ガラヤカ(電脳戦機バーチャロン)

登録日:2016/01/30 (土) 11:49:42
更新日:2023/07/17 Mon 14:57:31
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電脳戦機バーチャロンフォース」に登場するバーチャロイド。型式番号はTG-11-M。



-[ ◇概要◇ ]-

幼女だれがどうみても幼女
正確には魔法幼女
多分元ネタは時代的にコレ

そのピンポイント爆撃機の様なキャラによって一躍プレイヤー間での人気機体に躍り出たが、支給率は全VR中トップクラスに低く、数多のお兄ちゃん志願者の100円玉を蕩尽させた罪深き幼女である。


『TG-11-M ガラヤカ』

木星継承戦争の時代、新興のブランドである「TRANS AFG」が発売したバーチャロイド。

その特徴的なスタイルによって限定戦争で人気を博したが、
機体自体は小型ながらパワフルで、外観に見合わない高い攻撃性能を持つ。

特に主兵装である『プチ・プル・ニュィ~ン・バトン』(略称:ププルニュ・バトン)は、
SGV-017系列などに採用実績のあるパーシャル・コンバート技術を用いて多様な形態に変形することが可能。

火器として使用する場合は、超高エネルギー充填弾『ちちん♪ぷいぷいん』(略称:ぷーぷ)と時空破断烈風波『ルルルのラララン』(略称:ラーラ)を使い分ける。

さらに攻撃機的な運用を考慮した副武装として、次元震動弾『おめめ☆まんまるくん』(略称:めーめ)、対VR爆雷である『ないしょ・で・こっそり』なども搭載している重装VRでもある。



※この時点で目まいがしてきた人もいるかもしれないが、あなたの精神は正常なのでご安心ください。



-[ 開発経緯 ]-

FR-08を権力闘争の末に放逐された前総帥リリン・プラジナーは、ある目的のために強大な力を必要としていた。
それは各企業国家の横槍をはねつける権力であり、またその実働部隊を実力で排除できる軍事力であり、そしてそれらを可能にする資金力であった。

これらをまとめて達成すべくリリンが設立したのが、新VR開発ブランド「TRANS AFG」であった。
その特徴を一言で表すなら、「キュートな少女型VR専門のファッショナブルブランド」である。

限定戦争というエンタメ興業において、「女性型VR」という存在がどれだけ重要なファクターなのかは言うまでもない。
現にオラトリオ・タングラム戦役当時、限定戦争の視聴者からRNA陣営は大きな支持を得ていたが、その人気の大部分は彼らが先んじて運用していた第二世代「フェイ・イェン」タイプに由来している、という調査結果もある。
このwikiにつづられたアニヲタ諸氏の数多の妄執愛を顧みるまでもなく、ヒロインなしでは普遍的エンターテイメントなど成立しえないのである。

リリンはこの点に目をつけ、全世界に知悉されている自身のキャラクター性を最大限に利用した。
「女性がプロデュースした、本当に少女らしい少女型VR」というブランド性を前面に押し出して、限定戦争市場の視聴者から絶大な支持を得ることに成功。
瞬く間にシェアを拡大してAFGを一大ブランドに成長させたのである。現実でいえばおしゃれな芸能人が自分のブランドを立ち上げる様なものか。


更にAFGの中核となった技術者達は、かつてオラトリオ・タングラム戦役当時の傑作VR『HBV-502 ライデン』を生み出したDD-05プラントに所属していたスタッフ達であった。
DD-05はFR-08の謀略に翻弄された挙句に倒産しており、そのスタッフ達は憎むべきFR-08やライバルであったMV-03に吸収されることをよしとせず、多くが野に下っていたのである。
リリンはそんな彼らを取り込んでブランドの技術基盤としたため、新興のブランドながらその技術力は決して他のメーカーに劣らなかった。
このためAFGが生み出したVR達は、ポップでキャッチーなキャラクター性を持ちながら、一面で兵器としての確かな地力も持っていたのである。

そんなVR群の一つであるTG-11-M『ガラヤカ』も、やはり明確な少女…いや幼女型として作られたVRである。
他のAFG製VR同様、その基礎構造はリリンの父にしてVR開発の祖であるプラジナー博士が創出したオリジナルVRに由来するが、戦闘用であるTG-11-Mとはかなり構造上の差異が存在する。
(オリジナルVR:世界に3種1体づつしか存在しない「電脳虚数空間を自在に行き来する存在」という本来の意味での『バーチャロイド』。それぞれが固有の人格を持っている)


-[ オリジン ]-

原型となったのは、VR-011こと『アプリコット・ジャム』
型式番号の法則性から推定するに、おそらくオリジナルの精神・外見年齢は11歳のそれだと思われる。ありがとうございます!

