国内外のオリジナルゴジラ

登録日:2016/03/18 Fri 00:02:37
更新日:2023/10/13 Fri 11:48:16
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ゴジラ(1954)」から始まる、日本を代表する怪獣『ゴジラ』。
60年以上の歴史の中で数多くのゴジラが作られてきたが、中には諸事情で没になったり、触発された国内外のクリエーターが作ったオリジナルゴジラも存在している。
常識にはとらわれない自由な発想で作られたものが非常に多いため、非常に興味をそそるものが多い。
この項目ではその中の代表的な物を紹介していく。なお商品化されたものも多いがその多くはガレージキットのため、現在では入手困難なものが殆どである。



○没ゴジラ、オリジナルゴジラ一覧

・酒井オリジナルイメージゴジラ1

登場予定作品 / 今のところなし
ゴジラの原型師で制作現場にも携わっていた酒井ゆうじ氏が1995年に発表したもので、「夜の街に似合うゴジラ」をイメージして制作された。
平成ゴジラをベースに、キンゴジ、初ゴジ、モスゴジの要素を取り入れたハイブリッドの重厚感あふれる造形になっている。
酒井氏曰く「理想のゴジラ像」とのこと。1995年に酒井氏の工房からワンフェスで発売された。

・酒井オリジナルイメージゴジラ2

登場予定作品 /ゴジラ2000ミレニアム 
酒井ゆうじ氏が東宝サイドの要請でゴジラ2000 ミレニアムにマケットとしてミレゴジ雛型を制作する前にデザイン案として提出したのがこのゴジラである。
これは西川伸二氏の手によるシルエットイラストが無い時点に制作された。
筆者も所有しているが、VS版ゴジラとミレニアムゴジラのハイブリッドと言った姿で、どっしりとしているのが特徴。
1999年に発売された。

・酒井オリジナルイメージゴジラ3

登場予定作品 /ゴジラ2000ミレニアム
2002年に制作された酒井版オリジナルイメージ第3弾。 2005年発売の『酒井ゆうじ造形作品集』に、作品No.107として初掲載されたもの。
その後ファンの要望もあり、2008年2月に「ミレニアムゴジラ オリジナルファイアーイメージ3」と名付けられキット化された。
ゴジラ2000 ミレニアムのミレニアムゴジラよりさらにほっそりとしており、龍のイメージが強調されている。

・ショゴジサバイブ

登場予定作品 /今のところなし
2007年のワンフェスで販売されたキット。 ファミ通の表紙も手掛けた原型師の前田ヒロユキ氏が「もし、初代ゴジラがオキシジェンデストロイヤーでも倒されずに現代まで生き残っていたならどうなったか」
をコンセプトに製作を開始したイメージモデル。 冬WFに胸像として上半身+飾台が販売され、引き続き夏WFで下半身が販売された。
ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」に登場するゴジラのようなどろりと濁った白目が特徴。また、下半身に男性器を思わせるモールド(4センチほど)が掘られている。
このせいで原型師の前田氏は「もしこのゴジラが映画に出るのなら股間にモザイクがかかるだろう」と発言している。40センチ以上の巨大な作品のため、作るのも一苦労である。

・怪獣王

登場予定作品 /今のところなし
後に海洋堂でチョコエッグやチョコラザウルスを手がけた松村しのぶ氏が、1993年にホビージャパンの作例として制作したゴジラ。
その後、海洋堂より50体限定で通信販売された。 モチーフはゴジラであるが、猫目や茶色の塗装と言ったあまりに個性的なフォルムのためゴジラの版権は下りず「怪獣王」として販売された。
ゴジラザウルスとは別の方向性の恐竜型ゴジラと言えるもので、ゴジラザウルスからゴジラに進化する中間段階のような姿をしている。
ホビージャパンの作例では口を開けていたが、一体成型で量産される際に閉じられた。ちなみに口内は青みがかった紫である。

・ゴジラ骨格

登場予定作品 /ゴジラVSデストロイア(キットが直接登場)&ゴジラ×メカゴジラ?(間接的に)
雨宮慶太監督作品の造形美術や、近年では『シン・ゴジラ』のデザインも手掛けた竹谷隆之氏が1994年に制作し、M1号から発売されたキット。
実物の蛇や鶏などの骨を用いたその造形は、体重を支える為に椎骨が三列あるなど面白いデザインをしているが、特徴的なのはマニアの間でよく語られる「ゴジラ単弓類仮説」に基づいてか、恐竜や爬虫類よりもむしろ犬やゴリラなどを参考にした哺乳類に近い構造になっている点である。
骨太かつ生物学的リアリティに溢れたその造形は、『ゴジラ×メカゴジラ』で三式機龍のメインフレームとしてゴジラの骨格が登場して以降、(他人の造形によるものも含めて)ゴジラ骨格のデファクト・スタンダードになっている。
あと、『ゴジラVSデストロイア』の山根健吉の部屋の棚の上に当キットそのものが登場している。

