テムジン(電脳戦機バーチャロン)

登録日:2016/01/27 Wed 12:52:42
更新日:2024/01/02 Tue 08:19:26
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電脳戦機バーチャロン」の看板キャラにして主役機。
青と白を基調としたヒロイックなカラー、「スニーカー」と呼ばれる足部分をはじめとしたスポーティなスタイリッシュさがかっこいい人気機体である。
ゲームに登場した各テムジンは大きく3世代に分けられるが、実はそれぞれの開発経緯は全く異なり、初代テムジンが改良されて延々と使われているわけではない。

本項では、各作品に登場する機体ごとに解説を行う。



MBV-04-G テムジン(OMG)

栄光の初代テムジンにして、商用化された最初のVR。開発担当はVRそのものの産みの親でもあるダイナテック&ノヴァ社(DN社)の0プラント
MBVはMain Battle Virtuaroid 即ち主力戦闘バーチャロイドの略。04というのは、開発素体となったXMU-04からそのまま継承している。

-[ 開発経緯 ]-

兵器としてのVRが誕生したのは、そもそも全く異なる二つのプロジェクトが合体した結果によるものだった。

一つはXMU(eXperimental Master Unit)プロジェクトで、これは限定戦争のための巨大人型戦闘兵器の開発計画である。
(限定戦争とは、平たく言えば「エンターテイメントビジネスとして完成されたエクストリームスポーツ風の戦争」である。従来の政治闘争の一局面としての面を持ちつつ、その全てが営利活動の一貫として行われる。実際に命を賭けている兵士も、興業元や興業チーム(軍)と商業契約している“選手”に近い存在である)
限定戦争「市場」においては「やっぱ人間同士が直接戦うのって興奮するよね!」という根強い需要がある一方、
「いやーでも血とか内蔵とかグロくて無理無理、ユッケとか食べられなくなっちゃう」という忌避感もまた一般的だった。
このため企業国家の最大手であるDN社は、「なら巨大な人型兵器に戦闘させれば、興奮する上にダイナミックで、しかもグロくない!これは売れる!」という発想に達し、XMUプロジェクトを立ち上げたのだった。
しかし開発は難航し、結局「現在の技術では満足な人型兵器を作ることは非常に難しい」と結論され、一旦この計画はお蔵入りとなる。

さてここで登場するのが、もう一つの計画、0プラントで進められていたV.プロジェクトV作戦ではない)である。
これは月の非人類起源の遺跡から発掘されたオーバーテクノロジーに対する研究・実用化計画で、それに伴う一連の実験では、人間の精神によってコンピュータ制御を行うOSであるM.S.B.Sが使われていた。
M.S.B.Sは本来XMUのために開発された制御OSであったため、このプロジェクトによって得られたオーバーテクノロジーはXMUへの転用が容易であった(正確に言えばXMU以外への技術転用は難しかった)。
また当時0プラントは相次ぐ実験の失敗で予算打ち切りの瀬戸際にあったため、「この研究を進めれば、こんなことだって可能になるんですって!だから予算ちょうだい!」とアピールするべく、
XMUプロジェクトの実験機を魔改造。実際の限定戦争への投入を行った。ここで使われた機体がXMU-04とXMU-05、後のテムジンとライデンにあたる機体である。

-[ 機体構造 ]-

XMUプロジェクトの素体をそのまま使用していることもあり、非常にオーソドックスで汎用的な設計……ではないのだ

当機の開発時、兵器としてのVRの方向性はまさに手探り状態であり、頻繁な実証テスト→フィードバック→テストが繰り返された。
こうした頻繁なフィードバックに対応するため、VR本体ではなくその武器の方を改良していく方針が採られたのである。
対して、初期の2足歩行型高速機動システムは主武装が大型の重量兵器であることも相まって当然のように不安定であったが、実戦で得られた結果に対し忍耐強い改修作業が継続された。

結果、主武装である「M.P.B.L.-7」は頻繁な大改修が繰り返され完成度を高めていった一方で、本体の方はそのビームランチャーの運用装置として特化していくことになった。
つまり人型兵器としてのテムジンは、まさに「ランチャーが本体で、人型ボディがおまけ」というかなり異形の機体なのである。
※戦車などで砲塔と車体に分けられるものがあるように、火砲とその運用のためのキャリアという構造自体は陸戦兵器としてはさほど特異ではない。

しかしランチャーに戦闘機能の殆どを依存している分、装甲や機構に無駄が少ないテムジン本体の基礎スペックは非常に高い。
当機の成功を皮切りに多様な第一世代VRが登場してくるが、最初期の機体でありながらテムジンの運動性、防御力はそれらの新鋭機にまったく劣らなかったのである。

-[ 活躍 ]-

満を持して導入されたテムジンは、従来兵器を自在に蹂躙する圧倒的な戦力で限定戦争の視聴者に期待通りのインパクトを与え、限定戦争市場において人気を博することに成功した。
巨大な人型兵器が暴れるダイナミズム、特にテムジン同士での白兵戦は大人気となり、この点をより強化した後継機であるアファームドの開発にも繋がっている。

また、純粋に兵器としての面から見てもテムジンは非常に優秀な機体だった。
後続機であるベルグドルなどの完成度の低さ、それに由来するVRセールス全体の不振から、VRという兵器自体に否定的だったDNA(DN社最大の限定戦争業者)でさえ、「唯一まともなVR」として高い評価を与えていたほどである。
そのためオペレーション・ムーン・ゲート後にDN社が倒産した後も、独立限定戦争業者となったDNAの主力VRとして運用され続けている。
廉価OEM仕様である系列機10/80も含めればベルグドルに次ぐ生産数を記録しており、しかもベルグドルより遥かにまともな機体だったため重宝された。

