黒王(ドリフターズ)

登録日:2016-02-03 Wed 02:36:57
更新日:2024/01/23 Tue 02:58:53
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北の氷土から南の北壁まで 西の漠土から東の海原まで

産まれる前の腹子から今際の際の老人まで一人も残すな

丁寧に几帳面に確認し再確認し草の根をわけて

一切の差別無く心を込めて一人も余さず地上から人類を鏖殺せよ


黒王とは、平野耕太作・漫画『ドリフターズ』の登場人物である。
CV.楠大典



【人物】

作中で、古今東西の史実の人物が非業の死を遂げた後に異世界へ召喚された存在・廃棄物(エンズ)の頭目である。
素性が判明している他の廃棄物達と異なり正体は(一応)不明。不明ったら不明。
大工の息子?立川でバカンス?何のことです?

ボロボロのローブを纏い、フードを深くかぶっているため素顔は不明である。
トンボの意匠が施された杖を持ち、手の平に穴が開いたような跡がある他、腕にも多くの傷跡が見られる。

元の世界では人間を救おうとしたが拒絶され、ならばと人ならざる者を救い人を滅ぼそうとしている。
義経によると黒王は「救世主の玄人」なのだという。


他の廃棄物たちに加え、亜人やドラゴンなどの化物からなる大軍勢を従えている。
それら化物と揶揄された多種族を一体化させ、人類にとってかわり新たな文明を作り出させることが目標。
こうした行動原理は単純に人間を憎み世界破滅を願う彼以前の廃棄物とはまるで異なるもののようである。

他の廃棄物たちと同様に人間を憎むだけでなく、同じ異世界から送り込まれた存在である漂流者達には極めて強い殺意を抱いている。
追撃等に手を抜かず、最大限の力で抹殺を図る一方でその力を警戒する様子を見せる。

その一方で、自身の同胞と語る化物たちにはとても優しく誠実に接している。
「救える者は一人残らず救う」と言って自身の負担も顧みずに能力を使い化物たちの傷を癒しており、これが兵の求心力にも繋がっている。


【能力】

能力は「生命の増殖」
命あるものならば細胞でも食料でも無尽蔵に増やすことができる。
作中では重傷を負った兵を一瞬で治癒したり、穂1本分の麦粒を周囲を埋め尽くすほどに増やすなどしている。
配下の廃棄物・土方曰く、「兵站という概念を崩す、敵対するものから見れば軍の司令官として悪夢としか思えない力」
実際この能力について聞いた信長は「そんなんこっちが欲しいわ!」とマジギレしている。

また細胞を無制限に増殖させることで腫瘍を起こし、対象を死に至らしめることも可能。
この応用によって巨大な竜を身動きの取れない肉団子に変えてしまった。

このように強大な力を持つが、自らは永遠に生きる神などではないと称し、いずれ死を迎えることを示唆している。
そのため上記のように食糧を自ら増やせるにも関わらず、化物達に原始農業を行わせている。
とは言え、現状では彼の能力で化け物たちの食料を賄わざるを得ない様子。
噂によるとパンを千切れば軍団で分けてあまる量になり、魚を大量に増やしたりしてるらしい。きっと水をワインに変えたりもしてる。

また体が衰え、死が迫っているかのような描写もされている。
能力の反動らしく、ラスプーチンは黒王の負担を減らすべくあれこれ指示を出している。



【作中の活躍】

  • 第1巻
廃棄物達と化物の大軍勢を率いて北方カルネアデス国境要塞「カルネアデスの北壁」を襲撃。
化物達による高度な戦術を用いた猛攻に加え、配下である廃棄物の土方アナスタシアジャンヌを送り込み北壁を壊滅させる。
十月機関の道師や漂流者達を取り逃がすものの、追撃を命じた。

  • 第2巻
北壁を完全に陥落させた後、負傷した兵を自身の能力で治癒する。
更なる人外の者たちを軍勢に迎えるため、北壁の陥落を諸方に伝えるようラスプーチンに命じる。
また豊久ら廃城の漂流者の元にジャンヌとジルドレを送り込み抹殺を命じる。

  • 第3巻
六大竜の一匹・青銅竜が北壁を訪れ、隷属である飛竜を黒王が配下としていることに不満を持ったため恫喝される。
青銅竜が軍門に下る意志を持たないと判断し、能力によって肉塊へと変えてしまう。
屈服した青銅竜を盟に加えるとするも、もはや戦えないとみなし部下に解体させる。
またこの際、肉体が死に向かっているような描写がされた。

