ディスダーク(Go!プリンセスプリキュア)

登録日:2016/1/21 (木曜日) 1:39
更新日:2024/02/21 Wed 23:18:44
所要時間:約 20 分で読めます





夢がある限り、絶望は消えない

永遠にな……





◆概要

絶望を集め、絶望を糧とし、世界を絶望に染めようとする集団。
物語開始時点では首領のディスピアに部下である「ディスダーク三銃士」クローズシャットロックが仕えるといった構成。
だが、後に述べるように構成員の変化が激しい。

異世界であるホープキングダムを絶望に閉ざし、人間界をも絶望で染めようとする。
その目的はかつてディスピアを封じ込めたプリンセスプリキュアの復活を阻止するため。

三銃士は全員胸に錠前を付けており、それを用い人間の夢を閉ざし「ゼツボーグ」という怪物を生み出す。



特徴として、監督の田中亮太(タナカリオン)がインタビューで「シンプルな悪」「絶対悪」と表現している通り、プリキュアと相容れない悪という存在であることが強調されている。

フレッシュプリキュア!」以降三幹部制が確立し、コミカルな三幹部が一年間画面を賑わせることが多かったが、
ディスダークの幹部は序盤から退場者が出るなど、三幹部制でありながら「プリキュア5」以前の属性を含むという、ある種「美味しいとこどり」のような形式となっている。
またシャットを除き歴代の幹部と比べてもコメディ要素が少なく、それどころか三幹部が共に行動することすら少なく、人間界に対して馴染む様子も見せない。


他人の夢を利用し踏みにじり、それをなんとも思わない彼らは人間やプリキュアにとっては紛れも無く「悪」ではあるが、
ゼツボーグを生み出すのはあくまで任務のためであり、必要以上に人間を弄ぶ愉快犯的な行動はあまり見られない。

三銃士の行動原理には創造主にして親とも言うべきディスピアが根ざしており、彼女に心底忠誠を誓うか粛清に怯えて流されるままに働くか不満を抱き反旗を翻すか三者三様の歩みを見せる。彼らも生き残るために必死なのだ。
そして終盤になるにつれて彼らも善と悪の垣根を越えた「個人としての在り方」を問われるようになっていき、純粋な悪の存在のまま変わっていく姿を見せるようになる。



◆作中での動き


+ 1クール目
作中以前にディスダークがホープキングダムに侵攻、王国は茨で覆われ国民は絶望の扉の中に閉じ込められてしまう。
唯一その魔の手から逃れたカナタ王子がホープキングダムに残り抵抗を続ける中、妖精のパフとアロマは人間界でかつて王国を救った伝説の戦士プリンセスプリキュアの適合者を探し求める。
それを阻止するためディスピアはディスダーク三銃士のクローズを人間界に送り込む。

だがクローズはキュアフローラキュアマーメイドキュアトウィンクル3人のプリンセスプリキュアの覚醒、チーム結成に至るまでの切っ掛けを全て一人で作ってしまう。

その失態によりシャット・ロックからは冷笑され、ディスピアから処刑されかかったクローズは、自ら懇願してディスピアの作り出した「絶望の檻」の中でプリキュアに最後の決戦を挑む。
一時はプリキュアの覚醒を阻止するほどの強さと執念を見せたクローズだが、プリキュア3人と一般人である七瀬ゆいとの絆の前に敗れ殉職した。

+ 2クール目
クローズと入れ替わるようにディスピアの娘と名乗る幹部・トワイライトが登場し、シャット・ロックはその下につけられる。
幹部二人をブラックキーで強化し、プリキュアが新たなキー「ミラクルドレスアップキー」を入手するのを阻止しようとするが、キーをコンプリートされてしまう。
ディスピアに失敗を咎められたトワイライトはプリキュア3人との対決に挑むが返り討ちに遭う。


屈辱に王国を彷徨うトワイライトは、宮殿から4本目のプリンセスパフュームを発見。
同時にプリキュアが王国に送り込まれ、ホープキングダム城でプリキュアたちとカナタは、闇のドレスアップキーの力でブラックプリンセスと化したトワイライトと対峙する。

