Graf Zeppelin(艦これ)

登録日:2016/01/11 Mon 13:09:09
更新日:2024/03/25 Mon 14:59:49
所要時間:約 9 分で読めます




ここでは、艦これにおける正規空母のうち、Graf Zeppelinについて解説する。

概要


Graf Zeppelin(以下グラーフ)とは、ドイツの空母であった…という表現は果たして正確なのだろうか…

ナチス政権下のドイツが作ろうとした正規空母。
設計に際しては日本が大いに技術を供与。当時世界最大の空母の一隻だった赤城の設計を参考に作る予定であった。
とはいえ、赤城はもともと戦艦を空母に改装したもので、一から作れるグラーフについてそのまま参考にするのは本来おかしな話である。
技術供与の時期は1935年。この時点では日本空母の完成形たる翔鶴瑞鶴どころか蒼龍も未完成*1、最初から空母として作られたのが小柄でまだ実験色の強い鳳翔や見るからに不安な龍驤だけ。
加賀の不具合ぶりは赤城以上とも言われている。
参考に出せるのが赤城くらいだったというところもあったのだろう。

とはいえ、日英同盟締結中にハーミーズやフューリアスを参考に出来、英海軍艦載機搭乗員の薫陶を受けることの出来た日本の空母技術の導入は、0からのスタートであったドイツには参考になった部分も大きかった。
艦体の面では艦載機エレベーターに面影を残すのみだが、艦載機の運用面では日本から得た知識*2は大きく、進水式にもきっちり招待されている。
引き換えに大和を作るための機材を大量に得た面ばかりが言われがちではあるが。

ちなみに完成すれば、なんと機関出力は20万馬力にもなったと言われる。
翔鶴型や大鳳でも16万馬力、大和型戦艦に過負荷をかけても17万馬力に届かないのと比べればとんでもない馬鹿力の持ち主となり得た。
他方、空母としての搭載能力は40機少々と言われる。*3
もともとドイツは空母機動部隊組んで航空決戦なんてことが無理なことを理解して*4通商破壊向けに作っているため、搭載数を落としても電探などを整備して指揮管制能力を高める予定でもあった。
イギリスやフランスの海軍を相手にしているとはいえ、海軍力は皆無に等しい陸軍国ドイツと、世界一位にのし上がったアメリカの海軍を相手にしている世界三位の島国日本では思想がかなり違うのである。

しかし、グラーフは完成しなかった。
90%ほど完成し、進水式までしていたのだが、戦況の変化でドイツ海軍の空母の優先順位は下がってしまい1940年に工事は焦げ付き。

1942年ミッドウェーで敗れ、空母4隻を失った日本海軍がドイツにグラーフを売ってくれ!!と要望するものの、日本まで行かせるのが無理、ということでお流れになる。*5
それでもその年に工事が再開された…とおもいきや、1943年に癇癪を起こした総統閣下による大型艦建造中止命令。*6

嫌がらせのように完成させてもらえないグラーフは、結局バルト海に避難して浮き砲台として使われた挙句、1945年4月、ドイツ降伏寸前という状況下で、ソ連に接収されるのを恐れてドイツ海軍自ら沈めてしまった。


と思ったら1947年、ドイツからソ連に引き渡され浮揚。
駆逐艦「梨」のように、今度こそ出番が・・・あるにはあったのだが、仕事の中身は標的艦。
老朽軍艦の処分として標的艦になるのは普通のことである*7。だが船としてまともに活動することさえできずに標的艦では、文字通りなんとも浮かばれない。

日本の不幸艦といえば大鳳陸奥だが、二隻はちゃんと完成され、日本海軍の希望として大いに期待された。この点に関してだけは、両者はグラーフに確実に優っている。
だが、グラーフは味方の都合に一方的に振り回されて生涯と言えるのかも分からない生涯を終えた、とことんついていない艦であった。
対抗馬がいるとすれば、加賀の妹艦であり未完成のまま標的にされた戦艦「土佐」か、やはりあの改装空母くらいだろうか・・・

