PlayStation Vita

登録日:2016/03/14 Mon 21:19:35
更新日:2024/02/13 Tue 13:47:16
所要時間:約 19 分で読めます







遊んだら仲間だ。




PlayStation Vitaとは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(発売当時。以下SCE)が発売した携帯型ゲーム機。



【解説】


SCEが発売した、第七世代携帯型ゲーム機となる。

PlayStation Portableの後継機的立ち位置となる。
同世代の携帯ゲーム機にはニンテンドー3DSが存在し、前世代から引き続き競合機種となっている。

2011年1月27日の『PlayStation Meeting 2011』にて発表され、初期はNGP(Next Generation Portable)というコードネームだった。
NGPの体験会ではPS3向けのタイトルがNGPで動いている姿が確認され、ゲーマーを驚かせた。
実際に、PSPとはかけ離れたグラフィック性能や様々な新機能が持ち味で、発売前もそれを強調していた。
こうして多くの期待を持たれながら、ついに2011年12月17日に販売を開始した。

しかし、前世代のPSPよりも大きく普及率を落としてしまっている(特に海外が悲惨)。
PSPのようなキラーソフトに恵まれていないこと、他にもゲーム市場自体の衰退や初期の高い値段設定とか
PSPとの互換を考えていないなど、理由はとりあえず様々ある。
大きく注目されていたドコモとの3G回線機能も、普及には失敗してSCE自体も後に切り捨ててしまった。

とは言え、携帯機に収まらない魅力的な機能に惹かれるゲーマーも少なくなく、コア層への普及には成功。
対抗馬であったはずの3DSとは完全に別方向へ飛び影響を受けていないことや、
高い本体性能が幸いして、マルチソフトが多数発売されたことからソフト数にも恵まれている。

こうして、発売当初からしばらくは低空飛行を続けながらも確実に販売台数は増やしていた。
しかし、ソニーが据置機でPlayStation4を発売してしばらく経つと、Vitaの状況も変化する。

当初はこれまでPS3との縦マルチをしていたようにPS4でもマルチを行っていたが、徐々にマルチでの性能不足になってきた事やPS4が成功した事などからマルチが得意だったVitaに陰りが見え始め、やがてマルチからも外される場面も増えていく。
外出でPS4を遊ぶリモートプレイハードとしての宣伝路線も取られたが、リモートプレイはソニー発売のスマートフォンであるXperiaシリーズでも可能だったことから、連動機としての強みも独占的ではなかった。

更に追い打ちを掛けるように、ソニーの競合他社である任天堂からNintendo Switchが2017年に発売。
据置機ながら携帯機としての側面を持つSwitchは、実質的にVitaよりも性能の高い高性能携帯機でもあった。(SoCのアーキテクチャ的にも後継)
結果として、今までPS4/Vitaでマルチ展開していたサードパーティも、PS4/Switchという販売体制を取るソフトが多くなり、据置機とのマルチソフトを出せる強みを売りにしていたVitaはソフト展開で更にダメージを受ける事になった。

こうして時代の波に完全に飲み込まれつつあったVitaだったが、2018年のTGSで国内で2019年中に生産終了(海外では2018年では既に生産終了)と、ソニー携帯機の後継機の予定がない事が公式発表。
2019年3月1日に全モデルの出荷完了が宣言され、Vitaのハードとしての歴史は終焉を迎える事になった。
同時に、PSPから始まったPlaystationブランドの携帯ゲーム機の歴史は、平成の次の時代を迎えられずについに幕を下ろすこととなった。

ある程度の普及に成功したPSPの後継機として期待されながらも、発売から最期までハードの普及や独占ソフトの供給に苦戦し続けたVita。
しかし、あらゆる面で苦戦しながらも、何だかんだで7年以上も販売し続けたのは、ハードのポテンシャルの高さはあったという事かもしれない。

ソニー最後の携帯機として、これからのゲーム史に一定の存在感は残し続けるハードになっていくだろう。

【PlayStation Vitaの特徴】


本体外観/ボタン

本体の基本的な外観は、前世代機のPSPを元に一回り大きくしたようなデザインとなっている。

PSPには見られなかったボタンとしては、右スティックが追加された。
この存在によって、携帯機とは思えぬほど3Dアクションゲームを快適にプレイできる。
PSPのアナログパッドよりも操作性は据置ゲーム機のコントローラに近く動かしやすい。

逆に、PSPの映像出力端子は搭載されなかった。
ここはガッカリする声も多いが、コスト面の制約に加えてタッチパネルとモーションセンサーを使うため外部出力しての操作が難しいといった理由もある。
Vitaの画面を外部出力するには、据置版VitaのVita TVに頼るか非公式な機器を使う必要がある。

