突入!海上輸送作戦(艦隊これくしょん)

登録日:2015/12/29 (火) 04:43:55
更新日:2024/02/02 Fri 00:35:05
所要時間:約 38 分で読めます





私達二水戦も全艦待機しています

提督…ご命令を


艦隊これくしょん -艦これ-の2015年に秋に開催されたイベント。
駆逐艦などの水雷戦隊の戦力を充実させるように、との運営からの事前通達があった。

イベント期間は11/18のメンテ空け開始…だったのだが、いつものごとくメンテが長引いてしまい、事前告知されていた時刻よりも遅く開始されることとなった。
しかも間が悪いことに延長後のメンテ空け予定時間とされた20:45の直前にTwitterそのものにまさかの猫襲撃。
これにより、アップデート内容やメンテが完了するのかどうかすら一時わからなくなるという事態になった(Twitter回復後に21:15まで延長の発表があった)。
実は運営からの告知前にログインすることもできたが、上記の事態に痺れを切らしてフライングした提督は後述の設定ミスバグに遭遇することに…
終了は12月第一週の週末までとされていたが、後述するバグの存在と猫襲撃によって延長され、12/8 11:00に終了。

「円形の島」という事前情報があり、多くの提督がコロンバンガラ沖海戦をモチーフにしたイベントだと認識していたことだろう。

主な新要素として、
  • 輸送を目的とした新たな連合艦隊「輸送護衛部隊」
  • 前回もあった装甲破砕ギミックの改良
  • 戦力ゲージとは異なる「輸送ゲージ」
が実装された。

また今回も、連合艦隊、海域ごとの出撃制限札、甲乙丙の難易度選択が用意されている。
だが、最終海域においてはある敵の存在からどれを選んでも難易度差があまりなかったりした。


イベントのモチーフは、日本海軍が駆逐艦などを用いて行っていた各種輸送作戦。
神通が後年の歴史家に「太平洋戦争で最も激しく戦った日本軍艦」と称され、彼女の心に深い傷を残したコロンバンガラ沖海戦。
レーダーによる夜間射撃射撃をものにしたアメリカ軍の待ち伏せ攻撃で、日本海軍の十八番であったはずの夜戦で圧倒的な敗北を喫したベラ湾夜戦。
史実ではドラム缶の積載やレーダーの不備により、敵艦よりも戦闘能力に劣る状態で交戦せざるを得なくなっていた。


このイベントでも、前回から登場していた敵駆逐艦の後期型eliteが登場している。
流石に前回ほど大量に出現するわけではないものの、夜戦マップで登場した時の脅威度はとっても高い。

高いのだが、今回のイベントにおいてはこの後期型eliteですらある敵の存在によって相対的に脅威度が下がってしまっている。


輸送護衛部隊

従来の連合艦隊とは異なり、物資の輸送に主眼を置いた艦隊編成が要求される部隊。

まず、第一艦隊に駆逐艦4隻が必須。余った枠には航空戦艦・航空巡洋艦・補給艦・揚陸艦・水上機母艦などが編成できる。
第二艦隊は軽巡洋艦が旗艦に固定。また、駆逐艦も3隻が必須である。残った二枠は航空巡洋艦・重巡洋艦が2隻、または駆逐艦や軽巡洋艦を増やせる。
どちらの艦隊にも雷巡は編成できなくなっている。


編成条件を見てわかるとおり、ものすっごく貧弱な艦隊である。
第一艦隊の駆逐艦は連合艦隊による命中マイナス補正でろくに攻撃を当てられず、当たってもカスダメがせいぜい。
さらに、輸送と名がついている通り、ある程度のドラム缶を積載する必要があるため、ただでさえ低い戦闘能力がさらに低下する。
その上攻撃順は空母機動部隊と同じく第二艦隊から。敵の水雷部隊数を減らすことができなければ、雷撃で中破させられること必至である。

そのため、支援艦隊が非常に重要になる。むしろ支援艦隊が本体
特に甲作戦を選択した場合、空母や戦艦などを編成した重火力の砲撃支援によって数を減らすことが必須になる。

ただ、この艦隊で臨むマップはボス戦でS勝利する必要がない。
詳しくは後述するが、ボス戦がすべてA勝利だったとしてもマップクリアそのものはできるのだ。
まあ例によって甲作戦は支援なしだとA勝利すら厳しいんですけどね!

余談になるが、今回も軽巡枠でありながら開幕雷撃を放てる阿武隈改二は非常に重要だった。
というか甲作戦だとほぼ必須である。敵も水雷戦隊が中心であり、ヒットすればだいたい撃破、または中破くらいまでは追い込めるのも大きい。
普段の潜水艦をもしのぐ24時間フル稼働の超絶ブラックな遠征生活から激戦区に放り込まれた阿武隈の心境やいかに。


装甲破砕ギミックの改良

今回も前回と同じようにある特定の敵を倒すことで強敵の装甲値を下げることができる。

前回のイベントでは「わかりにくい」「効果があるのかないのかはっきりしない」「どっちにしても硬すぎる」「ヘソ!ヘソ!」
という怨嗟の声ばかり上がっており、運営側も改良を行うことを明言していた。結局残すのかよ!

