アソーカ・タノ

登録日:2016/01/07 Thu 15:00:11
更新日:2024/03/08 Fri 20:40:12
所要時間:約 10 分で読めます






「わたし新しいパダワン。名前はアソーカ・タノ」


アソーカ・タノ(Ahsoka Tano)は、スター・ウォーズシリーズに登場する人物。
声は原語版はアシュリー・エクスタイン、日本語吹き替えは伊藤静氏が担当した。


【概要】

惑星シリ出身のトグルータの少女で、クローン大戦で活躍したジェダイの少女。階級はパダワン。
白い模様がある褐色肌とスフィンクスのようなボーダー模様のヘッドドレスが特徴である。
ちなみに、同族ではジェダイ評議員の一角シャアク・ティが有名。

トグルータは集団での行動を好み、おだやかで社交性が強いのだが、アソーカは例外的に生意気かつ恐れ知らず、好戦的で独立心旺盛な性格。
命令違反などで師であるアナキン・スカイウォーカーオビ=ワン・ケノービの手を焼かせることもしばしばである。
ぶっちゃけ女版アナキンと言える。
型破りで破天荒なジェダイ、という意味でしっかりマスター・ドゥークークワイ=ガン・ジンの系譜を継いでいる。


産まれたのはBBY36、ということなのでEP1時点で4歳、クローン大戦勃発(EP2)時点では14歳となる。
3歳の時にジェダイマスターのプロ・クーンによって見いだされ、ジェダイ聖堂に連れてこられた。
アソーカはクローン大戦中の「クリストフシスの戦い」において、アナキンのパダワンとしてヨーダから派遣され、以後アナキンと共に独立星系連合と戦うことになる。
それに続く「テスの戦い」でも共和国にとって重要な役割を果たしている。
アナキンとアソーカはジャバ・ザ・ハットことジャバ・デシリジク・ティウレの息子、ロッタの救出任務を通じて共和国とハットの氏族間の同盟の締結に貢献し、これによって共和国はハット・スペース内で安全な航行ができるようになった。

その後、共和国グランド・アーミーの司令官として各地の戦場へ赴き、第501軍団のクローン・キャプテン・レックスらと親しくなった。
戦争中は、ドゥークー伯爵の弟子アサージ・ヴェントレスや、同じくドゥークーの弟子でドロイド軍を指揮するグリーヴァス将軍賞金稼ぎキャド・ベインやオーラ・シングといった強敵と複数回にわたって対決し、第二次ジオノーシスの戦いやモン・カラの戦いでは共和国軍の勝利に貢献した。

ちなみに惑星モーティスでは、宇宙のフォースを司るフォース使いの一族、ザ・ワンズと遭遇し、サン(息子)の陰謀に巻き込まれて一度死亡している。

一度死亡している

大事な事なので2回言いました

だが、致命傷を負っていたドーター(娘)がアナキンに自分の命をアソーカへ移させたことで蘇り事なきを得た。
以後、アソーカの行く先々にモライという名の小鳥型のクリーチャー*1がしばしば現れるようになる。


【戦闘能力】

ライトセーバーのスタイルはシエンの逆手持ち。後にアナキンの指示により順手に変えている。
更に素質を見込んだアナキンはアタル、ドジェム・ソ、ニマーン、対ダブル=ブレード・ライトセイバー用の棒術についても教えていた。

戦うことに関する才能には非凡なものがあり、
上記の通りロッタを庇いつつ1人で3体のIG-100マグナガードを倒したり、
奇襲や地の利を活かしたとはいえアサージ・ヴェントレスやグリーヴァス将軍を相手に一時的に優位に立ち回ったりもしている(さすがに長期戦になると経験の差で負けてただろうけど)。
後述の事件が無ければジェダイの歴史に名を残す剣士にもなれたかもしれない。

またパイロットや戦術家としての才能もあった模様。


ただ、アサージやグリーヴァスの師父で独立星系連合最強の剣士でもあり、なおかつ自分自身の師匠筋でさえあるドゥークー伯爵とは、生涯戦闘していない。というか接触するシーンそのものがない。
(ドゥークーが騎士団を去ったときのアソーカは四歳ぐらいなので、本当に一面識もない可能性も高い)