本体裏側には背面タッチパッドが存在し、機種によってこの裏側のデザインが異なっていたりする。
限定版などの本体は、裏面にキャラクターが描かれるなどファンには嬉しいデザインの物が多い。

HOME画面/テーマ

Vitaは独特な画面構成となっている。

まずスタート画面では壁紙を捲るようにタッチしてHOME画面に移動する。
スタート画面では時計や日にちが表示され、スタート画面の背景を好きな画像に設定できる。
かっこいい画像や萌え画像を設定するのも良いし、勇気あるチャレンジャーはエロ画像にでもしておこう。

壁紙を背景に浮かび上がるアプリケーションをタッチして起動させる。
アプリケーションは泡のような形で浮かび上がっているのも特徴。

そして、VitaのHOME画面もカスタマイズ性が高い。
編集モードで、アイコンの数・並べ方や背景の壁紙などを好きなように設定できる。
壁紙はページごとに別の背景にすることも可能なので、様々な組み合わせが楽しめる。

そして、VitaはHOME画面やスタート時画面を設定できるカスタムテーマを販売している。
有名ゲームのキャラクターや美麗なテーマが配信されており、専用BGMも流れる。
有料の物が多いが、一方でダウンロード無料のテーマも配信されているので財布に優しい。
閃乱カグラ ESTIVAL VERSUS -少女達の選択-』などの有名タイトルも無料テーマが配信されている。

アプリ起動時には『LiveArea』という案内画面を作用。

ゲーム起動直前や中断時にはこの画面に案内される。
捲りあげるようにタッチすることで、ゲーム自体を止めることも可能。

ネットワークを通じてDLCに関する情報やソフト更新の状況を受け取ることも出来る。

本体性能/細かい機能

CPU ARM Cortex-A9(クアッドコア)
GPU PowerVR SGX543MP4+(クアッドコア)
メインメモリ 512MB
VRAM 128MB
画面解像度 960×544

携帯機としてはかなり高水準で、据置機に劣らない。特にメインメモリの量はPS3の二倍となっている。

もちろんCPU/GPUはPS3等に劣るが、第六世代据置機のレベルは超えていると言える。
『パワースマッシュ4』のVita版や『真・三國無双 NEXT』などは、据置レベルのパワーを見せた代表例。
携帯機とは思えぬマシンパワーのおかげで、PS3とのマルチも容易になっている。
日本のサードパーティーがPS3でもVitaの基準未満のグラフィックしか出してないだろとか突っ込むのはNG。

さらにジャイロセンサーを採用。
本体を手向けたりすると、ゲームの画面内もそれに合わせて動くなど体感的なゲームが楽しめる。
しかし、ジャイロセンサーの存在は後のVita TVとの互換に障害を与える結果にもなった。

前世代のPSP同様、ミュージックも搭載。
PCやPS3から音楽を転送することが可能で、一部ゲームではカスタムサウンドトラックも行える。

ブラウザーによってインターネット観覧も可能。
VitaからYouTubeの動画はこのブラウザーから動画再生できる。
YouTubeアプリも存在したが、YouTubeのHTML5移行に巻き込まれサポート停止した。

タッチパネル/背面タッチパネル

本体の画面と本体裏面にタッチ機能を搭載した。

Vitaのタッチパネルはスマートフォンと同じ静電気式を採用している。
これによってゲーム内のキャラやコマンドを触って操作することができる。

さらに裏面に背面タッチ機能を搭載。
裏からなぞるとゲームにもその動きが反映されるなど、なかなか独特な機能である。
前面と背面でキャラを掴んだり、『閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-』だと、前面と背面を摘んで擦ると衣装を徐々に破壊出来たりする。

カメラ

Vitaには前面と背面にカメラが用意されており、写真撮影が可能。

フォトアプリからカメラの撮影機能に入る。
フォトアプリでは、撮影した写真やブラウザから保存した画像を保存できる。
保存した画像を切り取ったりスライドショーをしたりも出来る。
システムソフトウェア1.6からは、スマートフォンと同じように動画撮影が可能となった。
パノラマカメラ機能も存在し、全天球の写真を撮影できたりする。

