巨大化(スーパー戦隊)

登録日:2016/02/17 Wed 06:47:46
更新日:2024/03/11 Mon 01:15:49
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巨大戦――それはスーパー戦隊シリーズの歴史上、無くてはならないイベントである。


【概要】

元々戦隊側の巨大メカは秘密戦隊ゴレンジャーの頃から登場していたが、専ら移動用か敵要塞・戦闘機との交戦に使われるのが多かった。
しかし、バトルフィーバーJ以降に巨大ロボが登場してからは一変。
一度倒されるか追い詰められた等身大の怪人が何らかの要因で巨大化し、戦隊側も巨大ロボで応戦するというパターンが誕生した。

遡れば東映特撮はジャイアントロボ(東映版)や大鉄人17で巨大戦のノウハウを蓄積し、ジャッカー電撃隊バトルフィーバーJの間に放送されたスパイダーマン(東映版)では日本の視聴者向けの派手な演出として「等身大ヒーロー+巨大戦」の形式を発明した。

巨大化のパターンは戦隊ごとによって違うものの、たいていは以下の4通りに分けられる。
  1. 幹部又は首領自らが巨大化させる
  2. 巨大化アイテムで巨大化
  3. 怪人が自力で巨大化
  4. 巨大戦専用マシンを召喚

巨大化後は基本的に等身大と同じ姿だが、中には姿形が変化する存在も。
演者である女優の素肌が露出したセクシー系の怪人など、巨大戦には不向きなデザインの怪人がよく巨大化後に姿を変えるが、姿を変えた怪人は凶々しさが増すためパワーアップとしてもわかりやすい。

ボウケンジャーやハリケンジャーではこの巨大化のパターンが幹部ごとに違うという演出がなされている。
それではここからは各項目ごとに詳しく解説していこう。

【パターン】

1.幹部又は首領が自ら、或いは専門職の部下を使用して巨大化させる


大地に眠る悪霊達よ…ドーラ〇〇に、力を与えよ!
オルグシードよ!消えゆかんとする邪悪に、再び巨大なる力を……!ハァッ!!鬼はー内!福はー外ーっ!!
ドーザ・ウル・ウガロ!
妖術・肥大蕃息の術!

スーパー戦隊シリーズで一番多い巨大化パターン。
本拠地又は現地にいる敵組織の幹部又は首領が怪人に何らかのパワーを与えて、再生(もしくは復活)させてから即座に巨大化させる方法である。
幹部によってはこの能力によって存在意義をアピールしている者も多い。

しかし幹部の状態によっては巨大化させることが出来ず、怪人がそのまま倒されることもあるようだ。
バンドーラは空腹のあまり怪人を巨大化できなかったことがある
中には「巨大化担当幹部が死んでいたので怪人が倒されても巨大戦ができず、自分も敗れた首領が切り札として移動要塞で巨大戦を始めたらそれを破壊され全滅。」という、
組織崩壊の原因になってしまったジャシンカ帝国(科学戦隊ダイナマン)の惨事もある。(旧仕様の進化獣では「自動で巨大化」だったことも含めて皮肉な展開である)

また、このパターンの特徴として、巨大化の対象を問わない物もいる事が挙げられる。
つまり、その気になれば敵怪人以外にも戦闘員や一般人、場合によってはヒーローでさえ巨大化する事が可能なのだ。


2.巨大化アイテムで巨大化


こうなったら…。本当は抹茶ケーキの方が好きなんだけど、えぇぃ…!芋羊羹だ!
バルバンの魔人は、バルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは、自らの命をも縮める、 まさに最後の手段でもあるのだ!
闇の世界の力よ、最後の力を! アミアス・アミアス・アミクロス! 災魔復活!
サンギョウカクメーイ!

2番目に多いパターン。
1.と似ているが、事前に渡された専用の巨大化アイテムを怪人が使用するか、幹部が倒された怪人に与えることでその怪人が巨大化するというもの。
爆弾ドリンク、果ては芋羊羹なんて変わり種も。

しかし度々戦隊側にそのアイテムを奪われる、もしくは破壊されるなどの妨害で巨大化できず、そのまま倒されるというパターンも存在する。
基本的に怪人の体質に依存するものが多く、一般人などには使えない、あるいは使っても効果がない場合が多いのが特徴。


3.怪人が自力で巨大化


ビッグバン・プログレス! 超進化獣○○シンカ!
臨技! 邪身豪天変!
こうなったら大きくなってやる!
驚いてるだろうねぇ、アナザーアース人…

怪人が自らの力で瀕死の状態から復活し、様々な能力、もしくは体質で巨大化するパターン。
  • エネルギーを大量に吸収する
  • 自らの技で巨大化する
  • 一度倒されても自動的に発動して巨大化する
など作品によっては様々である。幹部の能力もアイテムも必要ないので、妨害される心配が少ないというメリットがある。
「普通の怪人は1.か2.だが、幹部格やボスキャラは自力で巨大化できる」というパターンもある。


4.巨大戦専用マシン/怪人を召喚


弟よ~!(妹よ~!)
リフレッシュパワー!
(ゴルリン転んで)人生いろいろでございます。
敵メガゾード、転送反応あり!
闇エナジーが満ちた!行け、邪面獣!

