触媒(Fate)

登録日:2015/12/24 Thu 02:04:05
更新日:2024/04/06 Sat 01:42:30
所要時間:約 12 分で読めます





※注意※

この項目にはFateシリーズのネタバレが含まれています。






本項目ではFateシリーズにおいて聖杯戦争に使用される触媒について記載する。


◆概要

聖杯戦争におけるサーヴァントの召喚は、本来そのマスターに近い性質を持つ英霊を聖杯が選んで召喚する。
しかし、召喚の際に英霊と縁の深いアイテムを触媒とすることで、呼び出す英霊を指定することができる。
聖杯戦争を勝ち進むには強力なサーヴァントが必要となるので、ほとんどのマスターはあらかじめお目当ての英霊を見繕い触媒を用意している。
また、召喚後も触媒が概念的なものでなく遺物であった場合、その触媒はサーヴァントを現世に留める要石の役割を果たす。
例えば、マスターを失った場合、通常のサーヴァントは自力で要石に相当するものを造らなければ現世に留まることが出来ずに消滅し、
マスターを失ってもしばらく行動できるスキル「単独行動」を持っていた場合でも魔力が切れれば消滅するが、
遺物でよばれたサーヴァントは、上述のように要石の役割を果たす触媒があるため、即座に消えることはない。

強力なサーヴァントは神秘の強い古代の英霊であることが多いので、
当然のことながらそれらと縁のある触媒は大変な貴重品であり、市場に出回れば高値で取引される。
どんな触媒を用意できるかは、その魔術師の地位や家柄を示す一つのバロメーターでもある。
ちなみに触媒が複数の英霊と縁がある場合、その中でさらにマスターと近しい英霊が選ばれる。

前述の通り触媒なしでの召喚では「マスターと性質が近しい英霊が呼ばれる」ため、
人格的な相性が良くなりやすいメリットがあるが、性質が近い故に同族嫌悪を引き起こしてしまう可能性があったり、
あくまで性質が近いものを呼ぶだけで強さは無関係なので、シンプルに弱い英霊を引き当ててしまうデメリットがあったりする。
なお、この点に関しては「円卓の欠片」や「アルゴー船の残骸」、「トロイの城門」など、複数の大英雄と縁のある触媒を用いることで、
「強い英霊たちの中から性質の近い英霊を呼び出せる」という、ある程度デメリットを排除した上でこのメリットをより上手く活かせる。
実際、この考察を行った『Apocrypha』の獅子劫は「円卓の欠片」を使用してモードレッドを召喚した。


◆各サーヴァントの触媒

Fate/stay night(第五次聖杯戦争)

セイバー(アルトリア)衛宮士郎
触媒:聖剣エクスカリバーの鞘
マスターである衛宮士郎は、第四次聖杯戦争で発生した冬木大災害で被災して死にかけた過去があり、
その際に後の養父である衛宮切嗣に、救命の目的で(知らないうちに)身体にエクスカリバーの鞘を埋め込まれていたため、
それが第五次聖杯戦争において、養父と同じサーヴァントを呼び出す触媒として(当人は存在自体知らなかったが)機能することとなった。
数少ない宝具の現物であり、これ自体が概念武装として機能している。詳細は全て遠き理想郷を参照。

アーチャー(エミヤ)遠坂凛
触媒:凛のペンダント
いつかの第五次聖杯戦争で、ランサーに致命傷を負わされた士郎を治癒する際、魔術の触媒として遠坂凛が用いたペンダント。
後に『英霊エミヤ』となった士郎が、持ち主を知らないままにこれを生涯持ち続けたことが縁となり、
『stay night』で遠坂凛がサーヴァントを呼ぶ際、英霊エミヤを召喚するための触媒となった。
このように、召喚の触媒となるものをマスターではなくサーヴァントが所持していたという稀有な例であり、
よほど他の特定の英霊と結びつきの強い触媒を用意しない限り、遠坂凛が召喚するサーヴァントは英霊エミヤとなるという。

ランサー(クー・フーリン)バゼット・フラガ・マクレミッツ
触媒:フラガ家に伝わるルーンの刻まれたイヤリング
幼いころからクー・フーリンに憧れを抱いていたバゼットにとって、単なる触媒以上の思い入れがある。