ちなみに艦名の「グラーフ・ツェッペリン」についてだが、これはドイツ陸軍の中将であり、硬式飛行船(魔女の宅急便に出てくるようなアレ)を実用化した「フェルディナント・アドルフ・ハインリヒ・アウグスト・フォン・ツェッペリン」伯爵に由来する。「グラーフ」は日本語で言うと「伯爵」の意。つまりグラーフは称号(爵位)で、ツェッペリンが人名、わかりやすく言えば「ツェッペリン伯爵」である。
彼の名にちなんだ「グラーフ・ツェッペリン」という同名の飛行船がかつて存在し、日本にも寄港したりもしていたため、以前はこちらの方が有名だった。

当記事では便宜上彼女の事を散々「グラーフ」と呼んでいるが、実は同じ「グラーフ」を冠する艦がもう1隻おり*8、此方が艦これに実装された場合混同されてしまう事態が懸念されるが、アクィラがツェッペリンの事を「グラーフ」と呼んでいるので、公式の愛称である模様。
万が一シュペーが実装されたら「アトミラール」呼びになるのだろうか。それはそれで提督と間違えそうでややこしいが
今後アトミラール・グラーフ・シュペーを実装する予定がないのであえて区別する必要がないから、という身もふたもない話をすればそれまでかもしれないが、それではあんまりすぎるだろう。

ゲーム中において


絵師は島田フミカネ、声優は早見沙織
なお、彼女は2015年11月の実装から2024年1月に至るまで「最も直近で実装されたドイツ海軍生え抜き*9の艦の艦娘*10」であり、かつ「最新の島田フミカネ氏が担当する艦娘」であり続けている。
つまり、彼女以降実に8年以上にわたって新しいドイツ海軍所属の艦娘はもちろん、島田フミカネ氏が担当する艦娘自体が実装されていない…。

なお、2023年夏イベ後段作戦において2期において初めてドイツ海軍所属艦艇モチーフのキャラクターが実装されたのだが…それは敵艦、Schnellboot小鬼群*11
登場イベントの史実的*12に仕方ないのだが、ついに敵側にまで先を越されてしまった…。

2015年秋イベントにおいて、新海外艦の実装が告知されていたが、艦種も含め明確にはなっていなかった。

「幽霊戦艦」の異名を持つドイツの武勲艦シャルンホルストや、その妹グナイゼナウ。
存在自体がイギリスをビビらせた「北海の孤独な女王」ことビスマルクの妹ティルピッツ。
リットリオ(イタリア)&ローマの姉ヴィットリオ・ヴェネト。
果ては賛否両論なんのそので当時未実装であった連合国艦実装という声も上がる始末。そして数か月後に本当に実装が発表された。
これらに混じってグラーフも候補に上がっていた。
運営twitterアイコンの新海外艦らしきイラストを見ても何かよくわからないまま、ついに明かされた正体がグラーフであったのだ。
なお、これらも2024年1月現在誰も『艦これ』に実装されていなかったりする。

絵師によれば、艦載機は、金属エッチングカードの状態で格納した収納機をスロットにセットし、発進後実体化する。このカードと収納ケースらしきものは中破絵で膝元に落ちているのが確認できる。
弓道スタイルではなく、どちらかといえばくーろくろ氏の描いた飛鷹型雲龍型のような陰陽師タイプが近く、絵師としては魔術師をイメージしたとのこと。
また、赤城を参考にした割には全然面影がないが、これは「赤城の設計を参考にして作られたのはエレベーターだったので、手…というか手相が似ている」らしい。
公式4コマでは手の大きさが全く同じで腕の長さも同じという解釈になっていた。
どちらかというと、腰部にマウントした艤装の構成や発艦原理など、同じフミカネ氏の作である大鳳との共通点が多い。(あちらはボウガンの矢となっている)