そしてトワイライトの正体が洗脳されたカナタの妹・トワだと判明。プリキュアの合体技とカナタのバイオリンの音色によりトワイライトの仮面は砕け、元のトワの姿に戻る。
怒りのディスピアは絶望の茨を繰り出しプリキュアを始末しようとするが、カナタの犠牲によってはるかたちはトワを保護し城を脱出する。


更にディスピアが人間界に現れ、トワを再び絶望に染めるが、絶望から立ち直ったトワは4人目のプリキュア・キュアスカーレットに覚醒し、ディスピアを撃退する。

+ 3クール目
スカーレットによって返り討ちに遭ったディスピアは、その傷を癒すための絶望を集めることをロックに命じ、ディスダークの指揮を預ける。
シャットはディスピアからの信用も薄れており、不本意ながらロックの下につくことに。

ロックは3人に分裂する能力を見せ、策を弄してスカーレットを除くプリキュア3人から変身キーを奪い、そのエネルギーで絶望のゲージを満タンにする。

だがロックは溜めた絶望をディスピアのために使わず、ホープキングダム城を巨大なゼツボーグに変え人間界に侵攻する。同時にディスピアに背き自分が闇の王となるという野心を露わにする。
しかし変身する力を失っても諦めないプリキュアたちの粘りと自身の慢心でキーを取り戻されてしまい、ロックは激高して城の絶望を全て吸収し、巨大な怪物となり襲い掛かる。
12個集まったキーの力によりホープキングダム城は絶望から解放され、城の力による合体技でロックは消滅し、その野心は潰えた。


ところが平和も束の間、消滅した筈のクローズが再びプリキュアの目の前に現れる。
以前とは比べ物にならないほどに強化されたクローズはプリキュアを圧倒し、絶望の種から新たな幹部・ストップとフリーズを生み出す。
更にクローズはロックが消滅した際にあふれ出た絶望を用い、新たな拠点として絶望の茨の城を作り上げ、ディスピアを復活させる。
ロックの人間界侵攻にも取り残されて彷徨っていたシャットも流されるままにクローズの下につけられることとなった。

その頃ディスピアによって消滅させられたかに思われたカナタだが、全ての力と記憶を失ったものの生存しており、人間界で保護されていたところをはるかたちと再会する。

クローズはストップとフリーズに命じて人間界に絶望の種を撒かせる、それはゼツボーグを作り出す際に生じた絶望を地に植え付け、やがて茨に成長するものだった。
頃合いとみてクローズ自身が動き出し、黒須という学生に姿を変えノーブル学園に潜入、言葉巧みにはるかたちに取り入り彼女たちを分断させる。
一人になったはるかをクローズは襲撃し、記憶喪失のカナタがはるかの身を案じたがための言葉によって遂にはるかは絶望してしまう。

ディスダークの目的は強い夢を持つはるかの絶望をトリガーとして、全世界に絶望の茨を広げ絶望で埋め尽くすことだった。
プリキュアに変身できなくなったはるかを後目にクローズは勝ち誇るものの、フローラは絶望から立ち直り駆けつける。
クローズ・ストップ・フリーズ・シャットとプリキュア4人と記憶を取り戻したカナタの総力戦の末にディスダークは撤退、世界を絶望で埋め尽くす計画も破綻に終わった。

+ 4クール目
計画は頓挫し、ディスピア自身も危機感を覚えだしたディスダーク。
再びホープキングダムに呼び出されたプリキュアを、ディスピアは分身体であるメツボーグを生み出し迎撃するが、退けられる。
更に対応する12個のキーの力によって4つの宮殿を解放することにより、ホープキングダムは少しずつ元の姿を取り戻していき、ディスダークは更に窮地に立たされる。

そんな中最後のチャンスとして水の城の復活を阻止することを命じられたシャットはそれに失敗、ディスダークに戻れなくなる。
自身が全てを失い絶望にまみれることとなったシャットはプリキュアを恨んで襲い掛かり、怪物体と化して暴走するが、その境遇を憐れんだプリキュアに浄化されて救われる。
以前トワイライトだった者として救いの手を差し伸べたスカーレットにシャットは感化された様子を見せるも、その手はとらずに去っていった。

