十六夜九衛門

登録日:2016/01/23 Sat 21:53:33
更新日:2023/12/19 Tue 19:26:09
所要時間:約 11 分で読めまする






僕は十六夜(いざよい)九衛門(きゅうえもん)

お前の祖父が封印した、牙鬼幻月の家臣さ。


十六夜(いざよい)九衛門(きゅうえもん)とは、手裏剣戦隊ニンニンジャーに登場する人物の一人である。

演:潘めぐみ(声)、竹場龍生(少年時代)
スーツアクター:蜂須賀祐一


【注意】この項目は『手裏剣戦隊ニンニンジャー』における重要なネタバレを含みます。

未視聴の方はお手数ですが、ブラウザバックすることを強くお勧めします。


【人物・性格】

戦いの影に暗躍する、狐の面を付けた牙鬼軍団の小姓。一人称は"僕"。
位の低い立場であるため、蛾眉雷蔵や晦正影など、他の幹部には「~~でございまする」「~~くださいませ」など古風な敬語を使うが、
一般妖怪やラストニンジャの孫たちに対しては「~~さ」「~~だねぇ」など、くだけた口調で話す。


顔に付けた面や有明の方からの呼び方のおかげで狐のイメージが強いが、両肩の装飾や体の模様など、良く見ると所々虎っぽい意匠も見られる。
虎の威を借る狐という事であろうか。
なお、その面の左目には物語中盤でニンニンジャーに敗れた際に大きな傷が入る事となった。

性格は常に冷静で、人間の「恐れ」を集め幻月を復活させ、「終わりの手裏剣」を手に入れる任務には忠実である。
上司である牙鬼幻月や蛾眉雷蔵、晦正影などには丁寧に接するが、ニンニンジャーやその関係者の前では高圧的で挑発的な態度を取る。
また、街の破壊を目の当たりにした時はテンションが上がったりもした。

伊賀崎天晴に敗れた蛾眉に「失望した」といった具合で彼の武人としての死を奪って誇りを踏みにじったり、有明の方に萬月の死を告げて絶望による恐れを生み出させる冷酷な性格。
しかし、晦から名前を間違われた時にはムキになって「九衛門でござりまする!」と否定する、冗談の通じない所もある。
キンジが妖怪化から脱した時は言葉にならない悔しさを身振りで表したり、
どこかで落としてしまった小槌を見つけた時はピョンピョン跳ねながら拾いに行って「良かったぁ……」と呟くなど、やたら可愛い一面もある。
ただ余裕めかした態度や冷静さは狐面と同じく仮面のようであり、痛いところを突かれたり思うように事が運ばなかったりして激昂した時には粗暴な口調になっている。

天晴と風花の父である、伊賀崎旋風の過去に彼の人間としての姿が登場した。
中の人のおかげか、名前の割に声は女性的で、かつ中の人が蜂須賀姐さんだったので一時は女性説も浮上していたが、過去の時の姿は美少年であり、れっきとした男性である。
しかし何より気になるのは、当時の彼が旋風とほぼ同年代だったということ。
妖怪化によって成長速度に変化があったのかもしれないが、それにしても現在は40代のオッサ「十六夜流忍術奥義、十字砲火の術!!」

ちょっと前までは天空に舞う青き風だった。
また、幼少期は仲間を大事にしない奴はクズという熱い忍タリティも持っていた……かも知れない。



【作中での活躍】

幻月の復活より前にヒトカラゲと共に伊賀崎家を襲い、小槌を奪っていった謎の存在。
持っている瓢箪に妖怪によって起きる人々の「恐れの力」を水のようなものに変換して集める。
その恐れの力によって各幹部を蘇らせ、最終的には牙鬼幻月を完全復活させることを目的としている。

伊賀崎家から奪った小槌に「邪」の文字が入った五トン妖シュリケンをセットして力を解放し、
『肥大蕃息(ひだいはんそく)の術』によって倒された妖怪を巨大化させる本作の巨大化担当幹部。
蛾眉雷蔵を強制的に巨大化させたことから、本人の意思に関係なく巨大化させたり、巨大化の際に自我を奪う事も可能。
巨大に出来るのは妖怪に限らないようで、合体SPでは下級ロイミュードを巨大化させたり、事故で一度アカニンジャーが巨大化した事もあった。
なお、これはあくまで妖シュリケンによって術を発動しているだけであり、幹部クラスのメンバーや超上級妖怪は自力で術を使い、巨大化する事も可能。

