アルジュナ(Fate)

登録日:2016/01/18 (月) 08:36:14
更新日:2024/02/23 Fri 20:59:34
所要時間:約 18 分で読めます




―――私の、笑いを、見たな

出典:2018年1月2日閲覧 FGO公式サイト サーヴァント紹介頁
http://www.fate-go.jp/servant/archer.html





Fateシリーズ、「Fate/Grand Order」に登場するサーヴァントの一人。




短髪の黒髪に褐色の肌と白い衣服が特徴的な青年。
クラスはアーチャー
真名はインド二大神話の一つ「マハーバーラタ」の主人公ともいえる大英雄『授かりの英雄』アルジュナ。
炎神アグニから授かった大弓「ガーンデーヴァ」を手に、戦場を蹂躙した弓の名手。
礼儀正しく勤勉な人格者とされ、英霊の中でも最高ランクの戦闘力を誇る。

Fate/Apocrypha」に登場した『施しの英雄カルナは生前の宿敵であり、彼と同等の力量を誇り、幾度も激闘を繰り広げた。



■伝承でのアルジュナ

人間の王女クンティーと神々の王である雷神インドラの間に生まれた半神半人。
パーンダヴァの五人兄弟の内の三男で兄弟の中でも一際優れた武勇を誇った。
力だけでなく精神面にも優れ、健全かつ公平な人格者と謳われた人物であり、家族や周りの人々に協力され続け愛された男とされている。

師ドローナに師事し、優秀な力を誇るアルジュナはクル家が主催する競技大会にて、存分にその腕前を披露するも、そこにある男が飛び入りで参加し、アルジュナに劣らない業を繰り出す。
男の名はカルナ。クンティーに捨てられた為にアルジュナも当の本人も知らないものの彼の異父兄である。
彼はその育ち故に振る舞いや言動は粗野になりがちであったものの優れた武勇を誇る猛者であった。
2人は優劣を付ける為に武芸を競おうとするもカルナは身分を理由に認められずに周囲から嘲笑されてしまう。

そこでアルジュナ達パーンダヴァと後にクルクシェートラの大戦と呼ばれる戦争で敵対する関係にあるドゥルヨーダナがカルナを援護して自らの陣営に引き入れる。
こうして両者は敵対への道を歩む事となる。
両者は時に退き、退け合う拮抗した闘いを展開していたが、アルジュナを案じた父インドラや親友クリシュナを含む周囲の人々は様々な策や呪いを持ってカルナに足枷を嵌めていく事を画策していく。

クルクシェートラの大戦における二人の最期の闘い、策略によって生誕と共に纏っていた黄金の鎧を奪われ、その代償に手に入れた雷光の槍すらも遊軍を守る為に失い、更には自分と唯一対等に渡り合えるアルジュナ以外の兄弟の不殺の約束、数多の呪縛を受けながらもカルナはそれでも戦場に現れアルジュナに挑んだ。
しかし、その最後の戦いすらも策謀で塗れたものであり、パーンダヴァに内通する御者がカルナが乗る戦車の車輪をワザと土に突っ込み動けなくする。

カルナは呪いによって戦車を動かす事は叶わず、更に弓の奥義であるブラフマーストラの使用方法すらもかつて受けた呪いのせいで忘却してしまう。
動けない者を攻撃してはならないという「戦士の掟(クシャトリア)」を挙げて攻撃の静止を訴えるカルナに対し、アルジュナは攻撃するかを躊躇するも御者を務めていたクリシュナはすかさず言い放つ。
カルナが今まで行ってきた悪行の数々、特に掟に反して集団でアルジュナの息子を嬲り殺した所業の事を。
掟を破ったカルナが、今になって掟に縋る事を非難するクリシュナ。
その言葉を聞き受けたアルジュナは弓を構える。
結末を悟ったカルナは激怒しながら彼らを罵倒したが、既にアルジュナの決意が揺るぐことはなかった。
放たれたアルジュナの弓矢はカルナの首と胴を別つ事になり、こうして彼は勝利の栄光を掴むことになる。


戦争後、不正を行う者達を粛清。
晩年に世を疎んだアルジュナは世捨て人となり、ヒマラヤにて生を終えたとされる。



■プロフィール

身長:177cm / 体重:72kg
出典:マハーバーラタ
地域:インド
属性:秩序・中庸
性別:男性
好きなもの:一人である事
嫌いなもの:自分の心に踏み入る者