【人間関係】

彼女はプロ・クーンやアナキン、ジョカスタ・ヌーやバリス・オフィー等のオーダー達と親密な絆を築いている他、オーダーの外にもパドメ・アミダラやリヨ・チューチー、ラックス・ボンテリ等の親友がいた。
ラックスに至っては恋愛関係にまで発展し、彼への想いから任務に支障をきたす事もあったほどだった(もっとも、アソーカは戦場へ、ラックスは議員としてオンダロンの復興と多忙につき、それ以上の発展はなかった)。

しかし、そんなアソーカの生き方を一変させる出来事が起こる……


【来歴】

旧共和国時代

ジェダイ聖堂爆破事件

アナキンと共に惑星ケイト・ニモイディアの戦いに派遣され、無事に危機を切り抜けた直後にヨーダからジェダイ聖堂が何者かによって爆破されたことを伝えられた。
ヨーダは事件の真相を調査させるため、2人を直ちにコルサントへ呼び戻した。
調査の過程で爆破事件に関与していると思われるレッタ・ターモンドを容疑者として連行した。
その後、共和国軍事基地へと移送されたレッタに呼び出される形で彼女と面会した。…この行動がアソーカの運命を決めることとなる。

刑務所内でレッタと接見したアソーカは、レッタの口からジェダイ聖堂爆破事件の首謀者は戦争に不満を持つとあるジェダイであり、そのジェダイが戦争行為を主導するべきではないという声明を共和国に訴えようとしていた事を聞かされた。
彼女はそのジェダイによって命を狙われることを恐れており、アソーカに守ってもらうことを条件に黒幕について供述することに同意したのだが、その名前を口にしようとした瞬間、彼女は何者かによってフォースグリップで首を絞められて死亡した。
直後にクローン兵からは犯人と見なされ、殺人容疑で逮捕されてしまう。

独房に入れられたアソーカはアナキンとの面会もできずにいたが、数日後、アソーカは独房の前にロックを解除するカードキーが落ちていることに気付いた。
アナキンが助けに来たのだと思ったアソーカは、よせばいいのにフォースでカードキーを手元に引き寄せて脱走した。
通路に出ると、見張りのクローン兵が数名殺されていた。その場に駆け付けたクローン兵からは当然犯人扱いされ、やむなく戦闘状態になってしまう。

独房のあった基地から脱出した後、自分を追ってきたアナキンに自首を勧められた。
当初、自分を助けようとしなかったアナキンに不満をぶつけたが、彼は「自分が強引に動けばアソーカにとって確実に不利になってしまう」と判断したのだと弁明する。
そして、武器を捨てて投降するよう説得されたが、アソーカはやっていないことに対する裁きを受けるつもりはないと訴え、投降を拒否する。
事件の謎解明に一縷の望みをつなぐ彼女は自らの手で真相を暴き、己の無実を証明しようと決意し、アナキンに「信じてほしい」とだけ言い残し、通過する船の上に飛び降りて逃走したのだった。


ジェダイ評議会の決定により、アナキンとプロ・クーンはアソーカを探しに暗黒街へ向かった。
一方、暗黒街に逃げ込んだアソーカは賞金稼ぎのアサージ・ヴェントレスに襲われる。彼女に追い詰められたアソーカは互いの裏切られた境遇について話し合い、協力と引き換えに恩赦を嘆願すると取引を持ちかけ、ヴェントレスはそれを承諾した。

隠れ家に案内されたアソーカは親友のバリス・オフィーに連絡を取ると「爆破事件に使われたナノ・ドロイドはレベル1315の兵器倉庫で作られた可能性がある」と聞かされる。
さっそく兵器倉庫に単独で向かうのだが、それは黒幕によって仕組まれた罠であり、アソーカはヴェントレスに変装した何者かに襲われ、衰弱していたところをアナキン達に連行される。倒れた場所には事件の証拠と思われるナノ・ドロイドと爆弾が置かれており、それがアソーカの立場をますます不利してしまった。

その後、ジェダイ評議会はアソーカに関してどのような裁判を行うべきかウィルハフ・ターキン提督と協議していた。
アソーカを真っ向から犯人と疑っていたターキンは今回の事件に対してジェダイだけで収めるわけにはいかず、軍事裁判にかける事を強く希望した。オビ=ワンとアナキンの2人はアソーカが無実である事を強く主張するも、ジェダイ評議会も今回の事件を重要視するあまりターキンの主張に賛成し、それどころかヨーダメイス・ウィンドゥに至っては「アソーカが暗黒面に堕ちているのではないか」と疑ってかかる有様であった。