過去には好天の唯一の弟子として、ラストニンジャを目指していた時期もあった。
好天曰く「昔は有能な忍者だったが、いつからか自らの力を侮り、悩み、恐れ、最後は道を誤った」らしい。
しかし、彼はあくまで牙鬼軍団の一員として、終わりの手裏剣を狙って弟子入りをしていたに過ぎなかっが、
天晴と風花の父である「伊賀崎旋風」から忍タリティを奪った所を好天に目撃されていたため、その時点で破門されてしまったようだ。
とはいえ、好天は本心としては彼の目を覚まさせ、自分の弟子に戻したかったらしい。

キンジの登場後は、「ラストニンジャの元弟子」として、キンジを自分の弟子にしようと暗躍する。
無論キンジはそれを跳ね除けるが、まだ心に迷いを抱えていたキンジには、
それに抗いきる事は出来ず、己の復讐を果たす為に「妖怪融合の術」をその身に受けてしまった。

物語中盤、西洋三大妖怪さえ撃退したニンニンジャーに対抗するため、十六夜流忍者軍団によってニンニンジャーに戦いを挑む。
それすらも打ち破るニンニンジャーだったが、九衛門は彼らの体内に埋め込まれた歯車により巨大メカ「カラクリキュウビ」を出現させ、
当時の最強メカであった覇王シュリケンジンを合体解除させ、ライオンハオーさえも撃破した。
だが、それはニンニンジャーに試練を与え、新たなる力「ゲキアツダイオー」を生み出す事となってしまう。
そして、カラクリキュウビはゲキアツダイオーによって破壊されてしまう。

新ロボにやられてそのまま死んだ殿下のように退場するかと思われたが、左目に傷を負っただけで済んでいた模様。
だが、この忍者軍団は元々は牙鬼家御庭番五人衆であり、牙鬼家の家臣を私物化したために晦正影からは追われる身となってしまった。
更にキンジと接触し、キンジと共に妖怪と戦うなどといった場面から、今度こそ晦から処刑されそうになった。
しかしそれも全て九衛門の策略であり、かつてキンジがオオカミオトコによって受けた傷と、九衛門がかけた妖怪融合の術によって、キンジを妖怪化させることが目的だった。
だが、仲間との絆を得て迷いを受け入れたキンジによってその策は破れ、また牙鬼軍団から離れる事となる。

そして物語終盤、牙鬼萬月の登場によって彼の正体は明らかにされる。






【人間関係】


伊賀崎好天(いがさき よしたか)

ラストニンジャであり、かつての師。
普段はラストニンジャと呼ぶが、影ではタヌキ爺呼ばわりしており、敬愛の念は無い様子。
…その一方で彼らに対しては憧れの念を抱いていた様子である。

伊賀崎旋風(いがさき つむじ)

かつて好天の兄弟子として、共に忍者修行に励んでいた。
しかし、彼の持つ優しさが好天から「忍者に向いていない」と言われた時の心の隙をついて、旋風の忍タリティと記憶を奪い取った。
つまり、九衛門の忍術や十六夜流忍者軍団には旋風の忍タリティも含まれている事になる。

スターニンジャー/キンジ・タキガワ

現在の好天の弟子。
彼の持つ焦りや、終わりの手裏剣が目当てであることを見抜き、言葉巧みに彼を闇へと誘う。

牙鬼幻月(きばおに げんげつ)

牙鬼軍団総大将。


蛾眉雷蔵(がび らいぞう)

牙鬼軍団の一番槍を務める武人。
「小姓など一々覚えていない」らしく、彼からは存在を知られていなかった。
幻月の復活を優先させて武人らしい戦いを避ける九衛門とはあまり仲が良くなかったようだ。
正体判明後は九衛門に仕えるようになり武人らしい態度で接している。

晦正影(つごもり まさかげ)

牙鬼軍団の家老。
蛾眉とは違い、「"十六夜"などという家臣はいなかった」とハッキリ覚えており、更に牙鬼家御庭番五人集を捨て石のように扱ったことから、
九衛門に対しては協力をしつつも心を許す事は無かった。
九衛門の正体判明後は今までの無礼を彼に謝罪するなど態度を一変いる。最も謝罪した回で倒されてしまったが。

有明の方(ありあけのかた)