圧倒的な戦闘力差がある第二世代VR(オラタン仕様機)の登場後も、なかなか第二世代VRの配備が進まないDNAの暫定主力機として大活躍。
数が絶望的に足りないライデン、どんなに群れても無双のザコ兵ぐらいの扱いしかされないベルグドルと違い、テムジンや10/80なら数とパイロットの技量次第では、何とか食らいつくことも不可能ではなかったのである。

-[ ゲーム内性能 ]-

専用BGMは「In the Blue Sky

設定通り、スタンダードタイプながら走攻守に優れた万能機。器用貧乏ではなく器用万能である。
OMGにおける強キャラトップ3と言えばこのテムジン、アファームド、それにバル・バス・バウであったが、
アファームドは距離無制限の八つ橋という胡散臭い挙動ただ一点に地位を依存しており、バル・バス・バウはわからん殺しマスターに近いところがあるので、実質的にテムジンこそが最強と言ってもよい。

万能武装の代名詞だったしゃがみRWも強力だが、それ以上に当時のテムジンはLWがかなり狂っていた。
相殺性能・判定持続に優れる上にリロードもなかなかで、とりあえず撒いておくだけで相手の択をかなり制限することができた。
あとしゃがみボムが近接信管なため、近距離で投げるとタイムラグほぼ0で爆発する。
おかげでいきなり全部の攻撃をかき消すバリアを貼られて(アファームド以外は)近接モーションに入っててもノックバック喰らって逆にぶった切られるという理不尽を味わう事に。
圧倒的な出し得攻撃であり、対戦相手からは「ボムジン」と呼ばれウザがられる羽目に。
そら試合時間の1/3がボムバリヤーで無敵なら厨扱いされても仕方がない。

-[ 系列機 ]-

10/80

MBV-04のOEM生産仕様。読み方はテンエイティ。詳細は項目参照。



MBV-707-G テムジン707G(オラトリオ・タングラム)/MBV-707-J テムジン707J(フォース・マーズ)

第二世代テムジン。名前は同一で意匠も受け継いでいるが、実は技術的にはMBV-04と直接の関係はない。
キャッチコピーは「高汎用性標準機体」
開発・生産は旧DN社第7プラント「RP-07」が担当。

-[ 開発経緯 ]-}

OMGが終結して数年後、演習中のDNA部隊が「Rna」を名乗るVR部隊に襲撃される事件が起こった。彼らが運用するVRは従来機とは次元が違う超性能を持ち「第二世代型VR」と名づけられた。
当時のDNAにはこれに対抗できるVRがまったく存在せず、DNAの親会社となった旧第8プラント「FR-08」は、第二世代VRの開発を急遽各プラントに依頼した。
その依頼に応えたプラントの一つが、最も親FR-08的な立ち位置にあるRP-07であった。期待を込めて次期主力MBVの担当を命じられた彼来は、技術・人員・予算面でも手厚い支援が約束される。
しかしRP-07は元来、流通拠点として発展してきた新興のプラントであり、技術的基盤も貧弱で、それでいて要求された性能が非常に高かったため開発は難航した。

この異常に高い要求性能には、また別の理由もあった。
当時、限定戦争とは異なる特殊任務に従事する非営利軍事組織「白檀艦隊」も主力VRの更新を図っており、この次期MBVは艦隊の次期主力機としての側面も持っていたのだった。
本来のFR-08及びRP-07の計画では、「とりあえず白檀艦隊の要求に応えられる超性能VRを作って、それの商用廉価版をDNA用のMBVにしよう!」というつもりだったのが、
前述の通り、あまりの要求水準の高さとプラントの経験不足によって皮算用はあっというまに破綻。
HBV(Heavy Battle Virtuaroid:重戦闘バーチャロイド)である新世代ライデン系、SAV(Support Attack Vituaroid:支援攻撃型バーチャロイド)であるボック系はとっくに運用が始まっているのに、
主戦機であるはずのMBVはいつまでたっても配備すらされない、という事態を招いてしまったのである。

結局FR-08と白檀艦隊のさらなる……というか「ぶっちゃけRP-07じゃなくて白檀艦隊が作ってるよねこれ?」といわれるほどの技術支援を受け、ようやく完成にこぎつけることができた。

-[ 機体構造 ]-

名前と外観こそMBV-04を色濃く踏襲しているが、決してその改良型と言うわけではない。
外見の類似は、むしろ限定戦争の視聴者に「あのテムジンの新型キタ━━(゚∀゚)━━━ !!!!!」と思ってもらうための意識的なものだろう。

ただし白檀艦隊がそれまで使用していた機体はMBV-04の超絶高性能モデル「VR-004」であり、それを更新すべく開発されたということもあって、コンセプトという点では明らかに第一世代テムジンのそれを継承している
主武装であるビーム砲/ソードを兼ねる大型ビームランチャー、左手に装備された近接防御用のボムなどもきっちり継承。
しかも新型ランチャー「スライプナー」はエンジェランの技術を解析して作られた人工Vクリスタルを搭載しており、形状そのものを変化させライフルになったりソードになったりサーフボードになったりする万能武装となった。

そして外見的な最大の特徴は、背中のユニット「マインド・ブースター」だろう。一見ガンダムチックなスラスターポッドにも見えるが、推進器ではなく、VRの動力源にあたるVコンバータの増幅/安定器である。
(Vコンバータ……背中についてるサターンやドリキャス。中核のVディスクに書き込まれたVRのデータを月遺跡起源のオーバーテクノロジー「リバース・コンバート」で実体化させているもの)
似たようなシステムはスペシネフにも搭載されているが、あちらのように物騒な素材を使ってむりやりパイロットとの同調性を高めるような代物ではない。
むしろ同調性を高めつつ、しかし高まり過ぎないように最適な形で制御するというスマートなもので、これによって707系は他機種と同質のVクリスタル質を用いても、遥かに高い出力を発揮することができた。
(Vコンバータの出力は「実体化されたデータ」であるVRの性能に直結する。コンバータがデータを物質化する力「実存強度」が高いほど、機体は強靭に、パワフルになり、走攻守すべてにおいて性能が向上する)