必死に無実を主張したアソーカだったが、結局はジェダイ評議会によってジェダイ・オーダーから追放され、共和国元老院の裁判にかけられることとなる。
その際、パダワンの証しの髪飾りも没収されてしまう。

アソーカの事を信じているアナキンはこの決定を不服として、とにかくヴェントレスを探して真実を見つけようと暗黒街へと向かった。


ほどなくアソーカは軍に移送され、元老院の議員やパルパティーン議長の前で公開裁判が行なわれた。裁判の弁護はパドメが引き受けていた。
弁護側についたパドメは、アソーカには事件があったときにスカイウォーカーと任務に出ていたというアリバイがある事、そしてレッタの殺害とそれに先立って彼女を逮捕するという行動には矛盾があることを指摘し、アソーカの無実を訴えた。
だが、ターキンは彼女が逃亡中に分離主義勢力のヴェントレスと通じていたことを証拠として主張し、彼女に死刑を求刑したのだった。
やがて両者の論争は終了し、裁判の判決は議員達から成る陪審団の手に委ねられたのである。

そして、パルパティーン議長から有罪判決を下されようとしていたそのとき、突如アナキンが真犯人を連れて法廷に現れた。
その真犯人は何と親友であるはずのバリスであった。

ヴェントレスを探し出したアナキンはヴェントレスの証言から犯人がバリスであると確信し、アソーカに罪を着せた彼女を証人として法廷に連れ出したのである。
法廷に引き立てられたバリスは、ジェダイ・オーダーが本来の信念を見失い、戦争を通じて暗黒面の手先となっていると主張した。
ただちにバリスは逮捕され、アソーカは晴れて無罪を勝ち取ったのだが、同時に彼女の心に深い傷跡を残すことになった。
ジェダイ評議会はこれまでの行為についてアソーカに謝罪した。


アナキン「アソーカ、本当に申し訳なかった。お前を苦しめた」

プロ・クーン「評議会を代表して心から詫びたい。疑ったのは間違いだった」


ここまではいい。問題はこの後……


セイシー・ティン「君は力強く、くじけることなく自分の無実を証明した」

キ=アディ=ムンディ「まさにジェダイナイトの資質」

メイス「またとない試練だったがよく乗り越えた。フォースは時に気まぐれだ。お前はより高位のジェダイであることを証明した」

アソーカ「(゚Д゚)」


アナキンとプロ・クーンは明確に謝罪したのに対し、メイス達は謝罪どころか自分達の落ち度やアソーカの冤罪を正当化するような主張をする体たらくであった。
アソーカがこの手のひら返しに幻滅したのは言うまでもない。
中でもメイスの言葉はかなり気に障ったのか、ムンディまでは少なくとも無表情だったアソーカは、メイスの「試練」という言葉から一気に顔を歪め、腕組み*2まで行っていた。

ヨーダやアナキンからも復帰の要請を受けるも、唯一自分を信じていたアナキンの誘いも断ってジェダイ聖堂を後にした。
評議会が自分を信じることができなかった以上、自分も評議会を信じることはできないと悟り、脱退を決意したのである。

すぐさま後を追ってきたアナキンに脱退を考え直すよう説得されるが、ジェダイに失望したアソーカの決意は固く、アナキンのジェダイ評議会への信頼が揺らいでいることも見抜いていた。
アナキンが自分を信じてくれたことには感謝していたが、自分を擁護してくれなかったジェダイ評議会のもとに留まることはもはやできなかったのである。

既にアソーカとジェダイの関係は修復不可能であると悟ったアナキンはアソーカの孤独な旅立ちを見送る他なかった。

この事件がアソーカとアナキンにもたらした影響は非常に大きく、後の惨劇を引き起こす遠因にもなってしまう。


犯罪に手を染め、親友を陥れてまでジェダイを糾弾しようとしたバリスも全く褒められたものではないが、真実の究明よりも共和国との関係を優先してアソーカを簡単に切り捨てたジェダイ・オーダーという組織そのものが既に末期の状態だったと言える。