残り一つとなった花の城を使い、ディスピアははるかをプリンセスになるという幻想へと誘い込むも、すんでの所で失敗。
だがそれもディスピアの作戦のうちであり、真の目的は花の城にプリキュアたちが気を取られているうちに人ノーブル学園を起点に人間界を制圧することだった。
ディスピア・クローズ・ストップ・フリーズ、そしてディスピアによって復活させられたロック、プリキュアとその協力者たちの総力戦が再び幕を開けるのだった。


◆構成員


【首領】



夢に現を抜かす愚かな世界よ……

全ては絶望に染まり、我が力となる


  • ディスピア

「絶望の魔女」と呼ばれるディスダークの首領。
上半分を禍々しい仮面で多い、開いた胸部分に鍵穴が空いている、常人より遥かに巨大な身長の女性。
見た目通りの冷酷な性格で、部下の失態には厳しい。
物語開始時点で封印などはされておらず、序盤から要所で展開に絡んでくるタイプのラスボスである。


ディスダーク三銃士は彼女が生み出したしもべであり、彼女にとっては子とも言える存在なのだが、
ディスピアは自分にとって有用な部下しか求めず、役に立たない者は「失敗作」と言い切り捨てようとするなど、「毒親」と言うべき親である。
一方で、本心から忠誠を示そうとする相手には、手柄を立てる機会のお膳立てをする度量を見せることもある。


ホープキングダムを絶望に閉ざした張本人。
長い年月「絶望の森」に潜んでいたようで、作中の人物と同世代ではないようだ。
(先代のプリキュアは戦った敵のことを「大いなる闇」としか呼んでいないが、ロックは先代のプリキュアがディスピアと戦ったと発言している)


ホープキングダムの王女であるトワの「早くグランプリンセスになりたい」という心に付け込み、優しげな甘言で誘い絶望の森に閉ざす。
王女が行方不明になったことで悲嘆にくれるホープキングダム国民はディスピアの侵攻に負け、土地は茨で覆い尽くされ、カナタ王子を除く人間は絶望の扉の中に閉じ込められた。
トワの存在はディスピアとしてそれで用済みだったらしいが、「余興」として洗脳し、トワイライトという別人に作り替える。

トワイライトに自身を母と呼ばせておきながら、以上の経緯からわかる通り彼女に対する親としての情愛は皆無。
用済みとなれば自身の生み出したブラックキーで彼女を心を失ったブラックプリンセスとして覚醒させ、
浄化されてトワに戻ると残りの絶望のエネルギーも吸収せんと人間界に現れ、その際「もう『お母様』とは呼んでくれないのかい?」と嘲るなど、
骨の髄まで彼女を利用し尽くすことしか考えておらず、まさに「吐き気を催す邪悪」というべき悪役である。


恐るべき魔力を持つと同時に、多数の絶望の茨を操る能力を持ち、また彼女自身が茨でできているかのような描写がある。
その正体は自身の住処である絶望の森の化身にして、人々の夢の裏に絶対的に存在する「絶望」そのもの。
夢や希望に溢れたホープキングダムが抱える負の側面が具現化した存在であった。



【ディスダーク三銃士】

ディスピアの部下である三幹部。
人型でありながら、尖った歯や口の色が特殊など、明らかに人外と思えるような風貌が共通している。
空間に鍵穴のような穴を開け、そこからホープキングダムや人間界の各所に自在に移動する能力を持つ。

過去のシリーズのように人間ないしホープキングダムの住人などが素体となっているわけではなく、
ディスピア自身の魂から創造された使い魔であり、純粋な悪という存在。
そのため、一度倒されてもディスピアの匙加減一つで復活させることができる。

また、過去の三幹部は設定上は仲が悪くともなんだかんだで3人でつるむ場面が多かったが、
この三銃士に関してはシャットに多少仲間意識がうかがえる以外は、情を全く感じさせない酷薄な関係である。
メンバーが途中退場したり復活するなど入れ替わりが激しいことも相まって、共に出撃することも少なく、3人が同じ画面に揃うことすら皆無だった。

幹部の名前は「閉じ込める」という意味のほか、彼らの真の姿である動物の名前ともかかっており、
更にその動物(カラス・ネコ・カエル)は「魔女の使い魔」として有名なものという仕掛けがある。

タナカリオンによると、幹部の容姿はそれぞれミュージシャンをモデルにしている。



さてはテメェも夢を持ってるな……?