このカメラ機能(と、上記のジャイロセンサー)に対応したARゲームも存在。

eメール

Vitaでメールのやり取りが行える。

G-mailやYahooメールが利用可能で、メールの受信なども簡単に可能。
連絡先は最大5,000件まで登録可能。

連絡先のバックアップや復元はコンテンツ管理の項目で行う。

near

位置データを使って周辺のプレーヤーを発見し、情報を共有可能。

所持者の現在地周辺にいるVitaユーザーを検索し、そのユーザー情報を知ることができる。
例えば、他ユーザーが最近遊んだソフトの情報などを取得可能。
ゲーム内で手に入れたアイテムをプレゼントしたりもできる

周囲約1km圏内のPS Vitaユーザーの情報をレーダー形式で表示する。
すれ違ったユーザーはIDで表示されることから、フレンド申請も可能。

2015年3月で、near一部機能が削除されてしまった。
(同時期に同じ削除の目にあったマップに関する機能が削除)

PS3/PS4との連携

SCE据置機とも強く連携する。

代表的な連携はリモートプレイだろう。
PS3とPSPでもあった機能(ゲーム以外の機能を遠隔操作できる程度)を大幅に強化し、VitaでPS4のゲームをプレイできるようになった。
環境によって多少遅延は起きるが、離れた部屋で据置機のゲームを遊べるのは嬉しい。

Vita、据置機間での対戦プレイを楽しめるクロスプレイも魅力的。
他にもVitaをコントローラー扱いしたり、同じマルチソフトならセーブデータを共有出来たりもする。

ソフトメディア/パッケージ

前世代機のPSPで採用されたUMDから一転、ROMカセット型のメディアへと変更された。

SDカード大のかなり小さなソフトメディアで、UMDよりもかなりコンパクト化している。
容量は2G~4Gほどまで扱えるとの見方だが、2G以内で収まっているソフトが多め。

ソフトパッケージもメディア変更に伴いPSPよりも大きく変更。
棚に並べやすいコンパクトなパッケージとなっている。
全体的にニンテンドーDSシリーズのパッケージをさらに小さめにした印象。

パッケージの色は今までのソニーハードに習った黒色ではなく青色。
(PS4も青色のパッケージであり、今後のソニーハードソフトのパッケージ色は青になるのかもしれない)

専用メモリーカード

SDメモリーカードなどを採用することなく、ソニー独自規格のメモリーカードを使用する。

現在のところ、5種類ほどの容量のメモリーカードが用意されて販売された。
2016年時点の価格設定や種類の一覧は下記の通り。


容量 価格(ダブル記載は値下げ前と値下げ後の表記) 備考
4GB 2,200円/1,598円 出荷完了
8GB 3,200円/2,138円
16GB 5,500円/4,082円
32GB 9,500円/6,998円
64GB 10,778円


メモリーカードはメモリースティックマイクロに似た形状でかなり小さい。下手すれば無くしてしまいそうな大きさ。
Vita本体にメモリーカード用の専用スロットが存在し、そこに挿入すると保存媒体として機能する。

Vitaソフトのセーブデータや一部ソフトのインストールデータ、ダウンロードした楽曲はすべてこの媒体に保存する。
PCH-1000は本体にメモリーカードを内蔵していないので、このメモリーカードが存在しなければ
基本的に購入初期状態の本体でゲームをプレイすることはできない。

ソニーの独自規格らしく、Vita以外にメモリーカードを使用できるソニーの機器は現在存在しない。
そのため、Vita以外の機器に流用するような使い方は出来ないので一応注意しておこう。

ぶっちゃけた話、このメモリーカードは価格設定が高いことでVitaユーザーの激しい負担要素の一つ。
値段設定も16GBからはVitaソフト一本を購入できる値段で、SDメモリーカードと比べても高い値段設定。

SCEもそう考えたのか、『Super Value Pack』やVita TVのバリューパックでは8GBのメモリーカードを同梱。
『Starter Kit』では16GBのメモリーカードを同梱して販売させており、通常版よりかなりお得になっている。
実際に『Starter Kit』の販売週は本体売上も安定して伸ばすことに成功している。

ただし、独自規格を採用したおかげでマジコンなどの割れや本体の大きいデータ改造を防いでいる。
他社が全く対応せず野放しにしている中、犯罪的な行為の抑止に取り組んでいる為、高価格設定も仕方ない面ではあるか。
Vitaの開発チーム曰く、独自のメディアでないと仕様が均一化されず作りにくいという声も開発者からあったらしい。

PCH-2000/Vita TVには1GBのメモリーカードを内蔵している(外部のメモリーカードとの併用は不可能)。

PSPとの互換性

残念なことに、PSPとVitaの完全な互換性を保っていない。

これは、PSPからソフトメディアが変更された結果である(UMDドライブが存在しない)。
PSPは独自メディアのUMDを採用しており、そのUMDは結果的に普及には至らなかった。
その事から、一部のソニーファンにはPSPの次世代機が互換性を保てないのではないかという不安の声があったわけだが、その予想が的中したとも言える。