彼女がその後どうなったかについては不明であり、オーダー66の後も生存しているかどうかもファンの間で議論となっていたが……

TVアニメシリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』にて、アソーカの生存が判明。
さらに、EP3と同時期に発生したマンダロア包囲戦に参加していたことも明かされ、『クローン・ウォーズ』シーズン7にて詳細が描かれた。

マルテス姉妹編

マンダロア包囲戦の前日談。
コルサントのアンダーワールドに住むマルテス姉妹との奇妙な出会いからパイク・シンジケートとのいざこざに巻き込まれ、その最中パイクに指示を出すダース・モールを目撃し、さらにパイクと戦うアソーカを見ていたマンダロリアンの一団から接触を受ける形でマンダロア包囲戦に繋がっていく。
また、姉妹を通じてかつての親友とその師匠の不穏な話を耳にしたりと、ジェダイの正義が如何に末期であったかを冤罪事件からさらに重ねて思い知ることとなる。

マンダロア包囲戦

EP3冒頭のコルサントの戦いに前後して、ジェダイのもとに元シス卿ダース・モールがマンダロアに潜伏しているとの情報が入る。
実はこれはアナキンとオビ=ワンをおびき寄せてシディアスの計画を妨害するためのモールの策略だったのだが、最高議長救出を優先した二人の代理としてアソーカに白羽の矢が立った。*3
アナキンから勝手に刃の色を改造手入れされたライトセーバーを受け取り、レックス率いる専用のクローン・トルーパー部隊と共にアソーカは再び銀河の戦いに戻ることとなった。
馴染みのキャプテン・レックスと共にアソーカはマンダロアに向かい、モールの支配に反発するボ=カターン・クライズ率いるマンダロリアンの一派と合流。モール率いるシャドウ・コレクティブの残党と戦うというのがシーズン7の大筋となっており、ストーリーはEP3と全くの同時進行で進む。
デパ・ビラパの隣に若き日のケイレブ・ドゥーム(後のケイナン・ジャラス)がカメオ出演していたり、ケイト・ニモーディアに出撃するプロ・クーンや、フェルーシアに出撃するアイラ・セキュラなど、視聴者のトラウマを抉る小ネタの数々は必見である。

当時の銀河で唯一シディアスの計画を正確に理解していたと言っていいモールを追っていただけあって、アソーカもマンダロア包囲戦の最中でかなりシディアスの計画の核心に近いところまで迫っており、モールの傀儡であったアルメク首相から「シディアス」という名前も聞いていたのだが、そのことをウータ・パウに出撃する直前のオビ=ワンに報告した時には問い詰めるべきドゥークー伯爵は既にアナキンによって殺された後だった*4
アルメクもシャドウ・コレクティブの手の者によって始末されてしまったため、アソーカはシディアスに繋がる唯一のヒントとなったモールをなんとしても捕えることを決意する。

だが実はモールの方としては、アナキンとオビ=ワンの師弟が来なかった以上もはやジェダイでもないアソーカと戦うつもりはなく、むしろシディアスの陰謀を止めるべく協力を持ち掛けに自ら姿を現した。
そこでアソーカはモールから、シディアスはアナキンを次の弟子にしようとしていることを聞かされ、同時にアナキンの始末を目論んでいたモールの真意も理解した。
アナキンが生きている限りシディアスは必ずアナキンを闇に引きずり込もうとする。そうなれば確実に銀河はシスの手に堕ちる。
そしてアソーカは知る由も無いが、この頃のアナキンはパドメを救える可能性のある暗黒面の力に魅入られつつあった。

モールの勧誘は本気でシディアスを止めるためのものであり、所属していた組織から捨てられた孤独な者同士であるという共感ゆえのことでもあった。
事実アソーカも一瞬揺らぎかけたが、どこまでいってもモールの作戦は「アナキンを殺すしかない」と告げるも同然のものであり、さらにアソーカは仮にシディアスを打倒できたとしてもその後にはモールが君臨するだけであることを指摘。
最終的に両者は手を取り合うことなくライトセーバーを起動し衝突することとなった。