第二世代VRの中でもぶっちぎりで最後発の機体だが、それゆえに技術的な洗練は最高潮に達しており、「第二世代VRの集大成」と呼ぶに相応しい抜群の高性能機に仕上がっている
しかも開発者いわく「完成度は60%」に過ぎないため、まだまだ性能に伸び代があるとされる。

-[ 活躍 ]-

配備こそ遅れたが、第二世代機の中でも圧倒的な高性能を誇り、かつMBV-04を髣髴とさせるイカした外見を持つこのテムジンは、たちまちの内に限定戦争市場を席捲…するはずだった

完成が遅れに遅れた影響で、既に市場シェアは「MV-03」プラントが開発したボック系にすっかり奪われてしまっていたのだった。
ボック系VRは本来SAV、即ちガンダム的存在であるMBVに対してガンタンク的な立ち位置(ガンキャノンはHBV)として開発されたVRであったが、
極めて高い信頼性と堅牢な構造を持ち、お値段にも整備性にも優れるというとても優秀な兵器であった。しかも多様な装備パックによって様々なポジションへの対応が可能という万能機でもあったのである。
このため当時のDNAでは、前衛がボック、後衛もボック、遊撃もボック、指揮もボックで偵察もボック
寝てもボックに覚めてもボックという「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」状態となっていたのだった。

が、限定戦争があくまでエンタメ商売の一種である以上、VRは単に兵器として優秀ならそれでいいというわけではない。
ボック系はその無骨な外見からわかるとおり戦い方も堅実そのもので、故に当時のDNAではグリスボックをずらり並べて特濃弾幕で並列前進!接近戦など断固拒否!裏切り前ビ上等!」という露骨な物量戦法が主体になりつつあった。
これには限定戦争の視聴者達からも不評が相次ぎ、あげくには限定戦争の運営業者である「国際戦争公司」からも「エンターテイメント性に欠ける戦闘を行うことに対する警告」が来るほどになっていた。

MBV-707Gが完成したのは丁度そんな頃だったので、慌てて「ヒーローVR」を求めだしたDNAの需要とぴったり一致して、無事大量採用が決定したのである。
……むしろこのタイミングにあわせてまだ少し未完成のところを強引に発売したと言ってもよい。

MBV-04から継承したヒロイックなデザインと、VRらしいダイナミックな駆け引きが可能な機動性を持ち、VR戦の華である白兵戦にもきっちり対応できる第二世代テムジンは、
その圧倒的ポテンシャルの高さによって「クレプスキュール戦役」における鮮烈のデビューを飾り、一躍限定戦争の花形となった。
この大成功に気をよくしたDNAは、MBVとして積極的にテムジンの配備を進めていったので、数的にはボック系の牙城を崩すことこそ出来なかったものの、第二世代VRとしては十分な成功を収めた部類に入ると言えるだろう。

さらに戦線が火星圏まで広がった後も、現地の特殊環境によって第二世代VRが次々に稼働不能に陥る中、最終型の707Jが唯一稼働できる機体とし重宝された。Vコンバータの最適化装置であるマインド・ブースターの賜物である。
第三世代VRにして発展型である747系が配備されるとさすがに徐々に一線から遠ざかっていくが、第二世代VRとしては圧倒的に長い稼働期間を誇った傑作機と言えよう。



-[ ゲーム内性能・707G ]-

専用BGMは「Soldier Blue」と「High on Hope

前作で猛威を振るったLWがさすがに修正。だいぶマイルドな性能に落ち着いた。
とはいえLTLWのバウンドボムは誘導、回転共に良好、牽制として十分使える。あと牽制に便利なのは縦カッターことLTCW。
旧バイパー系のSLCダイブのようなサーフィンアタック、ぶっといビームを照射するRTRWなど追加された武装も多いが、基本的には前作と同じ感覚で戦えるスタンダードキャラである。
しゃがみRWの万能っぷり、前ビの火力なんかは相変わらずで、弾速とダメージのバランスが良く、前ビより当てやすい斜め前ダッシュスライディングRW、硬直が無きに等しいLTRW(ワーム)も増えている。

相変わらず走攻守すべてにわたって標準以上の高性能機なのだが、オラタンにおける強豪機は
「設置で択を絞り、置きレーザーで大ダメージを取るトリカゴが単純かつ強烈無比なライデン」
「ゲージ管理さえできれば、高機動と高火力を両立させた一撃離脱戦闘が行えるスペシネフ」
「接近さえ許さない特濃弾幕が形成可能で、しかも近づかせない程度の機動性もあるグリス・ボック」
など、自機の強みをゴリゴリに叩き付けてくるタイプの機体が多く、クセがない分特化した部分もないテムジンはこれらの機体とやや相性が悪いため、最終的には中堅上位程度に落ち着いた。

とはいえ良好なレスポンス、動かしやすいキビキビした運動性、スタンダードな武装など、プレイヤーの実力を素直に反映させやすい機体というのは変わっていないため、多少のキャラ差は覆せる能力は持っている。