言ってみろよ、笑ってやるぜ!

  • クローズ

劇中で初めて現れた敵幹部。語尾は「だぜ」。
パンクロッカー風の、凶悪そうな風貌で、見た目通りの粗暴な性格。
小悪党然としているが、ディスピアに対する忠誠心は厚い。

真の姿はカラス(crow)で、closeとのダブルミーニングとなっている。
容姿のモデルはパンク・ロックのシド・ヴィシャス。

詳細は当該項目を参照。



ご紹介、感謝するのみ。

わが主・ディスピア様のため、プリキュアには消えてもらうのみ!

  • シャット

ゴスロリ風の衣装に身を包んだ「美しい」が口癖のナルシスト。語尾は「のみ」。
見た目だけはオカマに見えるが、中身は気品のある男らしい性格。そして作中随一のネタキャラ。
また、クローズを常に小馬鹿にしつつも彼が殉職した際にはその死を儚むなど、ディスダークの中では多少なりとも仲間意識を持っている。

真の姿はネコ(cat)で、shutとのダブルミーニングとなっている。
容姿のモデルはヴィジュアル系のMALICE MIZER。

詳細は当該項目を参照。



今日はほんのご挨拶ってところだね。

またね、つぼみのプリンセス。

  • ロック
CV:甲斐田ゆき

フードつきのパーカーを着た目隠れの少年。語尾は「だね」。
三人に分裂する能力、影を切り離して操る能力を持ち、心理戦にも長けるなど、実力は三銃士の中でナンバーワン。
だがその分他人を見下す酷薄な性格で、更にディスピアに対する忠誠心も無く密かに下剋上を狙っていた。
真の姿はカエル(flog)で、lockとのダブルミーニングとなっている。
容姿のモデルはエモーショナル・ロックのアーティスト。

詳細は当該項目を参照。




【幹部】


プリンセスは、努力などでなれるものではなくってよ

身の程を……わきまえなさい

  • トワイライト/ブラックプリンセス

クローズの退場後、ディスピアの娘として登場した仮面をつけた女性(なお仮面はその話のうちに外した)。バイオリンをよく弾いている。
プリキュアの「強く、やさしく、美しく」に対して「気高く、尊く、麗しく」と語り、生まれながらのプリンセスとして庶民であるはるかたち全否定するなど冷たく高慢な性格。
彼女自身はゼツボーグを生み出す力を持っていないようで、ブラックキーを配下の幹部の鍵穴に差し、パワーアップさせた幹部に強化ゼツボーグを生み出させるという方法をとる。

詳細は当該項目を参照。



ストップ!

フリーズ!

ユア・ドリーム!

  • ストップフリーズ
CV:井澤詩織(ストップ)伊東みやこ(フリーズ)

復活したクローズが撒いた絶望の種によって生まれた双子の幹部。視聴者からの呼び方は「ストフリ」。
フルフェイスのマスクを被った表情の見えない容貌をしており、植物から生まれたためか喋り方も無機質で感情がうかがえない。
ウサギの耳のようなものを生やし下半身がスカート状態なのがストップ、クマの耳のようなものを生やし半ズボンを履いているのがフリーズだが、容姿以外の差異点は見受けられない。

無機質な分、ジェスチャーだけは豊富で事あるごとに二人揃って変なポーズをとる。ディスピアの前でも変なポーズを決めるので大した根性である。
バイザーには時々光が入り、絶望の檻に閉じ込められた七瀬ゆいが抵抗を見せた時には、動揺していたのかノイズのようなものが走っていた。
また、そこからビームを発射できる。

「閉じ込める」の意味を持つ三銃士と違い、名前は「止める」という意味であり、彼らも作中でその表現を使う。
上級幹部となったクローズと彼に使われる双子とシャットという形でで幹部は再び3人構成となっているが、作中でストップ・フリーズは三銃士としては扱われていない。
何事にも無関心なように見えるが、シャットに一方的にメイクの素晴らしさを語られた時は、人間界で関心を示す素振りが見られた。