入手は現状、イベント海域でのみ、それも攻略報酬ではなくドロップ限定。
初出は2015年秋イベントのE4海域、つまり最終一つ手前海域でのボスSのみでのドロップ。
ボスは弱体化ギミックを解かないと結構強い。ボスだけ倒してゲージを削るだけならそんなに難しくはない*13が、S勝利限定。撃ち漏らしは避けなければならない以上、高難易度を選んだ場合はギミックも解除が必要だった。
ギミックは毎日午前5時に解除される仕様で、そもそもイタリア艦がいないとギミック解除マスに辿り着けず、さらに連合艦隊を出さなければならずボス撃破まで合計5戦で資源も時間もかかる上に連戦補正で損傷も増えバケツも消耗、開幕雷撃ありの対潜戦闘が道中に挟まるため運が悪いとボス以前で強制的に帰らされる…など嫌がらせのような条件が用意されていたのだ。
艦これwikiのグラーフの項目ではイベント期間だけで落ちないという提督諸氏の阿鼻叫喚が13ページにも膨れ上がり*14、公式4コマの作者桃井涼太氏は迎えることにこそ成功したものの156周もの周回をした。
しかし、桃井提督の周回回数も物欲センサーに魅入られた提督達にとっては「たったの156周か…」になるそうな。
多くの提督は全海域をクリアして、あるいはギミックを解除せずともS勝利を狙いやすい丙作戦でゲージリセットを繰り返しながらグラーフ掘りに明け暮れることとなった。
イタイッ!ヤメテヨォッ!!
秋イベントは歴代のイベントと比べてクリア自体は比較的楽な部類だったが、一番厄介だったのはグラーフ掘りだったという提督も少なくない*15
中にはグラーフが欲しいのにローマやU-511などばかり出てくる提督もいたとか、いないとか…*16
尤も、新人提督はさらに秋月掘りとプリンツ掘りに挑まなければならなかったのでそっちの方が厄介だった可能性は高いが

運営もこの惨状を省みてか、2016年冬イベントにて未所持の提督に限りドロップ可能である事が発表された。
また2016年冬イベント以降はレア艦掘りがボス前や複数海域で可能になるなどの(一応)緩和策が導入された…が、2016夏イベント以降ドロップできなくなり、
次にドロップが確認されたのは1年後の2017夏イベント、よりにもよってその最終海域であった。

能力的にも、かなり癖がある。

改装前のスロットは3つしかなく20/13/10。搭載数からすれば、鳳翔改(14/16/12)と1機しか違わないという能力。
改装すると4スロットになるが30/13/10/3とこれまた随分と偏ったスロットとなる。
改時点での搭載数56機は、次点のAquila改の66機と比べてもダントツに少ないが、AquilaはAquilaで軽空母並の性能という問題を抱えているのでむしろAquilaよりマシ扱いされる事も…
それでいて燃費もかなり悪い部類に入り、赤城さんと同じ位食べる。
火力は加賀アーク・ロイヤルとほぼ五分で村田1機でキャップに到達した…のだが、火力キャップ解放により届かなくなってしまった。

これだけ見れば、戦力的には苦労して入手するだけの価値ははっきり言ってない。
偏ったスロットで補助装備付きで運用するなら、龍驤改二の方が使い勝手が良い場合が多いだろう*17
しかし、グラーフの能力の魅力は搭載数とは別のところにある。

まず通常の空母と違い、デフォルトで射程が中。従って副砲や熟練艦載機整備員を装備せずに巡洋艦級に先制攻撃を叩き込むことができる。
先手を取れる空母はなんだかんだで非常にありがたかった。
…のだが、彗星二二型(六三四空)達により すべての正規空母が射程長を手に入れてしまった ので少々利点としては薄くなってしまった。
さらに同じくデフォルトで中射程のIntrepidも登場し、彼女唯一の個性ですらなくなってしまったWW2中期以降の米空母とノウハウすらなかった未完成の独空母を比較するのもあまりに酷な話だが…

ついで、第1スロット30は相当でかい。クリティカル率の高くなると言われる第1スロットが大きいことは、それ自体がアドバンテージである。
この数字は改造設計図を使用しない改造艦ではイントレピッド改(第1スロット40)サラトガ改(第1スロット36)に次ぎ、装甲空母の大鳳と並ぶ3位タイである。
…のだが、艦爆による戦爆カットインの実装により、2スロ分積むことが主流になったため、第2スロットがわずか13でツ級の餌食のグラーフはかなり不利に…
しかも先のキャップ解放で大概の空母は2スロに艦攻、艦爆でキャップ前後に達するのでなおさらである。
さらに2スロ積む都合第1スロが最大であることの重要度が下がり、一航戦やアークロイヤルのような第1スロットが2番目の空母とは事実上差がなくなってしまった。

だが、もう一つ、グラーフと改造前のサラトガ、大鷹&神鷹改二のみの特徴として、艦娘側の空母で無条件で夜戦が可能である、ということがある。
艦娘側の空母は基本的に軽空母・正規空母関係なく夜戦になると完全に置物、ただの的でしかない*18

