シングマン(キン肉マン)

登録日:2016/01/17 Sun 00:09:00
更新日:2024/02/11 Sun 11:28:54
所要時間:約 7 分で読めます






いい時代だった

太古の超人たちは皆素直で

誰もがあやつを尊敬し崇拝していた


シングマンとは完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の一角。
通称完璧・捌式(パーフェクト・エイス)

【プロフィール】

所属:完璧超人
出身:アメリカ
身長:298cm
体重:800kg
超人強度:3000万パワー


【概要】

サンシャインに引けを取らない3メートル近い長身と体躯に、前衛芸術のオブジェのようなメタルボディを持つ始祖の中でも一際異質なビジュアルの超人。
その身体は数億年前に宇宙からアメリカ大陸へ飛来してきた、地球には存在しない未知の超金属で構成されており、
いかなる攻撃にも傷一つ付かない凄まじい強度を誇る。
「地球上の物質では傷一つ付けられない」と自負するその強度は、
悪魔超人界屈指のパワーファイターであるサンシャインの猛攻をまともに受け続けても傷一つないことから、ハッタリでもなんでもないことがわかる。

彼の名前である“シング”という名は『SING』(歌う/鳴り響く)『THING』(物体)のダブルミーニングと思われる。

格闘技者としても超一流だが、それに加えて優秀なアーキテクトとしての資質を持ち、
太古の昔に発明された、粘着力と耐久性に優れた完全なる人工石(コンプリート・コンクリート)を用いて
元・超人の神=「あやつ」の偉大さを讃えるための巨人像完璧の巨像(パーフェクト・ジャイアント)を世界中に建立して廻ったという逸話を持つ。
しかし、後に完璧始祖が超人墓場に本拠地を移し、間接的に他の超人を導くよう方針変更を行った時、
その痕跡を地上から消す必要に駆られ、世界各地に建った完璧の巨像もシングマン自身の手によって残さず破壊され
その中で本来の姿が歪曲され女体化されてしまったのがアメリカの自由の女神像
…というのがオモシロ起源説歴史の真実である。

笑い声は「ギラギラギラ」
絶対の神器のひとつ「星のダンベル」を所持する。


【性格】

薄紫色に冷たく輝くメタルボディに鋭く吊り上った眼と表面上はクールそうな雰囲気だが、
常に興奮しっぱなしで会話の成立しないガンマンとは違った意味で気難しく神経質な性格で、
超人閻魔の提唱する完璧超人の理念に心酔しているのに加え、芸術家特有の完全主義が合わさり、
自分(完璧超人)以外の他者の視点や価値観を『無価値な誤り』としか受け取れず、それを『正す』ことに異常な情念を燃やす。
上記の自由の女神像を完璧の巨像に変えたことを「イタズラ」と言った人間たちに
「モノの価値がわからぬバカどもめ!」と激昂する一面もあり、その了見の狭さは
まるで素人の些細な勘違いを青筋立てて指摘し訊かれもしないトリビアも交えてドヤ顔で訂正するヲタクのようである。うぜぇ………

ガンマンからは昔からイレギュラー粛清に賛同していた「盟友」と呼ばれており、サイコマンからは「ガンマンと同じくからかい甲斐がある」と評されている*1
地上の超人のことは、閻魔のことを差し置いて天界の神々との接触方法まで持ったことに、激しく憤りを感じていたという。
もっとも、地上から始祖の痕跡を消したのは他ならぬ閻魔の指示であり、シングマンも「知らぬこととはいえ…」と発言するなど自分の感情が理不尽という自覚はあったようだが。
また、サンシャイン戦で勝利を確信した時の「ゴールドマンの弟子と聞いて少しは期待したものだが」という台詞など、
言葉の節々から、将軍のことを高く評価していた節が見られる。

ガンマンの盟友であるため一見話を聞かない人物のように思われがちであるが、理性の数値が高いだけにガンマンと違い少なくとも対話の余地はある。
サンシャインの人間に負けた」という言葉にまともにショックを受けたり、介錯を頼まれたことを快く聞き入れて逆に復活を許すなど、根は馬鹿正直でお人よし。
過去にマグネット・パワーを発見したサイコマンが、デモンストレーションとして彼をマグネット・パワーの効力の実験台にした際も、
「今のは油断していた私が悪い」と述べ、サイコマンの行為に対し特に気にする素振りや激昂する仕草も見せないなど、懐も非常に深い。



【戦闘スタイル】

戦闘スタイルは強固極まりないメタルボディで堂々と攻撃を受け止めて反撃を仕掛けるシンプルかつ王道なもの。
パワーも強烈であり、その巨体から繰り出される一撃の破壊力はサンシャインと互角かそれ以上と、始祖らしく攻防共に隙の無いハイスペックな超人である。

しかし最大の特色はシンプルな格闘技を得意とする始祖の中では珍しく、旧作やⅡ世にも多かったギミックによる細工を使いこなす点。
ただ試合序盤ではビッグブーツを回避してラリアットを叩き込む、砂状態から再生したサンシャインを即座にジャーマンスープレックスで投げる等、
格闘戦でも巨体に似合わぬ俊敏な動きを見せているため、打撃が通じないサンシャイン相手だからこそギミック中心の戦法にシフトしたのかもしれない。

スペックに目が向きがちだが、サンシャインの身体の仕組みを短時間で把握し、分離・再生能力を司るコアパーツまで即座に見抜くなど、戦略眼は非常に高い。
…その割にはサンシャインにあっさり騙されているが、演技で泣きじゃくるサンシャインが言った「人間に負けた」というのは事実だし、
将軍は不甲斐無い弟子を本気で粛清しかねない御方だったので、事実を絡めてシングマンを巧みに欺いたサンシャインが上手だったのだろう。
逆を言えば全盛期の知恵・肉体・技術を持ったサンシャインが、怪力とは関係ない完全な盤外戦術に頼らなければ勝てなかったという裏返しでもあるため、一概に最弱の始祖とは言い難い。


エクストリーム・ショルダー・アーマリー

多目的ウェポンラックとして機能する両肩の膨らんだような形状をしたアーマー。
攻防に対応した様々なガジェットが内蔵されている。
自身と同じ超金属製の凶器が展開することもあるが、これも肉体の一部なので完璧超人の掟には触れていない。
周囲の砂を吸入し材料とすることで後述の『完璧な人工石』の製造も可能。
ちなみに、アーマリー内部には神器「星のダンベル」も内蔵されている。
ディスクカッターを使う際の邪魔にはならないのだろうか?

