帰ってきた天装戦隊ゴセイジャー last epic

登録日:2016/02/16 Tue 01:56:49
更新日:2023/11/09 Thu 11:25:04
所要時間:約 6 分で読めます





護星天使が国民的アイドルに!?


【概要】

スーパー戦隊シリーズ34作目「天装戦隊ゴセイジャー」の後日談であるVシネマ。
本作はスーパー戦隊シリーズ恒例の帰ってきたシリーズであり、2011年6月21日に発売された。
時系列的には「TV本編の最終回」と「海賊戦隊ゴーカイジャーのレジェンド大戦」の間にあたる物語である。
なお、監督を務めた長石多可男氏の遺作でもある。



【あらすじ】

護星天使たちは、最後の敵・ブラジラを倒し、地球に残ってそれぞれ平和に暮らしていた。
なのに…謎の電磁波のせいで、人々の記憶からゴセイジャーたちの存在を消す、「メモリーウォッシュ」が効かなくなってしまう!
混乱を避けるために記者会見を開き、人々に自分達の正体を明かすが、その途端、アイドルとして世の中の人気者になってしまう!?

芸能事務所「芸能のサカイ」所属のアイドルとして、その活躍はTV中継され…だが事態は一転、人類の敵として非難されることに!
ゴセイジャーを罠にかけた、これまでにない最強の敵の正体とは!?

ゴセイジャー最後の戦いが今、始まる!!



【登場人物】
能天気屋。
カフェのウェイターとして働いている。
序盤にて、銀行強盗に遭遇して迷わず変身して強盗を撃退した事で事件に巻き込まれる羽目になる。


小学校で看護師を務めており、保健室で児童と交流をしている。

お兄ちゃん。
モネと共に農業に従事している。


妹。
ある意味で15番目のイエロー戦士と同じ道を歩み始めていると言える。


大学で生物学者となって海を綺麗にするための研究をしている。


皆さんご存じ、進化したグランディオンヘッダー。
最終回で消耗したゴセイパワーを満たす為に再び長い眠りに就いていたが、何故か途中で眠りから目覚め、黒幕の陰謀で警察に取り囲まれた5人を助けたり、望に絡んできた暴徒を追い払ったりと休む暇もなく活躍を強いられる羽目に(笑)
終盤では、ある人物に対して意味深な言葉を投げかける。


アラタ達の仲間である少年。
中盤ではゴセイジャーの関係者という理由で家の前で大勢の民衆に詰めかけられ、彼らに絡まれそうになる等、散々な目に遭う。
そして終盤では、ある行動で5人のピンチを救う事に…。


  • 天知秀一郎
望の父親で髭の天文学者。


お馴染みダイスオー基盤。
本作では巨大化はしないものの、天知親子と共に5人をサポートしていた。


  • 星野ユメコ
「芸能のサカイ」所属の女性マネージャー。


  • サカイ
「芸能のサカイ」の社長。
当初は世間に正体を公表したゴセイジャーをアイドルに仕立て上げて必要以上に持ち上げていたが、実は5人を金儲けの道具としか考えおらず、中盤でゴセイジャーが悪人に仕立て上げられた際には手のひらを返して一方的に5人を責め立てる等、実にベタで身勝手な本性を露わにしていた。


  • 加納竜介
サカイの助手兼運転手を務めるマネージャーの青年。
6人目のゴセイジャーとしてデビューする予定の一般人であったが、ゴセイジャーが悪人に仕立て上げられた事が原因でデビューは白紙となり、サカイと共に5人を一方的に責め立てた。


  • 富岡松
バラエティ番組の司会者。



以下、本編の核心。更なるネタバレにご注意ください。




















やっと気づいたのね、ゴセイジャー。どう? 人気者から嫌われ者になった気分は?


  • 星野ユメコ
ゴセイジャーを悪人に仕立て上げた犯人。
以前は有名な女優であったが、彼女の人気を妬んだライバルに悪い噂を流され、それを鵜呑みにしたマスコミや世間のバッシングによって人気者から嫌われ者へと転落してしまった。
掌を返される様に裏切られた事で他人を信じられなくなり、「こんな世の中めちゃくちゃになればいい」と絶望していた所をキングビービ虫に付け込まれた末に憑依されてしまう。

以後、世間に対する復讐も兼ねてキングビービ虫の電磁波でゴセイジャーを陥れて自分と同じ苦しみを味わわせていた。
だが、ユメコを本当の意味で凶行へと走らせたのはキングビービ虫ではなく芸能界の闇であり、地球の一般市民一人一人に他ならないと言える。


  • キングビービ
身長:211cm(巨大時・53.8m)
体重:323kg(巨大時・823.0t)
狙い:人間の悪意を増幅させて、ゴセイジャーに復讐する
趣味:のぞき見
CV:乃村健次

本作の黒幕。
ビービ虫の生き残りである進化体の「キングビービ虫」がユメコに取り憑いて生まれた怪物。
漆黒の体色と赤い一つ目の頭部、胸部にはユメコを模したデスマスク状の顔が形成されている等、
その禍々しい姿はどことなく『鳥人戦隊ジェットマン』のバイロックラゲムを彷彿させる。

人間の悪意を増幅させる電磁波とビービ虫を模した長剣*1が武器。
悪意を増幅された人々は口から黒い煙を吐き出すようになり、やがて地球全体を真っ黒に覆いつくしてしまう。
作中でメモリーウォッシュが効かなかったのはそれが原因であった。
ユメコの心身を操り、世界中の人間から集めた悪意を増幅。それを邪悪な電磁波に変えて天装術を封じてゴセイジャーに復讐しようと目論んだ。
名前の由来はホラー映画「13日の金曜日


【本編の結末】

これまでよくも仲間達を倒してくれたな
今こそお前達に復讐してやる……人間共の悪意を利用してなッ!