ライダー(メドゥーサ)間桐桜
触媒:エトルリアの神殿から発掘された鏡
この触媒自体はメドゥーサとの縁はそれほど深くなく、
むしろ「被害者でありながら加害者になる」「いずれ破滅する運命にある」という桜とメデューサの持つ共通点の方が呼び出された理由としては強い。

キャスター(メディア)/アトラム・ガリアスタ
触媒:メディア所縁の文献
アトラムはメディアが竜召喚の宝具を持ってくることを期待して選択したが、実際の宝具は裏切りの魔女の伝説の具現化だった。
狙ったサーヴァントを召喚できたとしても、そのサーヴァントが狙い通りの能力を有しているとは限らないという例。

アサシン(佐々木小次郎)/キャスター
触媒:柳洞寺の山門
触媒と呼んでいいかは微妙だが、キャスターはこれを媒体にアサシンを召喚した。
後述の理由で、本来聖杯戦争においては触媒を用意せずとも歴代の「ハサン・サッバーハ」のうちの誰かが召喚されるのだが、
「サーヴァントがサーヴァントを召喚する」というイレギュラー/ルール違反により、山門に縁のあるこのアサシンが召喚された。
ちなみに佐々木小次郎の中の人は生前、柳洞寺を訪れたことがあるらしい。

バーサーカー(ヘラクレス)イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
触媒:ヘラクレスの神殿の礎
実は作中で武器として振るっている斧剣はこれを加工したもので、サーヴァントとしての持参品ではない。
なお、聖杯戦争の開催地がギリシャである場合、ただでさえ世界的に有名な英雄であるヘラクレスが最も知名度補正を受ける場所であり、
ヘラクレスを召喚できれば勝ちと同義であり、ヘラクレスを召喚できる触媒の奪い合いで聖杯戦争が決まってしまうという。

真アサシン(ハサン・サッバーハ/呪腕のハサン)間桐臓硯
触媒:アサシンというクラスそのもの
ハサンがアサシンという名詞の語源となったため、アサシンというクラスそのものが触媒になっている。
加えて、Fateシリーズ独自の設定で、「ハサン・サッバーハ」は襲名制であり、暗殺教団の歴代の首領がその名を名乗ったことから、
聖杯戦争に正規の手段でアサシンを召喚した場合、まず間違いなく歴代の「ハサン」のうちの誰かが召喚されることとなる。
加えて、永遠を求めるという臓硯との共通点によって、数いるハサンの中から「呪腕」が選ばれた。

Fate/Zero(第四次聖杯戦争)

セイバー(アルトリア)/衛宮切嗣
触媒:聖剣エクスカリバーの鞘
第五次聖杯戦争の時と同一のもの。イギリスのコーンウォールでアインツベルンが発掘した。

アーチャー(ギルガメッシュ)遠坂時臣
触媒:この世で最初に脱皮した蛇の脱け殻の化石
ギルガメッシュの活躍が描かれた「ギルガメシュ叙事詩」において、
「ギルガメッシュが手に入れた不老不死の霊薬を蛇が盗み飲んだことで蛇は脱皮するようになった」とされているため、
ギルガメッシュを召喚するための触媒になり得たと思われる。
なお、2014年から2015年にかけて放送されたテレビアニメ版『UBW』にて、この触媒は遺品として残っていたのだが……

ランサー(ディルムッド・オディナ)ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
触媒:詳細不明
ウェイバーにイスカンダルの触媒を奪われたケイネスが、急いで代わりの触媒を手配したことが語られているが詳しくは不明。
ディルムッドとケイネスの性質が全く違うことから、ほぼ確実にディルムッドを召喚できるほど縁の強い触媒であると思われる。

ライダー(イスカンダル)ウェイバー・ベルベット
触媒:生前身に着けていたマントの一片
ケイネス宛ての荷物として時計塔に届いたものをウェイバーが無断で持ち出して使用した。
『strange Fake』『Apocrypha』『事件簿』では、ウェイバーはロード・エルメロイⅡ世として登場するが、
いずれの世界においても、彼はこの触媒を物理的・魔術的の二つの鍵をかけて大切に保管している。
亜種聖杯戦争が氾濫している『Apocrypha』では、イスカンダルを喚べる触媒ともなればアーチボルト家が抱える負債の大半を返済できるほどの値がつくが、
ウェイバーは「エルメロイⅡ世」としてその負債を返済に頭を悩ませているにもかかわらず、「友を売りとばすことなどできない」として、手放すことを固辞している。
一方『strange Fake』では、聖杯戦争に興味津々な弟子のフラットを止められない場合、これを渡すこともやぶさかではない様子だったが、
Ⅱ世宛てに送られてきたアンケート景品のナイフでフラットが満足したため、依然として彼の手元にある。
もっとも、そのナイフが原因でエルメロイⅡ世の胃が新たな悲鳴を上げることになるのだが。