  • 第4巻
豊久達がオルテ帝国の都・ヴェルリナでクーデターを起こしたことを受け、土方に出陣を命じる。
その際ヴェルリナの奪取が不可能と判断した場合、なるべく多くの破壊に切り替えるよう告げている。
漂流物達の応戦を見て潮時を悟るも、豊久との死闘を続ける土方にやや苛立ったようにも見える様子で撤退を命じた。
都に送り込んだ兵は死なせてしまうも、威力偵察及び都を傷物にする狙いは成功したと判断する。
その際、新たに召喚された廃棄物・明智光秀を配下に加えている。

  • 第5巻
陥とした北壁で化け物たちに農耕・貨幣経済・畜産(この場合の家畜は人間)を広めつつ、各地から戦力を召集。
青銅竜は「生きた銅鉱山」として生きたまま肉(?)を削られ、その銅を使った銅幣が流通している。
偵察に来た十月機関を介して、晴明に「賢すぎて他を破滅させる人間を滅ぼし、そうはならない化け物たちの世界を創る」「彼らが進歩しすぎないよう、永遠の暗黒時代をもたらす」という自らの目的を語った。この時、やや回りくどい表現で暗黒時代が成された理由に宗教を挙げている。
この直後から南進を始め、武装した巨人族等を使い、国はおろか小さな村や集落まで丁寧に丁寧に襲撃。
生き残りはドリフが集まるオルテに流れ込むように追い立てる……自らが生み出した難民によりオルテを消耗させつつ人類の一網打尽を目論んでいる。


  • 第6巻
ついにドリフターズ率いる人類軍と激突。
軍の直接指揮は光秀ら配下の廃棄物に任せている。
ラスプーチンによる離反工作の成功に乗じて、豊久ドワーフ部隊が仕留めた巨人を能力で復活させた。
この時、本人は本陣に陣取りながら最前線の巨人を治しており、距離があっても治癒できることが判明。
まさしく「敵からすれば悪夢としか思えない能力」。



+ 第7巻ネタバレ

突如として
ハイ 「目覚めました」
ハイ 「文明作りました」
ハイ 「農業はじめました」
そんなんで食っていけるわきゃないだろ
農業は積み重ねた技術と経験だ
そう簡単に使い物になるもんか

つまりアレはゲストゥス(パフォーマンス)
「文明やってるぞ」「お前らに取ってかわるぞ」という表明だけの代物だ



で その黒王軍の進軍っぷりじゃが 無理なんじゃよなあ
「破竹の快進撃」なんぞしてはいかんのじゃよなぁ
お前はたいそう戦に慣れた…ように見えるから、なんとなく判ってたはずじゃ

こりゃあ取りこぼし(・・・・・)がえらいことになっとるな と
こうも考えたはずだ
「素人め」
虐殺(ころし)に慣れてねぇな」って



  • 第7巻
2000年の技術差をあっさり追い抜いたスキピオとハンニバルによって看破された黒王の弱点、
それは無敵と思われた無限兵站能力そのもの、そしてその恐ろしいまでの進軍速度の中にあった。

確かに人類廃絶というお題目を掲げる黒王、そして黒王のいる最前線は恐ろしい勢いで進軍し、凄まじい侵略を見せている。
そしてその結果、「占領地」という名の「後方地域」が膨れ上がっていく。
この日々肥大化する「後方」が問題なのだ。

軍隊、いや、集団というものは食わなければ維持できないものだ。
だが農業とは大勢の人員が根気良く栽培を継続することでようやく成し得る一大事業であり、
ノウハウの欠片もなかった粗野な生物が真似事をしただけで同じことが出来るほど甘いものではない。
結局は黒王軍に属する者の食料は黒王という「最前線の根拠地」一か所が生み出すものしか頼りにならない。

その結果黒王のいる場所から後方へ食料を運び出す(普通の軍隊とは逆向きの)兵站が形成される。
なのでこの補給線を叩き潰す当たり前の戦術が通用してしまうのである。
しかし、それを止めるわけにはいかない。
ゴブリンやオークといった人間以外の連中を救うと宣言してしまったのだから。