不安定な足場に戦場を移しながらモールとアソーカは激しい戦いを繰り広げたが、剣技では流石にモールが一枚上手で、ライトセーバーを二本とも叩き落されるまでに追い詰められてしまう。
だが、アソーカは咄嗟にモール自身のライトセーバーで足場を切断させることでモールを突き落すことに成功。逆転勝利を飾りフォースで宙に浮かせて動きを封じた。(ここでモールは死なせてくれとまで絶叫したが、落下では死なないことに定評のあるモールのことなのでそのまま落下していたら逃げ延びていたかもしれない。)
駆け付けたトルーパー達がモールを拘束したことが決定打となってマンダロア包囲戦は共和国軍の勝利に終わった。


ジェダイ評議会への報告

モールを捕らえたアソーカは、苦い思い出のあるジェダイ評議会に謁見・報告を行った。
コルサントにいたメイスや、キャッシークに出向いていたヨーダや、マイギートーに出向いていたキ=アディ=ムンディともホログラムを通じて再会を果たしている。
EP3本編を見れば分かる通り、このシーンはオビ=ワンとグリーヴァス将軍が交戦を開始した旨を最高議長に伝えるためアナキンが離席したほんの数秒後であり、この銀河史上最大のニアミスが後の悲劇に繋がることとなってしまう*5
メイスとは最後まで完全に和解することなく皮肉を言い合い、キ・アディとは一言も言葉を交わさず、恩人であるプロ・クーンは不在で、唯一アソーカを気遣いアナキンへの伝言があれば引き受けようと申し出たヨーダに対しては感謝を述べつつも「自分の口から伝えます」と答えアソーカは通信を切るのだった。

オーダー66

かくしてマンダロアを発ったアソーカは、コルサントへの帰路に着く。
シス卿ダース・シディアスはアナキンを暗黒面に堕として弟子にしようとしている。なんとしてもそれを防がなければならない。
アナキンの身を案じながらアソーカはブリッジにてしばし瞑想を始めたが……


「オーダー66を実行せよ。」
「はい。シディアス卿。」

全ては手遅れだった。
アナキンがメイスを妨害しシディアスの手中に堕ちるその瞬間をフォースの繋がりで認識しながらも、オーダー66発令によるクローン達の裏切りによりアソーカ自身も窮地に陥ることとなった。
なんとかブリッジから脱したアソーカは、四面楚歌の状況を打破するためモールを解放する苦渋の決断を敢行し、
自身は脳内チップによる強制命令に苦しみながらもレックスが発した「ファイブス」の一言だけを頼りに、クローン達の異変の原因を探し求めることとなった。

かつてオーダー66の誤作動を巡る事件で脳内チップの存在を突き止めながらも粛清の憂き目にあい存在を揉み消されたファイブスことCT-5555の遺していたメッセージを遂に発見したアソーカは、シーズン1からの相棒であるR7を中心とするアストロメク・ドロイド達との連携によりレックスを気絶させ医療室に駆け込んだ。
医療室に殺到するトルーパー達に負傷させられながらもなんとかレックスを正気に戻すことに成功。
それに前後してモールがハイパードライブを破壊したことでヴェネター級スター・デストロイヤーは墜落を始めた。

その後、クローン達に包囲されながらも脱出しようとするアソーカとレックスのもとにモールが到着。
アソーカをフォースで退けて脱出艇を奪って飛び立ってしまう。
決して逃さないと誓ったモールと、背後で窮地に陥るレックスやそれを庇って倒れたR7を天秤にかけられたアソーカは後者を選び、モールを逃した。

やがて惑星の重力に掴まり大気圏突入を始めたヴェネター級艦内は、戦闘どころではない大混乱に陥り、アソーカとレックスは格納庫内のYウイングで脱出。
クローン諸共墜落していくヴェネター級を見つめながら、アソーカは共和国の終焉を、レックスは兄弟達の死をひしひしと感じるのであった。

墜落したヴェネター級の残骸から二人は動かなくなったR7と可能な限りのトルーパー達の亡骸を掘り出し、彼らのヘルメットを墓標に即席の墓を設けた。
アソーカはマンダロアに発つ間際アナキンから渡されたライトセーバーを墓に捧げるかのようにその場に捨て、アソーカとレックスはその場から去るのであった……。

