DmC バージル ダウンフォール

登録日:2016/01/13 Wed 11:58:28
更新日:2024/03/27 Wed 22:48:47
所要時間:約 6 分で読めます





この項目は「DmC Devil May Cry」の重大なネタバレを含みます。








DmC Devil May Cry』のDLC追加シナリオのタイトル。


◆概要
2013年3月6日に配信が開始され、2014年3月5日までは同作の初回購入特典として無料でダウンロードできるプロダクトコードが付属していた。

タイトル通り、バージルが主役の追加シナリオであり、DmC本編の後日談にあたる内容である。
プレイアブルキャラとしてバージルが操作可能となっているが、追加シナリオである故にミッションが短く、難易度がDmC本編と比べるとやや高めである。

ちなみにDmC本編には無かった特徴として作中のイベントシーンの大部分がコミック調のアニメーションで表現されている。



◆ストーリー
世界の運命をかけた戦いでダンテに敗れ、母親の墓の前で力尽きてしまったバージル
直後に場面が切り替わり、どこまでも落下していく悪夢を見ながらバージルの意識は遠のいていった。

気がつくと、辺り一面が荒廃した異世界にいた。空は血のように真っ赤な朱色の極彩色に染まり、所々に無数の瓦礫や像が点在している。
そこは黄泉と呼べる場所であり、目覚めたバージルは聞き覚えのある声を耳にした。


私の愛しのバージル... あなたは... 死んだのよ!

ここに閉じ込められてるのよ... 私のようにね でもまだ逃げられるわ 今がチャンスよ

光を探すの そうしたらここから出られるわ!


バージルを呼びかけたのは、死んだはずの母親であるエヴァの声であった。
エヴァと同様に魂を死後の世界に囚われてしまったバージルは、エヴァからその世界を脱出する方法を教わり、光を目指して進んでいくのであった……。



◆登場人物

ダンテの双子の兄。
DmC本編の終盤にて、考え方の違いからダンテと対立し、死闘の末に彼に敗北した。
その際にダンテのリベリオンで胸を串刺しにされて心臓の部分に大穴が空けられてしまう。
ダンテとキャットの前から姿を消した後、胸の傷が致命傷となって母の墓前で力尽きてしまった。
オールバックだったDmC本編とは打って変わって前髪を下ろしており、傷を負った顔も相まって荒んだ印象を感じさせる風貌に仕上がっている。
ちなみに本作では幼少時代に自分を負かしたダンテにコンプレックスを抱いていた事が明らかとなる。
そのような意味ではアニメ版DMCで登場したバアルに近い人物像と言える。

死後の世界へと落とされた後は、心臓と生前に身に着けていたアミュレットを失っており、胸の傷の痛みに苛まれていた。
そして、元の世界に戻る方法を知ったバージルは傷ついた体に鞭を打ちながら光へと目指していく…。

作中では、闇魔刀と幻影剣を駆使する他、ダンテと同じくデーモンモードエンジェルモードも使える。
ただし、生前に発動できたデビルトリガーが失われている。
2種類の武器でダンテとは一味違ったスピーディーなアクションが楽しめるが、逆を言えばダンテと比べると攻撃のバリエーションが少なく、操作の勝手がやや異なる等、使いこなすにはある程度の慣れが必要である。
ベオウルフフォースエッジ? そんなもんねーよ

◇エンジェルモード
母エヴァから受け継いだ天使の魔力によって通常よりもスピーディーかつ広範囲な斬撃を繰り出し、エンジェルブーストやエンジェルリフトを使用できる。
ちなみにバージルが使用するエンジェルリフトは「幻影剣を放って敵または青くマーキングされた場所に向かってテレポートする」というものであり、のちの『Devil May Cry4 スペシャルエディション」で逆輸入される。

◇デーモンモード
父スパーダから受け継いだ悪魔の魔力によって破壊力に特化した重厚な斬撃を叩きこみ、デーモンプルで離れた距離から一気に間合いを詰める。
デーモンプルもエンジェルリフトと同様に幻影剣を応用したアクションであり、放った幻影剣で敵を引き寄せたり、赤くマーキングされた場所で足場を出現させたりできる。