しかし、グラーフたちは夜戦でも艦載機こそ使えないが砲を放って攻撃ができる。副砲を二門積んでおけば連撃さえできる。
他にこれが可能なのはソードフィッシュを積んだアークロイヤルのみ。

…だが、それが効果的に使える、という状況は今のところない。
なぜならその火力は駆逐艦最弱パワーのうーちゃんにすら完敗し、最大まで上げてなお練習巡洋艦と同火力しかないから。
まぁヲ級flagshipやヲ級改の夜戦火力が大したことないのでお気づきの提督もいたかもしれないが、空母の夜戦は昼と違い普通の艦艇と同じ計算式であり、
もともと雷装値がないため夜戦装備を積んでなおこのような結果になってしまっている。
艦攻の中でも性能が高いとは言えないソードフィッシュ系列がないと夜戦できない上にソードフィッシュの火力しか加算されないアークロイヤルよりはマシであるが…
昼戦の大火力と夜戦の両立が役に立つ場所といえば連合艦隊の第二艦隊も思い浮かぶが、そこには正規空母は配備できない。なんてこった。大鷹改二「ドヤッ」
それなら、夜戦装備より大人しく艦載機や艦上偵察機を積む方が得策…と言う提督も多く、現状「珍しい能力」以上の価値を持っているとは言い難いところがある。
あまりに効果が微妙かつ前例のない挙動であったため実装最初はバグを疑われ、運営から仕様である旨のツイートがなされた。
空母棲姫の夜間攻撃に辛酸を嘗めさせられ続け、夜戦可能な空母を求めていた提督からすれば期待外れな事になったが、 火力180 のあのおばさんがおかしいのであって彼女は悪くない、イイネ?

なお、「一斉砲撃に参加できる」事自体がダメージアップに繋がるアーケード版ならば評価が変わるかもしれない仕様なので、アーケード実装に期待したいところ。一体何年後だって?知ら管

その後アップデートで空母に夜襲という機能が付き、空母は全員夜戦が可能になってしまったが、
サラトガMarkⅡ以外は最大火力を得るためには艦攻、艦戦、艦戦、夜間航空要員にしなければならないため、グラーフのスロット配分にまさにぴったりの仕様である。
…かと思われたがよりによってその 火力もスロット数依存 であるためスロットがぶっちぎり最下位のグラーフの夜戦火力は当然正規空母ワーストクラスなのであった。
ちなみに夜襲カットインを決めればギリギリキャップに到達できる…のだが、運が絶望的に低いのでそもそもカットイン自体がほぼ発生しないのだった。
最初に夜戦できる空母として登場したというのに…
せめて夜戦装備実装前の2017春イベE4にて九七式艦攻補正が夜戦でも適用されれば、間違いなくグラーフの夜戦能力が輝いたであろうに…
ついでに第二艦隊で大鷹改二の居場所は瑞鳳改二(乙)や隼鷹改二に奪われた。
更に月日が経つにつれ現状唯一の夜間軽空母の龍鳳改二戊や対地特効と夜襲が両立できるGambia bey markⅡや雲鷹改二と正規空母なのに軽空母のライバル達が増えていく始末

持参する装備の目玉は、ドイツ製の高性能な艦戦である Bf109T改とFw190T改。
制空値自体は特別すごい、というわけではないが、火力や回避が上がるのと高い制空値を併せ持っているためにこれはかなり美味しい。
特にBf109T改を超える回避値を持つ艦戦はおらず、Fw190T改も紫電改二の回避+3追加で若干立ち位置が怪しくなっている烈風の上位互換なので十分な活躍が見込める。
艦載機熟練度実装で全般的に制空値に余裕がある現状、こうした制空値以外の能力が上がる艦戦の出番は相対的に増えている。
手に入れたら積極的に使っていきたいところである。
なお、グラーフは現状「未所持」の提督のみドロップ可能とされているので、グラーフを解体すればBf109T改とFw190T改の量産が可能になる…がおススメはしない。
一応、2016年春イベントにて所持制限は解除されたとの報告もある。
更に2021年の欧州イベント以降、Bf109T改とFw190T改が艦載機パズル特効を持っていたりと装備は優遇されている。

