デス・スター

登録日:2015/12/22 Tue 17:45:31
更新日:2024/02/18 Sun 04:53:18
所要時間:約 6 分で読めます





デス・スターとは、『スター・ウォーズ』シリーズに登場する移動要塞である。
エピソードⅣ『新たなる希望』と『ローグ・ワン A STAR WARS STORY』に登場。

強烈な見た目と一瞬で星を破壊するインパクトからスターウォーズを象徴する兵器の一つだが、登場するたびにザルな警備を突かれて爆破されるのもお約束である。

スペック

デス・スターⅠ

  • 全長/全幅/全高 160km
  • 武装
 スーパーレーザー 1基
 ターボレーザー 10000基
 レーザー・キャノン 2500基
 イオン・キャノン 2500基
 ファイロン製トラクター・ビーム発生装置 768基
 レールガン
 プロトン魚雷
  • 補助装備
 宇宙戦闘機 7000機
 宇宙巡洋艦 4隻
 強襲用宇宙艇 3600機
 AT-AT 1400機
 AT-ST 1400機
 降下艇 1860機
  • 操縦要員 1853014名
  • その他
 ハイパードライブ
 偏向シールド発生装置





デス・スターⅡ

  • 全長/全幅/全高 900 km 以上
  • 武装
 スーパーレーザー 1基
 ヘヴィ・ターボレーザー 30000基
 レーザー・キャノン 7500基
 イオン・キャノン 5000基
 トラクター・ビーム発生装置 768基
  • 補助装備
 宇宙戦闘機 7200機
 大型艦船 16隻
 シャトル 3600機
 ガンシップ 2480機
 降下艇 1860機
 支援用車両 13000機
 AT-AT 1400機
 AT-ST 1400機
 浮遊型戦車 1420機
 浮遊型車両 1420機
 装甲車 4843機
 移動司令基地 178機
 浮遊要塞 355機
  • 操縦要員 2152156名
  • その他
 ハイパードライブ
 偏向シールド発生装置


概要


設計そのものは共和国軍ウィルハフ・ターキン大佐(後の銀河帝国軍総督)の発案で、クローン大戦時代にシーナー・フリート・システムズ社CEOレイス・シーナーによって設計された。
この時点では月サイズの移動要塞で、あのスーパーレーザー(後述)は含まれていない。

シーナーはその設計図を嫌な臭いのするオッサンターキンに渡し、ターキンは設計図をベネディクト16世ダース・シディアス/シーヴ・パルパティーンに報告し、シディアスは設計図を弟子というパシりドゥークー伯爵に託し、ドゥークーは改良のために設計図を処刑大好き賞金稼ぎ大嫌いのジオノーシス人に預け、ジオノーシス人が設計図をドゥークーに返却し、ドゥークーは設計図をシディアスの元に持ち帰る

………という非常にややこしい経緯を経てデス・スターの設計図はシディアスの手中に納まる。

その後、銀河帝国皇帝となったダース・シディアスにより、銀河帝国による恐怖支配の象徴として実物の建造開始。
設計から建造までの期間に何度も手直しを加えた結果、建造に関わった(彼が謀反を企てた記述があった小説は今やレジェンズ(非正史)だがターキンに謀反すら考えさせるほどに性能は向上したこの月に匹敵する大きさの要塞を建造するため、多くのウーキー(チューバッカの同族)や囚人、科学者、作業員、そして帝国軍兵士を動員し、過酷な労働のせいで大半が命を落とす。

恐ろしいことに帝国はこの建造するだけで人を殺戮する要塞を二つも建造しており、シディアスの狂気が窺える。

フォースの覚醒』では帝国軍残党組織がある惑星を改造し恒星を丸々一つ吸い取ってエネルギーをチャージし、一度に五本のスーパーレーザーを発射する「スターキラー基地」を作っている。
ハックス将軍指揮の元、新共和国の首都を擁立する星々を跡形も無く消し飛ばすも、その後レジスタンスの活躍によってやっぱり爆破され、その惑星も完全に崩壊して新たな恒星になるのだった。


特徴

サイズ

デカい。とにかくデカい。

デス・スターⅠの時点で直径160キロメートル、体積は2,144,661立法キロメートル、表面積は80,425k㎡にもなる。

デス・スターⅡは直径900キロメートル、体積は381,703,507立方キロメートル、表面積は2,544,690k㎡となっている。

現実で例えるとどうなるかって?
デス・スターⅠは6500万年前に地球に落下し恐竜を滅ぼした隕石の痕跡、チクシュルーブ・クレーターと同じくらい、デス・スターⅡは小惑星帯最大の準惑星・ケレス相当という、マジで天文学的な数値の建造物なのでした。

しかし、そのデカさに対して駐留している兵士の数が明らかに足りておらず、それが原因によるザル警備ぶりで劇中でもルークなどに潜入されて好き放題暴れられる羽目になったりする。


移動要塞デス・スター

文字どおり月並みにデカいが、もともと移動要塞として設計されたので自力で移動出来る。
しかもイオンエンジンでノロノロ移動するだけでなく、ハイパードライブを使った超光速での移動も可能
銀河系の端にいようが逆らう者は惑星ごと消し飛ばせるというわけである。
デス・スターの脅威から逃れる手段など、どこにも無いのだ。


内部設備

デス・スターに関わるすさまじい操縦要員の士気を保つために、

  • 個人向けの生活施設
  • ショッピングモール
  • 公園などの各種娯楽、レジャー施設

などを完備。もちろん反逆者をぶちこんでおく牢獄や、通常戦力を収容しておく格納庫もある。
タイフーン級原子力潜水艦アークエンジェルもビックリな充実っぷりである。宇宙船じゃなくて宇宙ステーションだしな!