そしてもうひとつ。
制圧した「占領地」に軍隊を置き、敵の残党を掃討し、一帯の治安を維持させるのが侵略の理想形だ。
特に絶滅戦争を掲げる黒王にとって占領地の人類殲滅は必須である。
が、実際のところはというと、黒王は快進撃を優先するあまり掃討がおろそかになっていた。
侵攻範囲の人間を丁寧に殺し尽くせておらず、生き残りが散り散りになってあちこちに隠れて逃げられるという本末転倒なミスを犯しているのである。
その結果、逃げた人間を拾い集めて再起を促すというチャンスを与えてしまっているのだ。

スキピオに率いられた豊久と菅野の縦横無尽のゲリラアタックによる補給線切り裂き作戦と、
ハンニバルと組んだ義経が目指す建国による第三勢力構築。
世界の歴史に名を刻んだ二大軍略家がそれぞれ別の方向から襲い来る中、黒王軍は信長率いるドリフターズを廃城に追い詰めながらも、挟み撃ちの形を迫られているのである。


【その他】

単行本巻末のおまけ漫画や雑誌に掲載された休載お詫び漫画などでは本編のシリアスかつラスボス然としたキャラクターはどこへやら、
前作の某を彷彿とさせるはっちゃけっぷりを披露している。

他の廃棄物をいじり倒したり唐突に音楽活動を始めたりとやりたい放題。
結果、黒王軍がよく壊滅したりジルドレが身長伸ばしちゃったりしてる。
しかし彼自身も、ほぼ同じノリのラスプーチンに(服装によっては)見た目がかなり怖いので近寄らないでくださいと地味にぶっちゃけられた。

休載漫画では正体について質問され、「三十過ぎまで定職無し」「実家の手伝い(家を建てながら)」「市場で突然暴れまわって店ぶっ壊した」「言ってもいいけど絶対怒られる」と語る。


一体何者なんだ…

……いや、どう考えてもあのお方なのだが、軍事・用兵に優れており、近代的な戦術を化け物たちを使って再現したり、と例のあの人と考えると腑に落ちない点も多く、一部の読者や光秀からも怪しまれている。


光秀「彼は本当に、私が考えているあれなのか?」


また、おまけ漫画での某兄弟からの質問の際、パロディとして出た「ブルースリーと宮本武蔵を甦らせた?」存在はそれこそ「あのお方」その物ではなく「あのお方に化けた悪魔」が正体だったりする。
このことから黒王の正体は「黙示録の終末に到来する偽救世主」の可能性も……
なお7巻で看破された黒王軍の弱点からするに、彼の軍才は能力頼みの代物だったようだ。


【セリフ】


「追え さがせ 見つけ 殺せ」
「漂流物は生かしてはおけぬ 決して一人として生かしてはおけぬ 私は不退転の災厄を以って命ず」

「人を救おうとした だが拒絶された ならば人ならざる者を救い 人を滅ぼすしかない」

「殺せ 漂流者達を殺せ」
「無花果が実る前に立ち枯れにせよ」

「我らと共に往くか 彼らと共に死ぬか 傍観は無いのだ青銅 返答せよ青銅」

「共通の文字を作り 統一宗教を作り教化する 原始農業 共通文字 統一宗教 化物と揶揄された彼らは人間にとってかわり地上に文明を作るのだ」

「共に歩めぬなら ただの肉」

「なるべく多く殺しなるべく多く燃やせ 漂流者に渡さぬためだったが渡ってしまうなら傷物にせよ」
「どうせ最後は同じ事だ 今取ろうが後取ろうが一人も残さぬ」

「土方 土方 もはや潮である」
「織田信長 那須与一 島津豊久 倒さねばならぬ 何としても 何としても」

「ひ け と いっているのだ 私は」

「無限永久に続く素晴らしき暗黒時代を 私の名前はそれ故「黒王」なのだ」






「何か用か貧乳男女 少しはパイオツ大きくする努力をしなさいよおまえは なにそのまな板なめてんの?」

「アナスタシアって一文字たしてアナルスタシアって書くとすごいエロそうなので超インランっぽい 明日までに改名してこい」


「みなさん~~きいてくださーい~~~。この女オッパイでかくしてだってさあ~~~バッカじゃないのおーーーーーッ」

「おっぱいは 自然がいちばん」

「世界のMETSUBOU黒王のKATSUBOU。その力まさに最強SAIKYOーこの町でのし上がるぜ東京TOKYOー」






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単行本未収録のネタバレからアニメ情報まで一つも漏らすな 

丁寧に几帳面に確認し再確認し 草の根をわけて 
一切の差別無く心を込めて

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最終更新:2024年01月23日 02:58