■ステータス

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A B B B A++ EX

カルナに並ぶインド指折りの大英雄なだけにどのステータスもかなりのランクを誇る。


■スキル

クラススキル

  • 対魔力:C
魔術に対する抵抗力。
一定ランクに満たない魔術を無効化し、ランク以上のものには効果を減少させる。

  • 単独行動:A
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
マスターがサーヴァントへの魔力供給を気にすることなく自身の戦闘で最大限の魔術行使をする、
あるいはマスターが深刻なダメージを被りサーヴァントに満足な魔力供給が行えなくなった場合などに重宝するスキル。
反面、サーヴァントがマスターの制御を離れ、独自の行動を取る危険性も孕む。
Aランクならマスターを喪っても数日以上の現界が可能。


保有スキル

  • 授かりの英雄:A+
生まれついて誰もに愛され、誰もにその時々に必要なものを与えられた大英雄アルジュナ。
呪いのように積極的な原因がない限り、アルジュナに何かが不足するということはない。
ゲーム的にはNPチャージに加え5ターンのHP回復状態とスター獲得状態とかなりの強スキルと化している。

  • 魔力放出(炎):A
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。
この能力は所持する宝具である『炎神の咆哮』の影響に寄るものである。
アルジュナの場合は放出した魔力は矢の加速に用いられ、魔力を纏った矢はライフルの弾よりも素早く敵を射抜く。

  • 千里眼(射手):B+
視力の良さ、遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
また、透視を可能とする。
アルジュナは弓を射る際に時間感覚の操作を行う。
故に彼は慌てること無く狙いを定めることが出来る。

  • 神性:B
神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。
インドラの子とされるアルジュナは、半人半神という出生からBランクである。


宝具

判明しているのは二つ。
伝承では奥義であるブラフマーストラ、飛行宝具ヴィマーナといった宝具候補が幾つもあるが、此方が採用されているかは現状では不明である。

炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)

ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大補足:1人

炎の神アグニから賜ったこの世に打ち落とせぬもの無き、神の弓。
本来は定命の者には扱えない。
通常時はただの弓だが、真名開放をすると矢は炎を纏ったミサイルと化す。
無誘導式だが、アルジュナ自身のずば抜けた弓の才能と千里眼スキルが合わさって、ほぼ誘導式ミサイルに等しい精密さを持つ。
『FateGO』では真名開放は行われない。

破壊神の手翳(パーシュパタ)

ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:1~100 最大補足:1000人


一切の邪悪、滅ぶべし!

神性領域拡大。空間固定。神罰執行期限設定、全承認。シヴァの怒りを以て汝らの命を此処で絶つ――

此処に我が宿業を解き放とう。神と人の子として罰を下す。見るがいい、これが崩壊だ!

破壊神の手翳(パーシュパタ)』!!


ヒンドゥー教における三大神、その内の破壊と創造を司るシヴァから与えられた武器。
対「人」宝具であるが、それは「周囲の人間を纏めて鏖殺するのではなく、
レンジ内の全員に一人一人に判定を行い、失敗したものを『解脱』させる」
という性質からである。
解脱とは即ち「即死」、要はお釈迦様の宝具を喰らったときのアレ。
神性が高ければ高いほど、解脱の確率は大きくなる。
逆に、反英霊と呼ばれるサーヴァントたちは解脱の確率が低くなる。

ゲームでは光の球体を出現させて敵に放り、大爆発を引き起こす。
伝承において、シヴァが使えば宇宙が消滅するとされるとんでもない兵器。
アルジュナが使っても「三界を消し飛ばす」「世界を7度も滅ぼす」ともいわれる破壊力を誇ると記録されている。
その威力を恐れたアルジュナは結局この武器を使う事はなかったという。

「原典において使われなかった宝具」という点からこの宝具はギルガメッシュの「王の財宝」でも取り出させない宝具と推察される。
なおFGO第五特異点にて神造兵装であることが判明。
破壊範囲と威力の調整を行えるようで、自壊覚悟で放った際にはテスラエジソンのランクEX宝具でも捕らえる事が精一杯だった28匹の魔神柱を一撃で纏めて消し飛ばす驚異的な破壊力を発揮した。