-[ ゲーム内性能・707J ]-

作品が変わったが、続投を果たした第二世代型最終型のテムジン。
テムジン特有のマインドブースターのおかげで、マーズクリスタルの干渉を最低限に抑えられたという理由で登場。
とは言え全盛期(オラタン)からVターンのレスポンスやLT系を失う等、パワーダウンは避けられなかった。
…多分ゲーム内の設定を理解させるために第2世代が投入されたのだが、他が変わってるのにテムジンだけなぜに?という点が引っかかった模様で、後に747Aに基幹機種を譲ることとなった。
しかも微妙なパワーダウンが響きまくってテムジンとは思えない弱さだったし。
ゲーム性の違いによる変化は747Aのゲーム内性能を参照。

地球での使用に最適化されている旧式の機体ではあるが、全ての面で747系のスタンダードである747Aに劣るわけではなくRWの回転率や操作性に優れる。
…が機動力や装甲値といった基本性能が747Aに劣り、747Aの強みである一部近接攻撃のモーションが違うなどという面からどうしても747Aの下位互換という立場になってしまう不遇の機体。設定や世代の違いを考えれば当たり前の話ではあるが…。
  • 指揮官機用の頭部と大型のスライプナーに換装した「707J/c」。
  • グリンプ・スタビライザーを装備した「707J+」
のバリエーション機も存在する。
前者は機動力が落ちており、前ダッシュRWが3発になった分威力が落ちたが、TRWのレーザーの威力が強化されている。
後者は装甲を落として機動力を強化し、前ダッシュRWが1発になったが威力が強化されており、より1:1の戦闘でプレッシャーをかけていける中堅~強機体のポジション。(747Aではなくこちらを好んで使用するプレイヤーも多い)

一応、決して弱い機体ではない。扱いやすく、十分に勝ちが狙える機体である。

-[ MBV-707-G/VSL テムジン707 ]-

『とある魔術の電脳戦機』にて上条当麻が使用するテムジン。
通常の武装の他、小説版ではクライマックス・ゲーム版ではブーストウェポン発動でテムジンの右手に幻想殺しを上乗せしている。




MBV-747A テムジン747A(フォース)

火星戦線におけるVコンバータ機能不全に対応した第三世代型テムジン
こちらは完全に第二世代テムジンの後継機で、開発も同じくRP-07が担当。

-[ 開発経緯 ]-

プラントの処女作にしてかなりの成功をおさめた第二世代テムジンだったが、RP-07の開発スタッフは好評に満足することなく、
同機のコンセプトを発展継承した次期モデルの開発にも意欲的に取り組んでいた。

しかしその頃、RP-07の実質的な親会社であるFR-08に大異変が起きていた。
オラトリオ・タングラムの少し前、総帥の急死と内ゲバで自滅しかけていたFR-08は、窮余の一策として外部から新総帥リリン・プラジナーを招聘。彼女の手腕によって組織を再建したという歴史があった。
しかし喉元過ぎればなんとやらで、リリンによって建てなおされたFR-08では本来のオーナー一族であるリフォー家が再び口出しをはじめ、ついにはリリンを辞任に追い込んでしまったのである。
このためFR-08はオラトリオ・タングラム当時の活力と柔軟性を失い、再び深刻な大企業病に陥りつつあった。

子飼い中の子飼いであったはずのRP-07に対してすら、極端な官僚的統制や強引な無茶振りが目立つようになり、そしてあろうことか
「うちの会社のVR(バル系)が売れないのはテムジンのせい。よってRP-07は次のVRを作るのをやめろ」
というすさまじい大企業的論理を押し出し、あからさまに出来レースなコンペを開いてRP-07の次期主力機を落選させるなどの嫌がらせを始めたのである。あんなイロモノ機体を主力にしろと言われたDNAの心境やいかに。

が、ここで幸運がRP-07に味方した。
オラトリオ・タングラム以降、限定戦争市場は拡大を続け、一部の業者は新たな市場を求めて火星圏木星圏にまでその手を伸ばしつつあった。
しかしそこには重大な問題が潜んでいた。実は火星にも月の非人類起源遺跡と同様の遺跡が存在し、そこに安置されたクリスタルからの干渉波がVRの動力源であるVコンバータの稼動を著しく阻害。従来型の第二世代型VRを稼働不能にしてしまうことが判明したのである。
このため各プラントは干渉波に対応した新型VRの開発を進め、火星に先行していたアダックス(旧MV-03)、TSCドランメン(RNAの出資プラントで、アファームドの開発元であるTV-02の主幹)などは既に現地対応型である「第三世代型VR」の実践投入に成功していた。
しかしFR-08はそういった現地の状況をろくに精査もせず、「707系だけは第二世代の中でも火星圏で行動できる」という点を過信して部隊の派兵を強行。
結果、補給の不備などの悪条件も重なって、現地生まれの第三世代VRの前に大敗するという結果を招いてしまったのである。

地球圏最強のVRにしてDNA陣営の看板であったMBV-707が敗れたことは、FR-08に強い衝撃を与えた。
現地環境に対応した第三世代VRへの更新が必要なのは明白だったが、コンペで勝利したはずの新型バル系はいまだコンセプトモデルの域すら出ていない状態であった。
このためFR-08は再び掌を返し、RP-07に一刻も早い次期主力機の完成を命じたのである。なんという泥縄。
散々な嫌がらせの挙句の大概な無茶振りではあったが、RP-07はこれに応えて開発中だった3つのプランを統合、次期主力テムジンの開発を急速に進めていくことになった。

-[ 機体構造 ]-

MBV-707と同じプラントで開発されたということもあり、同機の基礎構造を継承した発展改良機に当たる。707最大の特徴であったマインド・ブースターもきっちり継承。
むろん機体自体は707を改修して作られたわけではなく、構造を踏襲しているというだけで完全新規設計の新型機である。