彼らの任務は人間界に絶望の種を撒くこと。
絶望の種はゼツボーグを生み出した際に撒かれるので、その時点で目的は達成されており、
ゼツボーグを倒されても悔しがる素振りは見せず「夢、止まらなかったな」「止められなかったな」「だが、絶望した」と言い帰っていくのがお約束。

38話・39話の大規模作戦ではスカーレットの足止め、クローズとフローラの決戦では茨でフローラを拘束、バイザーからの光線でフローラのプリンセスロッドを弾き飛ばすなど高いサポート力を見せた。
敗北の際にクローズと共に「プリキュア・グランプランタン」に囚われるが辛くも脱出。
その際、浄化されかけたのか「ドリーミング」と(変なポーズで)ゼツボーグと同じ発言をしていたが、後遺症などは特に見受けられなかった。

48話のノーブル学園襲撃の際にプリキュアの足止めをしようとするが、カナタ達に阻まれ、ストップはカナタと、フリーズはミス・シャムールと交戦する。
49話ではモノアイ風の眼と鋭い牙の生えた口を持つ金色と銀色の茨の怪物に変化した。
50話では頭部は最初の状態とよく似た金色と銀色の蛇のような怪物と化し、最後はクローズに吸収されて出番を終えた。

容姿のモデルはダフト・パンク。



【ゼツボーグ】


「ゼツボーグ!!」
CV:中務貴幸

ディスダークの幹部が召喚する怪物。
鳴き声は他のシリーズの怪物と概ね共通して「ゼツボーグ」のみだが、女性が素体にされるとカマっぽくなる。
浄化される際には「ドリーミング」と叫ぶ(スカーレットに浄化された場合は「バーニング」)。

幹部が狙いをつけた対象にアイメイク等が光らせると対象は拘束され、胸に鍵穴が開き将来の夢が映し出される。
そして「○○(幹部の名前)・ユア・ドリーム!」の口上と共に幹部の胸につけられた錠前が射出され、絶望の檻となり対象を閉じこめ、夢に対応した形のゼツボーグが生まれる。

なおこの際明らかにされる夢は幹部のみならず周りの人間も認識することができ、場合によっては公開プレイのような形になることも
対象は基本的に人間だが、夢の詰まったものなら無機物でもゼツボーグに変えることができ、また迷走中の某幹部がセミやネコといった動物をゼツボーグに変えていた。


絶望の檻に閉じ込められた人間は意識を失い空中に檻とともに浮いており、その内部ではどんなに前向きな人間でもその精神は暗く澱んでしまう。
しかし、絶望に立ち向かう意思があれば抵抗することができ、数度に渡って絶望の檻に閉じ込められた経験があるゆいは徐々にゼツボーグ化に抵抗するようになっていき、
48話でノーブル学園の生徒全体が絶望の檻に閉ざされた時、遂に脱出。
更にゆいたちの言葉で自分の夢を思い出した学園の生徒たちも自力で脱出に成功した。


  • ゼツボーグ(通常)

物語当初召喚されていたゼツボーグ。目の色は赤。
閉じ込める対象の夢の力も強さに影響しており、クローズがノーブル学園卒業生の夢が詰まった水車小屋をゼツボーグに変えた際は、フローラの単体浄化技を跳ね返すほどの強力なゼツボーグが生まれた。

強化体が登場した後もしばしば登場しており。19話で傷心のトワイライトが姿を消した際に単独出撃したシャットが、24話でトワイライトの浄化後に単独出撃したロックがそれぞれ召喚している。
39話ではるかの絶望を起点に夢が浜の住人全体が絶望の檻に閉ざされ、大量のゼツボーグが召喚されたが、戦闘の際にはモブ戦闘員のように吹っ飛ばされていた。


  • ゼツボーグ(ブラックキー)