Fate/EXTELLA LINKにおいては、対軍バージョンが披露された。
ムービーでは、光の球体を(仮想空間だが)大気圏外まで射出し、炸裂させて地上へと降り注がせるというもの。
これに当たって、威力がどれほど変化しているかは不明だが、食らえば解脱の閃光が雨のように降ってくるなど恐怖でしかないだろう。

■Grand Orderでのアルジュナ

第五章のメインクエストに登場。
カルナ共々先行され、クエスト『再び神の詩を求めよ』にて初登場した。
何故か記憶を失っており、共に船に乗り合わせている主人公を一時のマスターとして力を貸す事とする。
闘いに空しみを覚えており、勝利にも敗北にも執着も抱いてないとされる空虚な男とするも、カルナと対面すると雰囲気が急変、記憶を失いながらも敵意をむき出しにする。

あらゆる事を肯定するカルナがこの世で唯一認められない男として敵意を向け、アルジュナもまたカルナという存在自体に嫌悪するという互いに相容れない存在としてみている。
最期はこの出来事を夢とし現実で再び主人公に会い、答えを共に得る事を望みながら夢から覚めていった。

伝承に違わず、真面目で礼節に溢れ丁寧な振る舞いをする清廉な人物。
若干天然じみた一面を持つ。

王族という出生にも関わらず、マスターに仕える事を喜びと称して真摯に応じるその立ち振る舞いは、あの忠義の騎士と呼ばれるガウェインすらも白旗を挙げる程に見事な姿だという。
一方で己の強大な力には絶対の自信を誇り、自らを最高のサーヴァントと称してマスターや他のサーヴァントより自らの方がより偉大な人物であると豪語したり、マスターに対して自身を使いこなすに足る者である事を望むなど、時にプライドの高さや傲慢にも思える言動を無意識で行う所がある。

聖杯戦争においてもその自信は揺るがず、自らの敗北は在りえないとし、敗退する事があるというのならそれは己のマスターが自害を命じたときのみと断じている。

英雄として傲慢に近い一面を持ちながらも正しくあるように見え、周囲の者達もそのような認識をしているが、聖杯に掛ける願いに「永遠に孤独である事」を挙げるなど、内面にどこか歪な何かを隠している模様であり、『FateGO materialⅢ』ではサーヴァントの本質に至るまで掴み取ろうとするマスターであればマスター殺しをも辞さない可能性があるという、物騒な設定も明かされた。
「相手の本質を掴んだ」からこそ信頼を失う可能性もある。
たとえ相手が彼の闇を受け入れるにしても、闇を持つ側の方がそれを恥じているなら尚更だ。


マイルームでは高信頼度を築いたマスターに対し「私を見ないでください。このアルジュナ、恥を晒している気分になります」と語り、最終的には「私の顔を……見てしまったのですね……悲しい、あまりに悲しい。」「どうかこの事は御内密に」と洩らす。
上記の設定を考慮すると背筋が寒くなる気がするが、顔を見た上で内密に、で済まされるあたり主人公は見逃されているのであろうか。

また、霊基再臨を最終段階まで行った際には、

よろしい!完璧だ!これでこそ私!これでこそアルジュナだ!!クッフフフ……アッハハハハハハハ!!

と高笑いしながら歓喜するなど、それまでのもの静かな雰囲気とはうって変わってハイな一面を見せている。
このアルジュナのもう一つの顔はあらゆる嘘と欺瞞を見抜けるカルナをもってしても見抜けなかったらしい。

カルナはアルジュナを指して「正義そのものが形になったような実直かつ誠実な男、紛れもなく本物の英雄」と称している。
ジークフリートはアルジュナと良く似た眼をしているそうで、「何かに苦しみながらも己の役割りを全うしようとする戦士」という所がとても良く似ているらしい。
両者の違いとしてはジークフリートはアルジュナと違って飢えのような何かを持っている所とか。

全てを等価値と定める筈のカルナは何故かアルジュナにだけはカルナ本人にも判らない奇妙な執着心と敵意を抱いており、アルジュナも一目見た瞬間からカルナだけは必ず自身の手で殺さなければならないと決意したという。

そんな2人だがマイルームにてアルジュナとカルナを保持していると特殊会話が発生。
互いに敵意を抱いているが、生前の母クンティーの理想なので見定める方針のカルナに対し、アルジュナは次に顔を合わせるならばどうなるか分からんぞと言い放つなどと、攻撃的。



