マクロスΔ

登録日:2016/04/12 (火) 01:05:00
更新日:2024/01/04 Thu 21:42:55
所要時間:約 24 分で読めます




響け風

翔べ女神(ワルキューレ)


2016年4月より放送されたアニメ。
マクロスシリーズ最新作で、アニメシリーズ通算7作目。

OP1:一度だけの恋なら/ワルキューレ
OP2:絶対零度θノヴァティック/ワルキューレ
ED1:ルンがピカッと光ったら/ワルキューレ
ED2:破滅の純情/ワルキューレ


概要

前作マクロスFから8年後の西暦2067年、銀河系辺境宙域の移民惑星を舞台に物語が展開する。
これは「戦闘機がより自由に飛べる大気圏を中心にする」という考えから。

『F』のコンセプト「原点回帰」に対し、本作のコンセプトは「マクロスプラスマクロス7の融合」。
そのためか2作を彷彿させる設定が散見される他、歴代作品のオマージュと見られる描写・場面が数多く登場する。
また、モチーフとして北欧神話関連の単語が随所で見られる。

タイトルの『Δ』は「歌」「戦闘」「三角関係」のシリーズの基本三要素を敢えて表現したとのこと。
余談だが、「デルタ」は一部のマクロス級戦艦のブリッジのコールサインでもある。


昨今のアイドルアニメブームに倣ってか、今回のアイドルはユニット制。
『7』のジャミングバーズ、『MACROSS DIGITAL MISSION VF-X』のミルキードールズのコンセプトが遂に日の目を見たと言える。

今回もシリーズの伝統に従って歌姫オーディションが行われ、
過去最多約8000人の応募者の中からメインヒロインの一人・フレイア役に鈴木みのり、先輩アイドル・美雲の歌唱パートにJUNNAが選ばれた。
なお、JUNNAは楽曲収録当時14歳(アニメ放送時15歳)と歴代最年少の歌姫であり、中学生とは思えない色っぽい歌声と抜群の歌唱力を披露している。

楽曲に関しては『プラス』と『F』で担当した菅野よう子は参加せず、コモリタミノルの提供曲が多い。

2017年には『スーパーロボット大戦X-Ω』への期間限定参戦を果たす。

2018年2月9日より『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』が公開。
2021年10月8日には『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』が『劇場短編マクロスF ~時の迷宮~』と同時公開。*1


ストーリー

バジュラ戦役から8年、第一次星間大戦から実に57年もの年月が経過した西暦2067年。
銀河播種計画が実行に移されてから半世紀以上、移民惑星に独自の文明が築かれつつあった。
銀河系辺境のブリージンガル球状星団では、人間が理性を失い凶暴化する奇病「ヴァールシンドローム」が猛威を振るっていた。
この病の対抗手段となるのは、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」。
歌によって暴徒化を鎮めることができる彼女らは星々を駆け巡りライブ活動を展開する。
一方、時を同じくして「ウィンダミア王国」が擁する精鋭部隊「空中騎士団」が不穏な動きを見せ始める。


用語

・ヴァールシンドローム
ブリージンガル球状星団で猛威を振っている奇病。単にヴァールとも。
発症すると精神に変調をきたし、自制が効かなくなるのが特徴。
心拍増大や血管・筋肉の膨張といった症状が現れ、異常な興奮状態に陥り破壊活動を行う暴徒と化す。
根治療法は確立されておらず、一度発症してしまうと再発の危険性がある。
現状の対症療法はワルキューレのフォールド波を乗せた歌を聞くことのみ。
その原因はかつてのV型感染症ウイルスと同様のフォールド細菌で、
ウィンダミア特産の銀河リンゴ(ウィンダミア・アップル)と、
プロトカルチャー遺跡から取れる天然水を合わせて接種すると生成される「セイズノール」という物質で増殖する。
ウィンダミアはダミー会社を通じてこの2つを統合軍に納入することで、銀河中で感染者を増やしていた。
「風の歌い手」であるハインツはプロトカルチャーの遺跡を通した歌で感染者を操ることが可能であり、数で大きく劣るウィンダミアの戦略の要となっている。