707と比較すると、全体的な性能の上昇ももちろんだが、最も大きな変更点はやはりアーマー換装システムの採用だろう。
おそらく第二世代VRの中で圧倒的なシェア率を誇ったボック系(第三世代ではVOX系)の柔軟な換装システムを意識したものなのは間違いないが、
しかしそちらの「ユニット・スケルトンシステム」のように「小型の本体+戦闘機能の大半を詰め込んだ装備パック」という、いわば「おまけが本体」的なオプション特化構造ではない。
747系に採用されたのはあくまでアーマーを換装するシステムであり、「VR本体+戦闘性能を特化させるアーマー」という程度のもの。ガンダムでいえばこれとかこれに近い感じである。
拡張性を確保すべく機体自体もかなり構造上の余裕を持っているため、結果「万能ランチャーとその可搬VR」という従来のテムジン像から脱却し、かなりのバリエーションを生み出している
この設定はゲーム内でも活かされており、フォースの747系は指揮官機に限り条件さえ満たせばアーマーの強制排除技が実行可能。EMGイジェクトモードと言われる形態になれる。

基幹機種であるA型は、アサルトタイプと称されるアーマーを装備した純MBV志向モデル。
一見してわかる通り従来型のテムジンに最も近い装備構成となっており、テムジン系らしい高機動戦闘を可能とする運動性を保ちつつ、敵VRとの激しい接近戦に耐えうる装甲防御力も維持している。
主装備も707系同様、複合火器であるスライプナー(型式はMk6)、近接防御用のボムを標準搭載。

-[ 活躍 ]-

707発売時のように致命的な出遅れがなかったこと(ゲーム内では致命的に出遅れたけど)、また多様な戦術ニーズに対応できるアーマー換装システムを採用したこと、さらには政治事情の変化なども手伝ってセールスは順調に推移している模様。
特にアーマー換装システムによる多様性の獲得は、補給に難がある火星戦線では非常に大きなセールスポイントとなった。
基幹モデルである747Aは勿論、TRV(Tactical Recognaissive Virtuaroid:戦術偵察バーチャロイド)型である747F、HBV型である747Hなども火星戦線では幅広く普及している。

また、開発元であるRP-07は、FR-08の前総帥リリン・プラジナーと個人的な関係が深く、FR-08を放逐されたリリンに対しても友好的だった。
そのため彼女が火星において特捜機動部隊MARZを設立した後には、自社の生産ラインのリソースを割いて747系列のカスタム機を供給するなどしているため、高品質なバリエーションを多数生む結果ともなっている。

-[ ゲーム内性能・747A ]-

専用BGMは「Tidal Blue」。
オラタンテムジンから殆どの特徴を継承しているが、旧型の707(J型)が同じフォース内に存在することもあって、武器や機動特性などに細かい違いが結構ある。
攻撃モーションはTRWが両手撃ちから片手撃ちに、TRW近接とTCW近接のモーション変更が目立った変更点。
特にTRW近接の突きは発生とリーチに優れ、707系列には無い近接戦闘での明確な強みである。

やはり基本は従来のテムジン同様、スタンダードな武装がそろった高性能万能機であるが、周辺環境の変化で立ち位置にかなりの変化がみられる。

まずOMG→オラタンで増えた特殊な武装を没収された(というかそれらの特殊武装が、それぞれを主武器とした系列機として独立した)VRが増えたこと。
しかしもともとテムジンはオラタンで殆ど特殊武装が増えていないので没収されるものがなく、これによって「スタンダード機故に切れるカードが敵より少ない」という点が解消された。
このため周囲の弱体化で相対的にランクが上昇。良好なレスポンス、高い機動性、十分な防御力、豊富な攻撃手段と優位な点がずらりと揃い、タイマン戦闘では1、2を争う強機体となった

反面、2on2になったことで「武装が素直で直線的なものばかり」という点が明確な欠点として浮上している。特に壁があるステージだと援護力が皆無に等しいので、2機の相互援護を基本とするフォースではかなり痛い。
つまり得意とするのは1on1なのだが、自分のタイマンのことだけ考えているとチームとして負けてしまうのである。
このため戦場全体の流れを把握しつつ、要所要所で利点であるタイマン性能を活かしていかなければならないというなかなか面白い機体になった。

指揮官機の「747A/c」に搭載されたEMGイジェクトモード(外装パージ)では後述の747T並の機動力と防御力(というかまんま同じ)になる。
武装は747Aのままなので足回りが良くなっていつでも死が見えるようになる。


-[ 系列機 ]-

MBV-747F テムジン747F(フォース)

マイザー系列のようなTRV的運用を狙ったバリエーションモデル。装備しているアーマーはフレックス・アーマーと称される空中高機動アーマーである。
メインウェポンもA型のスライプナー・ランチャーではなく、専用の小型ライフルであるマルチ・アンカーMk2を装備している。
TRVらしい高機動性を得ながらも、MBVである747本来の柔軟性・タフネスさを残している高性能なVR。

(ゲーム内)性能は、実際には747Aと景清を足して2で割って、防御力をさっぴいた感じ。
専用BGMは「She's Lost Control'01マイザー系のBGMだろ返せ?聞こえんなぁ~~~
タイマン性能においては747A以上、接近戦の強さと削りの強さもあって景清クラスにも比肩するが、プレッシャーとなりうる高火力技の少なさから相手を拘束しづらく、実戦値はかなり下がりがち。相方の負担も大きい。
Γのとは仕様の違うフォースビームをどう活かすかが鍵。
前ビの転倒性能が低く、逆に前カッターが高いので、基本的にはCWを使うべき。前ビは威力こそ高いけど耐えられると死が見える…。
何故か箱版ではRWとCWの転倒性能が入れ替わったので基本前ビで良くなった。

指揮官機の「747F/c」に搭載されたEMGイジェクトモード(外装パージ)では後述の747T並の(ry
武装は基本そのままだが、ターボCWだけはカッターに変更される。

