ウェイブ(アカメが斬る!)

登録日:2015/12/25 (金) 01:28:15
更新日:2023/04/06 Thu 01:00:34
所要時間:約 11 分で読めます






治安を乱す輩はイェーガーズが狩る!!






ウェイブとは、アカメが斬る!の登場人物である。
アニメ版CV:細谷佳正

帝国海軍出身で、新たに帝都に転属してきた軍人。
作中に登場する帝国軍人では貴重な良心枠。

◆プロフィール

身長:180cm
血液型:A型
年齢:20歳付近
趣味:釣り
体臭:魚臭い


◆人物像

明るく正義感溢れた黒髪の青年。
元いた帝国海軍がかなりの田舎にあったため、初めて踏み入れた帝都の華やかさには戸惑っていた。
そのためか彼自身どこか変わったところがあるのだが、配属先は奇人変人の集まりであり、一瞬で常識人サイドで固定することに。
海軍時代の恩師の言葉から帝国軍人として生き抜くことを強く決意しており、その真っ直ぐさを失わないでほしいとランには期待されている。

また登場人物の中でも屈指の仲間想いであり、帝都の闇を抱えたイェーガーズの同僚に対してもそれは変わらない
それは「仲間であり精神的に余裕のある自分が彼女らを支えねばならない」という責任感を持つほどである。
例えば行き過ぎた裁きを行うセリューの言動に対して正義感故に反発するも、彼女の死に際して敵討ちに燃えるなどの様子から良く分かる。
…まあ上司のエスデスの危険な本質に気付いてなかったりしてるんだけどね

特に同僚のクロメに対しては仕事を通していくうちに気に掛けることが増え、クロメの方も前向きなウェイブに惹かれていく。
そんな二人の関係性は後の運命を大きく変えることに。


◆帝具

【"修羅化身"グランシャリオ】
インクルシオをプロトタイプとして作られた鎧型の後継機で、パーツが多くデザインもより近代的になっている。
インクルシオと同様に鍵となる大剣を持ち、その名を呼ぶことで鎧が自動装着される。
タイラントとは別の超級危険種の素材を少々と大量の鉱石を使って作られたため、インクルシオのような進化する特性や透明化といった機能は無い。
しかし、その分インクルシオより安定した力を発揮し、基本性能も上であるのが定説となっている。
インクルシオ同様副武装は使用可能だが、奥の手が存在するのか不明。

攻撃は打撃系の技が中心で、必殺技は背中のジェットのような物を利用した"グランフォール"という蹴り技。

グランシャリオを纏ったウェイブの実力はかなり高く、実力者揃いのイェーガーズの中でも上位に当たる。
エスデスからは「精神面にムラがあるが、技量面は既に完成されている」とその実力に太鼓判を押されており、ブドーにもその実力を評価された。
それ故に当初の戦闘経験の浅いタツミに比べて遺憾無く帝具の能力を発揮している。


◆新たな職場、そして活躍

意気揚々と出身地の海産物を携えた彼が配属先で見たものは一人寂しく待ち構えるマスク男という出オチだった
続々と現れる他のメンバーも無言でお菓子を頬張る少女、明らかに言動がヤバい上に変な人形を引き連れた女性、オカマと奇人揃い。
そもそも召集した上官からしてアレな人物であった。
唯一常識人そうな優男に安堵しつつ、持ち前の前向きさで積極的に同僚達と親睦を深めていく。

そして上記メンバーで結成された"特殊警察イェーガーズ"の一員として任務の中でナイトレイドと対峙することに。
その過程でセリューの過激な行動やボルスやランの過去を知ったことで今まで知らなかった帝都の闇を目にし、自身の在り方に思い悩むことに。

が、ぶっちゃけ上述の戦闘力に比べ中盤までの戦闘場面では見せ場があまりなく、初戦からしてタツミを取り逃がすわ、直撃くらって場外ホームランで戦線離脱といった醜態はまさに不遇の一言。
同僚への配慮もどこか空回りしてクロメに無言で肩に手を置かれるのはイェーガーズのお家芸だった。
ただ補足しておくとタツミの隠匿能力はエスデスさえも撒けるほどであり、場外ホームランにしたって戦力の要であるクロメを守るためなので彼だって頑張ってるのである。

しかし、同僚であるボルスやセリューが殉職、クロメが闘いのダメージから年相応の弱さを見せたことでやっとこさギアがかかり始める。
ボリック暗殺作戦では本来の実力を発揮、帝具の相性の良さが大きかったとはいえ、アカメとマイン、ラバックの3人を単騎で相手取っても圧倒した。
まあ場外ホームランの顛末だけは変えられなかったが。


◆激突

イェーガーズの戦力不足に伴い、オネスト大臣の息子シュラによって構成された秘密警察ワイルドハントによる善良な人々への横行。
その惨状に憤るウェイブであったがランの頼みもあり耐えるしかなかった。
しかしその横行は止まることを知らず、ついにはかつての同僚だったボルスの残した妻子にまでも及んでしまう。
駆け付けた時点では既に残虐の限りを尽くされた彼女たちの遺体を前にウェイブはただ愕然とするしかなかった。