・フォールドレセプター(フォールド因子受容体)
生体フォールド波を発生させることができる因子。
受容体の活動が活発であればあるほど強力なフォールド波を発している。
精神状態と密接な関わりがあり、一例としては生命が危険な状況等で興奮状態になるとフォールド波が強くなる。
更に録音や録画では効果が激減するために、ワルキューレには戦場で身を晒して歌うことが求められる。
ワルキューレ以外にもハヤテが持っていることが確認されている。
2059年のバジュラ戦役でバジュラが銀河系から去った後に保有者が現れ始めた。
宿主であるバジュラを失ったフォールド細菌の一部が人類を新たな宿主として体内へフォールドして定着。
これに対する免疫として生まれたのがフォールドレセプターである。

ワルキューレ
ケイオスが擁するヴァール鎮圧を目的とした戦術音楽ユニット。
登場時の口上は「超時空女神(ヴィーナス)、ワルキューレ!」
ほぼ生身で戦場に立ち、マルチドローンを操りながら歌って踊って戦うアイドル。
恒例の立体ホログラムによる変身早着替えも相まって、もはや魔法少女。
メンバー全員がフォールド因子受容体を高レベルで保有しており、その歌声はヴァールを癒すだけでなく、非感染者に予防効果も与える。
彼女達の派手なパフォーマンスはヴァール感染者の注意を自分達に向けさせ、
Δ小隊の鎮圧活動をサポートする役割や、避難民に安心感を与えてパニックを防ぐ役割を持つ。
単純なアーティストとしても、銀河ヒットチャートに常時ランクインするほどの人気を誇る。

・Δ小隊
ワルキューレの護衛と武力によるヴァール鎮圧を主任務とする特殊部隊。
専用にカスタムされた最新鋭機「VF-31 ジークフリード」を運用する。
戦闘だけでなく、ワルキューレとの相互サポートや演出(ダンス等)もこなし、単なる護衛部隊として以上の人気を誇る。

・ケイオス
ワルキューレやΔ小隊が所属している星間複合企業。
元々はフォールド技術関連のベンチャー企業だったが、ここ10年で急速に勢力を伸ばしている。
手広く様々な事業を手掛けており、ヴァール対策部隊はケイオスの軍事部門に当たる。
マクロス級戦艦を所有するなど、民間軍事プロバイダと同等以上の設備・組織力を持つ。

・ウィンダミア人
銀河系初の知的生命体・プロトカルチャーによって生み出された地球外人類の一種。
外見は地球人と変わらないが、特徴として微量の生体フォールドクォーツとフォールドレセプターを含む髪飾り型の発光器官「ルン」を持つ。
ルンは音楽を聴いたり、宿主の感情の昂ぶりに合わせて動いたり発光する。
ルンをじっくり見られたり、触られるのはかなり恥ずかしいことらしい。
これの発光具合を調節できる(つまり感情を制御できる)のは大人の証。
ルンで感知したフォールド波を「風」と呼び、形容詞的な表現としてもよく使用する。
マイクローン化したゼントラーディよりも上という非常に高い身体能力を持つ反面、平均寿命は30~35歳とかなり短命な種族。
20代半ばあたりから急激に老化が始まり、皮膚が白くひび割れ剥がれ落ちていく。
14歳での結婚は既に晩婚の域…つまり結婚・出産の適齢は(ry

・ブリージンガル球状星団
本作の舞台となる銀河系辺境の球状星団。
プロトカルチャーが最後に落ち延びてきた地と言われており、
ゼントラーディの攻撃をあまり受けなかったことから各惑星にはプロトカルチャーの遺跡がほぼ完全な形で現存している。

・ラグナ人
地球外人類の一種。
ヒレや鰓といった魚の特徴を持つ海の民。
魚のように水中を高速で泳ぐことができる。

・ヴォルドール人
地球外人類の一種。
猫型哺乳類を元にプロトカルチャーに生み出された種族。

・アル・シャハル
中東的な雰囲気を持つ惑星。
ハヤテが物語当初にここの宇宙港の一つで仕事をしていた。

・ラグナ星
ラグナ人の母星。海の割合が多めの地球型惑星。
首都はバレッタシティで、特産品はバレッタクラゲ。
アル・シャハルの30光年隣にある。
ケイオスのラグナ支部がワルキューレとΔ小隊の拠点。