MBV-747H テムジン747H(フォース)

HBV的運用を狙った重装型モデル。火星戦線におけるVR戦において大きな脅威とされたVOX系の飽和火力攻撃に対抗することを狙ったもの。
火力・装甲を大きく増強するホールド・アーマーを装備し、メインウェポンも割り箸クラウド・ストラップという二連装ランチャーに換装されている。
強力な打撃力を持ちながら一定の運動性を確保しているという点でアファームド系の支援機に近いモデルであり、火星戦線では大活躍している。

(ゲーム内)では独特な立ち位置を築いている。
他のテムジンから乗り換えた人は「何このテムジンおっそい…」といい、他の支援機から乗り換えた人は「何この支援機はっやい!」と言うであろう。
重量級に比肩する装甲を持ちながら、機動性・レスポンスはぎりぎり中量級のそれなので、生存性能はかなり高め。
武装は多いものの、タイマン性能はやや渋め。
しかしそれはあくまで主戦機側からの視点である為、支援機側から見ると「支援もタイマンもそれなりにこなせる機体」であり、言ってしまえば「主戦寄りの重量級」。
相方との連携次第で大火力の前ダッシュRWが活きる他、LWが壁を抜けるナパームなので障害物越しでもプレッシャーをかけられ、ちょっとした合間にはしゃがみCWでの援護を送れ、近接もやれないことは無い。
他の重量級と比較するとトップヘビー設定なのか、被弾でコケる弾種が多い。
よく言えば柔軟性が高く、悪く言えば器用貧乏な機体。中の人の適切な判断と技術が要求される。
専用BGMは「Harmless Sigh

指揮官機の「747H/c」に搭載されたEMGイジェクトモード(外装パージ)は747T(ry
武装はRWとLWをそのままに、CWが割箸なのに一般的なテムジンのようにカッターになる。
前ダッシュRWもそのままなので良い具合に浪漫溢れる。そもそもEMGイジェクトモード自体がロマン技だが

MBV-747T テムジン747T(フォース)

747Aのバリエーションモデルではなく、試作モデル。つまり747Aより古い機体となる。
基本的な仕様は747Aと同一だが、テスト用のため装甲が施されていない。当然ながら本来販売されるモデルではないはずだが、何の手違いか限定戦争に投入された機体が存在しているようだ。

(ゲーム内)では全裸の747A…といいたいところだが、LWがなぜか747Hのナパームに。機動性が全般的に大きく向上しており、特にキレッキレのVターンはオラタンを思い出させるほど。
が、装甲がもはや薄いとかいうレベルではなくなっており、けん制射撃でも大ダメージ、威力高めのTRWや前ビなんかくらうと即死すらありうる。
攻撃面では高性能だが、耐久力がどうしようもなさすぎるため、基本的にはネタ機体である。

テムジン747AII(マーズ)

マーズのチャレンジモード(いわゆるフォース風のアーケードモード)に敵として登場する747Aの改修モデル。
同作に747Aが登場しないため比べにくいがスライプナーの形状が違い、TRWが第二世代型の707Jと同じように両手撃ちに戻っている。
設定上は747Jのベースという結構重要な立ち位置な機体だが、ドラマティックモード未登場で何故かCPU専用(=入手不可)なためいまいち影が薄い。
マーズではフォースの看板機である747Aが居ないのも含め、ゲーム的な立ち位置は色々謎な機体である。

MARZ、その他特殊部隊仕様機

MZV-707S(マーズ)

先述の通り火星での限定戦争勃発当初、DNA陣営の保有するVRの中で唯一火星圏で稼動可能だったのが707テムジンだった。
その限定戦争の市場が異様な程急速に無法地帯の様相を見せ始めた事に疑念を抱いたFR-08の前総帥リリン・プラジナーが、その取り締まりを計りそして背後で暗躍する「何か」に対抗すべく、名目上は公安組織として「特捜機動部隊MARZ」を設立。
そしてリリンからの依頼を受け、RP-07がこの部隊の為だけに707をベースに採算性度外視と言える程の贅沢なチューンナップを施したのが本機である。

MARZと言う部隊の特性上限定戦争のレギュレーションに従う必要性が無かった事、及び任務の性格上から何よりも機動性と攻撃力が重視されており、良く言えば分かりやすい、悪く言えばじゃじゃ馬な機体。
しかしながら総合的な性能は第二世代型がベースとは到底思えぬ程であり、設立当初のMARZの大きな原動力となった。
現在では後継機種である747Jの登場により一線を退きつつあり、主に新米の捜査官向けとして支給されている。

-[ ゲーム内性能・707S ]-

MARZの初期機体
初期機体と言う事もあってかクセが無くバランスの良い仕上がりとなっており、初心者でもそれなりに扱えつつバーチャロン独自の高速戦闘も楽しめる親切設計。
ゲーム中には通常の707型も登場するが、それと比較すると耐久性では若干劣るがそれ以外ではほぼ全ての面で上回る。
後に反則機体747Jが支給される頃にはお役御免となるだろうが、それでも愛と技量があれば最後まで戦い抜けられる程の性能は十分に持っている。

707J SF(Special Force)仕様

如何に火星圏でも稼動可能だったとは言え、第三世代型を相手にしては世代の差が否めなかった707J型テムジン。
それでも当機を駆って高い戦果を上げるエースパイロットが僅かにだがおり、そうした精鋭の為に調整が施されたのがこの仕様である。
熟練のテムジンパイロットが良く使う一撃離脱戦法をより安易に行えるよう、機動力に偏重した性能になっているがその対価として耐久性が犠牲になる等ベースモデルと比較して非常にピーキーな機体になっており、敵機からの攻撃を「当たらない」事を最前提にしていると正にエース級の技量を以て初めて真価が発揮される機体である。

