仮面ライダーディケイド

登録日:2009/05/26 Tue 19:55:39
更新日:2024/04/17 Wed 11:14:15
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2000年代特撮ヒーロー DCD 「お前は何なんだァァァ!」 → 通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ! おのれディケイド もやし カメンライド クロスオーバー スーパー戦隊と共演 テレビ朝日 ディケイド世界旅行記 バーコード バーコードウォーリアディケイド パラレルワールド 井上敏樹 仮面ライダー 仮面ライダーシリーズ 仮面ライダーディケイド 十年紀 古怒田健志 和佐野健一 夏未完 小林靖子 平成ライダー 平成ライダー?十年早えよ! 平行世界 會川昇 東映 武部直美 特撮 田﨑竜太 白倉伸一郎 石ノ森章太郎 米村正二 終わらない番組←劇場版で完結 衝撃のラスト 記念作品 通りすがりの仮面ライダー



世界の破壊者・ディケイド

幾つもの世界を巡り、その瞳は何を見る───


画像出典:『仮面ライダーディケイド』OP映像より
2009年1月25日~8月30日 テレビ朝日系列にて放送/全31話
© 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映


全てを破壊し、全てを繋げ!



仮面ライダーディケイド』とは、平成ライダーシリーズ10作目の記念作品。“DECADE”は10年目の意。
ディケイドは「DCD」とも略される。これは元ネタとなったガンバライド=「データカードダス」の略称から取られている。

関連商品の販売時期を『スーパー戦隊シリーズ』とずらすことで商品の競合を避けたいというバンダイ側の商業的な理由から、放送期間をずらす目的で企画されたため、放送期間は2009年1月から8月までの約半年で全31話構成になっている。


●目次


【概要】

内容は『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダーキバ』までの平成ライダー作品とコラボするというお祭り的なもので、主人公が各平成ライダーの世界を巡るストーリーが描かれる。
但し各世界は基本的に、「リ・イマジネーション」と称して設定が原典から変更されており、登場人物を演じる俳優も別人がキャスティングされている。
このような変更点は賛否ありつつも、途中までは普通に好評だった。

一番の特徴は最終回で話が終わらないことである。
最終回はグレー決着にして「続きは劇場版」という事に。
この事件は登場人物のあだ名「夏みかん」とかけて“夏未完”と呼ばれている。
だが、公開された劇場版は最終回の流れを無視したストーリーに加え、当初の予告で描かれた場面は一切なかったりと、視聴者が望んでいた完結編とは言い難く、劇場版に続ける事自体に否定的だった層からの批判にも拍車がかかってしまった。

その後関東ローカルのみで流された再放送では、最終回ラストの伏線(悪ユウスケ、ディエンドの発砲等)は全てカットされ、白倉Pが発言した「最終回から第1話にループ」を暗示する編集版の最終回になっているが、各媒体ではあまり触れられていない。
公式サイドも嘘予告は初期の脚本を基に撮影したイメージ映像だと説明していたが、後のDC版では一部が使用された。

一応、雑誌などの媒体で伏線や設定の説明をしていることもあるが、それもそれぞれの解釈が異なっていたりと見解も曖昧。
そういうこともあって、最終回後から今日まで様々なファンの推測や解釈がされ続けている作品である。
???「脚本の人 そこまで考えてないと思うよ」

余談だが、実はメインライター(會川昇)が前半で脚本を降板している。
全体的に伏線が投げっぱなしという問題点や鳴滝の意味不明な言動、9話に海東が士を既に知っているような発言をした事も、恐らく本来はちゃんとした理由付けがあったのだろうか…?


