ガギ

登録日:2016/04/02 (土) 21:14:13
更新日:2023/12/03 Sun 10:29:35
所要時間:約 7 分で読めます





ガギとは、『ウルトラマンティガ』に登場する怪獣である。

●目次

データ

別名:バリヤー怪獣
身長:64m
体重6万9千t

概要

第10話「閉ざされた遊園地」に登場。

地中に巨大なアリジゴク状の巣を作る性質があるが地底怪獣ではない。
元々は宇宙怪獣で、遥か大昔に地球に飛来し、地底で長い眠りについていた。
地球に飛来した目的は 繁殖。
しかしその方法は 成長ホルモンが豊富な人間の子供を捕え、その身体に自分の卵を産み付ける という 非常にエグいもの。

遊園地よみうりランドの敷地内から角だけを地表に出し、そこからドーム状のバリアを生成、来園者を閉じ込めた。
このバリアーは非常に強固で、人間が殴ったり物を投げつけたりする程度の衝撃ではびくともしない物理耐久に加え、
GUTSのレーザーすら容易に吸収・無効化してしまう屈折力を併せ持つ代物で、閉じ込められた人間やGUTSの隊員を苦しめた。

自らの活動を阻害する物が無くなったガギは、遊園地に来ていた人間の中でも子供だけに狙いを定め、次々と地底に引きずり込んでいく。
触手に締め付けられながら地中に攫われていく子供達の姿はTVの前の子供達にトラウマを植え付けた。
更に、この時地上に出ていたのは触手だけであり、 本体はまだ姿を現していない。
逃げ場の無い場所で正体不明の何者かに攻撃を受ける という生き物なら本能的に恐怖を感じざるを得ない状況が、
人間の理解の領域を超えた怪獣の恐ろしさを更に強烈なものにしてくれるのである。
バリアーに閉じ込められ、自分達の命が怪獣の手の内にある中で、
必死で脱出しようと抵抗するも成す術ない大人たちの様子もこちらの恐怖感・焦燥感を煽る。

しかしこのバリアー、ホリイ隊員の分析によって 低温下では分解してしまう という性質が明らかになり、
液体窒素を含んだビームを撃たれたことで粉々に砕けてしまった。

続くティガとの戦いではムチを振り回すことで戦局を優位に進め、
身体を締め付けて拘束することに成功、マルチタイプを追い詰める。
ピンチに陥ったティガはすかさずパワータイプにチェンジ、絡み付いていたムチを引きちぎる。
パワーの面で劣勢に陥ったガギも負けじとツメや尻尾で反撃、更には光線を連射して善戦する。
しかしパワータイプ渾身のパンチで角を破壊されてしまい、最後はデラシウム光流を受けて爆死した。

「閉ざされた遊園地」という自らの能力を前面に押し出したタイトルからも分かる通り、このエピソードの主軸はガギである。
劇中では比較的早くから姿を現し、終始に渡ってその恐ろしさ・脅威が描かれた。
元よりドラマ性を重視した作風の為仕方ないのだが、
ウルトラマンティガという作品では人間同士のやり取りや心の葛藤が色濃く描かれる一方で、
敵怪獣や宇宙人の存在が脇に追いやられてしまう事も少なくない。
そんな中、主役として存在感を余す事なくアピールできたガギはかなり優遇された立場にあると言えるだろう。

尚、ドラマパートのメインはよみうりランドに訪れていたシンジョウ隊員が、
他の子供たちから弱虫とバカにされていた少年ハルキ(当然との関係は無い)に勇気について説くというもの。
「兄貴ってのはな、どんな時でも妹を守らなきゃいけないんだぞ」
というシンジョウ隊員の言葉に心を動かされたハルキが自らゴーカートを動かし、
観覧車に乗った妹を助ける為にガギの注意を引こうとするシーンは中々にアツい。
最後はガギに捕らわれた子供たちも救出され、ハルキもいじめっ子達と仲直りするという心温まる内容になっている。

戦闘能力

宇宙怪獣だけあって多彩な武器の持ち主である。
最大の特徴はその両腕で、 二股に分かれた巨大な爪の間からムチの様な触手が生えている という、
バリエーション豊かなウルトラ怪獣の中でも有数の印象に残る形をしている。

このムチは伸び縮み自在で、 ガギの意思で収納することも可能。
相手の首や胴を締め付けるという王道な攻撃手段の他、振り回して叩き付ければ刃物の如く相手の身体を切り裂くという使い方もある。
巨大なハサミの様な爪もその見た目を裏切らない破壊力を持ち、固い地盤やティガの身体をも引き裂いてしまう。
この強大な両手を振り回すだけでも充分過ぎる程の戦闘力だが、ガギの武器はこれだけではない。
長い尻尾は先端がハサミ状に分かれており、角からは赤色の破壊光戦を放つ事も可能。
更に前述のバリアーは、 低温の影響を受けない限り まず破られる恐れは無い。
劇中でガギがバリアーを使用したのは獲物を閉じ込めるという目的があってのものだったが、
その圧倒的な防御力は敵からの攻撃を無効化するという用途でも十分機能すると思われる。
もしもガギが、ネオジオモスゴルドラスの様に防御用に意識してバリアーを使用していたら、
その強敵ぶりに更に拍車が掛かったであろう事は想像に難くない。