ただし、PlayStation Storeで配信されているPSPタイトルは遊ぶことができる。
(このことを考えると、PSPとの後方互換性は保ったとも言える。)
PSP専用ダウンロードソフトでも、互換性が保障されていないタイトルもあるので注意。

ハードの違いに伴い、PSPで遊ぶ際との違いも生じている。
Vitaの画面だとPSPタイトルの画質の荒さが目立つため、それを軽減するバイリニアフィルタリングが行える。
(バイリニアフィルタリングは設定でON/OFFの切り替えが可能)

また、Vitaの右スティックにPSPタイトルの操作を割り当てることができる。
これで一部の3Dゲームの操作が楽になっており、PSPよりも操作性が高い。
METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』などはこの恩恵を強く受けている。

そして、PSPソフト購入者向けに『UMD Passport(2016年3月31日に終了)』というサービスもある。

UMD版の所持者がダウンロードで買い直す必要性があるので、その負担を軽減するための策の一つ。
ダウンロード版の価格が割引になるのだが、メーカーによって設定が異なる。
対応タイトルは380タイトルを超える。

やり方としては、まずUMD登録アプリケーションをPSPにインストールする。
UMDスロットに対象のUMDを挿入しながら、PSNアカウントにUMDを登録することで割引サービスを使用可能。

ソフト展開状況

基本的にPS3/PS4との縦マルチソフトが多く販売されている。

前世代機のPSPや競合機種の3DSとのマルチタイトルも結構な数登場している。
縦マルチが多いことで、プラットフォーム間でのセーブデータ共有を可能とするソフトも登場している。
良く言えばソフト数は豊富だが、悪く言えばVitaのみで楽しめる独占ソフトが目立たないとも言える。
また、最近ではPS4とのマルチにおいて、ソフトの機能面や性能面でVita版が足を引っ張っているとの見解もあり、PS4ユーザーから問題視する声もある。
上述したように、やがて年数を重ねた事での性能不足やNintendo Switchが発売などの影響もあって、PS4とのマルチタイトルは減少していった。

ただ、マルチタイトルが多めではあるが独占ソフトも少なくない。

SCEも初期の時点ではVitaのみの独占ファーストタイトルを展開していた。
『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動』『WIPEOUT 2048』などの
Vitaのみで楽しめる独占ソフトなども排出されており、いずれも一定以上の評価を得ている。
しかし、GRAVITY DAZEはファーストタイトルでもあるのに関わらず次回作はPS4のみでの販売となっている。

ちなみに2016年以降、SCEはVitaのファーストタイトルの開発を行っていないことを明確に明かしている。
SCEの執行副社長・伊藤雅康氏曰く、Vitaのソフト展開はサードパーティーの働きに期待するとのこと。
その戦略上、SCEはPS4へファーストタイトルの注力を積極的に行っていくようだ。

ソフト市場は前世代のPSP市場の勢いを保てず、かなり縮小しており、何とか再び広げようとしていたが、最終的に挽回には至らなかった。
当時、Vitaで売れたソフトとして扱われたのは『GOD EATER 2』の39万本。
最近では『Minecraft:PlayStation Vita Edition』がパッケージ版とDL版で合計100万本を突破。
そして2年費やしてパッケージ版のみでミリオン突破に成功した。
基本的にPSハードのソフトは販売本数の殆どの割合を初週販売本数が占めやすいため、PS系ソフト全体でも珍しい傾向である。

一応、Vitaソフトの中では定期的にスマッシュヒットも排出されている。
消化率(出荷本数に対する売上)と装着率(普及台数に対する売上)の異常な高さも特徴であり、出せば(本数はともかく)儲かるハードといえる。

なお、サード側もライト層よりもコア層に普及している事を考慮したためか、ゲーム中に萌え要素やネットネタが多く登場するソフトが妙に多く発売されている。

3G回線による通信

PCH-1000シリーズの 3G/Wi-Fiモデルのみに搭載された独自機能。

Wi-Fiが無い屋外の場所でもシームレスな通信によるゲームプレイが行える。
使うにはNTT docomoとの3Gデータ通信回線契約が必要となる。
データプランも何種類かあるので、契約する際は自分が好むプランを決めよう。

