ロディ・フレームMS

登録日:2016/04/07 (木) 12:49:34
更新日:2023/04/11 Tue 11:00:09
所要時間:約 7 分で読めます





本項では、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』及び外伝の『月鋼』に登場するモビルスーツ(MS)を解説する。





UGY-R38 スピナ・ロディ




「君はガンダムに乗れないかもしれない。だが俺たちにはスピナロディがある!」
―ロディ・フレーム設計者、一平・ギョウブのSNS宣伝文より―


型式番号:UGY-R38
所属:各組織
全高:18.5m / 本体重量:41.3t / 動力源:エイハブ・リアクター

機体デザイナー:形部一平


機体概要~あなたの会社に是非1機~

厄祭戦の中期以降、圏外圏戦域で運用された汎用型のMSフレーム「ロディ」。
際立った特徴こそ無いものの、フレームそのものの剛性が高くペイロードもかなり余裕があるために優れた拡張性を有したロディはとにかく大量に生産され、厄祭戦の後にも相当数が稼働状態で残り、とにかく様々な組織へ流れていった。
デザイン上の特徴はどこか愛嬌のあるずんぐりむっくりな体つきと、3つの三角形が組み合わさった形のアイカメラ。カメラはモノアイの様にレール上を移動する仕組み。


そのロディ・フレームタイプの1つであるスピナ・ロディは、アフリカンユニオンの公営企業・ドルトカンパニーでも汎用作業用MSとして運用されている。
主な仕事はスペース・コロニーの外壁補修や、コロニー群に接近するデブリの除去。
機体改装にまでお金をかけていられないのか、外装は戦闘用MSのそれに準じている。曲面主体ながらもところどころがごつごつしたデザインはかなりカッコいい。
カラーリングは明るいセルリアンブルーを基調に、サルファーイエローのアクセントが施されたワーカースタイル。これまでのシリーズに登場した作業機や民生機と比べるとかなりハイセンス。


なお、外伝『月鋼』のガンダム・アスタロトは補修パーツの1つとしてスピナの腕部装甲を使用している。
スピナは厄祭戦当時からこの姿で使い続けられてきたのかもしれない。


武装

劇中に登場したスピナは全て作業機なので、当然非武装。対デブリ用ミサイルランチャーが辛うじて攻撃に転用できる程度である。
ただ、闇市場では武装組織向けに結構な数の武装が出回っている様子。

●110mmマシンガン
設定画で描かれているデカい銃。弾倉は20発装填。
銃身下部には400mmグレネードランチャーが併設されている。

●ブーストハンマー
腰部ラックに懸架されている白兵武器。その名の通り、打撃部の端にはスラスターが付いている。
ティエレンのカーボンブレイドをデカくしたような見た目。

●アンカーポッド
杭を発射する4連装のボックス型ランチャー。脚部外側の汎用マウントラッチに追加装備される。


劇中の活躍






UGY-R41 マン・ロディ



あんたは勘違いしてるんだ。「人間」だなんて、ヘヘッ、笑えるよ
どうせすぐ分かるんだ。ヒューマン・デブリがどうやって死んでいくか……
すぐにね


型式番号:UGY-R41
所属:ブルワーズ
全高:17.1m / 本体重量:40.6t / 動力源:エイハブ・リアクター

機体デザイナー:形部一平



機体概要~鎧か鉄籠か~

地球~火星間の宙域を荒らしまわる大手の宇宙海賊船団・ブルワーズで運用されているロディ・フレームタイプ。10機ほどが稼働している。
ロディ本来の汎用性を完全に捨て、所有者に最適化された、非常に合理的なレストアが行われている。

最大の特徴は、最早フレームの原型が想像できないほどに盛られた装甲。
身を隠すのにちょうどよい、しかし常にデブリとの衝突の危険がある暗礁宙域で運用するために、フレームの積載限界まで重装甲を取り付けているのだ。
蛙を思わせる曲面主体の装甲は砲弾に対しても高い防御効果を発揮し、300mm砲にも耐える。

また、(当然だが)活動領域は完全に宇宙空間に限定されている。
膝から下はフレーム自体が取っ払われ、申し訳程度の着陸脚を備えたスラスターユニットが直付けされている。
背部スラスターも大出力で、外見からは想像もつかないほどに高い機動力を有している
阿頼耶識システムにも対応しており、被施術者が搭乗した時にはさらに柔軟な機動が可能となる。