・ウィンダミア星
ウィンダミア人の母星。
周囲をフォールド断層に囲まれている。
大半が真っ白な雪に覆われており、林檎が特産品。青森ではない
プロトカルチャーによるものと思われる遺跡が存在する。
銀河播種計画に伴い2027年に地球文明圏に加わったものの、不平等条約による搾取などが原因となり2060年に独立戦争が勃発。
以後は地球文明の流入を嫌う鎖国状態となっている(林檎の輸出程度の交易は行われている模様)。
独立戦争にて新統合軍に次元兵器を使用されたと主張しており、惑星表面にはDE弾頭の痕跡と思われる傷跡が今も生々しく残っている。
そのため住人の新統合政府への感情は最悪に近い。
4話にて新統合政府に対して宣戦布告、星間戦争の幕を開く。
統一国家は「ウィンダミア王国」。
+ 次元兵器って?
次元兵器は『F』の時代に開発された戦略兵器で、爆発範囲の空間を丸ごとフォールド空間に飛ばして消滅させる凶悪なもの。
威力の調節次第では惑星の半分近くを抉る程の破壊力を持ち、マクロスの世界では人類が保有する最強の兵器の一角。
それまでの最強兵器だった反応弾すら無効化する耐性を身に着けたバジュラに対抗するために使用され、バジュラ戦役で大きな戦果を挙げた。
DEとはDimension Eaterの略。

・空中騎士団
ウィンダミア王国が有する「Sv-262 ドラケンⅢ」を駆る王家直属の精鋭部隊。
辺境の新統合軍をものともせず、Δ小隊と渡り合うだけの士気と練度を誇る。
エースは白銀の機体を駆ることから代々「ダーウェントの白騎士」の称号を継承する。
地球文明が流入する前は飛行生物やグライダーを使用する攻城部隊だった。


登場人物

ハヤテ・インメルマン
CV:内田雄馬
主人公。17歳。
直情的な言動と無愛想な性格が特徴の少年。
歴代主人公の例に漏れない卓越した操縦技術に加え、天性のリズム感覚の持ち主。
音楽に合わせてワークロイドを曲芸のように操り、初めて乗ったバルキリーでブレイクダンスをやってのけるほど。こいつ踊ってやがる
元々ワークロイド作業員だったのでファイター操縦経験はなく、飛行訓練では四苦八苦していたが、厳しい訓練と激しい実戦を通じてメキメキと腕を上げていく。
目標や夢を探して銀河中を巡り職を転々としてきたが、熱中できるものに巡り合えなかったため、非常に無気力かつサボり魔だった。
アル・シャハルで逃亡中のフレイアと出会い、加えてヴァール鎮圧に赴いたケイオスの面々と邂逅、パイロットとしての道を踏み出す。
あくまで空を飛ぶことが目的だったためにウィンダミアの宣戦布告後は除隊も考えるが、「戦争を終わらせて自由に空を飛ぶ」という願いを見出し戦い続けることを選んだ。
興味があること以外には極めて無関心だが、自分がやりたいことに必要と理解すれば、必要ないと思っていたことでも素直に認めるし努力を惜しまないストイックなところもある。
なんだかんだで密航者であったフレイアを何度も助けており、根はお人好し。
パイロットになってからは、生き甲斐を見つけたからか跳ねっ返りながらも明るい好青年な面が出てきている。
搭乗機「VF-31J ジークフリード」
機体№05。パーソナルカラーは青。
AIサポートとヘルメットを嫌うハヤテに合わせて特別なチューニングが施されている。
第13話にて反応弾の爆発から退避しきれず、爆散して喪失した。
パーソナルカラーといい姓の「インメルマン」といい、天才マックスを彷彿させる。
声優は前作の中村悠一と同じく、直前まで放送されていたガンダムシリーズでラスボス役を務めていた。

フレイア・ヴィオン
CV:鈴木みのり
ヒロインその1。14歳貧乳……という割には作画上そこそこ「ある」方。
シーンによってころころ大きさが変わるので、年齢相応の普乳なのかもしれない。
ワルキューレに憧れ、オーディションを受けるために故郷を飛び出し密航者となったウィンダミア人の少女。
バイタリティに溢れ表情豊か、まさに天真爛漫を絵に描いたような性格で、訛り口調が特徴。口癖は「ゴリゴリ」。
訛りはウィンダミアの中でもド田舎出身だからで、ウィンダミア人全体的に訛りがあるわけではないらしい。
命の危機や精神の高揚に際しては規格外のフォールド波を発生させる能力を持ち、それを見込まれワルキューレの5人目のメンバーとなる。
故郷が戦争を起こし、板挟みの立場で思い悩むが、「戦争を止めるために歌う」という目的を見出し人間としても歌手としても一段上のステップに到ることができた。
ハヤテとは運命的な出会いを果たし、落ち込めば励まし合う親友であり仲の良い兄妹のような関係だったが、徐々に想いを寄せるようになっていく。
憧れのアーティストはリン・ミンメイFIRE BOMBERシェリル・ノームランカ・リー、ワルキューレと歴代TVシリーズの歌い手達。