今回はギミックが発動すると
  • BGMが変化(敵の発しているらしきソナー音、コーラスなどが消えたインスト版になる)
  • グラフィックが変化(敵の艤装が損傷、一部の装甲が剥がれる)
するため非常にわかりやすくなった。

史実において照月が轟沈したとされる時間帯が深夜0時とされていた事も踏まえた深夜0時のギミック強制リセットも、
日付変更前の駆け込み攻略と日付変更直後のスタートダッシュによりアクセスが集中してサーバーの負荷が激増、猫が頻発しまともにプレイできる状況ではなくなった事を踏まえてか、ついでに社長にまた怒られでもしたのか
艦これ全体のデイリー任務リセットの時間に合わせた早朝5時リセットに変更、後に時間指定のギミック強制リセットは撤廃された。

また、クリティカルダメージが増加していた前回と違い、今回はちゃんと装甲値が下がる
運によらない大ダメージが与えられるようになるため、解除することのうまみが明確になっている。最初からこうして欲しかった
甲作戦以外ではギミックを解除しなくてもどうにかなる程度の装甲だったため、無視して殴りかかる提督も多かった模様。
E5に至っては気づいたらギミックを解除している事も。

ギミックの解除条件は
E-4では2つ存在する敵泊地を撃破した上でボスに空母機動部隊で挑む。
E-5ではPT小鬼群の一定数を撃破する。
となっている。

また、ギミックリセットの時刻が0時から5時に変更された。
まとまってプレイするとなると日付が変わったあたりでもプレイする提督も少なくないため、これも地味に嬉しい改善である。


輸送ゲージ

水雷戦隊や補給艦での物資の輸送を成功させることで減少するゲージ。
E-2、E-3はこのゲージを0にするだけでマップクリアとなる。
E-5では少々異なり、輸送ゲージを0にしても戦力ゲージが新たに出現する。もちろん戦力ゲージを0にできなければマップクリアにはならない。

ドラム缶や大発動艇の装備で減少量を増加させることができる。また、難易度によって初期値が大きく変動する。
丙作戦でドラム缶をガン積みしたら2回でマップクリアできたなんて報告もあったり。
うっかりドラム缶ガン積みS勝利なんてした日には乙でも2回でマップクリア可なことも。
E2乙ドラム缶18個でS→Aで勝利すると恐怖の輸送ゲージ2足りないが襲来するが

ドラム缶を装備する関係上、艦隊の戦闘能力は下がってしまう。
しかし、ドラム缶の数を減らしすぎると輸送を成功させる回数が増加してしまう。
最低限の戦闘能力を確保しつつ、輸送回数をできるだけ減らすような調整が要求される。めんどくさくなってドラム缶ガン積みでゴリ押す人もけっこういたらしいが

また、E-5のみの特徴として、輸送ゲージが残っているうちは装甲破砕ギミックが解除できなかった。
ゲージをリセットすると輸送ゲージからやり直しになる仕様もあり、掘りを行うにしてもゲージを削りきることが推奨されていた。

注意すべき点として、このゲージはA勝利以上でないと減らない。旗艦スナイプでB勝利をもぎ取っても輸送作戦失敗となってしまう。いつものようなスナイプお祈りはできないのである。
また、勝敗判定の都合上轟沈を出してしまうとその時点で輸送作戦失敗確定となる。捨て艦に対する一つの予防策とも言える。

史実のこの海域では、水雷戦隊が輸送作戦や夜戦に投入されては、当時飛躍的に発達していた米軍のレーダーに捕捉されては成す術もなく撃沈され、いい所なく消耗していった。村雨・峯雲*1が撃沈されたビラ・スタンモーア夜戦(2019年冬イベントのモデルとなった海戦)、今回のイベントのモデルとなった嵐・萩風・江風が撃沈されたベラ湾夜戦、アーレイ・バーク大佐率いる駆逐戦隊の待ち伏せにより一方的に駆逐艦3隻*2がなぶり殺しにされたセント・ジョージ岬沖海戦がそれに該当する。そのような悲劇を繰り返さない為の仕様とも言える。



出撃制限

今回のお札は、E-5までで2つ。
ただし、最終マップはお札の制限がないため、実質的にE-4で使う艦を分けておけば問題なかった。

  • 輸送作戦:E-1・E-2・E-3
  • 派遣作戦:E-4
お札なし:E-5

この内、E-4に出撃した艦はE-1、E-2、E-3に出撃不能。
難易度丙の場合、お札を無視して出撃が可能となるが、代わりに丙でクリアした海域の次のマップで甲作戦を選択不可となる。
また、例によって丙に限った話だが、一度付いたお札は他の海域に出撃することで対応した海域のお札で上書きされない。
輸送作戦のお札が付いた艦娘をE-4丙に出撃させてもお札は輸送作戦のままになる。
ただし、今回のE-4は甲作戦でも難易度がそれほど高くなく、また丙作戦での攻略報酬があまりよろしくなかった。
掘りは丙作戦で上記のテクニックを使い、海域突破は乙作戦や甲作戦で行う提督も多数いたとのこと。