・ゴジラサウルス

登場予定作品 /今のところなし
ゴジラザウルスではない。三畳紀最大の肉食恐竜でもない。イドの怪物などのモンスター系モデルを独特の質感で数多く制作している米国のトニー・マクベイ氏の作品である。
恐竜も手がける氏が延長線上で発表したもので、前項姿勢の恐竜によく似たゴジラになっている。80㎝にも及ぶ大きさで、日本で作るのは困難であろう。
大阪の怪物屋などが輸入販売していた。

・コングジラ

登場予定作品 /今のところなし
米国の原型師ランディー・ボウエン氏が発表した怪獣。「キングコング対ゴジラ」の後、2体の細胞が融合して生まれた怪物という設定で、キットの中に誕生経緯を記したアメコミが付いている。
名前も2体の商標ギリギリセーフだったため新たに登録しようとしたそうな。 姿は緑色をした爬虫類仕立てのゴリラである。

・ゴジラガンゾウス

登場予定作品 /今のところなし
海外の原型師シェーン・フォルクス氏が2002年に作成したオリジナルゴジラ。アメリカ版ゴジラのような全傾姿勢を取ったゴジラであるが、よりごつくなっている 。
また、尻尾の先はリオレウスのようにトゲが広がっており、背びれは乱食い歯のように飛び出しているのも特徴的である。

・ゴジラレックス

登場予定作品 /今のところなし
1998年に発表された原型師不明のアメリカ製キット。 立ち上がったワニかティラノサウルスにゴジラ風の背びれを付けたものにしか見えない。
…もう少し原型を頑張って造形すればよかったのに…。日本で輸入販売されたかは不明。

・スタウトジラ

登場予定作品 /Godzilla, King of the Monsters 3-D
実は1998年のGODZILLA(映画)以前の1980年代にも米国でゴジラのリメイク計画が進行しており、それに出る予定だったゴジラである。
内容はソ連の人工衛星から誤射された核ミサイルによってメキシコに漂着した子ゴジラの亡骸を取り戻しに親ゴジラが死体の移送先のサンフランシスコに出現するというものであった。
ガメラやゴジラやゴルゴをミックスした怪獣映画になる予定だったが、ゴジラを造形したウイリアム・スタウト氏とプロデューサーのスティーブ・マイナー氏の折り合いがつかなかったのと、資金不足から残念ながら頓挫してしまった。
ちなみに着ぐるみではなくストップモーションアニメになる予定だった模様。立体物は1997年に米国で発売された。容姿は98年のアメリカ版ゴジラによく似たゴジラになっている。

・デルガドザウルス

登場予定作品 /GODZILLA
1998年のGODZILLA(映画)の監督がローランド・エメリッヒ氏に決まる前はヤン・デ・ボン氏が作る予定だったが、それに登場するはずだったゴジラである。
宇宙人が地球を攻撃するべく作り出した怪獣グリフォンに対抗するために古代文明が恐竜の遺伝子をいじって作った生体兵器という設定で平成ガメラによく似たものになっている。
ちなみに容姿も日本のゴジラによく似たものであった。しかし、資金繰りが思うようにいかず映画は頓挫してしまった。…こっちをやっていればああはならなかっただろうに…。でも内容とかで日本のファンはいちゃもんつけそうだし…。
現在では製作者のリチャード・デルガド氏の名を取りデルガドザウルスとも呼ばれている。立体物は1999年に米国の原型師のボブ・バギー氏が90㎝にもなる巨大なキットを発売した。

・スタン・ウィストン製雛形モデル

登場予定作品 /GODZILLA
こちらも上記のヤン・デ・ボン版に登場するはずだったゴジラ。
直立二足歩行スタイルのため全体的なシルエットはデルガドザウルス以上に日本のゴジラに近い。
ワニを思わせる形状の頭部など、やや爬虫類感が強めとなっている。




彼らがいつか映画に登場する事を祈って追記・修正お願いします。


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最終更新:2023年10月13日 11:48