キャスター(ジル・ド・レェ)雨生龍之介
触媒:なし
聖杯戦争すら知らない龍之介による偶発的な召喚のため、触媒はなし。
お互いに快楽殺人者という共通点があるが、本当のところは二人は嚙み合っていないらしいため、そこまで共通点は重要ではないのかもしれない。
本来彼のような反英雄は召喚できないのだが、聖杯がこの世全ての悪によって汚染されたことによって召喚に対応するようになった。
臓硯は彼を悪霊紛いの存在と評しており、第三次聖杯戦争で起こったイレギュラーの結果によるものだと見抜いていた。

アサシン(ハサン・サッバーハ/百貌のハサン)言峰綺礼
触媒:アサシンというクラスそのもの
五次における真アサシンと同様、アサシンというクラスが触媒になっている。
何故数いるハサンの中で「百貌」が選ばれたかは詳しく語られていない。
一応、両者共に「多芸」で「精神面での悩みを抱えている」という共通点がある(このハサンの聖杯にかける願いは「人格の統合」)。

バーサーカー(ランスロット)間桐雁夜
触媒:詳細不明
原作小説では言及されなかったが、アニメでは臓硯によって触媒を用意したことが示唆されていた。
雁夜自身、「女性がらみで破滅する」「行動すればするほど泥沼にハマっていく」などランスロットとの共通点が多い。
もしかしたら、あの悪辣な臓硯からしてそういった雁夜の性質を踏まえた触媒を手配したかもしれない。

Fate/EXTRA(月の聖杯戦争)

月の聖杯戦争はマスターと相性の良い英霊をムーンセルが選定するという形式のため、冬木の聖杯戦争と根本的に異なる。
触媒による英霊の指定ができるのかは不明だが、事前にこのサーヴァントが好ましいというオーダーを決めていた場合は、
マスターの力量がその英霊に見合っていた場合に限り指定可能とのこと。
ただし、エリザベートランルーくんの様に仲違いしてマスターがサーヴァントに裏切られる場合もあり、
必ずしも相性の良さが完璧という訳でも無いようだ。

ちなみにユリウスは、「先行した味方*1が獲得した李書文の権利を譲渡されている」とEXTRAマテリアルに記されているので、
その経緯からして、この2人に関してはムーンセルの相性選定とは合致しないと推測される。
臥藤門司は修行中ヒマラヤ山頂で出会った“原始の女”を連れてきてサーヴァントとしたらしいが、
コレがどういった方法でなのか、そもそも召喚と呼べるものなのかすら不明。

Fate/Apocrypha(聖杯大戦)

○赤の陣営

セイバー(モードレッド)/獅子劫界離
触媒:円卓の欠片
円卓の騎士であれば誰が来ても一級品のサーヴァントである上に、その中からマスターと近しい英霊を呼べるという触媒召喚の最適解の一つ。
通称SSR確定ガチャチケット。
しかし、召喚直後に円卓の欠片で呼ばれたことを忌々しく思ったモードレッドに破壊された。もったいない……。
聖杯大戦が発生する世界においては召喚触媒の価値は非常に上がっているため、この触媒の性質も考えると天文学的な値段だろう。
なお、この触媒ではアルトリアとギャラハッドは呼び出せないらしい。

その他のサーヴァント
触媒の詳細は不明。ブラム・ヌァザレ・ソフィアリが聖杯大戦の開幕に際し触媒の選定をおこなった。
緊急事態で時間もないのに一流サーヴァントの触媒を揃えた手腕はさすがである。
が、その結果呼び出されたのが、マスターの言うことを全然聞かない筋肉
戦闘能力0で自分で戦う気が全くない上に筋肉を唆すなど場をかき乱す劇作家
裏切りの魔女に勝るとも劣らない裏切りの逸話を持つ女帝……と、何故こいつらを選んだのかというのが結構いる。
その他のサーヴァントは文句なしに最高クラスの一級品揃いなのだが……