10.5cm高角砲も持ってくる。副砲としての火力は強いが、改修不能&対空カットインの条件的にやや不利な分使い勝手的には特に優秀というわけでもない。

艦爆Ju87C改も、彗星一二型甲に爆装値で劣る上、海外艦任務で複数手に入るためそこまで目新しくはない。対潜値は高いのだが・・・
ただし、一部の提督はこの艦爆が「あの魔王閣下」の愛機だったことからそちらでネームド化されて強化されるのではという期待を密かに抱いているらしい。
果たして18初秋イベントで強化版のJu87C改二(KMX搭載機)が登場したが、 対潜特化という完全な軽空母用で本人はまるっきり生かせない と言うオチが待っていた。
…それどころか更なる強化版のJu87C改二(KMX搭載機/熟練)に至っては先の伊勢彗星と同じ 射程長 であり、グラーフの射程の存在意義をさらに薄くしにくるのであった。
その一方でJu87C改二(KMX搭載機)二種はグラーフ(とアクィラ)が装備すると装備ボーナスとして火力+1、回避+1が入るという痛し痒し。焼け石に水とか言うな。

余談だが、グラーフは艦これ実装艦の中では初の未成艦である。
起工されながら未成に終わった艦としては、かの改装空母「信濃」を筆頭に重巡洋艦「伊吹」、雲龍型航空母艦「笠置」「阿蘇」「生駒」、ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦3番艦のインペロなどがある。
将来的にはこれらの艦の実装の可能性が浮上した。
2016年夏イベントでは、未成艦第二陣としてイタリア空母アクィラが実装されている。その代わりこの後1年ほどグラーフは一切ドロップしなかったのでグラーフ未所持提督は悲鳴を上げた

そもそも完成すらせずに沈められたり解体されているため 運はたったの4。 改造しても7までしか伸びない。
とは言え基本夜戦のできない空母の運は運用上殆ど関係がなく、グラーフは夜戦連撃できるとは言ってもカットインはできないためやはり影響はなかった。
…のだが、アップデートで導入された噴進弾幕、夜襲カットインいずれも 運依存 だったため、その運の低さで思いっきり実害を被るハメに…

zweiに期待…と言いたいところであるが、前述した通り2期移行後は島田フミカネ先生の新規が1枚もなく、そういった形でのテコ入れが望み薄になってきているという悲しい現状がある。
さらに言ってしまうと、彼女には2024年1月現在も限定グラどころかゲーム外の描き下ろしすら1枚もない。大鳳にだって1枚だけあるのに。
度重なるアップデートの結果、彼女の存在意義が「欧州遠征の艦載機パズルに必要な、貴重なドイツ製艦戦を持ってくる」という、彼女本人に利がない状況にすらなりつつある…。
数少ない欧州空母枠という利点もあるにはあるが、これも『艦これ』の英空母の実装ペースが極めて緩慢*19で「単に実装されていないだけ」という本ゲーム特有の事情に起因する消極的な優位であり、予断を許さない。そもそも竣工を迎えなかった未成艦なので、国籍によるルート固定こそ存在するが、海戦での史実特効というのが全く期待できないのも痛い。
仕様上噛み合いが良いとされるアーケードでの実装に期待する声も、既に2期に実装されたGotland、Atlanta、Hornet、Rangerに先を越されてしまっている始末である。
筐体の稼働限界から、最悪実装されないままアーケードが終わる可能性すら見えてきている。せっかく輝けそうなのに…。

このように、後日の編集で追記されていく「のだが」「しかし」の多さを見ての通り、追加された仕様は悉く彼女にとっては逆風であり、アップデートのたびに相対的な立場が落ちていくという悲惨なことになっている。
上方修正の際も一番の弱点の搭載だけは手を付けられなかった…。

尤も、イベントでピンポイントで特定のキャラに出番が来る事がよくあるゲームなので、そういう仕様を理由に放置しておくとそれはそれで面倒な事になるゲームだったりするが。
特に2018初秋イベントでは最終海域で案の定ルート固定枠の一人になっており、
史実では当然参加しなかったライン演習部隊の空母枠として参戦、あるいは史実では敵側のForce Hに飛び入り参戦するグラーフの姿が見られた。