ミラージュ・ファリーナ・ジーナス
CV:瀬戸麻沙美
ヒロインその2。Δ小隊の紅一点。18歳。普乳。
元新統合軍人で、祖父母からミンメイのことを聞いていたことから歌で戦うワルキューレに興味を抱き、アラドにスカウトされケイオス入りした。
真面目で融通がきかない性格が災いして恋愛に関しては奥手。
その名の通りシリーズお馴染みの天才一家、ジーナス家の出身。
ジーナス夫妻の六女・ミランダの娘で、伝説のロックバンド「FIRE BOMBER」のベース・ボーカル、ミレーヌの姪に当たる。
銀河に轟くトップアーティストの伯母2人と違って音感センスはないのか、1話のバルキリーダンスでは一人だけズレていた。
決して技量が低いわけではないのだが、メッサー曰く「教科書通りで戦場では通用しない」という、
生真面目な性格を表したかのような飛び方で、熟練パイロット相手の実戦では動きを読まれやすい弱点を持つ。
伝説級のエースである祖父や祖母と比べられることにプレッシャーを感じており、コンプレックスを抱いているような面も見られる。
ハヤテのいい加減で不真面目な態度とゲロぶっかけられたことに嫌悪感を示すが、アラドによって彼の訓練教官に任命される。
その後も任務でタッグを組むことが多く、助け助けられを繰り返すうちに自分に持っていないものを持つ彼を徐々に意識するようになっていく。
搭乗機「VF-31C ジークフリード」
機体№04。パーソナルカラーは臙脂色。
どことなく祖母エースのミリアの機体を彷彿させる。

ケイオス

ワルキューレ

・美雲・ギンヌメール
CV:小清水亜美/歌:JUNNA
巨乳。ワルキューレのエースボーカル。
素性・経歴・年齢等全てが謎に包まれた少女。
ケイオス女子寮に住んでおらず、住所についてはカナメも知らない。
メンバーの中でも特に強力なフォールド波の持ち主で、ケイオスの切札と言える存在。
身体能力も人間離れして高く、ワルキューレの中でもワイヤーだけで飛行中のジークフリードの上に立てるのは彼女だけ。
フレイアの才能を高く評価しており、それ故に成長を促すように厳しい言葉をかけることが多い。
決めポーズは中指と薬指を交差させて片手でWを作る。実際やってみると指が攣りそうになる。

・カナメ・バッカニア
CV:安野希世乃
ワルキューレのリーダー。22歳。普乳。
メンバー最年長なこともあり、皆のお姉さん的存在。
マネージャーとしての仕事も兼任している。
ワルキューレ加入前からアイドル活動をしていたが鳴かず飛ばずのまま引退しており、
ケイオスにもワルキューレのマネージャーとして入ったものの、フォールドレセプターが確認されたことからメンバーとしても活躍することになった。
美雲の加入前はエースだったが、現在はリーダーとして皆を見守ることにやりがいを感じている。
女子寮にミラージュ、フレイアと住んでいる。
決めポーズは両手のVサインを合わせてWを作る。

・マキナ・中島
CV:西田望見
ファンシー系少女。18歳。爆乳。
メカニック担当で、リガードを見て興奮する兵器オタク。
お気に入りのメカに愛称をつけて可愛がるのが趣味。
メカニック、アイドル双方の才能を持っていたため、どちらの道も両立できるケイオスに入った。
決めポーズは自身とレイナのVサインを合わせてWを作る。
メカニックで中島と言えばマクロスゼロの中島雷造が想起されるが、TV版では血縁関係は明言されず劇場版にて判明した。