当初は元々企画されていた『仮面ライダーW』を放映する予定だったが、10作目ということでお祭り企画と放送時期をずらす目的から製作されることとなった。
今作の案の中には『仮面ライダー電王2(仮称)』という企画、つまり電王の設定を利用して各ライダーの時代を回るものもあった、とスタッフより明かされている。
結果としては、10周年のお祭り企画、及び従来のファンを呼び戻す意味合いも兼ねて電王2のコンセプトを引き継いだ今作が制作されることとなった。
その名残か、鳴滝の恰好は士も着た桜井の服装が一応元ネタとのことである。
なおこの電王2のアイディアは、ディケイド放送から9年後に形を変えて『仮面ライダージオウ』として日の目を見ることとなる。

最終回や完結編の影響か、ファンからの評価こそ大きく分かれるが、この作品により期間ができたWの設定がより練りこまれた面もあった。*1
派手な今作があったからこそ、単純な派手さに欠けるが堅実な『仮面ライダーW』が、単なる「キバの後番組」ではなく「真打登場」として受け止められたと、白倉Pや三条陸が媒体*2にて述べており、商業的にも「10人のライダーに変身できる」玩具や映画の興行も成功を収めた。
また本作終盤で「リ・イマジネーション」世界の一つとして登場した昭和ライダーのアマゾンとBLACKは、後にベクトルは違うが共にお茶の間には流せない程壮絶な配信ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』・『仮面ライダーBLACK SUN』として正式にリブートされる事になる。

従来のファンを呼び戻し新規層にもこれまでの作品を知ってもらう切っ掛けを作り、(やり方はともかくとして)次作へのファンの興味を削ぐことなくバトンを繋いだ点は評価するべきである。
また、本作を完結させるために始動した『MOVIE大戦』も新たなシリーズとして定着していき、冬の劇場版は現在に至るまで継続されている。
仮にディケイドが存在しなかった場合は、キバから直接Wという流れとなり、仮面ライダーシリーズの歴史もある程度今と違ったかもしれない。
今作無くして第二期平成ライダーシリーズの今につながる成功・歴史はなかったと言えよう。

ちなみに、自社制作番組放送のため時差ネットだった山形テレビ・静岡朝日テレビが11話より同時ネットとなったため、テレビ朝日系フルネット局全てで同時ネットとなった。

《派生作品》

TVシリーズの客演

  • 仮面ライダーウィザード…第52話『仮面ライダーの指輪』/第53話・最終回『終わらない物語』
    • 客演勢のメインを担当。番組と言う意味でなら「ウィザードの世界」だが異世界として明確に区別されている。
  • 仮面ライダージオウ…ほぼ全編
    • 余談だが、ジオウにおける士の関わる回の話数をディケイドの話数と合わせると他の平成ライダーの話数とほぼ同じ数となる。初登場のゴースト編とジオウは主人公の名前がカタカナなので、決して偶然ではないだろう。

劇場版


スピンオフ


小説作品



【あらすじ】

その日、世界は終わりを告げた。

突然、謎の生物が現れ、建物が消失し始める。そんな中、記憶喪失の青年、門矢士は謎の青年と出会った。

青年は、士に9つの世界に9人の仮面ライダーが現れ、それが原因で世界が一つに融合しようとしている。
すなわち、全ての世界が消滅すると語る。

「貴方は全ての仮面ライダーを破壊する者です」

世界を救い、全ての仮面ライダーを破壊する者だと言われた士は、訳が分からないまま元の空間に戻るが、そこでは多数の怪物が人を襲っていた。
士が居候している写真館の娘、光夏海もまた、怪人に襲われ危機に陥る。士は夏海が拾ったバックルとカードを受け取り、

世界の破壊者〈仮面ライダーディケイド〉に変身した。



世界の破壊者――ディケイド


9つの世界を巡り、その瞳は何を見る。


【登場人物】

「通りすがりの仮面ライダーだ……覚えておけ!」

主人公。通称もやし。
記憶喪失の青年。常に偉そうで自信満々な俺様タイプ。一方で、強く優しい精神の持ち主でもある。
よく写真を撮るが、摩訶不思議なピンぼけ写真しか撮れない。
口癖は「だいたいわかった」。
生身で怪人にボコられても死なないタフガイ。


