凜央(東京喰種JAIL)

登録日:2016/02/01 Mon 14:37:15
更新日:2024/03/16 Sat 07:46:27
所要時間:約 11 分で読めます





「これはあなたの物語、あなたが死ぬための物語」



「あなたがかわりに死ぬのよ これはそういう話」



「運命は一人、死人が欲しいの」






東京喰種[JAIL]


石田スイ作『東京喰種』のゲーム版『東京喰種[JAIL]』の主人公。ゲーム版の声優は小野賢章
穏やかかつ臆病な性格の少年で、縞模様の服を好んで着用する。赫子の種類はプレイヤーの選択によって決まる。
「ジェイル事件」の容疑者としてCCGの喰種捜査官・キジマ式に兄と共に捕獲され、コクリアに収監されていた。アオギリの樹の襲撃に乗じて脱走するも、喰種捜査官の追撃を喰らって負傷し、更にキジマに遭遇して絶体絶命、と思いきや四方に助けられ、九死に一生を得る。
芳村達に事情を話した上で、表向きはあんていくの新入店員として働く(時系列的にロマのポジションに相当する)一方、コクリアに囚われた兄を助けるためにキジマが探している凶悪な喰種「ジェイル」を追跡する。


《関係者》


金木研
原作同様、反アオギリのリーダーとして活動し、強力かつ凶悪な喰種を共喰い中。
力を付ける事で大切な人達を守りたいと思っている。 暴走? するよ。勿論するよ。
利害の一致からリオと共に凶悪な喰種であるという「ジェイル」を追跡する。

【キジマ式】
CCGの喰種捜査官。階級は准特等捜査官。
「ジェイル事件」の唯一の生き残りで、過去のジェイルとの戦闘で皮膚の大部分と右足、顔面のパーツのいくつかを削がれるほどの重傷を負うも、全身ツギハギと義足で補うことで辛うじて命を繋いでいる。
物語の開始以前、「ジェイル事件」の容疑者としてリオを兄と共に捕獲、コクリアに収監した。
異常な執念の下、コクリアから脱走したリオを執拗に追跡し続ける。
ゲームにおける死神的存在であり、ぶっちゃけ特等の篠原とかよかよっぽど強い。
もうこいつ特等でいいんじゃないかな状態である。

【ジェイル】
多数の喰種捜査官を殺害し、キジマに深手を負わせた凶悪な喰種。
赫子の使用時に目元に格子状の痣が発現するのがその呼称の由来となっている。


《ジェイル容疑者》


【ルチ】
ガラの悪い男の喰種。本名は加々美竜地。
左の目元に刺青がある。Aレートの羽赫。
粗暴な性格で縄張り意識が強く、18区で暴れ回っており、喰種捜査官殺害も行っている。
実は元ブラックドーベル所属で、かつてはカヤの側近だった。
彼と関わるサブルートをクリアしていると、最終決戦にもさらっと登場する。

【ロウ】
[JAIL]版月山にしてヒロイン(作者公認)。
妙齢の女の喰種で、目元に格子状のメイクを施している。
喰種レストランの常連で、自らの美貌の為に必要以上の捕食を行い、「若さの維持には赫包の活性化が不可欠」という考えから喰種同士の共喰いも行っている。赫子は甲赫。

【キンコ】
巨漢の男の喰種で、顔面に格子状の傷跡がある。Sレート。赫子は鱗赫。
草花を愛する心優しい性格だが、ひとたび激昂すると手が付けられなくなる。
リオと同じくコクリアに収監されていたが、脱走した。

【クロとシロ(安久姉妹)】
目元に痣があるという事でまさかの容疑者入り。
というか、原作の読者の方々も彼女らの目元に痣があるなんて分からなかったのではなかろうか。


《その他》


【凜央の兄】
[JAIL]では直接登場はせず、存在のみが明かされている。Sレート。赫子は鱗赫。
ジェイルと疑われているリオを庇い、キジマに対して自分がジェイルだと主張する。
リオとは離れ離れになった現在、キジマにコクリアで拷問を受けている模様だが……?