一応擁護しておくと、スパルタクスは逸話だけ見れば十分強力な英霊で、あんなにタチが悪いとは予想がつかない。
シェイクスピアも本当は物語の登場人物(本命はマクベス)を召喚するつもりだったらしいのだが、作者本人が出てきてしまっている。
セミラミスは逸話からして完全に戦闘向けではなく地雷なのだが……
もっとも、シロウ・コトミネは最初からセミラミス狙いだったようで、ブラムから貰った触媒以外にも3つのセミラミスの触媒を20年近くを費やした旅路で既に確保していた。
シロウのサーヴァントとして彼女が召喚されることはどの道確定であっただろう。

○黒の陣営

結託して聖杯大戦に臨んだ彼らだが、その触媒の選定・調達は各自に任されていた。
聖杯大戦は相手陣営に勝っても、今度は味方同士で聖杯を奪い合う第二の争いが始まるのでやむなしであろう。
しかし急に選ばれた半人前や趣味優先しちゃった人がいたため、単純な戦闘力は赤陣営と比べて少し見劣りする。

セイバー(ジークフリート)ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
触媒:血に染まった菩提樹の葉
悪竜ファヴニールを討った際に、ジークフリートの背中に張り付いていた大きな葉。
この葉により背中だけ悪竜の血を浴びなかったため、ジークフリートの背中は宝具が発動しない弱点となっている。
余談だが『stay night』の時系列では某眼鏡の人形師の手によって消失した模様。もったいない……

アーチャー(ケイローン)フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
触媒:青黒い血が付いた一本の矢
明言はされていないが、恐らくケイローンの死因となったヒュドラの毒矢。
ケイローンだけではなくヘラクレス召喚の触媒にも使える可能性が高い。
別の世界では、あるサーヴァントによって改造されている。

ランサー(ヴラド三世)ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
触媒:不明
物語開始時にはすでに召喚されていたため、触媒の詳細は不明。
ダーニックが触媒なしで召喚という賭けに出るとは思えないので、少なくとも触媒を使用したのは間違いないだろう。

ライダー(アストルフォ)セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア
触媒:染みの残ったガラス瓶
明言はされていないが、恐らくローランの理性を詰めた瓶。アストルフォはこれを取りに月まで冒険をしに行った。
また、この冒険の際アストルフォ自身の理性が詰まった瓶も獲得しているので、彼本人の理性が詰まっていた瓶の可能性もある。
ローランの理性の詰まった瓶だった場合は勿論ローラン召喚の触媒にも使えるだろう。

キャスター(アヴィケブロン)ロシェ・フレイン・ユグドミレニア
触媒:不明
ヴラド三世同様、物語開始時にはすでに召喚されていたため詳細は不明だが、Apocrypha materialに「使用はされていた」との記述がある。

アサシン(ジャック・ザ・リッパー)/相良豹馬
触媒:切り裂きジャックが愛用したといわれる6本の業物
6本の内訳は4本の短刀と2本の肉切り包丁。
サーヴァントとしてのジャックも同様の武装をしているが、恐らくヘラクレスと違い持参品。

バーサーカー(フランケンシュタイン)/カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
触媒:『理想の人間』と書かれた人体図
予定外で参加することになったが、フィオレの知己を頼って間に合わせることができた触媒。
明言はされていないが、恐らくフランケンシュタインの怪物の設計図。
見る人が見たら、もしかしたらフランケンシュタインの怪物を再現できるかもしれない。

Fate/strange Fake(偽りの聖杯戦争)

アーチャー(ギルガメッシュ)/名称不明
触媒:ギルガメッシュの蔵の鍵
王の財宝の鍵剣の実物。全て遠き理想郷と違い、それ自体に概念武装としての力はない。
アーチャーの最初のマスターの一族が全てを賭けて見つけ出したらしいが、
ギルガメッシュにとっては「作らせたはいいものの、自分の蔵を荒らす賊など一人もいないので無用の長物だった」として、ぞんざいに投げ捨てられた。
しかしこの判断が後に彼を窮地に陥らせることに……

ランサー(エルキドゥ)/銀狼の合成獣
触媒:マスターである合成獣そのもの
元々はエジプトの神を召喚するための触媒として、ある魔術師によって製造された合成獣。
無茶な形で魔術回路を増設されており、その反動で寿命が短くなっている。