・レイナ・プラウラー
CV:東山奈央
クール系でボーイッシュな格好の少女。15歳。無乳。
電子戦担当の凄腕ハッカー。マキナと組んで機体のソフトウェア面の調整も担当する。
バレッタクラゲの生が大好物。
マキナと仲が良く、歌う際にペアを組む他、一緒に暮らしている。百合
ケイオスにハッキングを仕掛けて捕まり諜報部に配属された後、適正を見出されてそのままワルキューレのメンバーになった。
ぶっちゃけアイドル活動にはあんまり興味ないらしい。

Δ小隊

・チャック・マスタング
CV:川田紳司
女好きなムードメーカー。24歳。ラグナ人。
本作における「娘々」担当で、弟や妹と共に平時は「裸喰娘々(ラグニャンニャン)」を切り盛りしている。
裸喰娘々はケイオスの男子寮にもなっている。
幼い弟と妹は歴代歌い手の物真似(弟:FIRE BOMBER、妹:シェリル・ランカ)ネタの担当で、歌を歌ったことも。(11話での「REMEMBER 16」)
搭乗機「VF-31E ジークフリード」
機体№3。パーソナルカラーは黄色。
マルチパーパス・コンテナユニットに折り畳み式のレドームを装備する。

・メッサー・イーレフェルト
CV:内山昂輝
部隊のエース。21歳。
常に冷静沈着で生真面目な仕事のプロフェッショナル。
操縦技術は部隊随一で、空中騎士団の双子からは「この風…できる」と評された。
模擬戦でもハヤテ、ミラージュ、チャックの3人を一度に相手にしてあっという間に全員撃墜している。
初エンゲージでは大量のミサイル弾幕を潜り抜け、圧され気味ながらもキースと渡り合った程。
統合軍時代に駐留していた惑星がヴァールで壊滅、自身も感染したが、
カナメがエースヴォーカルだった頃のワルキューレの歌で理性を取り戻し、ただ一人生き残った過去を持つ。
そのためカナメには非常に大きな恩義を感じており、彼女を守るためにアラドの誘いに応じてケイオスに入った。
しかし一度感染したヴァールは治癒しておらず、戦闘などで極限状態に陥ると再び発症してしまう危険がある。
惑星ヴォルドールでの戦いで遂にヴァールが再発したために、現役のパイロットを退き訓練教官として転属になるが、
窮地に追い込まれたΔ小隊とワルキューレを助けるために独断で救援に駆けつける。
ヴァール化しながらもカナメの歌で理性を保ち限界を超えた力を発揮、キースと互角に渡り合うが、ほんの僅か及ばずコックピットを撃ち抜かれて戦死した。
搭乗機「VF-31F ジークフリード」
機体№02。パーソナルカラーは黒。
死神のノーズアートが描かれている。
メッサー戦死後は愛機を失ったハヤテが搭乗した。

・アラド・メルダース
CV:森川智之
小隊長。33歳。
元新統合軍所属だが、今は軍隊嫌い。
かつてはウィンダミア独立戦争にも参加していたベテラン。
隊員のスカウトも担当しており、連れてくるメンバーは皆曲者揃い。
搭乗機「VF-31S ジークフリード」
機体№01。パーソナルカラーは赤。主人公機
指揮官仕様のS型の伝統として頭部レーザー機銃を四門装備。
剣を咥えた竜の頭骨のノーズアートが描かれている。

その他スタッフ

・アーネスト・ジョンソン
CV:石塚運昇*2
ケイオス ラグナ支部所属マクロス級戦艦エリシオン艦長。40代。
ゼントラーディと地球人のハーフで、マイクローン時でも2mを超える身長の巨漢。
格闘技の教官も兼任している。
常に不利な陣営に身を投じる変わり者の傭兵で、「百戦百敗・無冠の名指揮官」と評されている。
かつて艦隊戦の教官としてウィンダミア王国に雇われていたことがあり、グラミア王は当時の教え子だった。
アラドとはウィンダミア独立戦争時代からの戦友。

・レディM
ワルキューレやΔ小隊に指示を出している謎の人物。
新統合政府本部と直接交渉を行える程の権限と地位を持つ。
シリーズにはイニシャルMの重要人物が多数いることから、ネット上では正体についての議論が盛り上がっていたが、遂に明かされないまま最終回を迎えた。レディMが何を意味するのかは『絶対LIVE!!!!!!』にて明かされることになる。

