アビスマン(キン肉マン)

登録日:2016/01/16 Sat 21:54:00
更新日:2023/12/20 Wed 00:24:07
所要時間:約 6 分で読めます





いいなーーっ

真っ向勝負というのはやはりいい!


アビスマンとは完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の一人。
通称完璧・肆式(パーフェクト・フォース)


【プロフィール】

所属:完璧超人
出身:トルコ
身長:202cm
体重:185kg
超人強度:2600万パワー


【概要】

超人閻魔に代わり、超人墓場の運行を視察する最高監察官を務めている始祖。
「バットマン」 のヴィラン、ベインを思わせるようなマスクで顔の下半分を覆い、肩に七支刀のような棘を生やした、ずんぐりした体格の超人。
身体の前面にはおびただしいほどの細かい傷が刻まれているが、背中にはたった一つの傷を除き一切の傷が存在しない。

なお獄卒の鬼たちのあるがままの様子を観察するためか、完璧超人名物オーバーボディを纏って自身も鬼に変装しこっそり見回りをしていたりする。
会社で言うなら社長が平社員のふりして現場の抜き打ち視察に来るようなもので、下っ端の鬼たちにとっては大変心臓に悪い存在。
絶対の神器のひとつ「焔のダンベル」を所持する。

笑い声は「モガッモガッ」


【人格】

神さびた貫禄のある話し方をするミラージュマンとは対照的に、猪突猛進な性格で口調は粗野。
  • 墓場の支配人という立場
  • 『アビス*1の名
  • コワモテな面構えと外見
も相まって第一印象は完全に悪魔超人や悪行超人の類。

しかし、実際には初登場時に、いきなり墓場に乱入して来ると共に止めに来た鬼達を軽々と排除し「禁断の石臼」までも逆回転させ始めた悪魔将軍の暴挙に対し、
怖気づいた鬼たちを尻目に自らドロップキックをかまして先陣を切り、それによってあっさりと正体がバレた後は鬼共を詰りつつも、「だがまあいい判断だ」と鬼共がむやみに命を捨てなかったことを褒めたことから、自分に注目を集めることで周囲への被害を抑えた、ともとれる行動をとっている。

その後の再会した悪魔将軍との会話の中でもミラージュマンの安否にも触れ、億年に渡る同志であるミラージュマンが死んだことに対し、「敗北した完璧超人に価値は無い」と言いつつ「まぁ…多少は良いヤツだったがな」と付け加えるなど態度はどことなくツンデレ的。
普段から格下の鬼たちにも気さくに喋りかけているような様子からは、むしろ「気のいいドカタのおっちゃん」といった好印象を受ける。
また「猪突猛進」を身上に掲げ、「あらゆる攻撃を正面から全力で受け切り、その上で敵を叩き潰す」という完璧超人の理想とも呼べる掟を賛美。
敵に対して一歩も引く事無く正面から堂々と叩き潰すその姿勢は、
師であるザ・マンからも「正面から敵を叩きつぶすことに関してはお前の右に出る者はいないだろう」「私の提唱する完璧の教えの理想に近い」と称賛されている。

こうした事実からも解るように、見た目に反してミラージュマンやペインマンと同じく、始祖の中では穏健派寄りの立ち位置。(というよりガンマンの方が浮いてるのかも。)

自分の役割を忠実にこなしつつも、悪魔将軍の「やつ(超人閻魔)こそ真の堕落者だ」という言葉に対し、言い返す直前に一瞬だけ間があったり、
鬼に超人墓場のシステムを語る際に、「厳格なやつよ…この俺様も苦労するほどに。超人閻魔…いや…あやつはなぁ…」と憂いを帯びた表情でつぶやくなど、
大っぴらに公言こそせずに大半の始祖と同様に“あやつ”の命に従って超人墓場から離れようとはしないが、彼もまた現在の超人閻魔に複雑な心境を抱いていることが見て取れる。

過去の回想では他の始祖が語り合ったり煽り合ったりしている中、単身トレーニングを行っている姿が描かれることが多い。
とは言え、人付き合いが悪いのではなくただストイックなだけと推測できる。
実際、サイコマンとスパーリングをしていたり、相変わらず背中に隙があることを彼やゴールドマンにからかわれる姿が描かれた場面もある。
確実にゴールドマンやジャスティスマンよりは人付き合いが上手いだろう。
愚直な性格からか変装は苦手なようで、折角のオーバーボディで完璧に鬼に成りすましていた癖に、前述の様に元仲間だった悪魔将軍に対して勢いよくドロップキックをかました為にあっさり変装を見破られている。性格からすると数万年ぶりの壱式様よぉとの再会と戦いの予感への期待を抑えきれなかったとも考えられる。


【戦闘スタイル】

悪魔将軍であっても背後からのあらゆる攻撃を通さない「アビスガーディアン」の鉄壁の防御力と、
「正面からの純然たるパワー勝負では将軍を含め他の始祖達の誰にも負ける気がしなかった」と豪語する驚異のフィジカルを持ち主。
後に登場したガンマンジャスティスマンが恐るべき力強さを発揮したことを考えると、アビスマンのフィジカルへの評価はなお上がる。