ライダー(ペイルライダー)/繰丘椿
触媒:なし
昏睡中で意識のないマスターによって偶発的に召喚された。
ただ、椿に感染している細菌が触媒となった可能性も高い。

元々繰丘家が用意していた触媒は『始皇帝が大鮫魚を射殺した弓』であり、始皇帝を召喚予定の触媒だった。
これは後にシグマが入手している。

キャスター(アレクサンドル・デュマ・ペール)/オーランド・リーヴ
触媒:不明
触媒の有無は明言されていないが、オーランドは宝具の贋作を作れる能力を狙ってデュマを召喚したため、何らかの触媒は使用しているだろう。

アサシン(名もなき狂信者)/ジェスター・カルトゥーレ
触媒:アサシンというクラスそのもの
例によってアサシンというクラスそのものを指定して召喚したが、冬木の聖杯戦争を不完全な形で模倣した故か、
暗殺教団に属しつつも、ハサンの名を継げなかった名もなき狂信者が呼び出された。

バーサーカー(ジャック・ザ・リッパー)フラット・エスカルドス
触媒:『ジャック・ザ・リッパー』と銘の入った禍々しいデザインのナイフ
幼女の方とは違い、何の逸話もないナイフである*2
その正体はエルメロイⅡ世の下に送られてきた、TVゲーム「大英帝国ナイトウォーズ」の感想ハガキの懸賞品。要するにオモチャ。
フラットは自分のためにⅡ世が用意してくれた触媒だと勘違いし、一応当人の許可を貰って譲り受けた。盗んだ師匠よりまともである。
本来ならこんな神秘もへったくれもないものは触媒として機能しないはずなのだが、フラットの異様な才能*3と、
ナイフが持つ性質*4が噛み合ってしまった結果『誰でもないジャック・ザ・リッパー』が召喚されてしまった。
まさに規格外である天才アホのフラットだからこそ成し得た超常召喚だが、喚ばれた本人は後にコレで喚ばれたことを知ってショックを受けていた。

セイバー(リチャード一世)/カーシュラ
触媒:エクスカリバーの鞘が収まっていた石製の箱
アインツベルンがコーンウォールで発掘したエクスカリバーの鞘が収まっていた箱。
箱には鞘と同じ紋様が入れられていたため「アルトリア縁の品」と思われていたが、
そもそも生前のリチャードが鞘を発見した後、箱を用意して埋めたために、箱と縁が強い彼が召喚されてしまった。

アヴェンジャー/真アーチャー(アルケイデス)/バズディロット・コーデリオン
触媒:不明
バズディロットのセリフから触媒を使用していることは判明している。
主催者側であるファルデウス達によって用意された物である模様。

真ライダー(ヒッポリュテ)/ドリス・ルセンドラ
触媒:不明
詳細、有無については不明。

真アサシン(ハサン・サッバーハ)/ファルデウス・ディオランド
触媒:不明
例によってクラスそのものを触媒としていると思われる。
ファルデウスと今回のハサンに共通しているのは「偉大なるものの影」という点か。

真キャスター(フランソワ・プレラーティ)/フランチェスカ・プレラーティ
触媒:自分自身
自分自身を触媒にかつての自分、一度目の死を遂げるまでの自分自身を呼び出した。
名前が異なるのは現在のプレラーティが女性の姿をしており、過去のプレラーティは男性であったため*5
一応、自分と縁があるジルが来る可能性も期待していたらしい。召喚詠唱も、かつてのジルのマスターが使用したものと酷似した適当なもの。

真バーサーカー(フワワ)/ハルリ・ボルザーク
触媒:「マズダ」と呼ばれる何か
詳細は不明。
召喚前後のハルリの言葉から察するに発明王に由縁あるものと思われるが、
実際に召喚された真バーサーカーは完全に別の英霊であった。
また、バーサーカーの召喚に引っ張られる形で近くにいたアインツベルンのホムンクルスにとても厄介なものが憑依してしまう事態も起こっている。
というかそいつのせいで真バーサーカーが呼び出されたといっても過言ではないかもしれない。

ウォッチャー(???)/シグマ
触媒:なし
シグマの雇い主であるプレラーティはいくつかの触媒候補を考えていたが、あえて何も無しでシグマに召喚させた。
その結果、本来のランサー枠に置き換わる形で、エクストラクラスのウォッチャーが召喚された。
ちなみに、プレラーティが彼のために用意しようとしていた触媒候補は、
「黒髭君の財宝」、「パラケルススの奴のフラスコ」、「英雄スパルタクスの手枷」という、
分かる人にとっては悪意丸出しのラインナップだったりする。