「だって俺、クウガだし」

『クウガの世界』で仮面ライダークウガとしてグロンギと戦っていた青年。士と出会い、旅に加わる。
当初は原作(五代雄介)と比べて未熟だったが、徐々に成長してクウガも馴染んだ。馴染んでねぇじゃんとか言わない。
役割的に「変身する啓太郎」らしい。
劇場版では五代クウガにはなかったオリジナルフォームを発現させた。


「光家秘伝……笑いのツボ!」

ヒロイン。
常に敬語で話し、礼儀正しく真面目な性格。士から“夏みかん”というあだ名を付けられている。
首にある『笑いのツボ』を突く事で相手を笑わせるという謎な特技を持つ。
28話でさりげなくパンチラした。ありがとうございます。


「僕の旅の行き先は、僕だけが決める」

士と同じく世界を旅する青年。士の過去を知っているらしい。ディエンドに変身する。
怪盗を自称し、各世界の“お宝”を求めて旅をしている。士とは違う意味で偉そうであり、やたら人を格下扱いする。


「おのれディケイドォオオオ!」

帽子メガネのおじさん。ディケイドを“悪魔”と呼び、ディケイド排除のために各世界に手を回して邪魔をする。
真意は不明だが、夏海の前によく姿を現す。
プリキュアの大ファンで、一緒に踊りたいらしい。
伏線を引く役だったため、最終的に謎と矛盾にまみれた意味不明キャラとなった。


  • キバーラ
士達に同行する白いコウモリ。
仮面ライダーキバ』に登場するコウモリモンスター〈キバット〉の妹*3で、鳴滝と通じているスパイ。
声がエロい。
最初はCGだったが、予算の関係なのか一時期実写化していたことも。
そのため放送当時はCGに戻ったら「予算が戻ったのか!?」と勘ぐる視聴者も多かった。

一方、シンケンジャーの方は小さな折神たち(CG)と戯れていた。


  • 光 栄次郎
夏海の祖父で、本作のおやっさん枠。普段はボケ役だが、割とマトモな事も言う。
劇場版では訳の分からん扱い。
ちなみにある世界では髪の量以外彼そっくりの脚本家が胡蝶の夢に巻き込まれていた。


前作『仮面ライダーキバ』の主人公。
瀬戸康史氏曰く本編から数年後の設定とされており、それが原因なのか性格は原作よりやや大人びている。
神のような謎の力を見せ、門矢士を9つのA.R.WORLDの旅へと誘導した。
しかし、その旅の内容は渡の意図したものとはならず、最後には仮面ライダーキバへと変身し、剣崎一真やクウガ以外の歴代平成ライダーの姿をした「仲間」なる人物達と共に襲い掛かる。
MOVIE大戦2010にも登場して衝撃の事実を伝えるが、結果として渡はディケイド全編においては、ある意味元凶となっている。


仮面ライダーディケイド

門矢士が変身する仮面ライダー。
世界の破壊者”、“世界を救う者”などと呼ばれる謎多き存在。
ディケイドまでの全平成主役ライダーに変身し、その能力や武器を使用できる公式チート。


A.R.WORLD

アナザー・ライダーズ・ワールド。
要は各原作ライダーのパラレルワールド。ディケイドは全ての世界を巡らなければならない。
各世界は原作と登場人物や設定が異なる他、オリジナル怪人も登場する。

基本的に各ライダーの変身者は原作ライダーと下の名前が同じであり、全てカタカナ表記になっている。
詳しくはリ・イマジネーションライダーの項目を参照。

《一覧(巡った順)》

  • 夏海の世界
  • クウガの世界
  • キバの世界
  • 龍騎の世界
  • 剣の世界
  • 555の世界
  • アギトの世界
  • 電王の世界
  • カブトの世界
  • 響鬼の世界
  • ネガの世界
  • ディエンドの世界
  • シンケンジャーの世界
  • RX/BLACKの世界
  • アマゾンの世界
  • 士の世界
  • ライダー大戦の世界