-[ ゲーム内性能・SF仕様 ]-

MARZにのみ登場する派生機種。足回りやVターンの鋭さ等の機動性と言う点だけを見れば707Sにすら匹敵する程になっており、特にVターンの凄まじいキレっぷりは比較対象が下記の白騎士テムジンかアファームド・ザ・ハッターという
マーズ登場機中でも一、二を争うレベル。
他にも空中ダッシュ近接が可能になったりしゃがみ攻撃や左右横ダッシュ攻撃の性能等が向上している。
但しその代わり耐久性が10/80に毛が生えた程度とごっそり削られているので、使い続けるには愛と技量とそして根性が重要。
何よりも全身が隈無く真っ赤に染め上げられ、しかも特別仕様なのでカラー変更が出来ないと見た目の時点で人を選ぶ機体である。

MZV-747J(マーズ)

MARZ戦闘教義指導要項第13番、『一撃必殺』!

公安組織「特捜機動部隊MARZ」が保有する超高性能カスタマイズVR。
原型となったのは747Aのマイナーチェンジモデルである747AIIだが、MARZ初期の立役者だった707S同様一般的なVRと違って限定戦争のレギュレーションに従う義務がなく、経済性を考慮する必要もないため、コスト度外視の徹底した性能追及が行われている。

VRの中核であるVコンバータからすでに専用の高品質モデルであるK9型を使用しているが、これは単純な出力だけでも通常VRの24倍に相当するというとてつもない代物である。
前述のとおり、VRの実存強度を決定づけるVコンバータの出力はそのままVRの性能にダイレクトに影響するため、その性能は一般VRとは比較にならないほどの超絶性能に達している。

更には大っぴらに公開はされていないが、「ダイモン」と称される謎の組織に対抗すべく、彼らが存在するという電脳虚数空間で戦うための専用装備も搭載されている。

-[ ゲーム内性能・747J ]-

MARZの反則テムジンその1。専用BGMの「Fierce Fight」が超かっこいい。パッケージのトリを飾っているのもこの機体である。
流石はストーリー後半の主役機というべきか、群がるVR相手に俺tueeeee!!を存分に味わえる超性能機。更に家庭用という媒体を考慮してか、バーチャロン初心者でもかなり戦える親切設計も目立つ。
機体としての基本はフォースの747Aに近いが、機動性は景清以上前ビの火力はライデンE1並ゲージ効率も747Aを軽く上回るという万能機。
対戦モードでの装甲値はそれほどでもないのだが、ドラマティックモードでは何らかの耐性が恒常的に張られているらしく、Bob並みにタフ
「消費が上がったがダメージが超強化されたLW(ダメージなら後述のType a8をも上回る)」
「発生は遅くなったが高威力で一体に当たると残りの敵に向かっていき多数の敵に大ダメージを与えられるTCW(通称:十字斬り)」
と、武装もドラマティックモードにマッチした一対多に特化したものになっている。(反面、これらの武装はタイマンでは使いにくくなったが)
総じて攻守ともに全く隙が無いスーパーマシンである。
そして極め付けに一週目の中盤(EP-Mクリア)で必ず支給されるため入手が非常に簡単。条件が厳しめな機体はほとんど涙目である。

外部出演も経験済みでしかも『マーズ』主人公の代打として設定されたオリジナルキャラのチーフ(CV:谷昌樹)がハッターフェイに負けないくらいキャラが濃いため、
もしかするとバーチャロンに登場する機体の中で最も知名度の高い機体かもしれない。

MZV-747HII(マーズ)

特捜機動部隊MARZのカスタマイズVRの一つ。原型となったのはMBV-747H。原型をとどめないほどに徹底したカスタマイズが施された747Jと比較する控えめだが、それでも性能の向上ぶりは顕著。
装甲強度を維持どころか向上させつつ、機動性を飛躍的に強化しており、747A以上の機動性をもちながら、それをはるかに上回る装甲防御力を誇るというモンスターマシンである。

-[ ゲーム内性能・747HII ]-

MARZの反則テムジンその2。武器の与ダメージも向上しているが、それ以上に機動性の強化が半端ではない。
武器の弾速には手が入っていないので、むしろ発射した弾の方がすっとろく感じてしまうレベルである。
こちらも747Jとほぼ同時期に必ず支給され、十分に高性能な機体なのだが、747Jがあまりにも強すぎるため、こちらが使われることはあまりない。

尚707S、747J、747HIIにはフォースに於ける指揮官機モデルことV型、A型モデルも存在し、そちらは装甲や機動力の更なる向上が図られてる反面、例えば707S/Vと747J/Vの場合は前ビことTRWが三発になった代わりに一発ごとの威力は低下、しかもVR相手なら一発目でダウンを取れるのでかえって発射時のモーションの延長による隙の増加とゲージ効率の悪化とテムジン系列の肝である前ビの使い勝手が悪くなっており、747HII/Aは何の変更も無いままRWゲージの効率が下がっている等、単純なマイナーチェンジとは言えないモデルになっている。

VR-747 Type a8(マーズ)

M.S.B.SとVコンバータで稼働する機器、つまりVRが構造上必ず抱える欠陥として「シャドウ現象」なるものが存在する。
パイロットとVコンバータの結び付きが何らかの原因で強く、深くなり過ぎてしまった結果、深層意識の奥底にある破壊や殺戮といった負の衝動を引きずり出してしまい、パイロットがそれに飲まれて暴走状態に陥る事である。
こうなったVRはセンサーやカメラアイ等の発光する部分が鮮血の様に赤く、機体は漆黒に染まり紫色のオーラを纏うおぞましい姿となり、更にその特性上Vコンバータのリミッターが限り無くゼロに近くなり正に悪魔の如き戦闘力を無差別に炸裂させる危険な存在と化す。
シャドウ現象そのものはVRの開発段階で既に確認されていたが、諸々の事情から抜本的対策が為されぬままVRは世に出され、人気を博してしまったのである。
かつてのFR-08統帥トリストラム・リフォーがVR開発を禁止したのも、シャドウ現象の発生を抑制するための苦肉の策だった。