ストーリーでの活躍

  • 第5特異点「北米神話大戦イ・プルーリバス・ウナム」
体験クエストでは味方側だったが、敵陣営に付き、カルナとの直接対決を演じる。

正しき英雄であるはずのアルジュナが世界を焼却せんとする側に付いた理由、それはカルナが世界を守る側に付いたため。

「授かりの英雄」アルジュナ。
生まれた時から完璧な英雄であることを約束され、数多の授かりを受け、人々の期待に答え続けた男。
周囲の人々や宿敵であるカルナすらも彼をまさしく英雄の鏡、高潔な正義の人物である事を信じて疑わなかった。

しかし、実際の所、彼自身は他者が思う程に誠実な人物でも無ければ、自分が思うほど邪悪という訳でもない。
ただ人々にそうあるように望まれたからそれに答えた。それだけの話。

自分を律して、律して、律し続ける事こそがアルジュナの生き方であり、だからこそ自分は神々に、父に、母に、妻に、兄弟に愛される。
そうでない自分には何の価値もない、とアルジュナは本気で考えている。
だからこそ、彼は己の真実に踏み込むものを許さない。
誰よりも優れた力、誰よりも優れた人物と讃えられた彼にとって、羞恥と考える己の本質を見抜かれることは何よりも恥となり得る部分だからだ。

そんな中で、カルナへの敵意だけはアルジュナが自らの意志で選び、受け入れた業だった。
初めて顔を合わせた時からアルジュナはカルナを宿敵として殺さなければならないと確信していた。
彼のすべてを見透かすような口調に怯えたからだ。

カルナには冷徹さの中に人を信じる温かみがある。
己は穏やかさの中に、絶望的なまでの諦観がある。
己の中の『黒(クリシュナ)』をあの眼光に暴かれれば、自分は間違いなく恥辱で死に絶える。


しかしその宿敵との人生最大の戦いですら、「授かり」によって貶められた。

鎧を奪われ、呪いに蝕まれ、御者にさえ裏切られたカルナ。
万全の状態ならばアルジュナと言えど勝てる保証はない程の難敵。
その最大の難敵を今ならば容易く討ち果たせると告げるクリシュナの忠言。
だがアルジュナは心の底ではカルナとは対等の形で決着を付ける事を望んでいた。
しかし、周囲の人々が望む「理想の英雄」という風評に準じてきたアルジュナには、その弦を止める術がなかったのである。
そして、迷いながらもカルナを討ち果たしたアルジュナに残ったのは後悔だけだった。
もしもあの日、あの場面、弦を引くことを止めていたのであらば……
完全であるようにと定められたアルジュナはその胸の内の後悔を払拭する術を知り得なかった。
それは生涯に渡り彼の無意識の苦悩として爪痕を残し、英霊の座に在ってなお、破滅と孤独を欲するようになる。
要するに嫌気がさしてしまったのだ。

英雄ではなく、人として抱いた唯一の感情に未練を残したアルジュナは、だからこそカルナとの再会を待ち望んだ。
聖杯戦争で呼ばれる度にカルナが召喚されている事に期待し、その度にそんな都合のいい事など簡単に起きないと告げられるように現実を見て落胆し、それでも闘いの舞台に現れ続けた。
神も呪いも関係なく、宿命すらも捨てて、ただの戦士として相対し、あの戦いに真の決着を付けられたなら。


つまり、アルジュナの真の望みは「カルナとの対等な戦い」
「永遠の孤独」というのは、その未練から生まれたものに過ぎない。

もし、カルナが召喚されたならば、必ず世界を守る側に付くだろう。
そしてカルナと敵として対等に戦わんがため、自分は滅ぼす側に付く。
もとより彼にとって世界の危機などに興味はない。滅びるのならば滅びるべきなのだと考えているからだ。


そして特異点にてその偶然を掴み、アルジュナは他者から望まれた高潔な正義の英雄という仮面を脱ぎ捨て卑劣な汚れ役となってでもカルナとの決戦を望み、遂に待ち望んだ決闘を開始する。
だがぶっちゃけると、メイヴ暗殺計画が失敗し、多大な犠牲を出したのはこいつのせい。



この槍に誓って。この肉体に誓って。父と母に誓って―――勝利を奪う


私も父と母―――そして、兄弟に勝利を誓おう

幾千と幾万の月日を乗り越え、ようやくこの偶然を掴んだ!