牙鬼幻月の妻。
小姓である九衛門を体の良いパシリとしてこき使っていた。
「美容」と称して恐れの力を化粧水替わりにしたりかき氷のシロップにしたりと、間違いなく九衛門の最大の悩みの種である。
九衛門の正体判明に驚きながらも未だ萬月の死にショックを受けており休んでいる。

牙鬼萬月(きばおに まんげつ)

牙鬼幻月と有明の方の息子。
最初から九衛門の事を気に入らずに、霞から「カラクリ忍本音引出し」を奪って九衛門の本性を引き出そうとした。

十六夜流忍者軍団

九衛門が巻物に書かれた絵から蘇らせた、4人の忍者達。
(スズメバチは九衛門ではなく晦がよみがえらせた、「牙鬼家御庭番五人衆」の最後の一人)
新しい命を貰った九衛門に忠誠を誓う者もいれば、牙鬼家の人間ではない九衛門に疑いを持つ者も。
その体には歯車のようなパーツが埋め込まれている。

ロイミュード

春の合体スペシャルにて手を組んだ。
しかし、九衛門はロイミュードを「カラクリ人形」と言い、ハート達を見下していた。
あくまで恐れを集めると言う目的の為に手を組んでいたに過ぎないのであった。
しかし、そういった打算的な面を隠そうともしない辺りは、九衛門らしいと言える。

闇博士マーブロ

VSトッキュウジャーにて登場した、シャドーラインの博士。
マーブロからの要請によってクライナーを妖怪化した「ワニュウドウ」を生み出し、ニンニンジャーを闇忍者ランドへと誘い込もうとした。


【戦闘能力】

五トン妖シュリケンに込められた様々な忍術の他、伊賀崎家から奪った小槌を操る。
この小槌には刃が仕込まれており、先端の飾りが伸びる事で刀としても扱える。
十六夜流忍術の使い手であり、奥義は周囲に無数のエネルギーを展開して相手を包囲し、相手を八方から狙い撃ちにする忍法「十字砲火の術」。
封印の手裏剣に邪気を篭めることで妖シュリケンに変化させる能力も持つ。
また、旋風の忍タリティを持っている事から、手裏剣忍法を封じる「日輪封じの術」まで操る事が可能。


カラクリキュウビ

十六夜九衛門の操る巨大なカラクリ。
ニンニンジャーに倒された十六夜流忍者軍団の忍びが持ったコア歯車を使っており、彼らが受けた攻撃に対する耐性を備えている
防御だけでなく攻撃にも秀でており、好天仕込みの刀による接近戦と、『十六夜流忍法・子狐乱舞』によって遠近共に隙が無い。
特に子狐乱舞は覇王シュリケンジンの合体ですら一撃で解除にまで追い込む程で、
「もの凄い圧力です……!」とまで言わせ、獅子王ですらも「ダメだ……こいつには勝てねえ!!」と弱音を吐かせた。
ただし、耐性のある相手には無類の強さを見せる反面、耐性のない相手に言わずもがな。
登場時にはシノビマルと同様、ビルの中から現れた。
だが、シノビマルが回転扉のように現れたのに対し、カラクリキュウビは障子が開くような演出で現れた。

なお、子狐乱舞がどういう技かというと、九つの小型狐メカを飛ばし、無数のビームを四方八方から浴びせる
そう、つまり例のアレである。
中の人の母その道の開祖であり、中の人自身も近年の公式二次作品で母の跡を継いでいる。
流線型の肩パーツなども、キュベレイを連想させるデザイン。
ある意味このネタは番組開始当初から約束されていた……かも知れない。

物語終盤に赤いキツネこと二号機「アカイキュウビ」が登場したが、その際に搭乗していたのはヒャッカラゲ。
ヒャッカラゲでも操縦できる汎用性を追求した機体。
小型カラクリメカ「アカイコギツネ」を利用した子狐乱舞も使用できるが、九衛門とは違ってコントロールであり、制度は劣る。
また、十六夜流忍者軍団のコア歯車が無い為か、はたまた中の人の違いか、風花とだけで操っていたシュリケンジンに撃破された。


【その他】

名前の元ネタは、月の満ち欠けの1つ、「十六夜」。
また、狐の面である事から、「九尾の狐」も含まれていると思われる。

「十六夜」というと十五夜の月と1つ違いであり、ほぼ満月に近い形である。
躊躇いを意味する「いさよう」から来ている言葉であり、出るのを躊躇っていたため十五夜より遅れたという事から来ている。
十五夜=望月の後という事で「既望(きぼう)」という別名もある。
これらの由来も九衛門を象徴する事となる……かも知れない。