エト
冒頭の台詞はリオに対する彼女の発言。
ゲームの達成率に応じて内容が変わり、ジェイル捜索の進捗を遠回しに皮肉を交えて教えてくれる。便利。
グッドエンドに至るフラグが立っていると、本作のテーマを語り出す。




以下、ネタバレ注意
















 僕達の運命を狂わせたのは、たしかにジェイルだった。 




 …………僕自身、だった。 






キジマの睨んでいた通り、リオがジェイルの正体だった。
潜在的に非常に強力な赫子を持つ喰種であり、ゲーム中では最終的に隻眼の梟と並ぶ最高レートのSSSレートにもなる。
かつて兄と共にキジマら喰種捜査官の追跡を受けた際、駆逐されそうになった兄を助けようとして赫子を発現し、本能のままに殺戮の限りを尽くした。自身が引き起こした凶行の記憶こそ失っていたものの、その一部始終を目撃した兄は凶悪な喰種として認識されるかもしれない弟の身を案じ、彼の力を使わせないように守っていたのだった。

キジマに告げられた、残酷な真実。

追い討ちをかけるように彼は所持していたクインケを投げ捨て、新たなクインケを展開する。




それは兄の赫包から作り出されたクインケ[ロッテンフォロウ]だった。

兄はとうの昔に殺されていた。

昂ぶる怒りと悲しみのままに、暴走する赫子。
両眼の縁から広がる格子状の痣。
これが彼の呪い。彼が背負った悲劇。

死闘の末にキジマを殺害するも、彼が背負った悲劇はあまりにも大きかった。

再会したカネキに、リオは懺悔するかのように告げる。

殺戮の喰種・ジェイルは自分自身だった。
自分がジェイルとして死んでいれば、兄は死ななかった。
自分のせいで、兄は死んだ。


自分はずっと、檻の中でもがいていただけだった。


自嘲するリオに、カネキは静かに涙を流す。

自分の為に泣いてくれる人がいたことだけが、リオにとっての僅かな慰めだった。




隻眼の梟討伐戦 -That night again-


兄も、憎むべき相手も、生きるための理由も全て失ったリオ。
反アオギリを解散したカネキが提示したのは、みんなと共にあんていくに戻るという選択だった。
リオは一旦保留にしたが、大切な人達と共に生きて生きたいという思いが芽生えていた。
またゼロから始める。生きるんだ、死んだ兄の分まで。帰る場所があることの幸せを誰よりも理解している彼の答えは、もう決まっていた。

だが、誰かの描いた物語は、悉く身勝手で、残酷だった。

突如として行われた梟討伐作戦。あの夜の再来。リオは本能的にカネキがどういう行動を取るのかを察知していた。

カネキの決意を察しながらも、リオは避けられない彼の死を感じ取る。

絶対に行かせてはならない。芳村達を助けに行こうとするカネキを止めるため、リオは再び呪われた力を解放する。その時、何故自分にこの力が与えられたのかを悟った。



これは檻だ。彼をここで捕えるための、檻。



全力を以てカネキを倒し、それでもなお死地に飛び込もうとするカネキにリオは優しく告げる。



大丈夫、カネキさん。僕が“あなたの代わり”になります。



リオは芳村達の元へ、あんていくへと走った。






―――なにも出来ないのは……もう嫌なんです





以上が[JAIL]のトゥルーエンドである。
この結果、カネキは梟討伐作戦に参戦せず生存。トーカやニシキ、四方、元反アオギリメンバーらと共に喫茶店の開店準備を進めている。
カネキの生存の結果、梟討伐作戦で亜門及び滝澤が生還。ジューゾーや篠原も負傷こそしたが、原作ほど酷い傷は負わなかった模様。
また、月山も精神を病むことはなく、キジマも死亡している為、「ロゼ」自体が現れず、『:re』で行われる筈だった月山家殲滅戦が行われなかったと思われる。
原作者の石田スイ曰く、「カネキの結末を変える為には同じ結末を迎える人物が必要」であり、リオは「カネキの代わりにルートV14で死ぬ」為に生まれたキャラだとされている。
実際、[JAIL]のシナリオではどのようにゲームを進めても、カネキかリオのどちらか一人は確実に死ぬ。
ただし、『to:reエンド』では、リオは「:re」に属し、「」が「:re」に来店した事を示唆する描写となっている。
彼ら二人は表裏一体であり、まさにリオは“カネキの代わり”と言える存在だった。




衝撃のネタバレ


この記事を読んでいる読者の方々。
みんな彼を由緒正しきゲーム定番のオリジナルキャラクターだとお思いのことだろう。

実は[JAIL]発売以前、既に原作に登場していたのである。
[JAIL]のシナリオブックには作者のあとがきの後にゲーム版に存在しないアナザーエピソードが収録されている。
これによると原作の世界観すなわち正史におけるリオはコクリア脱走時、四方ではなく、別の人物によって助けられており、四方に助けられたことが原作と[JAIL]の分岐になっていたことが判明した。
では、一体リオは今何処で何をしているのだろうか?