それから長い時が経ち、ジェダイ残党探索の一環でヴェネター級の残骸を捜索しにアナキン……否、ダース・ヴェイダーが同じ場所に降り立つ。
ヴェイダーは降り積もった雪の中から引き寄せられるようにアソーカが捨てていったライトセーバーを見つけ出し、起動して構えた後、
アソーカの残香の如く空を舞うモライをしばし見つめて、ライトセーバーを懐に収めその場を去っていった。

これを以って長らく続いた『クローン・ウォーズ』シリーズは完結となった。

レックスやドロイドの協力があったとはいえ、他のジェダイ達と違いクローン兵から逃れられた事については『テイルズ・オブ・ジェダイ』で補足されている。
EPⅡの惑星ジオノーシスでの戦いやクローン戦争の激化に伴い、対ドロイド戦を想定した訓練が行われるようになり、アソーカもそれを難なくこなしていた。
しかし彼女の師であるアナキンは「プログラムを相手にした訓練など意味がない」として、集団戦闘のプロであるレックス達クローントルーパーによる特訓をアソーカに課す。
ショックモードとはいえ実銃を使った特訓は熾烈を極め、最初は10秒と持たなかったアソーカは訓練に疑問を持つが「戦場で彼女の命を守るために必要なことだ」というアナキンの言葉を信じ耐えていく。

「悪くない、今回は倒すのに5分かかった」
「もっと延ばして見せる」」

帝国時代

アニメ『バッド・バッチ』

本人の登場は無いもののマルテス姉妹が再登場しており、修理されたR7が彼女らと共にいるのが確認できる。
オーダー66以降、身を隠す前に一度彼女らの元を訪れてR7を預けたようだ。

小説『アソーカ』

まだ邦訳されていない書籍だが、帝国初期のアソーカの足取りが描かれる。
尋問官の一人であるシックス・ブラザーを素手で返り討ちにすることで新たなカイバー・クリスタルを入手しており、以後はこのクリスタルを用いたライトセーバーを携えている。
日本刀のようなデザインの曲がった柄と、「浄化」を施した白色の刃が特徴的。

アニメ『反乱者たち』シーズン1最終回&シーズン2

EP3EP4の間を描く本作では、銀河帝国への反乱組織に情報を提供する「フルクラム」として活動しており、シーズン1ラストで主人公エズラ・ブリッジャーとその師匠ケイナン・ジャラス率いる「スペクターズ」の援軍として登場。
その後のシーズン2でも彼らをサポートし、レックスとも再会している。
実力面では尋問官二名を単騎で退けるまでに成長しているが、大人になってもスタイルは成長しなかった模様
シーズン2最終盤の惑星マラコアの古代兵器を巡るエピソードではモールと再会を果たすほか、遂にかつての師との直接対決まで披露する。
暗黒面の強大なパワーに苦戦しながらもヴェイダーの隙を突いて遂にヘルメットに一太刀入れることに成功した*6が、エズラ達を逃がすため殿になり、ヴェイダーと切り合いながら古代兵器の閃光の中に姿を消した。

退場の仕方が仕方なのでさすがに生存が絶望視されていたが、同じ状況に巻き込まれていたヴェイダーが生きていることから生存を信じる声も根強く、またしても長らく議論の的となっていた。

アニメ『反乱者たち』シーズン4

……が、ケイナンを失ったエズラがフォースの導きで辿り着いた狭間の世界を巡るエピソードでまさかの再登場。
スター・ウォーズ世界のあらとあらゆる時間と場所を繋ぐ狭間の世界の扉の中からシーズン2最終回のマラコアに繋がる扉を見つけたエズラは、ヴェイダー共々古代兵器の崩落に巻き込まれかけるアソーカを目撃して思わず手を伸ばした結果、過去の時間軸からアソーカを救出してしまった。
助けられた……もとい助けられてしまったアソーカはエズラの行動がタイムパラドックスを発生させてしまう可能性にすぐさま気づき、同じ方法でケイナンを助けようとするエズラを制止した。
ケイナンの死と向き合い、前に進むようエズラを諭し、アソーカとエズラはそれぞれの元いた時代に帰ろうとするが……

そこにシスの秘術で狭間の世界を覗き込むことに成功していたダース・シディアスが襲来
狭間の世界の入り口の場所をエズラに吐かせるべくフォースを干渉させて襲い掛かった。
二人は大急ぎでその場から離れ、別れを告げながら各々の時代へ帰還。