5人に追い詰められたユメコの肉体を通して正体を露わしたキングビービ虫。
キングビービ虫に取り憑かれながらも意思を保っているユメコに対し、アラタは「あなたは操られているだけだ」と説得するが、

操られてる方がマシよ! もう誰も信じない…傷つくのは嫌なの! くやしい…くやしいのよ!!

そして、ユメコの意思に呼応するかのごとくキングビービ虫はユメコと融合、キングビービとなって5人の前に立ちはだかった。
キングビービと戦闘状態になるのだが、ユメコがキングビービと一体化している為、5人は変身も攻撃も出来ずに苦戦。
そこへマスコミが現れ…


TVの前の皆さん、ご覧ください! 人類の敵、ゴセイジャー! 一方的にやられています!

ゴセイジャーがやられるのも時間の問題です! やられろやられろー! 負けろ負けろー!


……と、すっかり悪意を増幅されたマスコミはゴセイジャーを応援する所か彼等が苦戦する様子を歓喜しながら全世界に放送する有様であり、 追い打ちを掛ける様に実況中継を観ていた人々も黒い煙を出しながらゴセイジャーを罵倒していた。

ハハハハハ! 人間共よ、もっともっとゴセイジャーを憎め! 恨め!

そして、キングビービがボロボロに傷ついた5人にトドメを差そうとした瞬間…

みんな僕の話を聞いて! 聞こえますか!? みんな僕の話を聞いて!

データスの電波ジャックでTVの前に顔を出した望が人々に訴えていた。


ゴセイジャーの5人はずっと戦っていてくれた。ただ、地球や命を守る為に

どんな時も僕達の味方だった。困っている人がいたらすぐに駆け付けて助けてくれた。そうでしょ!?

それなのに何でそんな5人をみんな敵だというの!? みんな早く目を覚ましてよ!

みんな目を覚まして! 早く思い出して! みんな目を覚ましてよ! ちゃんと思い出してよ! お願いだから思い出して! みんな目を覚ましてよ!


望の言葉で正気を取り戻した人々は悪意が弱まっていき、地球を覆っていた黒い煙が次第に小さくなっていった。
その頃、そんな状況に意に介さないキングビービが仕切り直しをしようとした所、ゴセイナイトが加勢に現れた。


「信じていた者に裏切られたあなたの絶望はわかる。…だが、この地球にはあなたを守る為に命がけで戦う者も存在するんだ。その事はわかってほしい」

「何で私なんかを…」

「みんな! ユメコさんを守るんだ!」

「俺達は護星天使だ!」

「地球を…そこに生きる全てのものを守る!」

「それが私達の使命!」

「だから、俺達があんたを守る!」

「あなたの生命や未来が俺達には何よりも大切だから!」

「ありがとう…」


5人とゴセイナイトの言葉で諭されたユメコは己の過ちに気づき改心。するとキングビービの体から人間の悪意が一気に抜け出て弱体化した。
5人はチャンスとばかりに天装術を使い、キングビービからユメコを分離させる事に成功した。

ユメコを無事に救った5人は一気に形勢逆転。ゴセイジャーに変身してキングビービに反撃を開始した。
追い詰めれたキングビービは一度はゴセイジャーに敗れるも、残っていた人間の悪意を吸収して巨大化。


「地球もろともお前等を葬ってやる!」

「人間の気持ちを弄ぶような奴らはなあ…!」

「私達が絶対に許さない!」

「これが俺達の最後の戦いだ!」


巨大戦では、いきなりグランドゴセイグレートに合体してキングビービと対決。
怒りに燃えるゴセイジャーの猛攻を受けながらも、キングビービは稲妻状の電磁波でゴセイジャーを苦戦させる。

負けるか! そっちが電磁波なら、こっちは超音波だ!!

ゴセイジャーも負けじとクワガヘッダーからタカヘッダーに換装したグランドランサーによる「スカイソニックブレイク」で反撃してキングビービの電磁波を打ち消した。


「星を傷つけ、汚す魂に!」

使

キングビービが怯んだ隙にゴセイジャーは、グランドグレートストライクでキングビービを見事撃破!

その後、意識を取り戻したユメコに対してアラタは…


「ユメコさん、諦めないで。女優を続けたいんでしょ? だったら自分を信じてとにかくやってみる。…だよ!」

「あたし、いっつも人のせいにして自分を信じるなんて考えた事無かった。ありがとう…とにかくやってみる」


事件が解決し、5人は最後の仕上げとしてメモリーウォッシュで人々の記憶を消去した。
その後、5人は望達に別れを告げ、再び元の生活へと戻っていった。







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最終更新:2023年11月09日 11:25

*1 後にこの剣は「約束のdoremifa beat」に登場する「ゲムデウスムテキ」の剣へとリペイント・改造流用している。