等身大で登場した怪人自身は巨大化せず、専用の巨大メカやロボット・怪人、倒された怪人の姿をコピーしたロボットが代わりに戦うパターン。
その都合上、等身大の怪人が倒されることが必須ということも。
メカは怪人によって様々な改造が施されている場合もあり、同じ種類のメカでも大幅に性能が違うことがある。
このタイプを利用する怪人は少ないが、導入は『バトルフィーバーJ』であり何気に戦隊の歴史では一番最初に考案されたパターンだったりする。

バイオマンの敵組織・新帝国ギアは怪人自体が存在せず、
ビッグスリーが呼び寄せる巨大ロボ・メカジャイガンおよびネオメカジャイガンが巨大戦を務め、バイオロボがそれを迎え撃つというパターン。
デカレンジャーでもこれを踏襲。回によっては巨大化することもあったが、
基本的にはアリエナイザーがエージェント・アブレラから購入した巨大メカ・怪重機を駆り巨大戦に移行するというものになっている。

ファイブマンに登場した銀帝軍ゾーンの巨大エイリアン・ゴルリンは、なんと怪人の能力をコピーしようとしたら、
岩に躓いて転び、脳震盪でそのまま倒れてしまったため、巨大化が出来なくなってしまうという珍事が起きた。

ゴーバスターズヴァグラス側のメガゾードはメタロイドが誕生するとすぐにその能力をコピーし、
(時間差や出現する場所の誤差はあるものの)怪人と同じ場所に現れるという方法で出現するため、
「等身大の怪人の相手をしつつ、巨大戦を同時進行で行う」という手順が取られている。後にキラメイジャーの邪面獣でも同様の手法がとられた。

ちなみに仮面ライダーやアメコミ映画のように「ヒーロー同士の対決」があまりないためなのか、戦隊ロボ同士の対決はレアな部類に入る。


番外編

  • 巨大化した怪人がパワーアップする
怪人の中には巨大化すると等身大の頃よりパワーアップする者も存在する。
例えばシンケンジャーのフダガワラは巨大化すると両腕の板が等身大の時より大きくなり、攻防一体の武器として機能する。
またゴーオンジャーのオイルバンキは巨大化している最中に、
ヒラメキメデスによって改造された強化形態「第二次サンギョウカクメイ」でエンジンオーやガンバルオーを苦戦させている。

  • 最初から巨大
怪人の中には新帝国ギアのメカジャイガンや邪命体エヴォリアンのギガノイドの様に元々巨大サイズの敵も存在し、登場後そのまま巨大戦に入ることになるパターンもある。
また、そういった怪人たちは自らの力を制御することで等身大になり、大ダメージを受けると本来の巨大な姿に戻ることもある。
魔法戦隊マジレンジャー冥府神がその最たる例と言えよう。

  • 量産型巨大戦要員
侍戦隊シンケンジャーで大ナナシ連中や切神が登場したのを皮切りに、時折巨大化に対応した戦闘員や、量産型巨大怪人、搭乗型の量産型巨大ロボットといった使い回しの効く巨大戦要員も登場するようになった。
主に巨大化した怪人に取り巻きとして使役されるか、「今週の怪人はシナリオ上倒すわけにはいかないが、玩具販促のために巨大戦をやらねばならない」といった事情のある時に代理として登場し、
等身大戦闘員と同じく戦隊ロボに斬られて強さをアピールするのが仕事。


【巨大化の変遷と一覧】










このように敵怪人の巨大化は戦隊になくてはならないものになっている。
しかしその反面、この要素は怪人の死亡フラグ、敗北フラグとしても有名である。
等身大の時は戦隊を押していたのに、巨大化したらロボの必殺技で逆転勝利というのは良くあること。
中には前述のバルバエキスのように使用したら死亡が確定するものや、
侍戦隊シンケンジャーに登場するアヤカシの二の目のように死亡して初めて巨大化できるなんてパターンも。

ただし例外も多く存在しており、巨大化してロボに倒されても生き残る怪人もちらほら。
そういった怪人は妙に人気が高く、得てしてファンから愛される傾向にある……かもしれない。



追記・修正は芋長の芋羊羹とバルバエキスを摂取しながら、
ビービ虫とオルグシードを体に取り込んだ後、スクスクジョイロの水を浴びてからお願いします。


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最終更新:2024年03月11日 01:15

*1 モズーとの相違点として「1:脚部が機械的なデザインになっている(全機体)」「2:頭部にコックピット(空色のドーム状のパーツ)がある(クジャクコングのみ胸部にある)」「3:体に装飾品があるモズーはそれが無くなっている」「4:デスダークのマークである『赤い目の紋章』が胴体にある(ドクガコング以後)」「5:ごく一部のみ、手が大型化しているものがある。」などがある。

*2 死体にも効果がある一方で、生きたトカゲを巨大化させた事もある。最終回では「メモリードール」という機械も巨大化させた。

*3 盗賊騎士キロスが作戦を指揮した場合はこのパターンだった

*4 ヤミマルは、中盤でキリカとの合流を経て強化形態になっている

*5 ちなみにこの回では、ヤバツエコンビはなぜかプリクラにはまっていたため、戦場に出ることはなかった。

*6 あちらでは変形・合体前のバラメカは「ゾード」と呼ばれているが、こちらは用いられていない