たとえ如何なる天魔といえども、邪魔立てはさせぬ…!


しかしそのようやく掴んだ戦いすらクー・フーリン・オルタによって邪魔され、致命傷を負ったカルナは最後にサーヴァントとして勝利の一助になるために『日輪よ、死に随え』を解放し、消滅した。

残されたアルジュナはナイチンゲールの容赦ない指摘によって自分の妄執を暴かれ、胸の内に去来する感情に決着を付ける為、主人公達に勝負を挑んだ。
無意味な戦いに付き合ってくれた事に礼を述べ、姿を消す。

そして最終決戦にて二十八の魔神柱の前に窮地に陥ったエジソン達の前にニコラ・テスラと共に現れ、その身を犠牲にした『破壊神の手翳』によって魔神柱を消し飛ばし、妄執に囚われた英雄としてではなく、使命を果たしたサーヴァントとして散っていった。




カルナ…おまえの気持ちが、今になって、やっと…




  • 終局特異点「冠位時間神殿ソロモン」
図らずもカルナとの共闘を果たすことになる。
カルナへの感情を沈め、カルナと共に魔神柱と戦おうとするアルジュナに対し、カルナは「己を誤魔化すな」と語り、アルジュナは自分の中の感情、カルナへの憎悪と妬みを認めた。
高潔な英雄である自分が持ってはならないと戒めていた感情を、自分のものとして受け入れたのだ。

英霊となった後で答えを得たこの運命を笑うアルジュナにカルナは自分もまたそうだったと語る。
マスター運に恵まれた自分は、遠い世界で出会った一人のマスターの言葉を覚えているから、こうしてお前と語らう事が出来るのだと。

―――いつか、巡り会いたいものだ。そういう、存在に


  • Lostbelt No.4「創世滅亡輪廻ユガ・クシェートラ」
CMに彼(あるいは“黒”)を思わせる人物が映っており、舞台が故郷インドとあって登場が予想されていた。
しかして、その実態は――


  • イベント「ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊」
贋作英霊の一人として登場。
呪いが付きまとう逸話もあってか、クラスはアサシンクラスとなっている。

黒幕から与えられた役割は「ドSだけどいざというときはデレてくれる理系の先輩」
…いろいろ盛り込みすぎィ!!

同じく贋作英霊となったアーラシュとタッグを組み登場。
すまないならぬすまなくないさんことジークフリートを囮に遠距離攻撃を仕掛けるという生前の彼からは考えられないえげつない戦法を行った。
……一応、すまないさんの代わりに謝っていたが。


  • イベント「アイアイエーの春風」
大魔女キルケーの故郷・アイアイエー島に微少特異点が発生し、これを解決するためレイシフトに同行する形で登場。
道中は直接の関係者がおらず、結果なかなかに珍しい顔触れとなったため、短めのイベントながらもさまざまな顔を見せた。
ゲオルギウスと結託してイアソンの逃亡を防ぎ「朴念人」だの「生真面目コンビ」だのと呼ばれたり、そのイアソンやオリオンを交えた、ボケとツッコミを交互にやっているかのようなテンポの良い掛け合いは、一部では「男子高校生の修学旅行」との声も。

また初対面かつ記憶喪失であったオデュッセウスの所作を一目見ただけで大体の力量を把握していたり、地下迷宮を自身の宝具でうっかり破壊してしまわないか心配するなど、純粋に戦士としての能力の高さも発揮していた。


  • 幕間の物語「神弓の真価」
まだ完全な信頼関係には至っていないと主人公を連れ出し、その力量を試そうと戦闘課題を提示する。
その後きちんと課題を達成した主人公を正しくマスターと認めると、神弓『炎神の咆哮』の真名を明かし、今後の戦いではその真価をお目にかけると約束してくれたのだった。
……と、ここまでは良かったのだが、その後の戦闘では張り切りすぎて宝具の出力を誤ってしまい、森一帯を吹っ飛ばして更地に変えてしまった