トワイライトが自身の持つブラックキーを配下の幹部(シャット・ロック)の胸元の鍵穴に刺して強化し、生み出させるゼツボーグ。
錠前が赤いのが特徴。
水中戦でマーメイドを追い詰めたシャチ型ゼツボーグ、フローラと超作画での戦闘を繰り広げたセバスチャン執事ゼツボーグなど強敵が多い。


  • ゼツボーグ(ロック)

ロックが切り札として隠し持っていた強化体。ロックのフードと胸元の錠前と同じように二本の角が生えているのが特徴。目の色は黄色。
初登場時は通常のゼツボーグにロックの錠前を重ねがけする形で強化していた。
また、錠前を貸与することでロック以外も召喚することができ、シャットも同様のゼツボーグを召喚していた。

ロックの精神攻撃もあるが、ディスピアを退けたスカーレットを圧倒する実力がある。
ただし強化体とはいえ素体の強さも影響するので、迷走著しいシャットがセミをゼツボーグに変えた時は、小さなセミゼツボーグしか生まれず。
妖精と低レベルな戦いを繰り広げていた(ただし徐々に巨大化して最終形態では割とプリキュアを苦しめていた)。


  • ゼツボーグ(ストップ&フリーズ)

ストップ・フリーズがそれぞれの錠前を二つ重ねて召喚するゼツボーグ。
錠前が二つあるため他のゼツボーグが一つ目であるのに対し、このゼツボーグは二つ目のようなデザインになる。目の色は緑。
ロックの錠前と同様にシャットに貸与されることもあった。
強化体ではあるが、別に合体技でなければ浄化できないわけではないようで、きららの個人回では(省略された戦闘で)トウィンクルの単体浄化技で倒されていた。


  • メツボーグ

ディスピアが自身の力を分け与えて召喚させる分身体のような存在。素体となる対象を必要としない。
ゼツボーグと比べて錠前や鍵穴の形も禍々しい。鳴き声も「メツボーグ」となる。
劇中で登場したのは四体で、それぞれ白虎・青龍・玄武・朱雀をモチーフにしたかのようなデザインをしている。
(花の城に現れたメツボーグは全体的には蝶に見えるが、ディティールに朱雀の要素が盛り込まれている)

ブラックプリンセスや強化クローズの波動も防ぐカナタのバリアを一撃で相殺するほどの力を持つが、
成長しきったプリキュア相手にはそれでも分が悪く、それほど暴れられずに終わってしまった。



◆余談



■ディスダーク三銃士はOPでの扱いが歴代の幹部と比べて毛色が違う。
というのも歴代の敵幹部はOPでは3人並んだカットで登場することが多く、またサビでプリキュアと戦う役割も怪物が担っている。

それに比べると三銃士のOPでの扱いはサビ前でクローズ→シャット→ロックの順番でワンカットずつ(怖い顔のアップで)登場し、
サビではクローズVSフローラ、シャットVSマーメイド、ロックVSトウィンクルとプリキュアと対決するアニメーションが流れている。
これも3人でなく個々で別の道を歩んでいった三銃士を表すもの言えるかもしれない。

更に、3人の中でもクローズはフローラと格闘するシーンが長く描かれるなど、ほかの二人より扱いが大きい。


11話でのクローズ退場後もOPの構図は長らく変わらなかったが、25話でのOP大幅変更によってサビ前の顔アップがロック(青年)→シャット(そのまま)→ストップ&フリーズ(この時期は未登場だったためシルエット)と変更された。
更にロックの退場・クローズ復活後の32話ではクローズ(復活後デザイン)→シャット(やっぱりそのまま)→ストップ&フリーズ(シルエットが晴れる)と変更、
同時に戦闘シーンもクローズが復活後のデザインとなったほか、ストップVSマーメイド、フリーズVSトウィンクル、シャットVSスカーレットと変更されている。



■上記で述べた通り三銃士は作中で揃うことが全くなかったが(6話では全員登場しているもののロックはクローズ・シャットと別の場所にいた)、ラスト間際の48話において初めて3人が同じ場所に集結した。
その際、一度復活したのち別人のように強く冷徹になったクローズ善と悪の狭間で迷いディスダークを離れたシャット偽りの忠誠心を植え付けられ本体のパーカーをゾンビのように動かされるロックと、三者それぞれが当初と全く別の形となって対面するという皮肉なものとなった。