その自負や師からの評価に偽りなく、戦闘スタイルはフィジカルを前面に押し出した小細工抜きのシンプルなパワーファイト。
試合では真っ向勝負で悪魔将軍と互角以上に渡り合うばかりか、
自身のフェイバリットである「奈落斬首刑」で将軍の硬度調節機能を苦もなく一撃で破壊し、ダイヤモンドボディを封じるなど戦闘力も非常に高い。
アビスガーディアンもあり、対戦相手はアビスマンが得意とする真正面からの取っ組み合いを強制的に強いられてしまう。
また試合早期の段階で確実に相手の息の根を止めるべくフェイバリットを温存せず仕掛けるなど、脳筋のようで判断力と決断力にも優れている。

修行時代の欠点であった集中力と反射神経に関してはザ・マンの教え通り極限まで鍛え上げて改善しており、その上で下記のアビスガーディアンを習得している。
欠点を放置することなく油断なく改善する辺り流石は完璧超人である。
カラスマン相手に集中力と反射神経での対処も限界あるだろうしね


  • アビスガーディアン
完璧超人奥義。
ザ・マンの指導を受けた後、厳しい精神修行の末に会得した、背中を攻められた際に発動する背後からのあらゆる攻撃を弾き飛ばす盾(バリアー)
このバリアにより背後からの攻撃は問答無用で無効化されるため、実質相手の背後を取って仕掛けるタイプのあらゆる技はアビスマンに対して通じない。*2

ただし、背後からの攻撃以外には対応できず、正面から背中にダメージが突き抜けるような攻撃を受けた際はバリアーを発動できないという欠点を抱え、
背中へのダメージが発生した場合はその時点でアビスガーディアンが砕け使用不能に陥る。
だがアビスマン自身の圧倒的なフィジカルの強さがアビスガーディアン攻略を困難なものにしている。

修行の方向性こそ間違っていたが、悪魔将軍を弾き飛ばして出血させ、その後は悪魔将軍でさえ背後からの攻めを断念せざるを得なかったその防御力は一級品。
将軍様もバリアの欠点を突かなければ突破できなかったトンデモない防御能力なのは疑いようが無く、現にこの能力を会得してから超人墓場での試合で悪魔将軍に敗れるまでの間、彼は背後からのダメージを一切受けていない。

ちなみに、この欠点を悪魔将軍に突かれた際には「そんな発想があるのはお前だけだ」と口にしており、
一見「真正面から投げられるなんて考えなかった」という間抜けな台詞にも聞こえるが、
実際には恐らく「俺を相手にそんな手段を取ろうとする相手なんかお前くらいしかいない」という意味だろう。
事実、アビスマン相手に力で真っ向勝負をするのは将軍レベルでなければ不可能である……


  • 墓場(グレイブヤード)タックル
ショルダータックルをぶちかましながら同時に左肩のトゲで相手を串刺しにする技。
突進の勢いで将軍を上空まで吹っ飛ばし、下記の技に繋げた。
硬度調節機能が働いている状態でも通用していたため、ダイヤモンドボディに真っ向から有効に働く技であったと推察できる。
ちなみに、このトゲは神器「焔のダンベル」が変化したもの。
非常に頑丈な未知の金属で身体を構成されているシングマンが、自身のダンベルに硬度で負けていたため、焔のダンベルの硬度も同じだとすれば、ダイヤモンドパワーを貫けるのも頷ける。


  • 完璧(パーフェクト)肆式(フォース)奥義 奈落斬首刑

将軍様よ~~っ 超人墓場進撃もここまでだーーっ!

グレイブヤードタックルで相手を回転を加えながら投げ飛ばした後ジャンプ。
両拳でアッパーを食らわせ、相手の顎に両手を入れたまま逆さに落下し相手の頭をマットに叩き付けるシンプルかつ豪快なアビスマンの必殺技。
ネーミングの類似性や技の性質等から、恐らく将軍の「地獄の断頭台」や超人閻魔の「冥府頭壊手」と同系統の技だと思われる。

披露した際はタイミング、角度、スピードの全てにおいて将軍を一撃で仕留めるほどの威力を誇っていたと豪語する技だが、
将軍のダイヤモンドボディの前に完全に仕留め切るまでには至らなかった。

しかし悪魔将軍の硬度調節機能を、ダイヤモンドボディ化した状態でありながら一撃で苦も無く破壊して機能停止させる威力を誇る

これがかなりすごい快挙であり、これまで及びこの後、作中で悪魔将軍のダイヤモンドパワーを攻略した超人はたった2人。それも
  • キン肉マンの場合:悪魔将軍の汗を利用して作りだした「ダイヤモンド・ヘッドバッド」で対抗し、苦労の末に硬度調節機能を突破。
  • ザ・マン=ストロング・ザ・武道の場合:元祖ダイヤモンドパワーを使って力づくで突破。
と、どちらも同じダイヤモンドパワーを使って攻略しているのに対して、アビスマンのみダイヤモンドパワーに頼らず自らの奥義を使って純粋な生身で破っているのである。