そしてシュラの魔の手がクロメにまで及ぼうとしたときについに彼の怒りが爆発し、冒頭の台詞と共に強烈な一撃をくらわすのだった。


"汚い手で俺の仲間に触るんじゃねえよ"


騒ぎに駆け付けたブドーの介入により、シュラと帝具抜きの肉弾戦によるタイマン対決を行うことに。
最初は異国の武術の長所を取り入れた独自の体術に苦戦し、劣勢を強いられる。しかしその動きを把握し、完全勝利を収めるのだった。
これは見せ場としては今まであまりいいところが無かったウェイブの紛れもなくカッコいいシーン。
その後シュラをKOしただけでは怒りが治らず既に気絶したシュラに追撃を仕掛けようとする。
しかし「皇帝の住む宮殿を地で染めたくない」とブドーから速攻で気絶させられてしまう。

この対決は今までウェイブのことを頼りない部分があったと侮っていたクロメの認識を改めることとなり、二人の関係性を深める契機になった。
そのやり取りは微笑ましいものがあり、たまたま割り込んでしまったランが空気を読めなかったことを謝罪するほど。

ちなみにこのウェイブの行動によりシュラが負傷した結果ワイルドハントは一時的に戦力が分散されてしまい、その隙を突かれてランとクロメ、ナイトレイドによって半数のメンバーが仕留められる顛末となった。


◆苦悩

ブドーのパンチで先のシュラとのタイマンにより気絶してしまったウェイブ。
目が覚めた時にウェイブが見たのは変わり果てたランの姿ーーーランはワイルドハントとの戦闘で敵討ちに成功したものの致命傷を負ってしまっていた。
その場に居合わせていたクロメは悲しみに呑まれる。しかし薬物投与によって精神が蝕まれていたクロメは「八房で骸人形にすれば一緒にいられる」と歪んだ考えを持ってしまいクロメによって八房で骸人形にされるという慄然したものだった。
当然ウェイブはランの遺体を使用したことに憤るもこれ以上イェーガーズの戦力を低下させるわけにはいかないというクロメの主張と骸人形にされてもなお二人を気遣うランの様子から怒りを収めることに。

そしてランの行動理由を聞いていたこともあって軍人として「内部から帝都を変える」という決意を抱くが、その間にも徐々にクロメの身体には限界が来つつあった。
任務の合間に勉学に励みつつ、クロメに茶化されながらも過ごす時間は数少ないイェーガーズのメンバーとなった二人にとって癒しの時間だったが、強化薬の副作用として脱毛といった症状が出てくるクロメの姿はウェイブに焦燥をもたらす。

そんな折、アカメと交戦した際にアカメがクロメとの決着を望んでいること、かつては秘湯でクロメの治療をしようとしたものの当人に拒否され叶わなかったことを知る。
ついに余命を悟ったクロメはアカメとの決着に赴く。
生きる希望を捨てないでほしいと赴く彼女を止めようとするも、別れの口づけをされると同時に昏倒させられてしまい、結局止めることは叶わなかったが…







アニメ版ネタバレ注意






◆アニメ版概要

基本的な流れは原作同様なのだがアニメではワイルドハントの存在がシュラ以外抹消されてしまい(ワイルドハントは存在自体が規制対象みたいなもんなので仕方がない感はある)それに伴ってシュラとのタイマンといった見せ場も無くなってしまった。
そのせいでどうも序盤から中盤にかけたやられ役の印象が非常に強く、後期OPで凄くカッコよくグランシャリオを装着する姿から活躍を期待していた視聴者はガッカリすることに。

終盤余命を悟ったクロメはアカメとの決着をつけるべく無理を押して出向き、そんな彼女を仲間として止めようとするものの叶わず、クロメはアカメによって生涯を終えてしまう。
この時のクロメの亡骸を抱えるウェイブの姿は哀愁溢れており、とても切ない…
一部始終を見届けた後にアカメに「覚悟がないなら武器を取るな」と一喝され自身の在り方に苦悩することになる。
そして善良な民間人に対してまで攻撃を行う皇帝操るシコウテイザーの暴虐ぶりを目のあたりにし、ついに決意。
タツミに加勢し、勝利への機転となった。
その後は最後まで生き残り、原作と異なり生き残ったランと共に国を建て直すべく軍に残った。
その姿は原作で抱いた「内部から帝都を変える」という決意の表れであった。







本誌ネタバレ注意






◆覚悟

アニメ同様クロメの救援に向かうも既に数々の実戦経験を積んできたタツミに歯が立たず、打ちのめされてしまう。
今の自分の力ではクロメを救えないーーーそんな彼の目が捉えたのは斬り伏せられたランの死体。
そもそもクロメの居場所が分かったのもランの姿を見つけられたからこそだった。


"お前が導いてくれたんだ、甘えてばかりで悪いけどよ"

"もう一つお願いがあるんだ、マスティマの力をオレに貸してくれ"


その求めに応じるかのように帝具マスティマが引き寄せられ、ウェイブは二つの帝具を身にまとい、タツミを突破しクロメに辿り着く。
限界を迎えてもなお強化薬を服用しようとするクロメから無理やり薬を奪い取り、ついに…


"前のオレだったら仲間として止めろって言うだろうけどな…今はもう違う"

"オレはクロメを男として好きだから止める"

"お前はオレが守る!!"