……このように本編内において、遊びの少ないキャラクターであり、また型月名物のイベントギャグ時空等もあまり顔を出していない。
ただし生真面目すぎるあまり一周回って天然な部分もあり、時々ぽんこつ発言が飛び出したり、事前の相談なしに即行動したりと、オリオン曰く「ブレーキ役に見えて、自覚のないアクセル役」である。
周囲も大概アクセルばかりなので相対的にブレーキに見えることと、大抵のことは自力で解決できる実力と火力があるため、この辺りはある意味仕方がないのかもしれない。
執事のようで「完璧超人」との触れ込みではあるが、上記のような天然ムーブに加えて辛口カレーやサウナが好きだったり、割とノリが良かったり……と意外な一面を見せることも。
中の人による影響によって彼もネタキャラ的扱いを受けることも時折あるが、キャラクターとしての堅さを思えばちょうど良いバランスといえようか。







※この先、ネタバレ注意







  • 幕間の物語「問い掛け続けることにこそ」
戦闘レイシフトから帰還したその夜、眠りについた主人公は、何やら昼間から様子がおかしいアルジュナの姿を垣間見る。

私の、顔を、見たな?

直後、視界が暗転。
どうやら夢の中に彷徨い込んでしまったらしいアルジュナと主人公は空気の流れを辿った先に迷宮を発見し、ひたすら下層へと潜っていくことになる。
途中でラーマやカルナとも遭遇し、「おまえは何者だ」という意味深長な問いと試練を投げ掛けられるアルジュナ。
紆余曲折を経てカルナも同行することになり、最深部に辿り着いた一行を待ち受けていたのは―――


アルジュナのご帰還か。否、あるいは遠征か?

闇を打ち払い、光を求めて此処に来たのか?


彼の正体は「(クリシュナ)」。
アルジュナと全く同じ姿で笑みを浮かべ、かつての友人と同じ名を掲げるそれは、アルジュナが幼少の頃から抱え続け、その存在に苦しみ続けてきた闇そのものの姿
早い話が裏人格であり、アルジュナに代わって悪を成す「邪悪」……と定められた「人間なら誰にでもあるような」感情群であった。
ラーマやカルナも本人ではなく、アルジュナの記憶を元に生成された素体であり、幕間タイトルの「問い掛け続ける」とは自分自身に、ということが分かる。
アルジュナは所謂「ノブレスオブリージュ」を突き詰めたような、強力な自責感を持ち合わせていた。あまりにも潔癖すぎたがために、自分自身にこのような細やかなエゴが存在することすらも許せなかったのだ。
英雄たらんとする自身の内側に「英雄として相応しくない自分」がいると知られては断じてならない……そうしてアルジュナは自分を律し続けたのである。

自身の「顔」を知った以上は誰であれ殺さねばならないと襲いかかってきた「黒」をどうにか押さえ込んだ後、アルジュナは正面から向き合う。
今のアルジュナにはマスターがいる。「悪心なんて誰にでもある」と言い切り、ただアルジュナが心配だというそれだけの理由で夢に付き添ってくれた、「特別ではない人」が側にいたのである。


あの矢を放ったのは、俺だ

あの矢を握り、あの矢を番え、あの矢を放ったのは、このアルジュナだ


アルジュナはついに「黒」を受け入れる。
ただ戦う、マスターのために戦う。
このマスターに仕えるという、本質だけを抱いて。
そのためならば己の悪心を恐れることはなく、恥じることもないと。
アルジュナの覚悟を聞いた「黒」はそれを認め、ならばせめてその後悔はこちらで預かってやると言い残して姿を消した。
夢から覚め、長いような短い旅を終えた主人公に対し、アルジュナは危険な目に遭わせてしまったことへの謝罪と、闇を乗り越え共に駆け抜けてくれたことへの感謝を口にする―――


―――あなたに会えて、良かった


クリアすることでスキルが強化されるほか、マイルーム会話の一部ボイスが差し換えられ、最終マテリアルがようやく解放される。
中でも「聖杯に掛ける望み」は内容が180度変わると言っても過言ではないため、是非一度確かめてほしい。


■ゲーム性能

アルジュナ(弓)

カルナ&アルジュナ体験クエストで先行実装され、幾度か限定召喚に含まれた後、第五章のスタートと同時に恒常ガチャに追加された。

レアリティは星5(SSR)で、レア度相当のHPと攻撃力を誇る。
カード構成はQ1A3B1とアーツに偏っている。
保有スキルはスター発生をアップさせる「千里眼」、NP上昇+HP回復・スター獲得状態付与の「授かりの英雄」、Bと宝具威力を上昇する「魔力放出」。