キャラクター概要


航空母艦Graf Zeppelin、出撃する! Lichten des Ankers!*20

肌の露出が皆無な軍服と魔術師を折衷したような衣装を着ているが、妙にピッチリとしていてボディラインが出ているのでそこはかとなくエロい。特に胸部装甲は流石に正規空母だけあって、服の上からでも分かるような立派なもの。
目つきは厳しく、折り目正しいドイツ軍人といった感じの性格をしていて対応は非常にクールであり、喜びの感情を表していても折り目正しい。セクハラにムッとしても折り目正しく説明要求。
規律にうるさめなドイツ艦としてはビスマルクがいるが、ビスマルクの場合かまってちゃんかつ感情的で提督に食事を作らせたりプレゼントをせがんだりと微妙に残念な側面が時報や放置ゼリフでバレるため、厳格キャラとしては微妙に崩壊していたりする。
しかしグラーフの場合は折り目正しさがまるで崩れないし、ちゃんと食事も作ってくれる。
尤も、後述するが彼女も決して規律に厳格なばかりのキャラではない。

雲龍型同様空母として戦うことがなかったためか、やはり艦載機に興味津々。ドイツの艦載機がご自慢だが、日本の艦載機もちゃんと評価してくれる。
ついでに提督にも艦載機と同じくらい好意的。ツンデレなビスマルクと違い非常にストレートで分かりやすい。

「高速戦艦の会」の存在がRomaの時報で発覚したが、グラーフの方は赤城から「正規空母の会*21」なる会に誘われており、
正規空母たちと一緒にNabeならぬを囲み、日本の艦との親睦もちゃんと深めており、提督に「うん、楽しいものだ」「ここはいい所だな」と感想を述べるなど、鎮守府の緩さに文句をつけるビスマルクとは逆に素直に受け入れている。
そもそも赤城を参考に作られ、条件が許せば日本に売却される可能性さえあったという経緯から図鑑の説明では「日本の艦隊、か…楽しみだな」と言うなど最初から日本への好感度はMAXである。
節分にはなんと赤城に豆を投げようとしているなど、やはり赤城との仲が一番良いらしい。
加賀や五航戦など日本の空母に対しても興味津々な様子。
しかし、某Uボートを見習おうとしているため、zwei実装時に豹変するのではないかと危惧する提督も…
正規空母は潜水艦ほどフリーダムではないので大丈夫だと信じたい信じたい。

史実では面識がないが、ビスマルクとは顔見知りの模様。*22
イタリア空母のアクィラはグラーフの妹からカタパルトを貰ってる経緯からか、グラーフと赤城を慕いつつライバル視している…が、グラーフはアクィラのライバル意識をスルーしている模様。

コーヒーが好きな様子でよくいれてくる。
紅茶党やら飲んべえやらがたくさんいる中で、コーヒー好きは珍しい。

なお、梅雨ボイスにて自身の工事が中止になった史実を「忌々しい」と言ってる辺り、(提督には「些事」と言っているが)史実での経緯を根に持っている模様
下手すりゃチョビ髭への好感度はゼロどころかマイナス突っ切っている




創作での扱い


公式4コマに登場したのは秋イベントから半年経った2016年5月。先に次イベントのZaraがゲスト出演するなどだいぶ遅い着任となった。
秋イベント回では彼女との合流を目的にビスマルクとリットリオ率いる連合艦隊が出撃したが、結局グラーフとはぐれたホッケFw190T改が報酬という形で登場しただけで行方不明のままだった。
この展開で誤解している読者もいるようだが、作者の桃井先生は上記の通りグラーフを156週でドロップしているので作者がドロップできなかったから登場しなかったわけではない。
そもそもイベント回の中で合流した艦娘は作戦完了後に合流した五航戦と救出された酒匂とIowa、AL/MI作戦途中で合流した大淀、登場そのものがゲームの演出再現のZaraくらいなのでイベント回中に突然登場するほうが4コマ的には不自然と言える。
連合艦隊に呼び出しがかからなかったユーちゃんとはっちゃんがビスマルク達に発見された(ドロップした)辺り、グラーフ全然出ねぇというネタという可能性はあり得るが
なお、上記の展開の結果、単行本7巻ではグラーフは出てもいないのに解説で史実ネタが説明されるという何とも言えない事になってしまった。