プラジナー博士はかねてより、電脳虚数空間に封印されている破壊衝動の権化『幻獣ヤガランデ』の存在を危惧しており、人類が電脳虚数空間の活用を本格化させる前に、なんとかこれを無力化する事はできないかと考えていた。
そして考えられたのが、「ヤガランデの一部をあえて通常空間に実体化させ、それを制御する事で間接的にヤガランデ本体を制御する」という方法だった。
ヤガランデの破壊衝動には幼児的ともいうべき無邪気な側面があり、その部分に絞って実体化させれば、子供をあやす様に制御することも可能だと思われたのである。
そのために作られたVRこそがVR-011だった。幼女を模したフォルムを持つのはこのためである。
博士の想定通り、ヤガランデの一部は特殊なVディスクにうまく蒸着し、そのディスクを搭載したVR-011を介することで、その人格とコミュニケーションをとることも可能となった。

だが、ヤガランデの破壊衝動は博士の想定を軽く上回っていた。彼女の破壊衝動はその幼児性と分離することなく、無邪気な破壊神という究極的な二面性を持つ危険なVRと化してしまったのである。
プラジナー博士はやむなくVR-011を封印するが、しかし彼女の強すぎる破壊衝動は時々そこから漏れ出し、電脳虚数空間を経て世界のあちらこちらで実体化した。
一体化したVR-011の影響なのか、実体化したヤガランデはVRに近い人型ロボット的な外観になっており、『幻獣戦機ヤガランデ』として恐れられた。


-[ 機体構造 ]-

構造としてはあらゆる意味で特徴的すぎる機体だが、その原因はVRとしては異例のサイズに由来する。
一般的なVRの頭頂高が15m程度なのに対して、ガラヤカはその半分程度の大きさしかないのである。
当然この大きさではVコンバータとコクピットが胸部パーツに収まらないので、VRの心臓であるそれらのユニットは頭部、というか帽子部分に搭載されている。
すなわちこのVR、「帽子が本体」を体現している。

Vコンバータ自体は一般的なVRと同サイズなので、そこからもたらされるVRの実存強度も同等ということであり、小型だからといって性能面で他のVRに劣るということはない。
が、ウェイト差は当然ながら格闘戦での不利に直結するし、ぎっちり中身がつまった帽子によるトップヘビーな重心のため転倒もしやすい。また小型の機体に複雑な機構と重装備を内蔵しているために、おそらくは整備性もよろしくない。
と、基本的に実用面でいいことは何一つない。強いて言えば投影面積は小さくなるが……。


当然、運用サイドから「なんでこんなに小型化したの?」と聞かれることになったが、開発者側はその件に関しては口を濁しているため、彼らの趣味ゆえだと世間では思われているらしい。
もっとも、限定戦争で用いられる兵器としては、こういった強烈な個性は視聴者への大きなセールスポイントになり得るため、キャラクター性の確立という面からは決して無駄な構造ではない。
というよりこのVRは大前提として「魔法少女」というキャラで設計されているため、多少の性能は犠牲にしてでもその点を追及したのだろう。
つまり視聴者の趣味に合わせた結果なのである。このロリコンどもめ!