ドコモの発表などを見ると、利用者は少なかったらしい。
SCEも失敗だと感じたらしく、結果的にPCH-2000では不採用となってしまった。

ちなみに、モバイル回線とゲーム機の連携はドコモ側が構想を練っていたらしく、任天堂にも持ち込んだが却下されたという噂*1もある。

【PlayStation Vitaのモデル一覧】


PCH-1000

PlayStation Vita最初のモデルとなり、現在は生産終了。

初期の価格設定はWi-Fiモデル:24,980円(税込)・3G/Wi-Fiモデル:29,980円(税込)
2013年2月28日から、両モデル共に19,980円へ一律値下げされている。
値下げの直前まで『今買わねーバカがいるかよ!』とアントニオ猪木を使ったCMを展開していたのは黒歴史。

初期モデルのため、稼働時間や重さなどは後のPCH-2000に劣ってしまう。
しかし、PCH-1000のみが有機ELを現在唯一採用しているVitaモデル。
携帯機最高レベルの画質を保持し、この点はPCH-2000を上回っている。
据置レベルのグラフィックを有機ELで楽しめるという点は未だに消えない利点でもある。

生産は既に終了しているが、3Gモデルの売上不振の結果などもあって少し店を探せば新品も入手可能である。

PCH-2000

2013年10月10日に販売されたマイナーチェンジで、現在主流のモデル。

値段定価は18,980円(税抜)。

PCH-1000からの変更点を大雑把にまとめると、

  • 3Gモデルは廃止、Wi-Fiモデルのみとなった。3Gモデルのみの機能だったGPSも実質削除された。
  • 重量をかなり軽減させて軽くしている他、薄型化にも成功。(重量約60g減、厚さ約3.4mm減)
  • 電源ボタン周辺やアナログスティック周辺部分を金属からプラスチックに変更。
  • SELECTボタン・STARTボタンの配置を変更。押しやすいように改善した。
  • POWERランプとお知らせランプを分離し、充電中でもお知らせが来たことが分かりやすい。
  • PCH-1000でのマルチユース端子を廃止し、USBーMicroB端子を採用した。その結果、旧型では不可能だった『スマホ向けのAC-USB充電器』の流用も可能となっている。
  • PCH-1000ではカードスロット隣に存在したアクセサリー端子も削除された。このアクセサリー端子を利用した周辺機器は現在まで存在せず、どのような用途を考えていたのかは不明。
  • 新たに1GBのメモリーカードを内蔵。購入直後のメモリーカード無しの状態でも一時的にゲームプレイが可能となった。しかし、従来のメモカを使用するとなかったことになる(併用が不可能)。『シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~』の音声データだけでもオーバーしちゃう。
  • 画面が有機ELから液晶に変更された。その結果、PCH-1000に比べて画質は劣る(一応当時の最新液晶)。
  • 稼働時間が延長した(設計の最適化の他、内装機器の削除やディスプレイの変更の結果約1時間延びたとされている)。

と、かなり多くの変更がある。
特に画面が有機ELから液晶に変わったのは大きな変化で、PCH-2000も充分綺麗ではあるが、並べると彩度などで結構な差が出るレベルでもある。
ただし有機ELの弱点とされる画面焼き付きの危険がないほか、消費電力が減って稼働時間が伸びるなどの利点もあるため一概に悪いとは言えない。
取り扱いに気を使わなくて済むようになるので、場合によってはPCH-1000より長持ちする可能性もある。

設計が最適化されて数多くの改善の結果、犠牲になった部分もある。そのため完全な廉価版と称するのが適切。

PlayStation Vita TV

2013年に販売された、据置版Vitaという立ち位置にあるハード。

大画面でVitaソフトを楽しむことができる他、デュアルショックシリーズのコントローラーを使用可能。
PSN+を通して、従来の携帯Vitaとのセーブデータ共有も可能ではある。
現在の時点でVitaのモデルには外部出力機能が存在しないため、このVita TVのみがVitaの映像の
外部出力を可能とする公式の機器という事になる。
つまり、Vitaソフトの実況動画を作るには地味に重宝する。

しかし、Vitaソフトの一部との互換性(ジャイロを使用するソフト)を持っておらず、完全互換を保てていない。

不完全な互換性や特殊すぎる立ち位置から案の定販売不振に陥り、すぐに出荷を完了させた。
ある意味マイナーソニーハードの『PSX』『PSP Go』の兄弟かもしれない。

もっと詳細な情報を知りたい方は、上記のリンク先を参照。








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最終更新:2024年02月13日 13:47

*1 2010年頃にドコモが3G回線のゲーム機への導入を複数の企業と協議をしているとの報道が流れ、その後に当時の任天堂の社長だった岩田聡氏が否定的な見解を決算説明会で表明したという流れがあった