■タナカリオンは、ディスダークについて「はるかの家族のような温かい家庭と対になる家族」をコンセプトにしていると述べており、榊原・真殿・日野・甲斐田の声優座談会でも三銃士を三兄弟に例えて語っている。
それによると、長男のクローズは家業を継ぐ者として責任感が強く、母であるディスピアは期待の分厳しくあたる。
次男のシャットはそのような立場にないため母からも放任気味で、迷走独自路線を歩んでいく。
三男のロックは一番優秀でありながら一番幼い精神であるためコンプレックスとはねっかえりが強く、遂に親に反抗して下剋上を企む、といった具合である。



■本編では愛嬌のある部分も少なく、揃うことも少なかった三銃士だが、プリキュアショーやキャラソンなどでは3人全員が揃ったり愉快なところを見せている。
スマイルプリキュアバッドエンド三幹部以来となる三幹部キャラソン「Perfect Black」は、
ミュージシャンがモデルの三銃士らしく、デスボイスの真殿、V系の日野、女性ボーカルの甲斐田がどことなく「聖飢魔II」風にシリアス曲を歌い上げており、悪役ファンは必聴。

■実はシリーズでも非常に珍しい、制作中に方針転換がなされた悪役でもある。(脚本的な意味で)
シリーズ構成が語った処によると、三幹部制が確立されて以降の「相手を改心させて倒す」がデフォルトになってきてしまっていた為、
本作では和解の余地がない「シンプルな悪」「絶対悪」という形でそのパターンを変えようという方針が当初建てられていた。
更に言えば敵に話の筋を振り分けると、味方側の描写が少なくなるだけでなく、敵の方も中途半端になりかねないので、
そういう意味でも本作は中途半端な描写にしたくないという事情から前述の方針が取られることになった。
これが本作当初の構想であり、このインタビューが行われた時期は大体クローズの退場時で、
当時クローズは悪の誇りを貫いて散り、シャットは嫉み妬みに捉われた小悪党、ロックは外道そのものといった感じで単純に憎たらしい敵としてしか描かれておらず、この時点ではこの方針が忠実に守られていたわけである*1
そんな中、このクローズの退場時に本作のプロデューサーの一人が「クローズが復活する展開は出来ないか?」ということを提案したらしい。*2
当然シリーズ構成の田中氏は否定的だった*3のだが、実際に制作されたクローズ退場回の、消滅の際の真殿氏の演技(これに関しては彼の項目に詳しい)及びフローラの「ごきげんよう」の表情が複雑に見えた*4ことで心を動かされ、クローズ復活が決定する。
クローズの復活を決めたからには中途半端な描写は許されないとして、本作ストーリーは最終的にフローラとクローズの関係をクライマックスにもっていく形で再構成されることとなり、
クローズが復活するのにロックだけ退場させるのも良くないということで彼の正体が決まり、そしてこの二人を一定の活躍をさせるならシャットも仲間外れは無い…と言った形で生存・見せ場があることが決定される。
…という、本作終盤の展開はほぼ全て真殿氏の演技によるクローズの熱演が切っ掛けで生まれた物である。作品の方向性自体を真殿氏は変えたのであった。
なお、仮に当初の構想通りクローズが復活しなかった場合、2番目にシャットが倒され、3番目にロック、そして最後にディスピアとの決着で終わるはずだったそうだ。
ちなみに上述した和解の余地がない「シンプルな悪」「絶対悪」のパターンはそれから5年後実現することになる。


■当たり前だが、某暗黒科学帝国は関係ない。


追記・修正は夢を絶望の檻に閉じ込めてからお願いします


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最終更新:2024年02月21日 23:18

*1 映画版の敵キャラクターも同様で、彼らは「同情の余地もない外道」だと担当声優はインタビューで述べている

*2 あくまでも提案であるので強制力はないと思われる

*3 そもそも倒される前提で作ったキャラなので当然ではある

*4 この回はフローラ側の視点によるフローラのドラマとして描かれており、クローズはそれを盛り上げるための悪役だった