テロチルス(ウルトラ怪獣)

登録日:2016/02/20 Sat 15:15:48
更新日:2023/05/04 Thu 08:28:57
所要時間:約 6 分で読めます




テロチルスは、ウルトラシリーズに登場する怪獣の一種。
別名は「始祖怪鳥」

この項目では、テロチルスが登場した帰ってきたウルトラマン』第16話・第17話のストーリーについても解説する。


【概要】

白亜紀から生息していた、ハゲワシを思わせる姿をした夜行性の巨大怪獣。体長60m、体重1万8千t。
別名は「怪鳥」だが、劇中の解説によるとプテラノドンと同年代に生きた翼竜の一種らしい。
音に対して敏感で、ジェット機の轟音やパーティ会場のサウンドなどに興奮し襲い掛かる。

小さな角のような突起が生えた鼻からビームを放つ他、口からは雪の結晶のように固まる「糸」を放つ事ができる。
相手を絡め取る武器に使ったり、巣作りに用いたりとテロチルスが生きるうえで欠かせない武器なのだが、厄介なのはその特性。
硫黄化合物のような臭い匂いがする糸が排気ガスなどに含まれる亜硫酸ガスと混ざると赤色の猛毒ガスに変貌してしまうのである。

また、ウルトラマンの攻撃にも耐える頑丈な体も有しており、一度はウルトラマンを倒した実績もある隠れた強豪である。

火山島である「悪島」に暮らしていたが、住処にしていた火山の噴火を察し、住処にぴったりの東京に移住するべく行動を開始した事が、今回の事件の始まりとなった。


【主な活躍】

●帰ってきたウルトラマン

登場:第16話「大怪鳥テロチルスの謎」、第17話「怪鳥テロチルス 東京大空爆」

真夏に雪が降ったとある夜。に浮かんだクルーザーヨットが破壊される事件が発生。3人の尊い命が奪われ2人が重傷を負った。
現場に残された証拠から警察は爆弾テロと断定。検問を突破しようとした男「松本三郎」をその犯人として逮捕した。

ところがその一週間後、MAT郷秀樹隊員に思いもよらない情報が届いた。
事件の生き残りである女性「小野由紀子」が、事件の犯人は彼女の幼馴染であった三郎ではなく、謎の怪鳥だと告げたのである。
その言葉通り、ヨットの残骸に上から何らかの圧力を受けて破壊された事を突き止めた。
そして頑なに自分自身が犯人だと言い続けていた三郎も、由紀子の名を聞いた事で郷隊員に彼女のいう事は真実だ、と告げた。

しかし、そんな彼の行動を快く思わない者がいた。MY工業の御曹司であり、由紀子の婚約者である「横川浩」である。
彼は今回の事件の犯人は自分たちの仲を妬んだ三郎だと決め付けていたのだ。

それでも調査を続行する郷隊員に、突如雪のような白い結晶から空から降って来た。
そしてこの「結晶」はモーターボートのエンジン部分に触れた途端猛毒ガスに変わってしまい、それを受けた由紀子は入院する事態となってしまう。
さらに追い討ちをかけるかのごとく、あのクルーザーヨットと同じように旅客機が撃墜される事件が発生。

そして数日後、ついにこれらの事件の真犯人である怪鳥――テロチルス東京に現れた。
自衛隊の攻撃にも全く怯まず、悠々と飛び去っていった翌日、東京のビルの屋上にまるで「銀の城」のようなテロチルスの巣が作られていた。
自動車の排気ガスと反応した巣からは猛毒ガスまで発生、被害は次々に広がっていった。

勿論MATも手をこまねいているわけは無く、最初の事件の被害者である由紀子の証言や気流の調査などからテロチルスが悪島に潜んでいる事をつきとめた。
そして調査に向かった郷隊員は火口に潜むテロチルスを目撃。ウルトラマンに変身し、激闘を開始した。
ところが、スペシウム光線にも怯まないテロチルスの強さにウルトラマンは大苦戦。
空中戦の末、目潰し攻撃を受けたウルトラマンはテロチルスから放たれたビームを受け、海の中に沈んでしまった

