アル=ヴァン・ランクス

登録日:2016/01/29 Fri 01:53:14
更新日:2022/06/06 Mon 20:58:09
所要時間:約 9 分で読めます






サイティング終了。

許せよ、この場に居合わせたお前たちが不運だったのだ。
せめて苦しみや恐怖もなく終わらせてやろう



スーパーロボット大戦J』の登場人物。

CV:石川英郎(OGシリーズ)

【概要】

本作に登場するオリジナル敵勢力「フューリー」の民であり、グ=ランドン・ゴーツ率いるフューリア聖騎士団に所属する騎士
乗機はラフトクランズ

フューリーの皇女であるシャナ=ミア・エテルナ・フューラの従兄にあたる。

約40億年の眠りから覚めたフューリーの戦力を整えるために本編開始以前から地球で活動しており、身分を偽って地球連合軍に在籍していた。
その頃にカルヴィナ・クーランジュと恋に落ち、彼女と共にアシュアリー・クロイツェル社へと入社した。
同社の月支部で兵器開発プロジェクトにかかわっていたが、それは地球侵略の任務の為にアシュアリー・クロイツェル社を利用していたに過ぎず、その目的のためにカルヴィナをも犠牲にする非情な決断を下す事となり、証拠隠滅に月支部を開発施設ごと破壊、その結果カルヴィナを除くスタッフが全員死亡した。
ちなみに本編での会話から判断するとカルヴィナだけは殺さずに見逃していた節があり、のちに彼女と再会した際には「どこか別の場所で生きていて欲しかった」と吐露していた。

その後、師匠であり、紫雲統夜の父親であったエ=セルダ・シューンがフューリーの地球侵攻を阻止するためにラースエイレムキャンセラーを密かに開発。加えてアシュアリー・クロイツェル社で友人となった開発者フランツ・ツェッペリンと共に主人公機を開発し、対フューリーの唯一の切り札を生み出していた。
裏切り者の粛清を命じられたアル=ヴァンは断腸の思いでエ=セルダを手にかけてしまい、カルヴィナの件もあって自身の心に暗い影を落としてしまう。

意図しなかったとはいえ、上記の行動によって結果的に統夜およびカルヴィナとの因縁を作る事となり、のちの本編に至るまで尾を引く事となる…



【劇中の活躍】

フューリーが40億年以上かけてテラフォーミングした地球移住の障害となる地球人の排除を命じられ、そのための戦力増強と部下達の戦闘訓練を地球のアシュアリー・クロイツェル社で完了させたのちに本格的な活動を開始した。
本編の序盤では、総代騎士であるグ=ランドン・ゴーツの指示で指揮官として作戦の指揮を執って弟子のジュア=ム・ダルービと共に特務分艦隊と戦闘を繰り広げた。
当初はラースエイレムの恩恵で有利に運んでいたが、エ=セルダが実験体の3人娘に託したラースエイレムキャンセラーを搭載した主人公機の存在によってフューリーの戦力が徐々に押され始め、更にはその機体の搭乗者の素性が自身と因縁のある主人公だと事を知ってしまう。
その一方で、女騎士フー=ルー・ムールーが裏方で人類同士を共倒れさせる作戦を順調に進めていた。


「おろかな…フー=ルーの仕掛けに踊らされたとはいえ、何故かくも同胞同士で殺し合うか、種としての未来を自ら閉ざすか。地球人よ…」

「あはははは、地球人はやはり滅びたがっているのですよ。おかげで俺達は楽が出来る」

「自ら手を汚さぬ戦いを、喜ぶ気にはなれぬ」

「なるほど、それでこうして最後の仕上げに出て来られる。さすが我が敬愛する師にして主、アル=ヴァン様」

「騎士なら軽口を叩くな。行くぞ」

「ははっ!」


中盤では主人公との決着を付けるため、オーブで連合軍に追い詰めれていた特務分艦隊に攻撃を仕掛けた。
だが、主人公との一騎打ちで相打ちという形でお互いの機体が大破してしまった。
そして、この時点で地球人の排除に迷いが生じ始めたアル=ヴァンがフューリーと地球人との関係を話そうとしたところ、その様子を見かねたジュア=ムに制止され、更に追い打ちをかけるかのごとく乗っていたラフトクランズが戦闘のダメージで爆散、ジュア=ムと共に爆発に飲み込まれてしまった。