反面、大質量を強引にスラスターで動かしている都合上、推進剤の燃費は悪い。
戦闘時間が限られている中、この重装甲と快速で商船団の対空砲火を強引に突破し、艦橋に銃なりチョッパーなりを突きつけるのがブルワーズMS隊の基本戦術である。


……ただし、この極限まで単純化&合理化された運用思想は、あくまでもMSのことを考えた結果に過ぎない。
なにせ実際にマン・ロディを動かしているのは、業者から格安で買ってきたり、あるいは適当に拉致してきたヒューマンデブリのガキ共なのだ。
糞みたいな値段」で調達でき、阿頼耶識をぶっこんで、少し殴って教育すれば即戦力。怪我で使えなくなったりすれば宇宙空間に捨てればはい終了。ついでに乗組員の娯楽用サンドバッグ代わりにもなる。そんな滅茶苦茶に安上がりな宇宙ネズミ共など、一々考慮する必要があろうか?
文字通りカスみたいな鉄砲玉よりは、貴重な戦力であり、替えの利かないエイハブ・リアクターを有するマン・ロディの安全を優先する方が至極当然。
ガキ共には普通に動ける程度には栄養食を与えて、時々殴っておけばそれでいい。


……人間のクズ共が平然とのさばり、非道が非道にならないのが圏外圏の実情。これでは人間をMSの部品として扱っているのと変わりない。
単純な戦術は慣熟時間の短縮に、航続距離が短い欠点は脱走の防止策として、有効に機能しているのかもしれない。
おまけに監督役として指揮を執っているのは、極悪非道のクダル・カデルが駆る悪魔・ガンダム・フレーム。過酷な扱いで憔悴した身では反乱しようとする気も起きるまい……。


武装

●頭部バルカン砲
劇中未使用の固定武装。ガンダムシリーズではお馴染みだが、鉄血世界ではレアな武装。
口径は不明。モビルワーカーや宇宙船の窓、船外作業員などを狙う対ソフトスキン用と思われる。
●90mmサブマシンガン
海賊間で多数流通するMS用短機関砲。弾倉はバナナマガジンで装弾数20発。
軽量で取り回しやすく、何より安価なのが人気の元。
威力は存外に高く、数機で囲んで集中砲火を浴びせればグレイズの装甲をバリバリ削り取る。
ストックは伸縮可能。
●球体手榴弾
両腰のサイドアーマー内に格納。劇中では宇宙用の煙幕弾が使用された。

●ハンマーチョッパー
大振りのチョッパー(肉切り包丁)の峰先端にコブ状のハンマーをつけた白兵武器。
斬撃と打撃を使い分けられる変わったローテク武器。華奢な敵には刃の広いチョッパー、重装甲相手には一点突破のハンマーを使うのだろう。
峰にはスラスターが仕込まれており、チョッパー使用時のスイング速度増加による破壊力向上と、ハンマーがめり込んだ時に引き抜くために使用する事を想定されている。

●ワイヤーフック
腕部装甲の袖口に内蔵。奪取対象の捕縛や牽引に使用。


劇中の活躍



立体物

1/144HG
本編登場直前に発売。例によってパッケージの搭乗者イラストでネタバレをかました。
肩口が干渉して腕の上方向への稼働に癖があることを除けば、見た目以上の可動域を持つ良キット。腰の捻り過ぎには注意。
ただし平手が付属しないため、動きの表情は限られてくる。

付属武器はサブマシンガンとハンマーチョッパー。
サブマシンガンのストックは固定式でマガジンも脱着不可。





UGY-R41 ランドマン・ロディ


型式番号:UGY-R41
所属:鉄華団
全高:17.0m / 本体重量:40.2t / 動力源:エイハブ・リアクター

機体デザイナー:形部一平


機体概要~鉄塊、地を往く~

売れ残ったマン・ロディを鉄華団が引き取り、地上仕様に改修した機体。カラーリングはクリームとサルファーイエローのツートンに変更。
低重力下でも移動出来るように脚部が換装されており、武装はハンマーチョッパー等マン・ロディの物をそのまま使用している。
インターフェイスは阿頼耶識のまま使われているため、地上での機動力も体感操縦によって補われている。
パイロットは元ブルワーズであるアストン・アルトランド等。
備品不足に苦しむ鉄華団地球支部の貴重なMS戦力として配備されている。
地上仕様ではあるが、元が宇宙用に調整されている為か、宇宙空間でも十分運用できる。
ロディ・フレームが持つ汎用性を取り戻した状態でもある。

