怒首領蜂大復活

登録日:2015/2/20 (土曜日) 13:08:47
更新日:2024/04/03 Wed 16:16:04
所要時間:約 9 分で読めます




戦火を無くす為に、再び戦火が起きる。
蜂の羽音はいまだ止まりはしない。

怒首領蜂大復活(どどんぱちだいふっかつ)とは2008年5月に稼働開始したアーケード用縱スクロール弾幕シューティングゲームである。
開発元はケイブ、販売はAMIが担当している。

【概要】

首領蜂シリーズの(一応)第5作目。
ケイブとしては前作、 怒首領蜂大往生にでシリーズを完結させたつもりであったが6年の時を経てまさかまさかの大復活をしてしまった。
その為か本作のキャッチコピーの一つには「大往生したのに大復活」、BGMにも「大往生したなど誰が決めたのか」なんてタイトルが存在していたりもする。
そして4年後には再び大往生することになるのだがそれはまた別のお話。

BGMはケイブシューではお馴染みの並木学氏に加えて工藤吉三氏、千葉梓氏が担当。
BGMの評価も高く、5面や真ボス戦のBGMは特に人気が高い。

本作にはオリジナルであるver1.0と各種不具合を修正したver1.5が存在しているが、ゲームセンター等で本作を見かける場合は後者であることが殆どである。
加えて各種移植版についてもそちらが基準になっている。
なので以下の内容も基本はver1.5に準じるものなので注意されたし。


【ストーリー】

前作の戦いから6年後。
先の戦いの末、廃棄されたはずのエレメントドール、「エクスイ」が過去へと大量の物資を送っていたことが発覚。
それを止める為に「大佐」は私兵である首領蜂隊を過去へと向かわせる。
時空間ジャンプゲート内での激しい迎撃戦の末、目的地、西暦2008年の東京に辿り着いたのは僅か一機の母艦と数機の艦載機のみであった…。

……一応最強の精鋭部隊のはずだがこんなにあっさり壊滅してていいのか首領蜂隊。


【基本操作】

8方向レバー及び4つのボタンを使用。
それぞれショット、ボム、ショットのオート連射、ハイパーカウンターの使用に割り当てられている。
このうちショットのオート連射とハイパーカウンターの使用のボタン配置はゲーム開始時に二通りから選択可能。

通常ショットは長押しでピンポイント攻撃のレーザーに変化。
レーザー中は自機の移動速度が低下して細かな移動が可能になる。
一々ショットとレーザーを切り替えるよりもオート連射押しっぱで必要に応じてショットボタン同時押しの方が切り替わりが早くなって便利。
この辺は同シリーズではお馴染み、スタンダードな仕様である。


【ハイパーと相殺】

本作のキモ。
ハイパーカウンターは敵を破壊、レーザーで炙るなどして画面左上のゲージをMAXまで溜めると発動可能。
一定時間自機がパワーアップしHIT数や火力が増大。
そして最も重要なのがハイパー中にショットを撃つと敵弾を打ち消すことができるという点。
要は自機まで敵弾が飛んでこなくなるので疑似的な無敵状態にもなり得るのだ。
さらにハイパー始動、終了時にも弾消し効果が発生。
大往生とは異なりボムとハイパーが独立していることもあって第二のボムとしての運用もできる。
そんなハイパーにも勿論デメリットは存在。
まずハイパー中は敵弾の速度が上昇。
加えて、同一ステージ内で何度も使い続けると弾消し性能が徐々に低下、お邪魔キャラが出現しこちらの攻撃を妨害してくることがある。
尤も普通にプレイするのならそこまで神経質に気にするようなことでもない上、ハイパーを使うことでわざと処理落ちをさせて弾避けを容易にするなんて荒業もあったりする。

そしてもう一つ、大復活特有の要素として敵のレーザーによる攻撃が存在する。
敵のレーザーはハイパーでは打ち消すことができないが、こちらがレーザーを撃っている間は敵のそれを相殺することが可能。
敵のレーザーには威力の強弱があり、自機のスタイルによって対処法が変わってくる。
前述したハイパー中のお邪魔キャラもレーザーでショット発射を阻止してくるのだ。