ウィンダミア王国

空中騎士団

・キース・エアロ・ウィンダミア
CV:木村良平
騎士団のトップエース。グラミア王の庶子。19歳。
騎士道精神を貫く孤高のイケメン。
メッサーと互角以上の操縦技術の持ち主で、対峙したメッサーが冷や汗をかくほど。
ハインツの兄であり慕われているが、自らは庶子という立場からかあくまで家臣として接している。
地球人は殲滅すべしという過激な思想を持っており、ロイドとは方針が合わずにいる。
ファーストエンゲージで自らと互角に渡り合ったメッサーをパーソナルマークから「死神」と呼びライバル視して、空で決着をつけることを強く望み、自らの手で打ち倒した。
決着後もメッサーを侮辱したボーグにナイフを突き付けており、メッサー個人に対しては宿敵として敬意を払っている。
惑星ラグナ攻防戦でハヤテに撃墜され右眼を失ったが代わりにルンの感知能力が研ぎ澄まされ、より強くなった。
今代の白騎士だが、あらゆる手を使ってでも祖国の尊厳を取り戻すという誓いからパーソナルカラーを黒としている。
搭乗機「Sv-262Hs ドラケンⅢ」
指揮官仕様。
機首がやや延長され、主翼の外翼部が大型化している。

・テオ・ユッシラ
CV:峰岸佳
双子の兄の方。16歳。
商家出身のイケメン。
搭乗機「Sv-262Ba ドラケンⅢ」

・ザオ・ユッシラ
CV:峰岸佳
双子の弟の方。16歳。
兄と比べて好戦的なイケメン。
搭乗機「Sv-262Ba ドラケンⅢ」

・ボーグ・コンファールト
CV:KENN
騎士団最年少。15歳。
5人の姉がいる家の末っ子で、やんちゃに育ったイケメン。
教官であったヘルマンを「マスター」と呼び慕い、彼が教官を退いた今でもそう呼んでいる。
独立戦争で家族を全て失っているため地球人を非常に憎悪しており、フレイアのことも裏切り者呼ばわりしている。
搭乗機「Sv-262Ba ドラケンⅢ」

・ヘルマン・クロース
CV:遠藤大智
騎士団最年長の33歳。
元は訓練教官であり、教え子のボーグからは今でも「マスター・ヘルマン」と呼ばれている。
平均寿命を超えた老齢ながら、身のこなしは若者に引けを取らない。
バルキリー操縦の腕も、新兵に手柄を挙げさせるために手を抜きながらミラージュを圧倒するほど。
搭乗機「Sv-262Ba ドラケンⅢ」

・カシム・エーベルハルト
CV:拝真之介
騎士団一の巨漢。23歳。
リンゴ農家生まれだが、独立戦争で畑も家族も失い軍に入った。
戦争の早期終結を願っており、ロイドによる全銀河統一宣言には納得できない模様。
搭乗機「Sv-262Ba ドラケンⅢ」

王宮

・ロイド・ブレーム
CV:石川界人
ウィンダミア王国の宰相兼軍の総司令官。20歳。
眼鏡が特徴の知的なイケメン。
眼鏡コレクターで、シチュエーションに合わせて本体眼鏡を換装する。
地球人の殲滅を唱えるキースと違い、目的は星団の星を新統合政府から独立させて自由を勝ち取ることであり、
ヴァールを利用して極力血を流さない方針を取っていた…が、グラミアの死後に方針を転換し全銀河統一を掲げるようになった。
頭脳派だが腕も立ち、かつてはキースですら一度も勝ったことはなかったらしい。
考古学でもあり、ブリージンガル球状星団がプロトカルチャーが最後に辿り着いた地であることから、
「プロトカルチャーが最後に創造した人類種であるブリージンガル球状星団の人間こそが、プロトカルチャーの正当な後継者である」と主張。
ウィンダミアの対統合軍戦争における大義名分の一つとなっている。
プロトカルチャーの遺跡を管理する神官の家系の生まれだが、フレイアが「殿下」と呼んでいるため、王族の可能性もある。

・ハインツ・ネーリッヒ・ウィンダミア(ハインツ2世)
CV:寺崎裕香/歌:メロディーチューバック
ウィンダミア王国の王子。キースの異母弟。
身体が弱く、一見少女と見紛うほど儚げで可愛いショタ。
ウィンダミアの伝説にある「風の歌い手」の力を持ち、プロトカルチャー遺跡を用いて「風の歌」を介してヴァールを制御することができる。
その力は短時間で惑星一つを無血で制圧できるほどだが、身体に大きな負担がかかる。
グラミアの死後に国王に即位する。風の歌い手が王となるのは150年振り二度目