  • キャット
DmCにおけるヒロイン。
本作では幻影として現れ、バージルに対し「私を利用してただけ」「私達を裏切った」と生前の彼の行動を責め立て、更にはダンテと比較して軽蔑していた。
最期は悪魔のような姿に変わってバージルに襲いかかろうとしたところ、堪忍袋の緒が切れたバージルに返り討ちにされて消滅した。


  • ダンテ
DmC本編の主人公。
こちらも幻影としてバージルの前に現れ、キャットの幻影と同じくバージルを罵倒し、兄よりも優れていると自負してコキ下ろす等、その姿は完全に悪役のそれである。
終始バージルを見下していたが、最期は本物のダンテがそうしたようにバージルの闇魔刀で串刺しにされて情けなく命乞いしながら消滅した。


  • 亡霊バージル
バージルの前に現れたもう1人の自分
全身が真っ白で髪が本家のバージルのごとく逆立っており、どこか人間離れした不気味な雰囲気を感じさせる。
初登場時にはバージルのアミュレットを奪い取っており、死後の世界に囚われた彼を様々な甘言でそそのかしていた。


  • エヴァ
ダンテとバージルの母親。
物語が開始する以前にムンドゥスに殺され、現在は魂を死後の世界に囚われている。
そして自分と同じように死後の世界に迷い込んだバージルを救おうとするのだが…。




◆登場悪魔
  • インプリズナー
本作で初登場した4本腕の悪魔。




以下、物語の核心に関わるネタバレ











  • バージル
ダンテとキャット、そして母親との繋がりさえも断ち切ったバージルはダンテに負けた悔しさや憎しみ、キャットへの複雑な思い、それらがまじりあった結果、力こそがすべてだと思い込むようになり、道中で悪魔達と戦っている中でバージルは自然と力を付け始めてしまう。
そして、さらなる力を求めてバージルはもう1人の自分の力を吸収することを思いつき、自分をそそのかした亡霊バージルと死闘を繰り広げた。

もっと… もっと力を…

死闘の末、見事亡霊バージルに勝利してアミュレットを奪い返し、亡霊バージルの力を吸収する事に成功する。

更なる力を手に入れたバージルは死後に失ったデビルトリガーを取り戻したのだが、それと同時に彼自身が吸収した亡霊バージルに酷似した悪魔じみた姿へと変貌していた。

デビルトリガー
デビルトリガー発動と同時に自らの分身を召喚して、バージルが攻撃を行う一瞬の後に分身が追加攻撃を行う。
ぶっちゃけ3ドッペルゲンガーネロのデビルトリガーと似たような感じ。



◆結末
何故バージルはダンテを裏切ったのか? また、何故人間をモノとしか考えない性格になってしまったのか?
…その答えは海外でのみ発売されたコミックで明らかとなる。

バージルはダンテよりもずっと先に内なる悪魔に目覚め、デビルトリガーを発動させる事も可能になった。
だが、デビルトリガーは本人も気付かない内に段々人間性を失ってしまう副作用があり、人間特有の考えや優しさ、愛なども全て忘れてしまうのであった。
つまりダンテもデビルトリガーを使い続ければ、いずれバージルのように人を人と思わなくなってしまうのかもしれない。

亡霊バージルを葬った後は立ちはだかる敵をねじ伏せながらエヴァに言われた通り、光を目指して死後の世界から抜け出した。

父さん 俺は自由になったんだ

気がつくと元いた墓前に戻っており、失った心臓も元通りになっていた。
バージルは現世に戻ってきたことを確信する。だが、以前の自分として生き返る事はできなかった。
…死後の世界で非道の数々を行なってきたバージルはもうどこまでも堕ちてしまったのである。

その直後に大勢の悪魔達に取り囲まれてしまうが、ダンテと同じように目を赤く光らせたバージルが睨みつけた途端に悪魔達はバージルを新たな悪魔の王と認め、服従と敬意を行動で示した。

悪魔達が自分にひれ伏した事を確認するとほくそ笑み、悪魔達を率いてどこかへと去って行った。
…それは皮肉にもタイトル通りの結末を意味するのであった。






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最終更新:2024年03月27日 22:48