ここまで書けば分かる通り、近距離戦に長けた両腕に光線技で遠距離もこなし、更にはバリアー能力持ちと攻守共に隙が無い。
ウルトラマンAの超獣程ではないがその戦闘力は正に 全身が凶器 という言葉が相応しい。
もっとも、ガギは宇宙怪獣とは言えれっきとした生物である為、意図的に生体兵器というイメージの元で製作された超獣とは事情も随分違う事をお忘れなく。

デザイン

鋭角的な顔付きや、ムチとハサミと融合させた独特ながらもしっかり纏まった両腕の造形など、
デザイン的な評価が非常に高い怪獣である。
やっていることは非常にエゲつないが、そのカッコいい風貌に心を掴まれたちびっ子諸君も多い事だろう。

昭和ウルトラマンのファンからはグドン+ギマイラ+αと喩えられることが多い。
両腕から伸びるムチと地底から出現する所はグドンを彷彿とさせ、鼻先から伸びた一本角と刺々しい表皮はギマイラそのものである。

デザイン面が好評にも関わらず、ウルトラ怪獣お馴染みのソフビ化には対応していない(宇宙怪獣仲間のリガトロンやマグニアは販売されているのに…)。
その代わりなのか、円谷プロからガレージキットが販売されている。

ガギⅡ


第26話「虹の怪獣魔境」に登場

身長:63m
体重:6万7千t

獅子花樹海に現われたガギで、第10話に現れたガギとは別個体。
以前の個体よりも若干体格が小さく、腹部や角に赤みがかかっている。

触手を伸ばして人間を襲う性質は健在のようで、
肩を撫でられる様な感触を覚えて振り向いたらガギがムチを伸ばしていた、という演出は中々怖い。
バリアー展開能力も披露するが、そこに現われた相手が悪かった。
その相手はティガ屈指の強敵と名高い 剛力怪獣シルバゴン
自らのバリアーを 素手で破壊する 様な剛腕の前には防御策等無きにも等しく、
ゼペリオン光線も通じない外皮には赤色破壊光線も大したダメージにはならない。
光線が効かないと見たガギは突撃を仕掛けるが、剛力怪獣の異名を持つシルバゴンに接近戦を挑むのは無謀の極みというもの。
投げ倒された所を踏まれ蹴られでボコボコにされる。ガギ視点から見ればこれが本当の踏んだり蹴ったり

起き上がったガギはムチを伸ばしてシルバゴンの身体を締め付け反撃に出るが、
シルバゴンは自慢の怪力で逆にムチをバラバラに引き裂いてしまう。
トドメと言わんばかりに噛み付きを喰らい、 そのまま倒されてしまった。

その後、シルバゴンはパワータイプのティガを 小細工無しの力だけで真っ向からねじ伏せる という分かりやすい迄の強敵振りと、
ゼペリオン光線やタイプチェンジのモノマネをするという妙に愛嬌のあるキャラクターでファンの心を掴み、
敗れたガギは「噛ませ犬」という、負のイメージが付いて回る事になってしまったのであった……。

一応彼の名誉の為に補足すると、バリアー破壊や倒された瞬間を目の当たりにしたGUTSの隊員達は驚きを隠せない様子でいた為、劇中の世界観ではガギは強力な怪獣として認知されていたのは事実である。
これらの事から、ガギが弱いのでは決してなく、シルバゴンが並みの怪獣よりも一線を画す実力者である事に他ならないだろう。

余談

ガギの鳴き声は、平成ウルトラマンに登場する様々な怪獣に流用されている。
怪獣ファンなら探してみるのも一興である。

よく「バリ アー 怪獣」と書かれ呼ばれるが、正しくは「バリ ヤー 怪獣」である。
間違っている人がいたらキチンと教えて上げよう。
これは、日本語表記が「バリアー」でも「バリヤー」でも可という状態になっている為。
本来は「barrier」という綴りで記されるのだが、日本語では正しく発音する事が不可能なのである。

シルバゴンと戦い敗れてしまったガギだが、
実はシルバゴンの着ぐるみの尻尾の中身は ガギのムチを一回り大きく改造したものが入っている。
ティガ全編に渡って怪獣のデザインを手掛けた丸山浩氏も納得のいく再利用の仕方だった様だ。

カッコいいデザインで人気のガギだが、第10話に登場した個体は劇中で卵を持っていると明言された為、 実はメスの可能性が極めて高い。
アニヲタ諸兄のフィルターをかけるならショタコンの妊婦さんとでも言うべきか。擬人化計画の関係者さんお仕事ですよ

追記・修正はバリヤー能力を身に着けてからお願いします。

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最終更新:2023年12月03日 10:29