まとめると(ハイパー中の)ショットで敵弾を、レーザーで敵レーザーを相殺が可能。
この仕様から一部のステージは蜂で斑鳩をするゲームだなんて言われることもあったり。


【機体とスタイル】

自機は3種類、加えて3種のスタイルの内一つを選択して出撃する。
尚本作ではパワーアップアイテムの類いは存在せず最初から最強状態でゲームは進行する。

■TYPE-A Do-NX-SF-25B Struggle Fighter Deltasword
赤い戦闘機。
ショット範囲が狭い代わりに威力、移動速度共に最高。
ハイパーの弾消し能力も優れているが、本作では広範囲をカバーできる方が有利な為に不遇な機体。
ボムが無い故ハイパーに頼るパワースタイルでは、後半に入っても敵弾破壊出来るため使いやすいかも。

■TYPE-B Do-NX-AH-16B Assault Helicopter Biaxe
『怒首領蜂』から復活の緑ヘリコプター。ver1.5にて追加。
赤と青の中間の速度でショットは左右の移動に合わせて曲がる少し癖のあるもの。
全てのオプションが曲がるようになったので、従来より使い勝手が向上した。
また、レーザーの威力が他機体より高めなのも強み。

■TYPE-C Do-NX-FB-72D Fighting Bomber Spearhead
青い戦闘機。
移動速度が遅い代わりに広範囲をカバーするショットが特徴。
そのワイドレンジ故にハイパーとの相性は抜群。
ただし正面火力が弱いので後半はハイパー中でも油断禁物。

スタイル

◆ボムスタイル
緊急回避用のボムが使えるオーソドックスなスタイル。
ミスをするとボムのストックが増加する。
ハイパーの性能は低く、非ハイパー時には敵の強レーザーにこちらのレーザーが押し負けてしまう。

◆パワースタイル
NORMAL /BOOSTを操作してショットの威力を使い分けるスタイル。
NORMAL時は移動速度こそ速いが火力に乏しい。
BOOST時にはボムスタイルよりショットが強くなるが移動速度が低下、代わりにハイパーを使わなくとも強レーザーを相殺可能。
オートボム1個しか命綱がないというマゾ仕様で、代わりに溜めやすいハイパーを駆使して立ち回る上級者向けスタイル。
ブラックレーベルではこれを選ぶと無条件で裏ルート確定。

◆ストロングスタイル
常にパワスタBOOST時以上の火力のくせしてボムスタ同様にボムが使えるという上二つの完全に良いとこ取りなスタイル。
しかもデメリットの類いは一切なしというのだから恐ろしい。
正確にはボムスタの基本性能にショット火力をオプション2個分上乗せし、パワスタBOOSTモードのレーザーを足した物なので、
パワスタNORMALモードの方が移動力が高く、パワスタBOOSTモードの方がハイパーのチャージ速度が高い…という形で、実質的に平均的な性能に収まっている。
初心者は素直にこのスタイルを選ぼう。
ブラックレーベルでは虫姫さまのマニアックモード同様、難易度が白復活の2周目相当*1になるお仕置きを食らう。

ちなみにボム、ストロングスタイルには、なんとオートボムが標準搭載されている。
その上「1回につき1発のみ消費」と弾幕STGとしてはトップクラスの大判振る舞いな仕様。
これによって初心者の宿敵、ボムの抱え落ちがなくなるばかりかボムの数だけ残機があるという状態に。
また、一回のエクステンド(1UP)で実質残機が6~7個増えることになるため、長く生き残る為にもエクステンドすることの重要性が増大している。

オートボム自体は心強いが、後先考えずに突っ込んでいくだけではボムを無駄遣いにしかならない上、
オートボム自体の無敵時間、威力は共に少なく手動でボムが撃てるに越したことはないのだが。