将軍のダイヤモンドボディはザ・マンの必殺技「冥府頭壊手」ですら破れず、
「完璧・零式奥義 千兵殲滅落とし」の際もダイヤモンドパワーを使用していた*3ことを考えると奈落斬首刑の威力は推して知るべし。

墓守鬼曰く「噂でしか聞いた事がないアビスマン様のサイコーの決め技」であり、後に回想シーンで完璧・肆式としての「奥義」であることが明言された。

あの将軍でさえこの技に対するアビスマンの自信を否定してなかったので、
アビスマンの宣言通り直撃すれば将軍を一撃で倒しうるだけの威力はあったのだろう。

同時にアビスマン自身が言っていたように、
ザ・マンがかつて言っていた「いつの日か……お前たちの中の誰かが、今の私の想像を超える奥義で私を倒す日を待っている」という言葉に答えるための奥義であったと言える。


【活躍】

禁断の石臼(モルティエ・デ・ピレ)を回して超人墓場を崩壊させようとする悪魔将軍と超人墓場内部のリングで対決。
かつてゴールドマンにはぶつかり稽古の最中に身を翻されて背中を傷つけられたことがあり、そのことに抗議した際に
ザ・マンに「完璧超人にとって敵に背後を見せる事は絶対にあってはならん!」逆に叱咤・打擲される。
(ちなみにその一発でアビスマンの口はグチャグチャになってしまい、現代においてマスクが取れたときもその傷はそのままだった。実に慈悲深いまた、この時に抗議されたゴールドマンが無言で眉をひそめる姿も妙にシュールである。
回想シーンではゴールドマン出奔の時点でもマスクを付けておらず顔面も破壊されていないこともあるが、まぁゆでだから。

その元神の薫陶を受け、精神修養の末に背中を攻められた際に発動するいかなる攻撃も受け付けない盾「アビスガーディアン」を会得する。
そして完璧超人の掟である背中を見せず、正面から打ち倒す戦法を極めたアビスマンは「パーフェクト・ザ・ルール」という称号を手にした。
しかし「集中力と反射神経を高めて背中を攻められないようにしろ」という意図の注意に対して
「背中を守るバリアーを作る」というセンスのズレた回答をしていることには(相手のゴールドマンからも含め)各所でツッコミが入った
(設定上は集中力と反射神経もちゃんと鍛えているらしいが、劇中ではむしろ背中で体当たりしているように見えるシーンが目立つ
 単行本では「特別に背中を拝ませてやってるのは長年のよしみとしてのサービス」とあえて回避行動を取らずにいたように発言する場面があるが、
 これは舐めプではなく実戦でゴールドマンですら破れなかったという実績を作ったうえで勝利して彼を超えたと確信が欲しかったのが本音と思われる)

圧倒的なフィジカルと鉄壁のアビスガーディアンを駆使して悪魔将軍を圧倒するも、
背中をリングに叩きつけることで衝撃を正面から背へと貫徹させる「大雪山おとし」により堂々と背中を傷つけられ、アビスガーディアンも破壊されてしまう。
さらに「スピン・ダブルアーム・ソルト」「ダブル・ニー・クラッシャー」を続けざまに受け、四肢を封じられながら、
「鬼たちの前で情けない姿は見せられない」と意地で立ち上がろうとするものの、「地獄の断頭台」を総身に浴びてK・O。
試合の様子を見守っていた墓守鬼たちも「あの鬼のように強いアビスマン様がやられちまうなんて」と悪魔将軍の強さに驚愕していた。
鬼が遥か格上の始祖に対して「鬼のように強い」と形容するのはどうなんだというツッコミ所もあるが。


墓場は潰しても…世界まで潰すんじゃねーぞ…この石頭ヤロウ…


ああ、後のことは私に任せろ


かつてはゴールドマンの良きライバルとして戦いあい、彼が去ってからもいつか再戦することを夢見て研鑽を積んでいたアビスマン。
彼との最期の会話は、かつての良き思い出と切なさを感じさせるものだった。



追記・修正は「パーフェクト・ザ・ルール」の称号を貰ってからお願いします。

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最終更新:2023年12月20日 00:24

*1 奈落・深淵の意

*2 「決まれば脱出不可能」とされるキン肉族三大奥義すら例外ではない。奇しくも三奥義とも"相手の背後を取る"形であるため、仕上げの体制にかかった途端に弾き飛ばされる事となる。成立するとすれば相手に打ち込み続けるマッスルリベンジャー(偽)か、フィニッシュを変えた(真)だろう

*3 ザ・マンがダイヤモンドパワーを使ったのは完膚なきまでに将軍を叩き潰すつもりであった可能性が高いが、それを考慮しても悪魔将軍がダイヤモンドパワーを使用した後にザ・マンもダイヤモンドパワーを使用しているため、保険という意味合いも強いと思われる。