立ちポーズが自然に決まるようになったことでマンを流用したプラモデルの発売が待たれるが、HG IBOのランナー配置的に設定色での成形はまず無理そう。
ここはマンを改造してみよう。ふくらはぎの形状がマン・ロディと違うが、パーツ分割の都合上このカラーリングに塗り分けるのは容易。
塗装のみでもそれなりに雰囲気は近くなるので、腕に自信のない人は妥協するのも一つの手かもしれない。

と言っていたらオプションセット9に脚部パーツが封入された。成型色はマン・ロディに合わせた緑なので無塗装派にも配慮した内容。
また没になったバルバトスルプスレクス強化形態再現用に接続パーツが追加された。

劇中の活躍




UGY-R41/H ハクリ・ロディ


型式番号:UGY-R41/H
全高:17.6m(サンポ機)17.3m(ユハナ機) / 本体重量:38.6t / 動力源:エイハブ・リアクター

機体デザイナー:形部一平


機体概要~甦った兄妹機~

傭兵のハクリ兄妹が使用するロディ・フレーム機。形式番号がマン・ロディと同じだが、実は仕事先で偶然拾ったマンの残骸を修理・改装したものである。
潰れていた頭部とコクピットは総とっかえ(阿頼耶識も外された)し、背部には大きなスラスターユニットを増設。
兄・サンポ機は後頭部に、妹・ユハナ機は前頭部にトサカ状のパーツがついている。

カラーリングはライトグレー。左肩と頭については、サンポ機は青、ユハナ機は黄色のアクセントが配色されている。

武装

●90mmサブマシンガン
同上。説明略。

●グシオンチョッパー
ハンマーチョッパーとは桁違いにゴツイ段平包丁。サンポ機が装備。
●グシオンアックス
先端に鉄球がついた長柄の戦斧。ユハナ機が装備。

ちなみにこの二つの武装は名前の通り本来はガンダム・グシオンの物である。





UGY-R41/T2C ラブルス


型式番号:UGY-R41/T2C
所属:タントテンポ
全高:19.5m / 本体重量:40.2t / 動力源:エイハブ・リアクター

機体デザイナー:形部一平


機体概要~バケツ頭の護衛~

月のアバランチコロニーの複合企業「タントテンポ」で運用されているロディ・フレームタイプ。カラーリングは暗めの青と濃紺?。
頭部を除く装甲の形状と本機の型式番号からマン・ロディをベースとした機体である事が窺える*2
最大の特徴はニョッキリ飛び出た逆さまのバケツの様な頭。この頭部には強化センサーが組み込まれていて要人護衛用に用いられている。


脚部は上述のランドマン・ロディと同型のものを採用している。

武装

●90mmサブマシンガン・球体手榴弾・ハンマーチョッパー
全てマン・ロディの物と同じ。流通ルートの幅広さが覗える。





UGY-R45 ガルム・ロディ


型式番号:UGY-R45
所属:夜明けの地平線団
全高:18.6m / 本体重量:38.2t / 動力源:エイハブ・リアクター

機体デザイナー:形部一平


機体概要~地平線より現れし魔犬~

本編第二期にて登場するロディ・フレームタイプ。
フレームの高い汎用性を活かした重装寄りの万能機で、そのフォルムはゴツくも洗練されていて、他のロディよりも精悍な印象を受ける。
アイカメラの軌道上を覆う赤い保護バイザーがカッコイイ。
頭部にトサカ状のアンテナを追加した指揮官機も存在。

武装

●ライフル
スピナとは異なるタイプのライフル。
90mmサブマシンガンとはデザインが似ているため、製造元が同じなのかもしれない。
●手榴弾
フロントアーマーに2発懸架されているグリップ付きのグレネード。

●ブーストハンマー
スピナのものはグリップが固定式だったが、スラスターの片方をグリップ展開ギミックに換装して長柄のハンマーとして使えるようにしたものも存在する。

●シールド
左肩に装着される装甲板。防御姿勢を取りつつ射撃をするのに適した装備位置である。
指揮官機は両肩に装備する。




マン・ロディ(クーデリアスペシャルVer.3)


型式番号:
所属:
全高:18.9m / 本体重量:44.9t / 動力源:エイハブ・リアクター

機体デザイナー:形部一平



無骨な大量生産品が好きな人は追記修正お願いします。

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最終更新:2023年04月11日 11:00

*1 マクギリスは火星にて鉄華団との同盟を結んだ直後であり、その事情を知らない地球支部相手に本気を出すわけにはいかなかったのであるが。

*2 恐らく鉄華団がテイワズに売り払った物