【作風と難易度】

本作の弾幕は大往生ほどの速さは無いがその分弾数が圧倒的。
それに対して自機をSTG史上最強と言われるまでに超強化、大量の敵弾をハイパーや大型機撃破の弾消し効果で捌かせるといった手法をとっており、敵も味方も強い、力と力のぶつかり合いといった様相を呈している。
また、ケイブシューお馴染みの敵機をガンガン破壊していく爽快感や得点アイテムジャラジャラによる快感なんかも格別である。
但し弾消しの要素が強くなったことや、ボム=残機みたいなやり方が通じる強力なオートボムの存在から、当たったら死ぬ敵弾に囲まれているという緊張感、スリルが薄れてしまっているという捉え方もできてしまう。

難易度については強い自機・オートボムのお陰で一周ノーコンテニュークリアをするのは(比較的)簡単。
しかし条件を満たせば入れる裏ルートや二周目など上級者向けの要素も勿論存在し、その極地である隠しボスは相変わらずその名に恥じない強さを誇る。

その幅広い間口故に弾幕シューティングをやってみたいけどどれに手を出したら良いか分からないと言う人にオススメされていることが多く、STG初心者の入門作品としての評価は高い。
但し全くSTGに触れたことの無い人間の場合は、1周クリアでも数コイン以上はゆうにかかるはずなので念のため注意。

尤も稼働から長い年月が経った現在ではAC版をプレイしたい場合は稼働するゲーセンを見つける事こそが最大の障壁かも。
そしてプレイする際はまずボタン配置をしっかりと理解する事が大切。
なんせ思い通りに動いてくれないゲームほどつまらない物もないのだから。


【キャラクター】

本作のステージボスは「エレメントドーター」を名乗る兵器への変形・合体機能を備えた巨大メカ美少女たち。
ドーター(娘)なのは前作に登場した自機強化用アンドロイドの「エレメントドール」を模しながらも独立した存在である故。
キャラデザは緒方剛志氏が手掛けており、過去作より萌え要素が強くなったことについては当時批判が大きかったが、作品自体の評価が落ち着いてきた現在ではなんだかんだで受け入れている人も多い。
なお、エレメントドーター自体は所々メカメカしかったり腹部や間接部が空洞だったりで、なおかつ自機を片手で握り潰す程の巨体を誇る結構なキワモノだったりする。
むしろこの辺りの一筋縄ではいかない所こそが実にケイブらしくもあるけど。

■A.I - アイ
ツインテ女子高生風な1面ボス、プロトタイプだったエレメントドールの面影を持つ。
一面ボスだけあって弱い。そんでもって影が薄い。
ただ公式的には本作の看板キャラらしくメインビジュアル、パッケージ絵などに描かれたりグッズが出たりとプッシュされている。
……それでもやっぱり影薄いけど。
「追跡者発見、攻撃を開始します」

■Next EXY - ネクスィ
2面ボス。前作のエキスパート強化型ドール「エクスイ」と同一人物で事件の首謀者。
未来の争いを無くすため、過去の日本に姿を現す。
黒幕が2面って出てくるの早くね?とは誰もが思う所だが・・・。
「敵機確認、ただちに殲滅する」

■PERFECT - ぱふぇ☆
3面ボス。大往生の時には完成していたとされる新型ドールの面影を持つ。
その為か持っているポテンシャル自体は他よりも高いらしい。
元のドールが余りにも緻密で精密なバランスの元で成り立っていたようでドーターとしての再構成の結果、それが崩れてしまいアホの子となってしまった模様。
金髪眼鏡にメイド服な外見で気の抜ける台詞を投げ掛けるあざとさ満点な娘っ子。
むしろ狙いすぎて逆に外してるようにもみえるけど気にしない気にしない。
ブラックレーベルではわざと長引かせると潜在能力の高さを見せつけてくる。
「待って~☆私がやっつけちゃうんだから!」