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ


セイバー(アーサー・ペンドラゴン)/沙条綾香
触媒:聖剣の鞘
こちらの世界でも聖遺物として鞘が残されており、沙条家が入手して召喚の触媒として使用されている。

ランサー(ブリュンヒルデ)/ナイジェル・セイワード
触媒:炭化した古い館の破片
明言はされていないが、恐らくは彼女が幽閉されていた炎の館の一部。

ライダー(オジマンディアス)/伊勢三玄莉
触媒:ネフェルタリが最期に身につけていた首飾り
ガチの愛妻家たるオジマンディアスの召喚は、本人ではなく妻・ネフェルタリの遺品にのみ反応する。
例え自身のミイラであっても触媒としては機能しない。
しかし、いざ召喚すると召喚者を「妻の遺品を持っている=妻の墓を暴いた狼藉者」と判断して殺しにかかってくるため、
作中のように特殊な事情で見逃されない限り、性質の悪いデストラップとしか機能しない。

キャスター(ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス)/玲瓏館惟慧
触媒:複数の「石」
明言はされていないが、恐らくは賢者の石

Fate/Grand Order


カルデアで召喚されるほぼすべてのサーヴァント/主人公
触媒:マシュ・キリエライトの盾
カルデアの英霊召喚システムは、万能の触媒であるマシュの盾こそが基幹となっている。
そのためストーリー中で召喚サークルを設置する際にはマシュの盾をセットする場面があり、実際に召喚画面に出てくる召喚サークルにも必ずこの盾が映っている。
別の方法で召喚され居着くパターンもあるため全員ではないが、カルデアのサーヴァントの大半がこの盾を触媒に召喚されていると思われる。

アルターエゴ(太歳星君)主人公
触媒:太歳とコン
レイシフト先の水の下に眠っていた、ひとつの島ほどもある超巨大な太歳。そしてコンはその太歳から生じた無数に存在する精である。
太歳の神格である太歳星君の召喚難度は、レイシフトすら自力で解析する天才的な術者であるモルガンをして「尋常ではない経路」と言わしめるもので、
マシュの盾の存在を前提とした上で、それぞれ異なる縁を持つカルデアのサーヴァント3体の髪の毛を呼び水として加え、
更に太歳の精であるコンを集合させ、太歳の真上でモルガン主導でマスターに召喚を行わせる、という、
かなり多くの触媒を用いた限定的な状況で召喚に成功した。


なお、『Grand Order』では英霊自身との縁も召喚の触媒と機能しており、生前の本人と実際に会って縁を結んでいるために召喚可能になっている英霊も多数存在する。
分かりやすい例が「異聞帯の王」たちで、異聞帯が消滅した後ではそれらの英霊が存在した事を知るのは異聞帯に訪れたカルデアしか存在しない。
なお汎人類史にも同名の英霊が存在する場合、「異聞帯の英霊としか縁を結んだことが無いのに汎人類史の英霊と縁を結んだことになりそちらが召喚される」
「汎人類史の英霊とも縁を結んだことになった上で異聞帯の英霊の要素が混入した混在状態の英霊が召喚される」というパターンがある。前者はワルキューレ、後者は項羽など。


キャスター(ソロモン)/マリスビリー・アニムスフィア
触媒:生前身に着けていた指輪の1つ
生前に手の10指に着けていた『ソロモンの指輪』のうち、左の中指に嵌める一つ。

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

フェイカー(ヘファイスティオン)/ドクター・ハートレス
触媒:生前の主君イスカンダルが身に着けていたマントの一片
第四次聖杯戦争でイスカンダルを呼び出したものと同一のもの。
冬木の聖杯をハッキングすることで、「イスカンダルの影武者」としての性質を持つヘファイスティオンを召喚した。

帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline

セイバー(沖田総司)/赤城奏丈
触媒:ライトノベル「帝都戦記」
聖杯戦争の内容が綴られている現代日本(戦争当時からすれば未来)のライトノベル
タイムスリップした先で偶発的に魔法陣内に投げ込まれた結果、触媒として機能してしまった。

アーチャー(織田信長)/陸軍将校
触媒:黒焦げになった兜飾り
明言はされていないが、恐らくは彼女が着用していた兜の一部。
黒焦げになっているのは本能寺の焼け跡から掘り出したからであろうか。