一方、東京でも大変な事態が起きていた。
警察に捕まっていた三郎が脱走。4㎏ものダイナマイトを体に巻きつけて病院を襲い、由紀子をさらってしまった。
これ以上罪を重ねないでほしいと言う彼女の訴えも空しく、追い詰められた三郎はテロチルスが創った「銀の城」の中に侵入し、
そのまま立て篭もってしまったのである。

熱線砲を使いテロチルスの「銀の城」を焼き尽くす作戦に出たMATであるが、このままでは彼らも巻き添えになってしまう。
加藤隊長も由紀子も三郎を必死に説得しようとしたが無駄だった。
ウルトラマンや自衛隊を破り、悠々と東京に居座ってしまったテロチルスの住処は、追い詰められた彼にとって最後の安全な場所だったのだ。

緊迫した状況の中、由紀子の心は少しづつ変わっていった。
三郎に殺される事を恐れて逃げ出した浩の情けない姿を耳にした彼女は、三郎に昔の思い出話を語り始めた。
なまはげの怖さにビビって泣き出した三郎と、泣き出すことが無かった自分を比べながら。
やがて彼女は気づいた。自分も三郎も、互いを求めあっていた事に。


行けよ。帰んな。

私もここにいる。

これから大変なことになる。

サブちゃんのそばにいたいの……自分でそう決めたの。

そして三郎もまた、彼女の心を受け取り、警察に自首する決意を固めたのである。

だが、窓の外から彼が顔を覗かせた瞬間、焦った警察官が銃を暴発。
音に敏感なテロチルスが怒り出してしまった事でビルが崩壊、三郎も由紀子も瓦礫の下敷きになってしまい、さらに助けに向かった郷隊員までピンチに陥ってしまう。
しかし命の危機に陥った瞬間、郷隊員はウルトラマンに再び変身。テロチルスとの二回戦が始まった。

今回の勝負は前回とは打って変わってテロチルスが終始劣勢。
最終的に空中を飛んでいたテロチルスはウルトラマンによって地面に叩きつけられ、そのまま息絶えてしまった。
そして、助けられた三郎もまた、由紀子に自らの思いを伝えた後、命を落としたのである。


彼の葬式を済ませた由紀子を心配する郷隊員たちであったが、その心配は無かった。
全てを失ってしまった彼女であったが、三郎のためにも始めからやり直す、と言う決意を固めていたのである。
由紀子は笑顔で、その気持ちを語ったのであった……。


ウルトラマンタロウ

第25話「燃えろ!ウルトラ6兄弟」にて、ゾフィーが弟達にかつて起きたウルトラ大戦争の様子を語る際、
エンペラ星人配下の怪獣軍団の一員としてテロチルスの姿がイラストで描かれている。

また、第17話~第19話に登場する火山怪鳥バードンは、当時『ウルトラマンタロウ』の特集記事を組んでいた雑誌にて怪獣軍団の総大将とされており、
巧みな飛行能力はテロチルスから受け継いだものと言う設定がなされている。


ウルトラマンX

超全集掲載の裏設定で、第15話『戦士の背中』にて神木隊長の15年前の回想で出現していたことが判明。劇中では姿は映らず名前も出ない。
送電線を破壊したことで神木隊長の妻が入院していた病院が停電に陥り、それによって彼女は死亡した。
また、迎撃任務のため妻の死に目に立ち会えなかったことで神木隊長は娘との間に溝ができてしまう。


【余談】

  • デザインは熊谷健。初期稿ではよりプテラノドン的な造形で描かれていた。

  • 『帰ってきたウルトラマン』の本編では最終的に倒されてしまったテロチルスであったが、シナリオ上ではウルトラマンとの激闘の後、宇宙へと飛ばしてやると言う形で戦いの決着がつく予定だったと言う。

  • MATの装備に「マットサブ」と言う潜水艇があるが、今回の前後編を最後にその後一切登場していない。しかも今回使用されたのは第2話「タッコング大逆襲」のマットサブ登場シーンである。


追記・修正は初めからやり直しよ。サブちゃんの分も、頑張るわ。

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最終更新:2023年05月04日 08:28