一世一代の愛の告白を遂げ、クロメを抱きしめるのだった。男である。
そして帝国を抜けてクロメの治療に専念することを宣言。
しかし既に引き返せないところまで来てしまったからとクロメは拒否しようとするもそれで引き下がるウェイブではなかった。
八房を粉々に打ち砕き、トドメの一押しーーー


"これでもう…死体ともさよならだクロメ"

"今は死体が恋しくても全部オレが忘れさせてやるよ"

"だからオレについて来い"

"このままさらって"

"ウェイブのことしか考えられないようにして…"


口づけを伴った男の告白は闇に囚われていた少女を救うのだったーーー

ちなみにこのやりとりの一部始終を目の前で見ていたアカメは「クロメは何より可愛いから恋するのは当然」(意訳)と真顔でコメントしており、タツミは道理で気合いが入ってるわけだと素直に感心していた。

結局彼は本人達もその周囲の仲間たちも「この姉妹は殺し合うしかない」という結論を、その結論を下した者達では決してできない全てを捨てて戦いから降りるという方法でねじ曲げ2人を救って見せた。*1
その有り得ない結末は敵であってタツミ、アカメからも賞賛と同時に深く感謝されることとなった。

姉妹の和解を終え、二人は去っていったところで幕は下りる。
奇しくもこの時の構図はクロメの亡骸を抱えて去って行ったアニメ版と全く同じものであった。

最後は「イェーガーズ残り1人」 の文字で締め括られたことから二人はこれで本筋からフェードアウトしたと思われる。
結果としてウェイブ自身は恩師に報いるための道を閉ざし、亡き同僚の志を継ぐこともできなかった。
しかも治療場所の秘湯に辿り着けるかは分からないし、辿り着いてからも治療が上手くいくとは限らない。

しかしどこまでも前向きで諦めなかった彼の覚悟が一人の少女の運命を変えたことは揺るぎない事実である。
彼が掴んだ少女との未来に少しでも幸福があることを信じたい…。



"クロメは最高の彼女ってことだ"

その後最終決戦にて、皇帝が大臣の進言の元「至高の帝具」"護国機神"シコウテイザーの奥の手を起動。
彼と敵対するタツミを粛清する為に民を巻き込むことすら躊躇いなく激しい攻撃を繰り返していた中、突如グランシャリオとマスティマを同時使用し乱入した。
姉妹の決着の後、戦いから離脱し逃げていた最中、遠方から帝都にキノコ雲が上がるのを見た彼は心を痛めながらも、クロメを優先する為にあえてそこから目を逸らしていた。しかし、クロメから「ウェイブを好きになったのは他人を見捨てられない優しさ」と背中を押され、帝国と敵対する為ではなく、戦火に巻き込まれた民を救い出す為に参戦を決意したのだった。
その後、もはや帝国の民にとっても敵そのものとなった皇帝を足止めし、民が避難する時間を確保する為にタツミを援護。シコウテイザーの猛火力を封じ大幅にノックバックさせた後、最高の彼女はマインだと訂正するタツミと惚気を見せ合いつつ民を守りながら今度こそ戦線を離脱、クロメと共に目的地へ去っていった。



全ての戦いが終わった後は革命軍からも場所を捕捉されたが、決着の前に戦いから降りた彼らに改めて罪が問われる事はなく、ナジェンダとも穏やかに会話している。
度重なる帝具の二重仕様の代償は重かったようで彼も全身に大きなダメージを負って数年の療養が必要となった上、一部の臓器は戻らないと診断される。彼がクロメの為に捨てたのは文字通り全てであったのだ。
クロメも療養の中で壊れた心を戻して行くうちに、これまで殺してきた者達への罪悪感から幻影を見るようになり、時折顔を出すアカメにも弱った姿を見せる等疲弊していた。

それでも彼は最期までアカメと共にクロメへの愛を注ぎながら、残された時間を彼女と過ごした。クロメにとってウェイブがいて、アカメも顔を出す日常は幸せなものとなるのであった。




◆余談

原作とアニメで終盤以降の展開が大きく異なる本作だが、特にウェイブとクロメは全く異なる結末を辿った。
これは原作とアニメで生死が分かれたマインにも言えることであり、共通している分岐点としてはそれぞれの想いの強さであろうか。
どこで二人の運命は分岐したのか原作とアニメを見比べてみるのも一興である。
なおウェイブとクロメの距離が近づいた契機はシュラとのタイマン対決であったため、一部の読者では恋のキューピットとしてシュラの評価が謎の再浮上をすることに…






今まで大して役に立ってねぇし…

クロメの分まで俺が追記・修正しねえとな…!!!

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最終更新:2023年04月06日 01:00

*1 この戦いに関わった全員にとって使命>アカメ(クロメ)が妹(姉)を失う悲劇、であった為他の者達にこの答えを導くことは決してできない