バーサーカー/森長可/真瓦津玲二
触媒:古びた日本刀
元々は「宮本武蔵」を召喚するつもりで用意された触媒なのだが、「鬼武蔵」たるこちらが召喚されてしまった。



◆余談

●余談1

触媒では、英霊の指定はできてもその英霊を召喚するクラスの指定まではできない。
唯一バーサーカーはクラス指定が可能だが、これは触媒ではなく召喚時の詠唱によるものである。
そのため、第四次聖杯戦争において、ケイネスは剣に関する逸話も持つディルムッドがセイバークラスで召喚されることを期待していたが、
既にその枠でアルトリアが召喚されていた影響もあってか、実際にはランサーとして召喚された。
メディアのように、該当するクラスが一クラス以外存在しないような英霊であれば事実上のクラス指定召喚が出来るが、
「召喚したい英霊に素質があるクラスが召喚時点で既に全て埋まっていた場合」にどうなるかは不明。

●余談2

触媒は使い捨てではなく何度でも再利用が可能*6
時臣や臓硯の差配しだいでは、第五次聖杯戦争で凛&ギルガメッシュのコンビや、桜&ランスロットという組み合わせが存在したかもしれない。
ただし使用する場所が基本的に聖杯戦争という殺し合いの真っ最中であるため、破損や紛失によって失われるケースも多いとか。
ちなみに破損することで触媒としての機能が失われてしまうのかは不明だが、テレビアニメ版『UBW』では、
「時臣が遺産としてギルガメッシュの触媒である蛇の抜け殻の化石を凛に残していたが、破損していたため使用しなかった」という描写が追加されている。
とはいえマントの一片とか館の破片とか円卓の欠片とか、ある意味最初から破損済みな触媒で召喚されるケースもあるので、破損の度合いによるのかもしれない。

●余談3

Fate/Grand Order』ではガチャは召喚という形を取っているので、お目当てのサーヴァントを求めてガチャを回す前に、
そのサーヴァントの(または演じている声優に関する)グッズを揃えたり、イラストを描いて(俗にいう「描けば出る」)触媒と称するマスターたちもいる。
オカルトではあるが、アルトリア等を演じている声優の川澄綾子氏が、アルトリアと強い関係があるマーリンのピックアップ召喚に際して、
「試しにセイバー(アルトリア)の声で『マーリン、来てください』と言ってみてから召喚したら本当にマーリンが召喚された」というエピソードを語っている。
外伝小説でエルメロイⅡ世を書き続けている三田誠氏が孔明召喚に3年以上かかったのは内緒である。

●余談4

実は『stay night』UBWルートで「触媒無しでの召喚など有り得ん」とアーチャーが言及している。
にもかかわらず、後の作品では触媒無しの召喚がガンガン登場しており、後にufo版UBWでは該当の台詞が変更されている。
現在の描写・設定に照らし合わせるなら、「マスターとの共通点」や「召喚する土地の持つ記録」等も触媒として機能する(よってそれが無ければ召喚は不可)と解釈できるか。

●余談5

『Grand Order』では、世界から人類と見做されていないために人間が持つあらゆる縁による召喚ができない人物が存在する。
その場合、本人の縁だけでなく触媒による召喚もできないらしく、土地の縁のみを用いた召喚者が介在しない召喚でしかサーヴァントを召喚できない。

追記・修正は触媒を用意してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • Fate
  • TYPE-MOON
  • サーヴァント
  • 聖杯戦争
  • 触媒
  • Sレア確定チケット
  • 地雷
  • 聖遺物
  • 一覧項目
  • Fate用語項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月06日 01:42

*1 ハーウェイのウィザード

*2 エルメロイⅡ世いわく「ジャック・ザ・リッパーがナイフに銘なんか入れるか」

*3 召喚用の祭壇、呪文もなしに適当にいじってたら英霊の座に繋げてしまう

*4 このナイフもまた『人々が思い描くジャック・ザ・リッパー像』の一部であり、今回のバーサーカーを呼び出すための触媒アイテムとしてはピッタリ

*5 フランソワはフランス語における男性名、フランチェスカはイタリア語における女性名である。どちらも「アッシジの聖フランチェスコ」に由来するヨーロッパでは普遍的な名前

*6 「触媒」という言葉自体が「反応を促進させるが、自分自身は反応の前後で変化しないもの」という意味なので、定義上当然ではあるが