ディノゾール(ウルトラ怪獣)

登録日:2016/01/03 Sun 16:31:48
更新日:2023/12/20 Wed 15:23:59
所要時間:約 9 分で読めます





ディノゾールは、ウルトラシリーズに登場する怪獣の一種。
別名は「宇宙斬鉄怪獣」。

この項目では、ディノゾールが変異した怪獣「ディノゾールリバース」についても解説する。


【概要】

体長:77m
体重:5万t

1981年にUGMによってマーゴドンが撃破されて以降四半世紀に渡って怪獣が現れなかった地球に突如襲来した、宇宙を生息域にする怪獣。
細長い首に長い顎、長い爪などの体の器官をメタリックブルーの頑丈な外骨格で覆っている。

自在に動く二本の尻尾や長い爪を用いた接近戦の他、発光器官から放つ凄まじい爆発力を持つ液体焼夷弾「融合ハイドロプロパルサー」など遠距離からも隙を見せない。
だが最も厄介なのは、人間の肉眼では確認できない非常に長い断層スクープテイザー」である。
僅か1オングストローム(0.1ナノメートル)と可視光の波長よりも小さいという異常な細さにも関わらず頑丈で、長さも1万メートルと非常に長い。
本来の生態ではこの非常に長い舌を使って宇宙空間にある微小な水素分子を集めるのだが、攻撃に使うと鉄でも何でも一瞬で切断する恐ろしい武器に変わってしまう。
また翼のような器官は持っていないが、背中にある推進器官で宇宙空間のみならず大気圏内も自由に飛行可能。

襲来当時、実戦経験に乏しかった防衛組織を壊滅させるには十分すぎるほどの強さを持つ怪獣であるが、ウルトラ戦士には敵わない。

なお、集団で渡りをする習性があり、地球に引き寄せられた個体の跡を辿ってディノゾールの大群が地球に向かう事態も起こっている。

【登場作品】


【主な活躍】

◆ウルトラマンメビウス

登場:「運命の出逢い」(第1話)
   「傷だらけの絆」(第4話、ホログラムのみ)
   「逆転のシュート」(第5話)
   「母の奇跡」(第11話)

◆「運命の出逢い」(第1話)
上記の通り、25年間怪獣が現れることが無かった地球に突如襲来。
突然の事態に防衛組織「CREW GUYS」が出撃し宇宙戦を繰り広げたが、ディノゾールの舌による攻撃の前になす術もなく全滅。
当時の隊長であったセリザワもディノゾールに特攻したまま行方不明となってしまい、残されたのはアイハラ・リュウ隊員だけであった。

そしてディノゾールは地球の都市に襲来、そのまま大暴れを始めたが、そこに敢然と立ちはだかる光の巨人が現れた。

「メビウーース!!」

ウルトラの父の命を受け、新たに地球に派遣された若きウルトラ戦士、ウルトラマンメビウスである。

25年ぶりに現れたウルトラマンに人々は大歓声をあげ、応援を始めた。それを背に受けたメビウスはディノゾールの攻撃をビルをにしながら避け続ける。
そして自分の胸にあるカラータイマーが鳴り始めたことに気づいたメビウスは手を交差させ、必殺光線「メビュームシュート」を放った。
それをもろに食らったディノゾールは倒れ、メビウスの初戦は見事な勝利に終わった……。


 ……のだが。

「バカヤロー!!なんてへたくそな戦い方だ!周りを見て見やがれ!何も守れてねーじゃねーか!!」

戦いを見守っていたリュウは、メビウスの未熟すぎる戦いのせいでボロボロになった町の様子を見ていたのだ。
そして、「それでもウルトラマンかよ」となじりながら、彼は無力感に泣き崩れた。

「俺だってそうだ……何も守れなかった……!」

※「傷だらけの絆」(第4話)
その後、リュウは謎の青年ヒビノ・ミライや新たな仲間、そして新しく隊長に着任したサコミズ・シンゴと共に、新生CREW GUYSの一員として地球を守る戦いに身を投じる事となった。

その中で、かつてウルトラセブンと共に戦ったカプセル怪獣「ミクラス」を再現したマケット怪獣「マケットミクラス」の訓練相手としてディノゾールのホログラムが使用されている。
リュウ隊員の指示の元マケットミクラスを立ち向かわせようとしたが怯えてしまい、岩に躓いて制限時間の1分が終わってしまった。

◆「逆転のシュート」(第5話)
ディノゾールを始めとする様々な宇宙怪獣たちを地球に呼び寄せたり地球の怪獣を復活させていたのは、彼らを捕食しようとする謎の女=高次元捕食体ボガールであった。
その影響で二体目のディノゾールが地球に向かおうとするも、謎の青い巨人=ハンターナイトツルギによって一撃で倒されてしまう。

◆「母の奇跡」(第11話)
愛する星・惑星アーブを滅ぼしたボガールへの復讐のために戦い続けていたハンターナイトツルギは、ディノゾールとの初戦で命を落としたセリザワに憑依。
そのまま彼を利用する形で戦っていたが、メビウスとの共闘、そしてリュウの必死の叫びによるセリザワの意識の復活により、少しづつ「ウルトラマンの心」を取り戻し始める。
そしてついにメビウスと共にボガールを倒したツルギは力尽きた。
だが、彼はウルトラの母の加護で一命を取りとめた。その死を望まないものがいる、と伝えられながら。

一方、GUYSの元にディノゾールが地球に再び迫り来るという連絡が入った。それも黒い塊に見えるほどの数をなして。
しかし万が一のためにGUYSスペーシーが宇宙空間に設置した機雷「ライトンR30マイン」によって群れの大半が爆死、残りも方向を変えさせられた。
ところが、そのうち1体が機雷網を抜けて地球に迫り続けている事が発覚。宇宙空間でGUYSの面々が迎え撃つ事となった。