その後、奇跡的に生還して本拠地に戻ったのだが、前述の件に加え、地球侵攻の再考をグ=ランドンに申し出た事が原因で彼の不興を買い、指揮官の座をはく奪される形で失脚した末に姿を消してしまう。
これ以降はしばらく登場せず、残されたジュア=ムは準騎士から騎士に昇格、フー=ルーが後任の指揮官となっていたのだが、自身の失脚はジュア=ムの心に深い傷を負わせ、彼が終盤に至るまで騎士にあるまじき暴走を繰り返す要因になる等、フューリーに強く影響を残した。



【以下、ゲームの後半のネタバレにつき閲覧注意】














遠き古の罪業をまたも繰り返すか、グ=ランドン!


最終話にて、グ=ランドンに苦戦する主人公達の救援に駆けつけ、妄執にかられ敵も味方も関係無く全てを道連れにしようとするグ=ランドンに反旗を翻し、フューリーと地球双方の未来のために戦うことを決意したのである。

ステイシス・ベッドで眠っている同胞の生命エネルギーで無限に再生するズィー=ガディンの弱点がオルゴンエクストラクターである事を主人公達に伝え、彼らと共にオルゴンエクストラクターを全て破壊。
そして、主人公達との共闘によってグ=ランドンの暴挙に終止符を打つ事に成功した。

運命を受け入れよ。グ=ランドン総代騎士。千億の素粒子となって宇宙へ還れ…そこで同胞と相まみえるがいい

その後、ズィー=ガディンが撃破されてもなお流出し続けるオルゴン・エナジーを止める為、主人公と共にガウ=ラ・フューリアの中枢部へと向かうのだが、アル=ヴァンの結末はルートによって異なる。








【OGMD】
今作では立ち回りが大きく変更されている。境遇は主にJにおけるカルヴィナルートに準拠。
乗機の名称がラフトクランズ・アウルンに変更された。

純血を尊び地球人を見下す考え方の根付くフューリーにあって、地球人との融和を模索する「同化計画」には懐疑的な立場を取っていた。
アシュアリーには「アリスター・リンクス」という偽名で入り込んでいて、この頃にカルヴィナと交際しており、お互い「アリー」「カリン」と愛称で呼び合うほどの仲だった。
このことが理由で地球人に対する蔑視の考え方はなかった。

その後、逼塞した事態を打開しようとグランティードを持ち出した師エ=セルダを止めるべく出撃。
武技の師を相手に互角の戦いを繰り広げていたが、鍔迫り合いに持ち込まれたところに背後からいきなり撃ってきたカロ=ランの奇襲を受け、エ=セルダは負傷。それでもゴタゴタの隙をついて月面に出た彼を追い、アル=ヴァンも外へ飛び出した。

だがこの時、グ=ランドンの命令で同化計画の拠点でもあったアシュアリー・クロイツェルを諜士のソ=デス・ズォーが襲撃しており、アシュアリーは既に壊滅状態となっていた。
ソ=デスはエ=セルダが退け、生き残っていたカティアとメルアは彼が保護して地球へ向かったが、アル=ヴァンが駆けつけたのはすべてが終わった後だった。
しかも折り悪く、予定を早めてテスト飛行していたカルヴィナとテニアの乗るベルゼルートが戻ってきたため目撃されてしまう。

事情が事情だけに素性を明かすことも背景を説明することも出来ないまま、やむなくその場を撤退したものの、これが原因で長らくカルヴィナから仲間の仇として狙われることになる。

その後はグランティード奪還の傍ら、カルヴィナの誤解を解いて彼女を保護しようと悪戦苦闘していたが、憎しみに支配された彼女は聞く耳を持たず、最後の激突で真相は伝えたもののフー=ルーの介入で撤退を余儀なくされた挙句、騎士団からも除名され幽閉の身となる。(カルヴィナの誤解はその後、グランティード奪還任務を終えたソ=デスとの戦いで解けている)

それからしばらくはガウ=ラの独房にいたが、鋼龍戦隊が衛星軌道に出現したガウ=ラに攻め込んで来た際にフー=ルーによって外に出され、トーヤ達と共に戦うシャナ=ミアを守るべくラフトクランズ・アウルンで出撃、戦隊に合流する。(もっとも、これが原因でジュア=ムが完全にキレて暴走することになったが……)