■Ray'n - レイン
4面ボス。前作のレーザー強化型ドール「レイニャン」の面影を持つ。チャイナ娘。
明朗快活であまりロボっぽくない喋りだがぱふぇ☆と比べると普通に思えるのだから不思議。
ドーターになってもレーザーが得意。それに飽き足らず4面自体が砲台満載、レーザー感謝祭となっている。
「そこの戦闘機、止まりなさい!」

■Shooty - シューティ
5面ボス。前作のショット強化型ドール「ショーティア」の面影を持つ。
元となったドールが最も純粋かつ基本的なタイプであった故か口調こそは丁寧だけれどどこか機械的。
前作にてボム強化型と散々バカにされた為か、本作では伝統中ボスの嵐光が使っていたナパーム弾でこちらを焼き殺しにかかる。
「燃え尽きなさいませ!!」


【ティガリリ】

通称ビット。
5面の中盤に登場する浮遊レーザー砲台。
個々は小さくともティガリリたちは円陣を組んで全方位へのレーザー攻撃を仕掛けてくる。
……が、なんとこのティガリリ、完全無敵の破壊不能ユニット・つまり横シューの地形扱いなのである。
浮遊しているので当たり判定が存在、自機と重なると死ぬのは勿論こちら側。
その為こいつがいるだけで画面内の移動が著しく制限されてしまう。
当然ティガリリと同時に通常の敵も出現するのだから、ティガリリの攻撃を防ぐ為にレーザーを使用→攻撃範囲が狭まって敵を倒しきれない→大量に弾を吐かれて圧☆殺。
……なんてことになりかねない。
オート連射押しっぱなし+ショットボタン連打でレーザーを防ぎながらもショットを撃てるというテクニックもあるがいかんせん限度ってものがある。
そんなわけで1周クリアを目指す上でも鬼門であるのがこのビット地帯。
今日もどこかで「ビット死ね」という怨嗟の声が聴こえてくる。
ちなみにビット地帯を越えてやっと5面は折り返し地点という所だったりする。
……というか5面長すぎ。


【家庭用移植】

XBOX360版とiOS/android用アプリ版の二種類が存在。
前者はノービスモードと二種のアレンジモードが収録。
後者はアプリ版独自のアレンジモード(スマートフォンモード)が追加され、スマートフォンモードでは前山田健一氏と平田祥一郎氏による新曲が使用されている。
真ボス戦のBGMなどは評価されているが、全体的にアーケード版のBGMとは曲調が違う為、賛否両論ある。
その後2016年になってSteam経由でPC版が登場、大復活+大復活BLの完全体。


【その他】

本作のイメージソングとして、那津子お姉さんが歌う「どどんぱち大音頭」が存在する。
これがまた突っ込みどころ満載な電波ソングなのだが、AC版/XBOX360版双方のPVに使用されている上、これまた突っ込みどころしかないカラオケPV(公式)なんてものまで作成されている。
アプリ版に至ってはゲーム中で流すことができる(公式の)裏技が存在し、しかもリミックス版まで用意するほど気合いが入っている。
PVのBGMとしてのインパクトは凄まじいが、曲自体の評価は結構高かったりする。

本作の難易度では満足できない人々に向けたアレンジ版、怒首領蜂大復活ブラックレーベル(通称黒復活、逆にオリジナルは白復活と呼ばれる)が存在する。
アレンジではあるもののグラフィックと敵の配置以外は別物に変化している。


万一項目内容に不備不足を見つけた時は追記修正よろしくお願いしま……
ザーッ「大佐より入電、回線回します。」


「ご苦労だった。見事な働きである。」
「項目が出来上がったところでココから私が新たな秩序を築くことにした。」
「諸君らの仕事はここまで。wikiに籠ってもらっても結構だ。」
「…まさか私の項目群の相手をするつもりか?」


はい、全力でお相手します。
いいえ、とんでもない、お疲れさまでした。
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最終更新:2024年04月03日 16:16

*1 通常は表2周目相当、裏ルートに入ると裏2周準拠になる。