  • ネットの世界
  • てれびくんの世界




【光写真館】

夏海や栄次郎が暮らす写真館。士とユウスケもここで暮らしている。
他の世界への移動に使われ、移動した世界によって建物の外観だけが変わる。
他の店と勘違いして訪れる客も多く、元々その世界にあった店を上書きしているらしい。(上書きしている店は大抵喫茶店)


【登場ライダー一覧】

()が話数、<>は登場フォーム。ディケイドのカメンライドもそのライダーが登場したものとしてカウント。

クウガ(1~5、15、16、18、25、26、28~31)<マイティ、ドラゴン、ペガサス、タイタン、グローイング、アルティメット>
アギト(1、13、14、26、27、30、31)<グランド、フレイム、ストーム、シャイニング>
G3(超電、13)
G3X(1、12、13)
G4(1)
ギルス(12、13)(※エクシードのみ)
龍騎(1、6~9、18~21、27、30、31)<サバイブ>
ナイト(6、7)
シザース(6、24)
ゾルダ(1、6)
王蛇(超電、19)
ライア(6、24)
ガイ(6)
ベルデ(6)
タイガ(3、6)
インペラー(6)
ファム(6、27)
リュウガ(11、20、21)
オーディン(7)
オルタナティブ・ゼロ(20、21)
アビス(6、7)
ファイズ(1、10、11、16、21、27~31)<アクセル、ブラスター>
カイザ(1、3、4)
デルタ(3、12、13)
サイガ(1、17)
オーガ(1、20、21)
ライオトルーパー(1、15、16、22)
ブレイド(1、8~10、13、25、30、31)<ジャック、キング>
ギャレン(1、8、9、30)<ジャック>
カリス(1、8、9)
レンゲル(8、9、30)
グレイブ(1、22、23)
ランス(22、23)
ラルク(22、23)
響鬼(1、17~19、23、30、31)<アームド>
威吹鬼(1、18、19、29)
斬鬼(18、19、29)
轟鬼(9、19、29、30)
歌舞鬼(1、10)
凍鬼(2)
西鬼(1)
天鬼(19、30)
カブト(1、16~18、21、26、30、31)<ライダー、マスクド、ハイパー>
ザビー(1、16)<ライダー、マスクド>
ドレイク(2、12、13)<ライダー>
サソード(1、2、14)<ライダー>
ガタック(1、16)<ライダー、マスクド>
キックホッパー(2、3)
パンチホッパー(2、3)
ダークカブト(20、21)<ライダー>
ヘラクス(1、26)
ケタロス(1、2、26)
コーカサス(1、超電)
電王(1、14~16、超電、18、19、24、30、31)<ソード、ロッド、アックス、ガン、超クライマックス、ライナー>
NEW電王(超電)<ストライク、ベガ>
キバ(1、4~6、11、12、15、22、30、31)<キバ、ガルル、バッシャー、ドッガ、ドガバキ、エンペラー>
イクサ(1、17、30)<セーブ、バースト、ライジング>
サガ(14、30)
ダークキバ(20、21)
レイ(9)
X(26)
BLACK RX(26、27)<ロボ、バイオ>
BLACK(26、27)
アマゾン(27、28)



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最終更新:2024年04月17日 11:14

*1 『W』について、『離陸』も不安だったと三条氏は書籍「仮面ライダー」超解析」で述べている。

*2 書籍「「仮面ライダー」超解析」

*3 という設定だったがいつの間にか没になっていた。放送終了後の2010年に連載された『HERO SAGA MASKED RIDER KIVA EDITION』(キバ最終話のifストーリー)にて設定が活用され、キバットが妹としてキバーラの名前に触れた後に実際にキバット達の前に姿を見せている。