新開発された主武装は、明らかな魔法のステッキこと『プチ・プル・ニュィ~ン・バトン』(略称:ププルニュ・バトン)。ちなみに正式名称である。
これはパーシャル・コンバート技術(機体構造の一部だけにリバース・コンバートをかけて、一時的にまったく別の形状に変形させる技術)を利用した形状可変兵装で、単体で複数種類のエネルギー弾を撃ち分けることができる。
更に機体の機動を補助するサブコンバータとしての役割も持っており、通常モードである『ふつぅ~』形態から、跳躍補助形態である『ふわぁ~ん・ふろむ・ざ・すかい』形態、高速巡行時には突撃形態である『きゅぃ~ん・ふろむ・ざ・すかい』形態へと瞬間的に変形する。ちなみに無論これらも正式名称である。
副兵装として強力な爆装も施されており、本体の小ささに対して極めて強大な火力を発揮する攻撃型VRとして仕上がっている。

そして極めつけの機能として、オリジナルである『アプリコット・ジャム』の機能の一部を模した『幻獣戦機ヤガランデ』へのコンバート機構『まるまるやがやがくるりんぱ!』も備えている。ちなみに(ry
実際のヤガランデに比べればはるかに小型で戦闘力も低いが、それでも通常型のVRとは段違いの圧倒的な攻撃力を発揮できる。
ただしこのモードが、あえて装備されたものなのか、それともコピーの過程で排除できなかったオリジナル由来のブラックボックスなのかは定かではない。


欠点として、あまりに特徴的な機体構造から、操作難度が極めて高いVRになってしまっている。
トップヘビーで不安定な機体は動かすだけでも一苦労であり、搭乗者にはかなりの負担がかかる。
更にこの場合の負担とは、肉体的な負担だけを意味するわけではない。

機械と人間の脳波を同調させるM.S.B.Sを操縦システムとして持つVRは、搭乗者の自然な動きをトレースすることが可能である。
つまり実際のゲーム中で見られるアファームドのマッシブなモスト・マスキュラー、フェイ・イェンのキラッ☆な勝利ポーズなどは、あれは中の人の本来の動きをトレースしているのである。
したがって常に視聴者を意識しなければならない限定戦争では、角刈りマッチョなアファームドにはごついおっさんパイロットが、フェイ・イェンにはたおやかな女性パイロットが用意されるのが一般的である(例外もそれなりに存在する)。

では幼女を模したこの機体は、どんなパイロットの動きをトレースすればいいのだろうか?
もちろん、実際に幼女を乗せるという手もある。現に一部部隊では特殊な幼女パイロットを乗せて戦闘を行っていたという事例もあるが、子供にVRを操縦させるのはさすがに色々と問題があるし、質と数の確保も難しい。
よってまともに運用するためには通常の成人パイロット、しかもピーキーなTG-11-Mを手足の様に扱いうる熟練パイロットが搭乗しなければならないわけだが、そのために彼らに課された訓練は恐るべきものであった……


「きゅ、ぃい~んっ」(舌足らずの幼女ボイス)

「キュイーン!」(成人男性のテノールボイス)

「ふぉむっっ!」

「フロム!」

「ざかぁーいっ!」

「ザ・スカーイ!」

「ちぁう!ざ、くぁーいっ!」

「す、スカーイ!」

「あはははははは」


そう……パイロット達を待ち受けていたのは、幼女達のお遊戯の中に混じり、上官である彼らから直接指導を受けるという(精神的な意味で)凄まじい訓練であった。
そして(精神的な意味で)地獄の訓練を終えたパイロット達は戦場に赴き、硝煙が漂いエネルギーの飛沫が弾ける中、VRのコクピットの中で習い覚えた幼女のポーズを披露せねばならないのだった。


-[ 活躍 ]-

新型VRのデビューとしてはそれほど珍しくないことだが、初期ロットはRNA火星方面軍(mRNA)と発売後一年間の独占販売契約を結んだ上で販売された。
当時mRNAは火星圏の戦闘興業の主導権を握るために大規模な戦闘キャンペーンの開催を企画しており、その興業の目玉としてガラヤカの個性に目をつけたのである。

契約は成立し、初期ロットである48機は「JAK48」というなんか聞き覚えのあるグループ名を与えられ、デビューと同時に各戦場に一斉投入され話題をさらう手はずであった。4thは2001年稼働でAKBは2005年だから順序が違うとかいうのは色々あるのでまあ忘れておけ。
が、発売前にガラヤカの機体に不具合が発見されたためキャンペーンは延期。しかもその間にmRNAの敵対勢力であるマージナルが、入手経路不明のガラヤカ系のVRを独自に運用していることが発覚するという最悪の事態へと発展する。