余談だが、『アーマリー』『武器庫』という意味。
しかし、『エクストリーム・ショルダー・アーマリー』初使用時に誤植のせいで『エクストリーム・ショルダー・アーマー』表記になってしまい、
「アーマソーってなんだ?何語?」 と多くの読者を悩ませた。
ちなみに「アーマソー」で検索するとハイテクスニーカーが出てくる。そりゃMAXマンだっつーの。


完全なる人工石(コンプリート・コンクリート)

ショルダー・アーマリー内で生成される、凄まじい強度と粘着力を誇るコンクリート
太古の昔に建築で用いられた道具であるが戦闘にも応用が効き、相手に浴びせる事で対象を固めることが可能。
砂に変化し自在に姿形を変えるサンシャインの能力を封じるために用いた。
反面、相手を堅牢なコンクリート化させるため相手の防御力や打撃力を高めてしまう欠点があるが……。


  • シングデモリッションウェーブ

崩壊の鐘よ 再びこの世に鳴り響くがいい!

マッ!

シングマン曰く「崩壊の鐘」
「マッ!」という掛け声で掲げた両腕をクロスさせ叩くことで音叉の様な音を有する強力な超振動波を放ち相手を粉砕する技。
ジェロニモの「アパッチのおたけび」みたいな技だが、威力は段違いである。
なお現状シングマンが披露した唯一の固有技。
この技が完璧・捌式としての「奥義」なのだろうかか。


  • ショルダーアーマリー・ディスクカッター
ショルダー・アーマリーに内蔵されたチェーンソーのような回転刃。
自身の肉体と同種の超金属で作られているため『完全なる人工石』に傷をつける切れ味を持ち、相手を切り刻む武装にも転用可能。
『完全なる人工石』で固めた相手に対してこの技で無数の傷を付け、更に「シングデモリッションウェーブ」を放つことで、
コンクリート化した対象を爆破解体し、対象を粉々に粉砕する残虐な応用技を見せている。
しかしその材質に目を付けたサンシャインに逆用され、自身の敗北の原因となった。


【活躍】

因縁の自由の女神像前で悪魔六騎士筆頭格・サンシャインと対決する。
その際に自由の女神像を本来の姿である完璧の巨像に戻している。これにはサンシャインもドン引き。
しかし上述した通りの善良な性格が仇となり、最期はアーマリー内部に砂となったサンシャインが混入したことでチェーンソーギミックが破損し、
引きずり出されたその刃にサンシャインの新技『コンプリート・サンド・セメタリー・プレス』で叩きつけられマットに沈んだ。

「慈悲深い神=超人閻魔=あやつ」を皆が慕うことによって成り立っていた古代の超人界を
「いい時代だった」と遠い目で回顧するなど、あやつに対する帰属心は始祖の中でも特に強い。
試合で敗北後も「あやつ」の志を踏みにじる下等超人への恨み節をサンシャインに投げかけるも、意に介さぬサンシャインに
自身の星のダンベルで顔面を叩き潰された上にゴルフスイングで虚空に放逐され、皮肉にも再び星となって地球を去った。

大なり小なり他の始祖が現在の「あやつ」に大して疑問を呈している中シングマンのみ全肯定をしており、また完璧の巨像を破壊して回る際には涙を浮かべるなど、ある意味最も始祖で純真な男。
散々試合後になっても煽り続けていたサンシャインも吹き飛ばした後には「義理堅く大したやつ」と一定の敬意を表すなど、本来は善良な人物であることには間違いない。
しかし、「あやつ」を純粋に敬愛し、彼を中心として成り立っていた古代の超人界を理想とし続けていたが故に
「下等超人」によってその秩序が壊されることを嫌い、一切の変化を拒む姿は悪魔将軍が粛清を決意するに至った完璧超人の悪弊そのものであり、
サンシャインが一切の妥協を見せずシングマンを叩き潰したのも仕方のないことなのだろう。

他の敗北した始祖と異なり明確に死亡した描写は無く*2再登場する可能性があるかもしれない。
そして、数年後の超神編(仮)連載中にゆでがSNSで各陣営の生存者一覧を公開したのだが、
完璧超人陣営にしっかりとシングマンの名前が記されていたので生存は確定となった。…帰還出来ればだが。

なお、【超神編】でのサンシャインの弁によると「あの時のジェロニモは本当に強かったので負けたこと自体はそこまで文句はない」らしいので、泣くほど悔しかったというのは嘘だったようだ。


【余談】

元々はミラージュマンと同じく「キン肉マンⅡ世 究極の超人タッグ編」の頃に読者から投稿されたオリジナル超人であり(「ミラージュ」と同じページに載っている)、
その時の名前は「ドッペルマン」だった。




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最終更新:2024年02月11日 11:28

*1 実際、回想でサイコマンに煽られて怒ったガンマンの背後に彼らしきシルエットが見える

*2 顔面をダンベルで叩き潰された後も喋っていた