以下、更に更にネタバレ注意
















 メチャキュートやねえ 

 メチャおまんじゅうやねえ 


 もちもちもちもちもち 

 もちもちもちもちもち 








アオギリの樹死堪(シコラエ)

Rate:A~

Rc type:羽赫&甲赫&鱗赫&尾赫

Erased code:檻の喰種/「ジェイル」




原作続編『東京喰種:re』「ロゼ編」より登場。
「アオギリの樹」の一員となり、現在はナキ率いるヤモリ一門に面倒を見て貰っている。
少年時代の嗜好の名残ゆえか、格子を模したハーフマスクを着用し、全身縞模様の格好。
だが、かつての可愛らしい少年の面影は完全に消え失せており、髪は全く整っておらず伸ばし放題で、筋骨しなやかな長い手足はアンバランスな印象にさえ思える。
おまけに右眼は白内障のように白く濁り、左眼と焦点が合わず斜視になっている。

また、その言動は数いる喰種の中でもあまりにも異質かつ奇矯で、仲間のはずの承正にすらも「ペースが狂う」と敬遠されたり、ホオグロにも引き気味に接されたり早口言葉のお題にされたり、とネタキャラ路線を爆走邁進。
サイコちゃん見つけた初登場時の第一声なんて下を示す指記号付きで「ワオ」だし。
前述のアナザーエピソードでエトに助けられてアオギリに加入した後、カナエと同様に洗脳された模様である。

本作では、ヒナミやナッツクラッカーと同じ稀有な複合型赫子を持つ喰種であるが、彼の場合は何と4種類全種の赫子を使用する事が出来る。作中では羽赫、甲赫、尾赫を使用。
また、一応ジェイルとしての覚醒自体は果たしており、赫子の使用時に格子状の痣が目元に現れている。


劇中ではカナエの差し金でヤモリ一門がクインクス班を襲撃した際、建物裏に隠れていたサイコにこんばんわ。
ひとしきり「もちもち」した後に彼女を組み伏せ、捕喰しようとしていたが、唐突に現れたローブの大男「フロッピー」に一蹴され、腕を千切られながらも逃走。
その後は音沙汰もなかったが、月山家殲滅戦終了後に旧多くんの垂れ込みでナキらヤモリ一門の白スーツと共に遺体の移送車を襲撃、シラズの遺体を強奪した。
千切られた腕は完治している模様。ちなみに因縁の相手であるキジマはこの月山家殲滅戦で殉職している。

鉢川班がアオギリの本拠地と思しき流島へ斥候に赴いた際には、不意打ちで鉢川の鼻を食い千切って再登場。
ヤンジャン掲載時の時期が時期だっただけにバレンタイン・デイ・キッスである。誰得だよ。
初登場時あまりにもあっさりやられたことからやはり多くの読者にも戦闘能力は低いと思われていたが、尾赫で鉢川にトドメを刺した上に即座に羽赫を発現させ、トオルと穂木を追撃、二人を撤退に追い込んだ。
防御面でオウルのアシストがあったとはいえ、実力者揃いの三人を圧倒した。


それにしても。それにしてもである。
あのリオくんが、あの可愛らしかったリオくんが……
ニコに情報料の代わりとして接吻を迫られた時なんか、流石にイトリさんが止めてくれたものの、(さようなら……僕の……)なんて感傷に浸っていたくらいのいたいけなあの少年が……


「折るよ~ 動くと折るよ~」「骨折るよ~」

「ええの~ ええの~ ええのん~」「のん」

「ハラペコや~」「のんのん のん のののん」

「あびげっ!!」「腕とれてん」「痛いやないの」「あぶろぼあ…」(ドサ・・・)




何なの? のんのんびよりなの? ……うん。


ど う し て こ う な っ た 。


虫も殺せなかったようなあんな良い子をここまで洗脳するとかエトしゃんマジダーティ。




「シコラエ(つち)ダンゴ3コこしらえた」と早口言葉で言えたら追記修正してくだ……あっ
スイヤセン兄貴! フリガナ! フリガナ振っときましたからマジ勘弁!!

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最終更新:2024年03月16日 07:46