自前でNPとスターを供給できる「授かりの英雄」が強力だが、強力なぶんスキルのCTが長いのがネック。
千里眼と授かりの英雄、アーツチェインでNP・スターを稼ぎ、稼いだスターでクリティカルを出し、NPが溜まったら魔力放出を上乗せして宝具といった単体運用ができる。
上述の幕間の物語をクリアする事で千里眼が「千里眼(射手)」に強化され、スター発生率がアップすると同時に5ターンの間弱体無効という効果が追加される。
さらに強化クエストをクリアすることで「授かりの英雄」が強化され、CTが2短くなるとともに毎ターンNP獲得効果が追加される。
この男授かりすぎである。

宝具は『破壊神の手翳』。
B全体宝具で、神性持ちに対してより効果が高くなる即死効果と防御ダウンが付加される。
宝具強化で即死確率が強化されるが単純な威力アップくらいに思ったほうが良いか。
礼装はNP上昇を補助する「天の晩餐」「プリズマコスモス」、クリティカル威力を上昇させる「宝石魔術・対影」との相性がいい。
授かりの英雄のHP回復効果を活かして「黒の聖杯」を付ける手も。


このように、味方だと地味ながら堅実といった性能のアルジュナだが、敵に回ると一変。
アーチャークラス特有のゲージの短さに加えて味方だとCTが長い「授かりの英雄」をノーリスクでポンポン使ってチャージゲージを増やしてくる上に、宝具には即死効果が付いているため必然的に運ゲーを強いられる。
ぶっちゃけ全サーヴァント中トップクラスにめんどくさい相手であり、彼と最初に戦う5章がFGO最初の山場とする声も多い。

対策としては神性を持たないランサーを揃えて瞬殺するのがベスト……なのだがどういうことかランサーには神性持ちが多いため悲しいことにアルジュナの即死がぶっ刺さりだったりする。
FGOでも神性はデメリットスキルかよ!

高レアでは師匠とか神槍が「神性を持たず単体宝具を持つ」ランサーに該当するので彼らがいたら迷わず起用すること。

アルジュナ・オルタ(狂)

Ifの歴史が生み出した、アルジュナのある「願い」のなれの果て。
期間限定の星5サーヴァントとして実装され、本編シナリオではトラウマ級の猛威を振るい、各ぐだーずのサーヴァントとしても八面六臂の活躍を見せる。
詳細はこちらの項目で。



◇Fate/EXTELLA LINK

カルナが敵の「天声同化」という洗脳スキルによって向こうに行ったため、当然こちら側につく。
天声同化の特性によって自軍の王を権勢を語るカルナに対し、「カルナはそんなこと言わない」とガチ切れを起こす姿は、一部プレイヤーから「カルナファン過激派」とか呼ばれている。
そして、舞台としては不満はあれど、大帝による魔力サポートを受けたカルナに対し、シャルルマーニュとのチームワークで臨むという形で、念願の対等な決戦の機会を得る。
最終的には、お互いの宝具の撃ち合いによって、双方限界まで消耗してダブルK.O.というようやくまともな形での決着を迎えることができたのだった。
……このルートでは

ちなみに作中では基本的に別行動を取っており、主人公が選ばなかった方面への進撃を代わりに受け持ってくれるのだが、とにかく仕事が早い。
多方面へ展開してきちんと勝利を納めつつソロサーヴァントを悉く引き入れることにも成功していたり、セクターまるごと宝具で吹っ飛ばして突破口を開いたり……と、『もうアルジュナに任せればいいんじゃないかな』と言わんばかりの任務をこなしてくる。
一人だけ殲滅RTAやってる。
実際、主人公サイドはアルジュナが味方についていなければ序盤で詰んでいた可能性が高いため、裏方ながらもその存在は大きいと言って差し支えないだろう。
なお、最初彼が大帝サイドにいなかったのは、カルナが向こう側にいたためだろう。
一緒になって戦うことになっては、彼と決着を付けるという己が命題の答えには一生辿り着けないのだから。
というか、一回ようやく悲願が成就して満足して消えてしまったため、後のルートでは洗脳を食らってしまったのでは。

また、中の人曰く「普通の聖杯戦争で召喚された場合」のアルジュナを意識して演じ分けたそうで、英雄感や神性が『Grand Order』の時よりも前面に出ているという。

後、セカンドコスチュームの弓が超持ちにくそう。



追記・修正は他人から何かをして貰った時にお願いします。

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最終更新:2024年02月23日 20:59
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