なし崩し的なグダグダデビューとなったTG-11-Mだったが、その特徴である「強烈なキャラクター性」「極めて高いリアリティ」という二本柱から生まれた希少価値は、ガラヤカの強力なセールスポイントであり続けた。


-[ 暗黒面 ]-

最早公式が病気としか言い様がないトチ狂ったVRであるが、その「病気」というのはいささか冗談では済まない領域に達してもいる。

そもそもバーチャロイドとは限定戦争という闘争興業に用いられる機材であり、更にこのVRのコンセプトは幼女型戦闘VRである。
よく考えてみれば、この時点で正常な神経の持ち主ならどこかおかしいと思っても不思議ではない。
それは極論すれば「子供の殺し合いを見て楽しみたいがそれはできないので、代わりになる子供型ロボットに殺し合いをさせよう」という発想と同質だからである。

更に。先にTG-11-Mを運用していた部隊の一部で、VRに自然な動きをさせるために実際にパイロットして特殊な幼女を用いていたという話をしたが、その「特殊な幼女」とは、正確には人間ではない。
法的に自立していない人間の子供を使うことは法律も、そして視聴者も許さないので、『人工素体』と呼ばれる使役用の人工生命体を流用しているのである。
使役用なのに労働力にならない幼女型が存在しているのは、本来は性的用途目的で作られたものであるため。
彼女達は見た目も人格も年相応の人間の幼女だが、しかし人間ではないし、人間扱いもされない。
更に特殊な趣味を持つ所有者がその手の行為に及んだ時に不快感を感じない様に、血液からはバナナシェイクフルーツポンチの匂いがするという胸糞の悪くなる様な機能まで持っている。

電脳歴という社会は、華やかで精緻なコマーシャリズムの輝きに照らされる一方で、グロテスクな偽善、刹那的な享楽がどす黒く揺蕩ってもいる。
「限定戦争」という一見人道的かつ合理的な、しかし何かが致命的に狂っている機構は、そんな時代の表象に他ならない。
TG-11-M ガラヤカというVRが生み出され、そして人気を博しているという事実こそが、それを証明していると言えるだろう。


-[ ◇ゲーム内性能◇ ]-

  • LW:次元震動弾『おめめ☆まんまるくん』
  • RW:超高エネルギー充填弾『ちちん♪ぷいぷいん』
  • CW:時空破断烈風波『ルルルのラララン』

ぶっ飛んだ外見とサイバーパンクな設定に反し、実はかなりスタンダードな武装がそろった堅実な軽量高機動タイプ。
装甲の薄さと高誘導の空中ターボウェポンのため、援護機と呼ばれることが多いが、前ダッシュビームのおかげで主戦機とタイマンを張れる性能も十分にあるので、万能機と言ってもよい。

武装が非常に粒ぞろいで、全VR中屈指の高性能を誇る万能前ビを軸に援護、被放置、壁越し、外周と、ほとんどの状況で有効なカードを切れる対応力がある。
ただしあくまで有効なカードがあるだけで(それだけでも十分なではあるが)、すべての武器が有効なわけでは決してなく、むしろ死に技は他機に比べても多め
具体的に言うと立ち・歩き攻撃のほぼ全て異様な硬直のせいで基本封印安定である。

また、硬直を取れる武装は多いが、けん制で垂れ流せる武装が極端に少ないという欠点もある。このため削り合いを主体とするタイプの主戦機に張り付かれるとやや辛い。
一体相手ならその高い援護力が逆に活きるので別に問題はないが、テムFやアファCなどの削れる主戦機からダブルアタックを受けるとヤバイ。
装甲の薄さとJ横ダッシュのヘボさのせいであっという間に削られ、チーム耐久を派手に献上してしまうのだ。

とはいえ、総合的に言えば防御面の弱点を高い攻撃性能が十分に補っており、柔軟な役割スイッチ力も含ればかなりの強機体と言える。
特に箱◎版では野良チームが基本なのでどうしてもタイマン×2の形になりやすく、高い援護力を持ちながらタイマンも十分にこなせるガラヤカはなかなかの人気を誇る。

『まるまるやがやがくるりんぱ!』?あれは忘れろ。




「つぃーきっ、しゅーせぇけてぃ!」

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最終更新:2023年07月17日 14:57