すべてが終わった後はカルヴィナとも復縁、フューリーの騎士としてゾヴォークに向かう同胞達を守り続けることになった。




【関連人物】
フューリア騎士団の長。
当初は彼の命令には忠実であったが、次第に彼の徹底した種族至上主義に疑念を抱き、最終的に離反した。


フューリーの準騎士。
師匠であるアル=ヴァンを強く尊敬しており、彼が失脚した際には精神的ショックを受けて凶暴化。
結果的にその原因を作った主人公達に対して憎悪を爆発させた。
この点だけを見れば、曲がりなりに強い忠誠心と言えるが、本質的には忠誠心を通り越して狂信、あるいは盲信とも言っていいレベルに達しているともとれる。


フューリーの女騎士。
失脚前から登場しているものの、アル=ヴァンと直接絡む描写は無い。
アル=ヴァン程ではないが、フューリーにおいてはマトモな人格の持ち主であり、アル=ヴァンの失脚後はグ=ランドンやジュア=ムの暴走ぶりに振り回される羽目になる。


フューリーの皇女である従妹。
友好的な性格であり、創造主の名の下で地球人を滅ぼして地球に移住しようとするフューリーの現状に心を痛めている。


  • エ=セルダ・シューン
師匠であり、「大戦の英雄」と呼ばれたフューリーの騎士。
本編開始前にフューリーを裏切った彼をやむなく手にかけてしまう。


エ=セルダの息子である男主人公
当初はエ=セルダに息子がいた事実を知らず、中盤以降で統夜の存在を初めて知る事となる。
エンディングによってアル=ヴァンと統夜の立場がある意味で逆転してしまう。


かつての恋人である女主人公。
アシュアリー・クロイツェル社での一件で結果的に彼女の人生を狂わせてしまい、本編で再会した際には当然激しい憎悪を向けられてしまう。
その経緯から幾度も交戦するも、彼女への愛を捨て切れておらず、自分達のもとへ来るよう説得を試みる場面もあった。
エンディングでは復縁を果たしている。


幼い頃にフューリーに誘拐され、実験体として育てられた地球人の少女達。(OGMDではトーヤと同じく地球とフューリーのハーフに変更された)
とある場面では3人全員でアル=ヴァンと一緒にぎゅうぎゅう詰めでラフトクランズのコクピットに乗りこんでいた。お前ら爆発しろ!


  • フランツ・ツェッペリン
アシュアリー・クロイツェル社時代の友人。
アル=ヴァンの正体に気づいていた模様。







【備考】

アル=ヴァンがフューリー再興のために尽力し続けてきた騎士であることは覆しようのない事実である。
しかし、そのためにとった手段は全く褒められたものではなかった。

シャナ=ミアやエ=セルダに次いでフューリーの中では良識的な人物であるが、弟子の教育に関してはプレイヤーからは疑問視されており、本編後半で弟子のジュア=ムが騎士とは思えない暴挙を繰り返した点を考慮すると、人間的にどこか中途半端な部分があったと思われる。

自身が失脚したのが一番の原因であるが、それ以前から軽率で自惚れが強いジュア=ムの悪癖を直すような事をせず、叱責する時でさえも強く咎める事なく口頭注意だけで済ませる等、詰めの甘い部分もある。
のちの『第2次スーパーロボット大戦Z』に登場した騎士であるシュバル・レプテールジェラウド・ガルス・バンテールと比べると、騎士としての器や指導がイマイチだったのかもしれない。

おまけにカルヴィナとのイベントに代表されるように、本編の描写を見る限りでは、公私混同が見え隠れしている優柔不断ぶり、目の前の相手には優しくできても大きな目線で自分の行為を省みられない想像力の欠如を見せていた。



【余談】

アル=ヴァン専用ラフトクランズの必殺武器の元ネタと思われるダイゼンガーに乗るゼンガー・ゾンボルトとは、大剣(というより斬艦刀)使いという共通点や、騎士であるアル=ヴァンに対してゼンガーは武士、
良くも悪くも優柔不断なアル=ヴァンと良くも悪くも己の道を突き進むゼンガーという好対照性から、両者の対決に期待するファンも多い。






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