サコミズ隊長の元、メテオールが解禁。
マニューバモードでディノゾールの周りを高速で飛び回りながら、ジョージ隊員が乗るガンローダーから強烈な突風「ブリンガーファン」が放たれ、巻き込まれたディノゾールは地上に激突。
そしてリュウが一気にスペシウム弾頭弾を放ち、ディノゾールを倒す事に成功した。

「見てくれたかよ、セリザワ隊長……これがあんたに頼まれた、今のGUYSだぜ」

だが、戻ってきたGUYSの元に信じられない情報が届いた。
ディノゾールは生きていたのだ。それも、これまでとは異なる姿・ディノゾールリバースになって。

●宇宙斬鉄怪獣 ディノゾールリバース
体長:77m
体重:5万t
登場:ウルトラマンメビウス「母の奇跡」(11話)
   「ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦」(DXウルトラコクピット版)

 GUYSに倒されたかに見えたディノゾールが逆立ちで起き上がり、「極性」を反転(reverse<リバース>)させて復活(re-birth<リバース>)した姿。

「極性」というのは生物の体の方向を決める作用の事で、地球の動物においては頭と尻尾、胸と背中などの方向がこの「極性」によって定まっている。
復活したディノゾールはそれを本来の方向とは逆にしてしまい、二本の尾が「二つの頭」に、胸の発光器官が「背中」に、そして頭が「尻尾」に変貌している。
極性を反転させた代償として飛行能力を失ってしまったものの、二つの頭から伸ばす舌「断層スクープテイザー」や背中から放つ「融合ハイドロプロパルサー」の威力は格段に上がり、それまでのディノゾールとは比べ物にならない強さになっている。

【活躍】
復活していきなり山肌を舌で切り裂いたディノゾールリバースは、そのまま近くにある熊谷ダムに向けて侵攻を始めた。
餌である水素分子を集めるための生物的行動だが、このまま放置しておくと大変な被害が出るのは目に見えている。
はやる気持ちをミライたちに抑えられたリュウも含め、GUYSはディノゾールリバースに対する攻撃を開始。
新たに導入されたマケット怪獣「マケットウィンダム」と共に猛攻をかけたが、全て2本の舌によって粉砕されてしまった。
そしてマケットウィンダム、メテオールのマニューバモードの制限時間である1分が終わってしまい、危機を迎えてしまう。それを見たミライ隊員はメビウスブレスを高く掲げ――。

「メビウーース!!」

ウルトラマンメビウスに変身。ディノゾールリバースに立ち向かっていった。

ところがそれでも状況は変わらず、援護に向かったリュウも含め、2つの頭で自在に操る舌や頑丈な尻尾など全身が武器のディノゾールリバースに苦戦の一方。
容赦ない攻撃がメビウスを襲う中、必死になってリュウたちGUYSも立ち向かうが、彼らの戦闘機も長い舌によって再び撃墜されてしまう。
だが、その絶体絶命の状況を救ったのはハンターナイトツルギ……いや、ウルトラの母により「復讐の鎧」アーブギアを解かれ蘇った、青いウルトラマンだった。


二人の巨人相手にディノゾールリバースの勢いは衰える事を知らなかったが、メビウスのメビュームスラッシュで舌を切られたことで形勢が次第に変わり始めた。
その後も怪力で応戦するも、二人の作戦で二つの頭が互いの首に噛み付き合ってしまい、その隙を突かれ二人のウルトラ戦士の一本背負いを食らってしまった。

そして最期はメビュームシュートとナイトシュートを同時に受け、今度こそディノゾールは倒されたのであった。

なお、この後この青いウルトラマンにはハンターナイトツルギ改めウルトラマンヒカリと言うレジストコードが少々強引に決められている。

◆ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦(DXウルトラコクピット版)

新たな仲間・ウルトラマンヒカリや歴代のウルトラ戦士、そしてかけがえのない仲間と共に地球を危機から救ったCREW GUYSの面々。
だがそれでも地球を狙う侵略者は後を絶たず、ボガールの頂点に君臨する高次元捕食王アークボガールが蘇り、次々に地球に怪獣や宇宙人を呼び寄せてしまう。

その中でディノゾールもまたもや地球に引き寄せられ、一度はGUYSの手によって倒されるが今回もディノゾールリバースとして復活。だが再びタッグを組んだメビウスとヒカリの手により倒されたのであった。

お察しの通り、映像は上記の「メビウス」本編からの流用である。

【余談】

  • ディノゾールのデザインは、元々映画『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』のラスボス・サンドロスの没デザインの流用。それ以前には『ウルトラマンマックス』の「胡蝶の夢」の劇中で魔デウスの候補デザインとして粘土像が登場した。
    デザインを手掛けた西沢安施氏によると、「胡蝶の夢」に前述の粘土像が登場した際に故・実相寺昭雄監督からデザインを評価された事を受け、その恩返しの意味も込めて第1話の怪獣として登場する運びになったという。
    ちなみに鳴き声はガイガンのものを加工したもの。

  • 当初は第2話で再生怪獣として登場する予定だったが、岡崎剛之プロデューサーの要望で急遽グドンに役目を譲る形になった。

  • ディノゾールリバースが侵攻しようとしていた「熊谷ダム」は、劇中(2006年)から40年ほど前、ガラモンによって一度破壊されてしまった事がある。

  • ディノゾールはフランス語で「Dinozoru」「恐竜」の意味である。同じ宇宙にいるあの宇宙恐竜との関係は不明。




見てくれたかよ、セリザワ隊長……これがあんたに頼まれた、追記・修正だぜ……。

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最終更新:2023年12月20日 15:23