・グラミア・ネーリッヒ・ウィンダミア(グラミア6世)
CV:てらそままさき
ウィンダミア王国の現国王。
寿命が近いためか床に伏せっている。
先代の白騎士で、現役当時は白銀のSv-154を駆っていた。
かつてウィンダミアに駐留していたアラドやアーネストとは旧知の仲。
アーネストのかつての教え子だが、「騎士道精神を尊ぶあまり艦隊指揮官には向いていなかった」と評される。
ただし、「国と誇りを守るためなら悪魔にもなれる」とも評されている。
自らシグル=バレンスに座乗して最高指揮官として惑星ラグナ制圧に向かうが、マクロスキャノンを受けた際に致命傷を負い、死亡した。

イプシロン財団

・ベルガー・ストーン
CV:藤原啓治→小形満(代役)
ウィンダミア王国のスポンサーを務めるイプシロン財団の男。
兵器の提供の他、プロトカルチャー遺跡の解析等を行い戦争をサポートしている。
「歌はプロトカルチャーが遺した兵器ではないか」という持論を持っている。
黒幕臭しかしないとか言ってはいけない。


登場メカ

・VF-31 ジークフリード
本作の主役機となる最新鋭の可変戦闘機(バルキリー)。
PS3『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』の主役機「YF-30 クロノス」の制式量産型……のΔ小隊仕様。
対ヴァール用装備の追加、大気圏内での主運用を想定し主翼を前進翼に変更、エンジンの高出力化、それに伴う構造強化が施されている。
YF-30最大の特徴であるマルチパーパス・コンテナユニットを引続き採用しており、これを換装することで従来のパック換装に相当する機体強化・特化を行うことが可能。
ゲーム本編ではミサイルコンテナ固定で全く生かされていなかった機能のためファンにはうれしいところ。
(例:チャックのE型のコンテナは収納納・展開式のレドームユニットになっている)。
また、市街地での戦闘を考慮してか武装は少なく、コンテナやオプション抜きでの基本兵装は頭部のレーザー機銃、両腕部に格納されたミニガンポッドとコンパクトナイフ、脚部のマイクロミサイルのみ。
YF-30から型落ちしたもののYF-29 デュランダルのフォールドウェーブシステムを搭載しており、ワルキューレが発するフォールド波を増幅・拡散させる役割を持つ。
ちなみにペットネームの「ジークフリード」は『30』の主人公、リオン・榊のコールサインでもある。

・VF-31 カイロス
VF-31の一般機であり、戦闘特化仕様。
ジークフリードはカイロスのマイナーチェンジ機といって良い。
YF-30同様クリップドデルタ翼を装備し、火器搭載量も多い。
ただし量産のため、高コストの原因となるフォールドクォーツではなく安価なフォールドカーボン(低純度な人工フォールドクォーツ)を使用している。
この影響でISCの性能がジークフリードより低く、フォールドウェーブシステムも搭載されていない。
劇中ではα小隊とβ小隊が運用する。
基本やられ役だが、VF-171を軽く撃墜しており統合軍の機体とは格が違うところを見せている。

・MDP-001W シグナス(マルチドローンプレート)
Δ小隊のVF-31の脚部に収納されているブーメラン型無人航空機。
防衛バリア、照明、スタンドステージ、立体ホログラムの投影などあらゆる用途でワルキューレを演出する万能メカ。

VF-171 ナイトメアプラス
新統合軍の一世代前の主力可変戦闘機。
YF-24系列の台頭後も、その扱いやすさから銀河系辺境宙域まで配備が拡大している。
2作続けてやられ役になった不憫な機体。相変わらず主人公が乗ってもダメだった()
統合軍機はウィンダミア機に撃墜され、ヴァ―ル化の上でウィンダミアの支配下にある機体は統合軍・ケイオスに撃墜される…という敵味方双方からフルボッコ状態である。
ただし、この機体を愛用する名アリエースパイロットも出たので少しはマシになったかな…
と思ったら乗り換えてしまった。相変わらず不憫である。外伝では主役機なので許して……