前述の通り、彼は作中の描写から、伊賀崎旋風と同年代くらいという事がうかがえる。
その為、物語中盤では着ぐるみから人間体として中年男性が演じるという形に変えるという予定だったとのこと。
だが、彼を演じた潘めぐみ氏の演技があまりにもハマっていたため、着ぐるみキャラとして継続して活躍する事が決まったそうな。
なお、潘めぐみ氏のお気に入りのセリフは「ドロンさせてもらうよ」とのこと。

潘めぐみ氏の起用は立ち上げ〜1クール時まで東映アニメーションから出向してサブプロデューサーを務めていた若林豪によるもの。
若林は前作の烈車戦隊トッキュウジャーの後半から東映特撮に出向になっているが、その前に聖闘士星矢ΩのPを2年間務めていた。
「星矢Ω」2期の長峯達也SDがハピネスチャージプリキュア!SDでもあるので、そちらのアフレコ現場に出向いてオファーをしたとのことである。

天晴、霞を差し置いてまさかのキャラソン持ち。タイトルは「闇夜ノ月」。紅蓮ノ月ではない。
美しくも妖しい和の旋律は、ニンニンジャー側のキャラソンにはない不思議な魅力を持つ。
しかし歌詞が闇堕ちしたと思わせる雰囲気だった為、やっぱり何かのきっかけで正義に目覚めるのではと思ったファンもいるとかいないとか。
なお、この時の歌声は完全に女性声である。ファンならば必聴。

食玩のソフビとして、牙鬼幻月、ジュッカラゲと共にフィギュア化された。
彩色の再現度などはそれほどでもないが、放送期間中はこれが唯一の九衛門の立体化商品である。

プレミアムバンダイでは「十六夜九衛門の小槌」と「五トン妖シュリケン(十六夜九衛門Ver.)」がセットで商品化。
小槌自体には発光したり音声が鳴ったりといったギミックは無いが、五トン妖シュリケンには中の人のボイスも多数収録されている。
五トン妖シュリケンは勿論、他の各忍シュリケンをセットして各種音声を鳴らす事も可能である。
鈴は付いているがプラ製で音は鳴らず、刀が伸びたりといった仕掛けこそないが、原作に忠実なデザインの逸品。
だが九衛門の人気故か、それとも歴代初となる悪役のなりきりグッズである為か、僅か数日で限定数の予約が完了してしまったレアものである。
(デーボス獣電池は通常版のバリエーション違いでノーカンという事でご勘弁を)。
「帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー ニンニンガールズVSボーイズ FINAL WARS」
にてミドニンジャーこと九重ルナ(20歳)が登場するがこの人物は彼の生まれ変わりなのか、
それとも……。と思ったら何の関係もなく十六夜九衛門の魂が一時的に取り付いただけであり、
十六夜九衛門の潘めぐみが顔出しで演じている上に、九重の字が九衛門と似ているのは単なるミスリードであった。


潘めぐみの母親の潘恵子は魔法戦隊マジレンジャーでは天空聖者スノウジェル、獣拳戦隊ゲキレンジャーでは幻獣ピクシー拳ヒソの声を当てており、親子で戦隊に出演したことになる。


それじゃ、僕はここで追記・修正させてもらうよ……またね。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • スーパー戦隊シリーズ
  • 手裏剣戦隊ニンニンジャー
  • 戦隊悪役
  • 潘めぐみ
  • 蜂須賀祐一
  • 竹場龍生
  • 十六夜九衛門
  • 牙鬼久右衛門新月
  • 十六夜
  • 新月
  • 狐の面
  • 虎の威を借る狐
  • 小姓
  • 策略家
  • 巨大化要員
  • 巨大化アイテム
  • 萌えキャラ
  • ネタバレ項目
  • 八衛門
  • 九兵衛
  • 九太郎
  • カラクリキュウビ
  • 小槌
  • 長男
  • 闇夜ノ月
  • キュア九衛門
  • ラスボス
  • 牙鬼軍団
  • 毒親育ち
  • 加害者にして被害者
  • 裏主人公
  • 戦隊ラスボス項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年12月19日 19:26