて、主人公は自分のステータス=能力を磨きながら様々な可能性を見出していく。

*2 『P4U2』での足立の独白より。

*3 アニメでは事前に堂島にも聞き込みを行っており、美津雄がテレビの世界に入れられる直前まで取り調べを担当していたのが足立であった事も主人公に疑念を抱かせている。

*4 逆に、犯人と主人公達しか知り得ない情報を聞いた時に何の反応も示さなかったことも、犯人特定要素の1つとなった。

*5 恐らくは行方不明として処理されると踏んでいたか、あるいは生還しても妄言だと一蹴or脅迫する気だったのだろうか?