707型の開発に深く携わった『白檀艦隊』は、実はこのシャドウと呼ばれるVRを討滅するためだけに設立された純粋な軍事組織なのである。
艦隊に所属するVR部隊は「『白虹(びゃっこう)騎士団』と称され、極めて危険なシャドウVRに対抗するため、あらゆる組織から選りすぐられた精鋭中の精鋭と、専用に開発された超高性能装備を保有している。

騎士団の現行機種であるVR-747も、基本的な構造は元の機種であるMBV-747と同一だが、その実まったく別物のVRと言ってよい。何しろ標準装備のスライプナーMk.6/wだけで、通常のVOX系の84倍のお値段がするという代物なのである。
超高純度Vクリスタル質をディスクに使用したVコンバータは、なんと通常のVRが搭載するそれに比して通常状態で384倍最大出力なら6144倍という狂ったスペックを達成。
勿論機体中枢のVコンバータだけにとどまらず、あらゆるパーツに対して高性能化とシャドウ汚染対策が徹底されているため、その性能(とお値段)はもはや商用VRでは足元にも及ばない、想像を絶する域に達している。

当然のことだが、「戦争ゲーム」である限定戦争にこんな異次元スペックの戦闘マシンが参加しては、もはやルール無視どころの騒ぎではない。
が、この機体はあくまでシャドウVR、ないしその可能性があるVRに対してのみ使用される軍事用(あるいは防災用)兵器であり、限定戦争のような商業行為に関わることはない。ないからこそ存在が許されているのである。

…がしかし、近年FR-08で起きたリリン・プラジナーの失脚は、彼女が設立した組織である白檀艦隊にも影響を与え、リリンを総帥と仰ぐ一派と現状容認派との内部分裂に発展していた。
そしてその中の一部は、リリンが去った後のFR-08に見切りをつけ、専用VRとともに騎士団を離脱するという暴挙に出たのである。
俗に「破戒騎士」と呼ばれた彼らは数こそ少数ではあったが、その超性能VRと彼らの卓越した技量は脅威以外の何物でもなく、彼らのスカウトや処置を巡って各勢力が暗躍するという事態に陥っている。

-[ ゲーム内性能・Type a8 ]-

MARZの反則テムジンその3……と言うか公式チート。「テムジンゲー」の称号を確固たるものとした元凶でもある。ただし自分で使うためには最高難易度をクリアする必要がある。そのため、超性能だがおまけ機体として747Jほどは問題視されていない。
反則に近い超性能の747Jをさらに上回るスーパーウェポン。原型としては747Jというよりはむしろ747Aだが、
「OMGテムジンを超える回転率と威力を誇るLW」
「オラタンテムジン並の速度・Vターン性能」
「オラタンテンパチ並の足回り」
という、歴代テムジン系のいいとこどりにも程がある性能を持つ。さらにはこれほどの超絶的な機動力を誇りながらも、装甲値は当然のように重量級。
さらにさらにフルゲージから6発も連射できちゃうCW、旋回保存しなくともオラタン以上の銃口補正がかかる前ビなど、テムジンの強いところをとことん強くした機体である。
一応各ゲージの回復率は実は747Jより下回るという隠れた弱点があるのだが上述のように圧倒的なスペックで殆ど気にならず、正に「家庭用版だから出せるVR」の極致であり、こんなのがアーケードに解き放たれたら即、閑古鳥が鳴くだろう。

ドラマティックモードでは白虹騎士団の筆頭「クリアリア・バイアステン」の乗機として登場。
ダイモンの策略で月面、ムーンゲート近辺へ飛ばされたプレイヤーが取り敢えず「こ…こいつ、もしかして…シャドウか…?」と相手にした敵兵からそう言われてしまう程の獅子奮迅の戦いを繰り広げている内に、何と本物のシャドウVRを二体も招き寄せてしまう。
その片方を撃破するかピンチに追い込まれると

君か…MARZは。或いは、己が身を偽る者か?

と助けに来てくれる。流石白騎士のトップと言うべきかその強さは圧倒的で、ほっといてもシャドウVRを軽く蹴散らしてしまう程。
しかしその後は事もあろうかプレイヤーが本当にシャドウに汚染されてないかを見極める為と、直接対決を挑んでくる。上述の様に公式チートの性能に加えバイアステンの技量も凄まじく、一周目では他作品経験者でも無い限りまず勝ち目の無い、所謂負けイベ。
なのだが、スパロボKではこのイベントに遭遇したチーフは負けイベに屈するどころか「747JはType a8に見劣りしない」と言い放ち、スパロボとはいえ普通に勝利してしまった。
その後は勝敗に関わらずプレイヤーが問題無い事を認め、しかし潜在性は否定出来ないとムーンゲート影響域外への護送、及びプレイヤーが月面にやってきて以来雨後の筍の如く湧き出し始めたシャドウVRの駆除とその原因究明への協力を願い出てくる。

地球に於いてもTSCドランメン管轄の「禁制領域シバルバー」にこれまたダイモンの策略で放り込まれた挙げ句、その最深部でヤガランデ(しかもそれまでの進め方によっては二体出現)と対決する事になった場合もピンチになれば颯爽と駆け付け、挙げ句の果てにあっさり屠っては帰って行く。もう全部あいつ一人で良いんじゃないかな。




追記・修正をGet Ready.




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最終更新:2024年01月02日 08:19