着任早々不幸型扶桑型姉妹のお茶会に目をつけられるなど不幸系な立ち位置は健在。
赤城やドイツ艦との面識もほとんどなかったが、結局普通に打ち解けた様子である。


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最終更新:2024年03月25日 14:59

*1 蒼龍の場合建造中であったが、条約違反という問題もあった。

*2 さすがに改装予定の三段空母の設計図だけでは気まずいと思っていたのか、実際に艦載機を運用する姿を見せている。

*3 格納庫の面積は資料によって差異もあるが5450~5648㎡で、実は4179~4247㎡のエセックス級よりも広かった。

*4 そもそも水雷戦隊も戦艦・重巡、果てはお家芸とも言えるUボートすらろくな数がないのに、空母機動部隊組んで戦う!なんて言い出す方が世界的に見てもアレである。

*5 この時点で、ドイツ海軍は大西洋における制海権をほぼ喪失。艦隊をあまり出撃させず、出すよ出すよと脅すことで相手の戦力を張り付かせるのに徹するハメになっており、日本まで連れて行く間に護衛もろとも沈められる危険は高すぎた。代わりに日本にその時点で係留されていた客船シャルンホルスト(戦艦のシャルンホルストとは同名の別艦である)が日本に渡され、護衛空母「神鷹」として改装されている。

*6 本当は建造中止どころか全部解体しろと騒ぎ、残っている艦だけでもと部下が必死に諌言したのでなんとか残った艦は助かっている。

*7 響(ヴェールヌイ)も標的艦として生涯を終えている。クロスロード作戦に使われた長門・酒匂・プリンツオイゲンも標的艦と言える。

*8 装甲艦アトミラール・グラーフ・シュペー/Admiral Graf Spee。ドイツ海軍の提督「マクシミリアン・フォン・シュペー伯爵」に由来する

*9 イタリア降伏後ドイツ海軍に所属した鹵獲/接収艦はいずれも最終的に日本海軍所属となっている

*10 神鷹(元ドイツ客船シャルンホルスト)もドイツ艦としてカウントする事もあるが、こちらはドイツ海軍の所属であった経歴は存在しない

*11 ドイツ海軍の高速魚雷艇・Sボート(Schnellboot)が元ネタ。ドイツ艦が元ネタの深海棲艦というのもこれが史上初である

*12 D-dayである1944年6月時点でドイツの大型戦闘艦はほとんど残されておらず、数少ない残存艦はドイツ本土やノルウェーなど北方に移動していた為、ノルマンディー上陸作戦には関わっていない

*13 ボスの潜水棲姫自体は攻撃が勝手に集中するなど弱く、しかも潜水棲姫さえ倒せばゲージが削れるため、ネタキャラ扱いさえされている。

*14 似たような条件としては2015年春イベントのRoma掘りがあったが、こちらは道中でドロップしギミックも不要な分やや条件はマシだったのではないかと思われる。参考までにRomaのイベント期間中のコメントログも阿鼻叫喚ではあったが4ページで終わっている。また次以降のイベントでも低確率ながらドロップがあった

*15 このイベントでのドロップによる新実装艦には他に最深海域ボスドロップの嵐もいたが、嵐はA勝利でも落ちる上ドロップ率が悪くなく、連合艦隊も不要だったため入手がきつかったという声は意外と少ない。

*16 この2人も相当なレアである。念のため。なお、ユーちゃんの方がグラーフよりドロップ率が低い。

*17 一応耐久・装甲が高いのと潜水艦に吸われないというメリットがあるにはあるが、グラーフの手に入る提督なら対策が打てる場合が多いだろう。

*18 逆に、深海棲艦側の空母は夜戦可能な種が増えた結果、むしろ夜戦不可の種類の方が少なくなっている(ヲ級・ヌ級のelite以下4種のみ)。なんでや

*19 16年に初めて英艦が実装されて以降、17年実装のArk royalと21年実装のVictoriousの2隻のみ

*20 意訳すると「抜錨せよ!!」というところか。微妙に文法上変ではあるらしい

*21 大鳳もいるので、装甲空母も参加可能らしい。

*22 公式4コマでは史実の方が優先されてビスマルクが「ドイツの空母に心当たりがない」と頭をかしげている。