それとは別に輸送作戦という都合上、空母や戦艦に出撃制限がかかったマップが多くほとんどお留守番状態である。
そのため、資源が今までのイベントに比べると全然減らない。
代わりにバケツがすごい勢いで飛んでいくし、掘りでハマると結局ボーキ以外は飛んでいくのだが



新規実装艦娘

今回実装された艦娘は以下の4隻。
  • 香取型練習巡洋艦 鹿島
  • Graf Zeppelin級航空母艦 Graf Zeppelin(グラーフツェッペリン)
  • 陽炎型駆逐艦
  • 陽炎型駆逐艦 萩風

この内、鹿島、萩風の2隻は海域突破報酬としての入手だが、Graf Zeppelinと嵐はドロップ限定
Graf Zeppelinのドロップ率が低めだったこともあり、100周や200周の周回を強いられる提督が多数発生した。期間延長を行ってなおこれである
嵐はイベントドロップ艦としては非常に珍しく、A勝利でも出現した。S勝利でのドロップ率も高く、攻略中にゲットできることも珍しくなかった。
まるゆも同様にA勝利で出現したため、A敗北という事態を恐れずに突撃した提督もいるだろう。

今回は中規模イベントということもあり、全体的に報酬そのものは抑え目。
四式ソナー、Fw190T改などが目玉だったと言える。

また、新規実装ではないが、秋月とPrinz Eugenがドロップ解禁。
どちらもドロップ希望が高かった艦娘故に運営の事前発表に喜んだ新人提督も多かった。
その喜びが悲鳴に変わったのは言うまでもない。というか、下手すると次回イベントの16年冬イベントの方がまだ楽だった可能性すらある…



BGM


新規BGM

  • 艦隊集結:E-4以外のマップ画面
  • 海上輸送作戦:E-1、E-3、E-5道中
  • 水雷戦隊の反撃:E-1、E-3、E-4ボス(E-4はギミック発動時に空母機動部隊だと音が少し変化)
  • 待ち伏せの夜戦:E-5ボス(ギミック発動時はコーラスがなくなる)

既出BGM

  • 二水戦の航跡:E-2道中昼戦時
  • 次発装填、再突入!:E-2道中夜戦時、E-2ボス
  • 第三十駆逐隊、抜錨準備!:E-4マップ画面
  • 連合艦隊、西へ:E-4道中

イベント海域の曲は、サントラ収録されるまで曲名が分からないものが多いのだが、
珍しくイベント中に公式Twitterで発表された。
また、E2は神通が事実上の主役という事もあって、二水戦BGM2種が使われているのが特徴。
唯一ハブられた『華の二水戦』は泣いてもいい



海域解説

今回は海域の数もE-5までと中規模イベントらしく普通。

ただし、輸送作戦を行うマップが多く、従来のイベントは違う感覚での攻略を行うことになった。


E-1 ショートランド泊地沖




E-2 コロネハイカラ沖海戦




E-3 コロネハイカラ島東方沖




E-4 南方海域戦線 ステビア海




E-5 バニラ湾沖






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最終更新:2024年02月02日 00:35

*1 朝潮型8番艦、艦これ実装は2019年冬イベント

*2 この中には駆逐艦「夕立」で奮戦した吉川潔艦長が乗る夕雲型駆逐艦「大波」も含まれており、吉川艦長も戦死してしまった

*3 ゲージを削って潜水棲姫が最終形態になった場合のみ陣形固定可。逆に言えば丙でゲージ破壊すると以後は陣形が固定できなくなる

*4 艦これ実装艦であれば、「卯月」「照月」が魚雷艇に撃沈されている

*5 PTボートが艦隊決戦に臨んだ著名な例が、米海軍の大艦隊によって西村艦隊が壊滅したスリガオ海峡夜戦である。この海戦で魚雷艇がもたらした情報こそが米軍勝利の一因だが、魚雷艇そのものが与えた損害は軽巡阿武隈(西村艦隊ではなく後続の志摩艦隊)損傷くらいで、PTボート側は複数が損傷・うち1隻は放棄された

*6 PT-109。駆逐艦「天霧」(綾波型、艦これ実装は2017年夏イベントまで待たなければならなかった)と衝突、乗組員2人即死。艇長ジョン・F・ケネディ中尉含む11人は負傷しながらも命からがら生還した。艇長は後の第35代アメリカ大統領その人だが、大統領選出馬の際には天霧の元乗員から激励が届き、天霧艦長とケネディは文通をしていたという。