シーズン2直後のマラコアに戻ったアソーカはタイムパラドックスを防ぐべく反乱運動に復帰せず隠遁し、シーズン4のロザルに戻ったエズラもアソーカとの遭遇は誰にも話さず胸の奥に仕舞っておくことにするのであった。

シーズン4最終回では、エンドアの戦いの後再びスペクターズの前に姿を現したようで、未知領域に姿を消したエズラを探すべくサビーヌ・レンと共に飛び立っていった。

帝国崩壊後

ドラマ『マンダロリアン

演:ロザリオ・ドーソン
シーズン2にて遂に実写作品に登場を果たす。*7
引き続き白のライトセーバー二本を使用しており。ベイビー・ヨーダことグローグーを導くため一行に手を貸した。
また、エズラ捜索の手がかりのためか『反乱者たち』に登場したスローン大提督の行方を追っていることが明らかとなっている。

???


ドラマ『アソーカ』

『マンダロリアン』とほぼ同時期の物語とされる単独スピンオフ。
Disney+にて配信予定。

新共和国時代以降

その更に後の時代となる、新共和国時代以降の足取りは不明。
スピンオフ含め登場作品は無いが、仮に生きていたとしたらEP7時点で70歳程度となる*8
トグルータの平均寿命が不明*9なので何とも言えないが、天寿を全うしていてもおかしくない年齢ではある。

…ただ、EP9ではレイに呼びかけた過去のジェダイ達の声の中にアソーカの声*10も含まれていたため、既に故人の可能性も否定できない。


【総評】

下のコメントでも指摘された通り、アナキンとアソーカは気質が似ているため、お互い相手を見ることで自分の欠点を自覚するような関係だった。
アソーカが居た時のアナキンは、多少暗黒面の鱗片を見せることはあってもそれに呑まれることなく立派なマスターとして行動できていたことからもそれがうかがえるだろう。

また、父親の愛情に飢えていたアナキンにとって、良くも悪くも手のかかる娘としても見ることができるアソーカとの交流は
父親の愛情というものを理解することができ、それが精神的な救いになっていたのかもしれない。

しばしばオビ=ワンは『アナキンを映す鏡』に例えられることがあるが、アソーカもまたオビ=ワンとは異なった形でアナキンを映す鏡だったと言える。



【余談】

アソーカのモチーフについては、『もののけ姫』のヒロインであるサンがモデルになっているとの事。
また、キャラクター性や顛末は大きく違うが、
「女性」「二刀流」「精神修行は未熟だが戦闘能力はマスター並み」「パダワン止まり」「シス卿のジェダイ時代最後の弟子」「彼女の喪失が師匠のシス転落の一手となる」
などの特徴は、レジェンズ作品におけるドゥークーの弟子コマリ・ヴォサと相似している。




追記修正はマスターと敵にあだ名をつけてからお願いします。

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最終更新:2024年03月08日 20:40

*1 コンヴォアという割と銀河中にいる生物のうちの一個体であるが、モライはドーターの生まれ変わりあるいは眷属のようなものと思われる特殊な個体である。

*2 腕で体を隠す、拒絶や警戒を表す仕草である。特に会話中に行うのは相手にとって非常に失礼な行為だが、アソーカにとってはそれだけ受け入れがたい発言だったということだろう

*3 この人選の理由としてオビ=ワンは「評議会の判断が必ず正しいとは限らない」と述べている。

*4 シディアスが最高議長としてアナキンにドゥークーをその場ですぐ殺すように命令するシーンはあまりにも有名だが、仮にここでドゥークーを生かしていたならば情報が漏れていた可能性もあり、シディアスの計画性と冷酷さがさらに際立つシーンとなった。

*5 この会話をはじめ、いくつかのシーンでEP3のライブラリ音声がそのまま使われている。

*6 吹き替えではヘルメットが破損した直後からヴェイダーの声がアナキン役の浪川大輔に変わっている。

*7 原語版の声は流石にエクスタインではなく演じるドーソンの声だが、吹き替えは伊藤が続投している。

*8 誕生は36BBY、EP7が34ABY

*9 レジェンズ設定では「最高齢記録は94歳」との記述があり、人間とほぼ変わらない模様。

*10 マンダロリアンでの登場より前なので当然だがこちらはエクスタインが担当した。