VF-1 バルキリー
VF-0 フェニックスの完成型たる初代量産型可変戦闘機。
VF-11 サンダーボルトが現れるまで実質的に新統合軍主力機であり続けた名機中の名機。
J型を元に最新技術でアップデート(EX-ギア対応等)されたEX型が練習機として使用されている。
ラグナ支部の機体はそれぞれマックスとミリアの機体を彷彿させるカラーリングだが、塗装箇所が微妙に違う。

VF-22 シュトゥルムフォーゲルⅡ
VF-19 エクスカリバーと並ぶAVFの一角。
パイロットの身体が機体に追い付かない程の高性能機であり、その後のバルキリー開発方針の転換点となった。
第一次ウィンダミア独立戦争で次元兵器を投下したと目される。

・SDF/C-108 マクロス・エリシオン
ケイオス・ラグナ支部となっているマクロス級戦艦。
強攻型での全高は約830mと、通常のマクロス級とマクロス・クォーター級との中間サイズになっている。
本体のデザインはクォーター級に近いが、両腕はダイダロスやプロメテウスを彷彿させるデザイン。
平時は強攻型の状態でバレッタシティ郊外に聳え立っている。
アイランド艦へのドッキングは強行型で行われる珍しい方式を取り、なんとドッキングポートは股間部にある。
左腕に接合されている艦は、有事にΔ小隊の母艦となる宇宙空母「アイテール」。
右腕「ヘーメラー」はα、β、γ小隊の母艦で、展開することでマクロスキャノンになる。

・Sv-262 ドラケンⅢ
空中騎士団が運用する可変戦闘機。
旧反統合同盟系の勢力がウィンダミアに提供した機体であり、統合戦争で反統合同盟が使用した幻の名機・Svシリーズの名を冠する。
身体能力が高いウィンダミア人の搭乗を前提としているためEX-ギアは搭載されていない。
ファイターモードではメインノズルが中央に寄るので単発機に見えるのが特徴。
武装は機体下部に半没搭載されたビームガンポッド(ポップアップさせることで旋回砲塔になる)、
キャノピー後部(バトロイド時は右前腕部)の機関砲、バトロイド頭部のレーザー機銃(ファイター時は機首内に格納されるが、機首を一部変形させることで使用可能)。
Hs型には加えて、VF史上初の長剣型装備のアサルトソードを大腿部に収納している。
オプションとして上部左右(バトロイド時の脚部)に展開式ミサイルポッドを装備する。
フォールドブースターとは異なるフォールドシステムを持ち、単独でフォールド・強襲を掛けることが可能。

・リル・ドラケン
Sv-262の両翼にマウントされるゴースト(無人戦闘機)。
ジャミングと併用することで、分離時にあたかも三機に分裂したよう誤認させる。
機関砲とミサイルを装備しており、火力も十分備えている。
またマウント時には火力増加だけでなく、追加ブースターや後方迎撃としての機能も兼ね備える万能支援機。
強力であるが故に乱戦時には真っ先に撃墜されるかわいそうなお方。

・Sv-154 スヴァード
第一次ウィンダミア独立戦争におけるウィンダミア王国軍の主力機。

・シグル=バレンス
ウィンダミアの地下に眠っていた、プロトカルチャーの遺産である巨大戦艦。
次元バリアや風の歌い手の風の歌の力を増幅する機能を備えている。
更に星団のプロトカルチャーの遺跡と共鳴することで変形、強力な砲撃が可能となる。
変形後は鳥の人を彷彿させるシルエットになる。







追記・修正は天然水とウィンダミアアップルを食べながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • アニメ
  • マクロス
  • マクロスΔ
  • ワルキューレ
  • Δ小隊
  • バルキリー
  • マクロスシリーズ
  • 16年春アニメ
  • 16年夏アニメ
  • マクロスさんかっけー←ではない
  • スパロボ
  • パチンコ化
  • パチスロ化
  • 河森正治
  • 安田賢司
  • 根元歳三
  • サテライト
  • スパロボ参戦作

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月04日 21:42

*1 なお、宇宙戦艦ヤマト2205が同日に上映開始。日本SFアニメの金字塔がしのぎを削る事態となった。そのうえ、2205の監督はΔtvシリーズを担当した安田賢司氏である。

*2 劇場版第1作公開後に石塚氏が逝去したため、第2作『絶対ライブ!!!!!』ではエリシオン共々出番がなかった。その代わりとして、ただの天才が参謀と新たなマクロスを引っ提げて加勢する