アイン・ダルトン

登録日:2016/04/17 Sun 01:02:45
更新日:2024/02/05 Mon 12:20:09
所要時間:約 14 分で読めます






クランク二尉は、お前たちに手を差し伸べてくれたはずだ
それをお前らは、振り払って……!!




担当声優は内田雄馬。『ガンダムビルドファイターズトライ』のコウサカ・ユウマに続き、ガンダムTVシリーズ二連続の出演となる。


人物

武力組織ギャラルホルン・火星支部に所属する青年軍人。階級は三尉。
端正に整えられた黒髪が印象的な、爽やかスポコン系イケメン。年齢は20代前半頃か。
出身は火星。地球出身でギャラルホルン士官の父と、火星出身の母のハーフ。

本来純粋な地球出身者しか入れないギャラルホルンに入隊できたのは父の仲介によるものだが、
それ故にギャラルホルン内部(火星支部ですら例外ではない)では「人間ではない」という心無い罵倒を受けるなど、常に差別されてきた。
なら素直に一般職に就いた方が良かったんじゃ……とはいっても、火星ではまともな職にはありつけないだろうし、
そもそも「(入隊後も)やはり差別は続きました」と述懐している所からすると、恐らくは入隊以前から「半地球人」などと虐げられてきたのかもしれない。

押し潰されそうになっていた時、唯一周囲と対等に扱ってくれた上官クランク・ゼントから「常に自分が正しいと思う道を行け」という激励を受け、自分を取り戻す。


以後、「周りからどう見えようが構わない」の精神を発揮し、イチャモンを冷たくあしらえるほどの胆力を身につけた..と言えば聞こえはいいが、
悪く言えば自分が関心をもつ人の意見はとことん聞く一方で関心がない人に対しては意見を聞かないどころか記憶にすらとどめようとしないという方向に酷くこじらせてしまっている。

火星出身者への差別が酷い火星基地とはいえ、全員がアインを差別していたわけではなく、アインへ激励や気遣いを見せる上司や同僚も存在するなど決して地獄のような職場環境ではなかったことがうかがえる。

ただし激しい差別を受ける中でクランクと出会い、差別を跳ね除けつつ努力した末に周りから認められ、彼等に気遣われるようになった可能性もある。
差別描写の少ない火星支部と、地球への降下すら許可されなかった地球圏とで扱いに差があるのは、そう言った背景があるのかもしれない。


若さゆえの青臭さが抜けない、よく言えば初々しく真面目な、悪く言えば頭の固いつまらない人物だが、意外と激情家な所がある。
自分より他人のことを優先して動き、時には自分を犠牲にすることすら厭わない人物ではあるのだが、他人の言動をそのまま受け取ってしまい、内面の真意や立場による事情には考えが及ばないという悪癖がある。

また、長年差別されてきた経験ゆえか、自分が心を開いた人や尊敬に値すると思えた物事と、敵対的な人間とでは、余りに極端な差を作って対応してしまう。
前述の悪癖と相まって、一度憎んだ相手に抱く執念は生半可なものではない。

何かのきっかけがあれば一気に暴走しかねない、生真面目な第一印象からは意外な本性を持つ人物だが、
「自己中心的」と言うよりは「独善的」と評した方がよいだろう。自分のことでいっぱいいっぱいなのかもしれない。
メタ的なキャラクターの役割から分析すると実は正義の味方、主人公的な要素が多く「暴走し独善に凝り固まった悪人」というある種一般の正義の味方系真面目キャラを裏返した延長上にある様なパーソナリティを持っている。


イベントにおけるスタッフインタビューによると、実は当初、アインは数話でフェードアウトしていく端役であったという。
それが変わったのはとある回のアフレコ。内田氏は「奴め!」の台本を「きゃつめ!」という古風な読みで発音し、
それが偶々アフレコ現場を見学に来ていた長井監督ら制作チームのツボにはまり、アイン・ダルトンというキャラを更に膨らませるきっかけとなった。
端役の予定は変更され、出番は大幅に増えることに。またキャラのベースは実は没となった主役キャラの物でもありキャラの素地自体は悪くない所か洗練された物でもある。
雑魚役、下手すればジェリド・メサ的なポジションで終わるはずだったアインは、内田氏に魂を吹き込まれた事でシンデレラストーリーを歩むことになった。
……そのおかげで変更された結末が、まさかああなろうとは、運命とは恐ろしいものである。
ある種、『鉄血のオルフェンズ』という作品におけるグレミー・トトとでも言うべきであろうか。
時代掛かった大仰な物言い、妄信に近い心酔、実力は本物であるものの子供相手に不覚を取った末に強化実験で人格が歪んでしまうなど、
そのキャラクター性自体はどちらかと言うとアナベル・ガトーかマシュマー・セロあたりに近い。


容姿、能力、戦う理由、出自。アイン・ダルトンは作品が違えば十分に主人公を張れるような、成長の余地を多く残した魅力的なキャラクターである。
だが哀しいかな、彼に与えられた役割は“『鉄血のオルフェンズ』における敵役”であったのだ。


人間関係

●クランク・ゼント
「自分自身が、正しいと思う道を選べ。周囲に惑わされず、お前と言う人間の生き方を見せるんだ」
第一の上司であり、唯一自分を周囲と対等に扱ってくれた恩人。
アインは何かあるたびに「クランク二尉!」「クランクにいー!」とうるさいため、「クランク・ニー」という別人や「クランク兄ぃ」というお兄ちゃんキャラと(わざと)取り違える人も。

ガエリオ・ボードウィン
《よく見つけた、アイン!》「ネズミのやり方は、火星から見てきましたので!それもここで終わらせる!
第二の上司。
当初は上が誰に変わろうがどうでもいいというスタンスだったアインだが、次第に彼の聡明さに感服していく。

マクギリス・ファリド
上官にして上司の友人。

三日月・オーガス
宿敵。クランクを殺されたのみならず、自身も幾度となく煮え湯を飲まされている。


搭乗機とスキル

初期は緑色のグレイズ。5話で宇宙に上がった際にはアーレス配備機のスラスターを借りている。
中期以降はガエリオの機種変更に伴い、彼のシュヴァルベ・グレイズを受け継ぐと共に、実験機に搭乗する機会も与えられた。

MS戦のスキルは実際の所、経験不足という一点を除けばなかなかのもの。いくつかのシーンでエースの片鱗が見える。
そもそもノーマルグレイズとは段違いの数のスラスターがついているシュヴァルベを短期間で乗りこなすあたり、只者ではない。




劇中の活躍




◆ゲーム作品での活躍

EXTREME VS. 2
ボス機体としてグレイズ・アインが参戦したため、彼も登場している。
だが、ボイスだけで彼自身のカットイン絵は存在しない。
彼の場合、事情が事情なのでこの点はやむを得なかったと思われる。
何故か名前も表示されない為、鉄血を未視聴のプレイヤーは1期のラスボス枠だとはまず思わないだろう。
アルヴァトーレに比べて地味すぎるというのもあるかもしれないが。

〇Gジェネレーションクロスレイズ
こちらでも登場。通常時の彼はスカウトできる。
非スカウトキャラとしてグレイズ・アイン搭乗時の彼も登場。
その際の彼はなんと顔グラがグレイズ・アインのものとなっている。
無骨なデザインの顔グラであのハイテンションでしゃべるものだからギャップが凄い。





私の項目が追記・修正されるのも、クランク二尉のおかげです……!


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最終更新:2024年02月05日 12:20

*1 尚、クランクも最期の言葉を言い終わる前に三日月に撃たれている