北極点に玉座の塔と呼ばれる100階建ての皇帝専用司令塔が設置され、偏向シールドと対空砲火で厳重防護。


スーパーレーザー

この要塞の最大の特徴はその破壊力。
砲口から発振された8本のレーザーを収束することで、惑星一つを一撃で粉砕可能な威力を実現するスーパーレーザーと呼ばれる兵器が設置されていた。
デス・スター表面にある、眼のように凹んだ部分がその砲口である。

デス・スターⅡでは3分間隔で発射できるように改良された上に、(明らかにオーバーキルだが)宇宙戦艦を狙撃出来るほどに精度が向上。これを惑星にぶっぱなした描写がないため威力は不明だが、これが初代と同じ破壊力だった場合、デス・スターⅡはやろうと思えば1時間の間に20個の惑星を消し飛ばせるとことになる。

スーパーレーザーはジオノーシス人たちが最終兵器として設計したもので、ターキンお抱えの技術研究所が移動要塞案と融合させた結果、現在のデス・スターが誕生したと言われている。

ただ、このレーザーにはライトセーバーの素材でもある「カイバー・クリスタル」が不可欠なため、帝国は各地のジェダイ寺院跡に乗り込んでクリスタルを奪いまくっていた。*1そのため、スーパーレーザーはシスの超兵器という側面もある。







欠陥

凄まじい性能を誇るデス・スターだが、実はいくつかの欠陥が存在する。

スーパーレーザーの連射不能

初代デス・スターに搭載されていたスーパーレーザーは動力源の関係で連続発射は不可能、最高出力に達するまでに恐ろしく時間がかかり、惑星を消し飛ばすには丸一日かけてエネルギーをチャージしなければならなかった。

ただ、威力を落とせばそれなりに短い間隔で撃てることが「ローグ・ワン」にて判明。この場合、都市ぐらいなら根こそぎ吹き飛ばせるが、星を消し去る威力は出せない。また、レジェンズの情報ではあるが、33%の出力(フルパワーの三分の一)ならばチャージ時間は一時間少々である模様。しかも33%で照射された惑星の全生命体が即座に死滅する威力である。
ヤヴィンの戦いで使わなかったのは、同盟軍基地の正確な位置がわからない以上、衛星ごと消すことを優先したためだろう。



シールドシステム

艦隊戦を想定していたデス・スターⅠの偏向シールドには戦闘機サイズの隙間が空いており、宇宙戦闘機であれば接近して攻撃することが可能だった。

デス・スターⅠはこの隙間から侵入した反乱同盟軍に放熱ダクトを攻撃され、自身が破壊した惑星オルデランのごとく宇宙の塵と消えた。

建造中のデス・スターⅡは単独のシールドシステムがない、もしくは未完成だったそれを補うべく、近隣の「森の月」エンドアに特大の偏向シールド発生装置を建設。そこから展開されるシールドによって守られていた。
つまりシールドシステムを外付けにしていたのである。
こちらはシールドの隙間が無くなっており、反乱同盟軍は衛星エンドアに設置された偏向シールド発生装置を地上作戦で破壊するまで耐え凌ぐしかなかった。

放熱ダクト

デス・スターⅠは巨大な核融合炉によってスーパーレーザーや各種防衛設備、自身の移動に使うエネルギーを賄っていた。当然ながら発生する熱も膨大であり、対処するために直径2mの放熱ダクトを設置していた。

そしてこの放熱ダクトとシールドシステムが運命を決めた。

ヤヴィンの戦いで反乱同盟軍は「宇宙戦闘機でダクトにプロトン魚雷を垂直投下し、炉を直接叩く」という作戦を決行。
最終的にルーク・スカイウォーカーが成功させ、デス・スターⅠは崩壊した。

この欠陥も、デス・スターⅡでは放熱ダクトを小型化し複数に分けることで、雷撃が致命的ダメージにならないよう対処。
更に放熱ダクト自体がエネルギーを吸収するようにした為、レーザーによる狙撃も不可能、と改良されていった。


リアクター

実は一つでもリアクターを壊されると残りのリアクターも連鎖反応で全部吹っ飛ぶ

先述の通りデス・スターIは魚雷二発で消し飛ぶわけだが、よくよく考えると跡形もなく消えるのはさすがにおかしい。
これは開発者、ゲイレン・アーソがわざと仕組んだもの。彼は開発グループの主任クレニック長官に妻を殺された挙句、無理矢理連れて来られたため、誰かが帝国を打倒してくれることを願っていた。
この致命的弱点を知るためにデス・スターの設計図を探し求めるのが「ローグ・ワン」である。



操縦要員を殺すイオンエンジン

デス・スターの欠陥はまだある。
デス・スターはハイパードライブを使うとき以外はイオンエンジンを使って移動していた。
このイオンエンジンからすさまじい量の放射線が漏れだし、操縦要員は常に防護服を着る必要があった。



脆弱すぎるトラクタービーム発生装置

デス・スターには768基のトラクタービーム発生装置が設置されていた。
このエネルギー源や制御装置はいくつもの箇所に分散していたが、この内の一つが停止しただけでもトラクタービームを使えなくなってしまう。
劇中でもレイア・オーガナ姫を乗せたミレニアム・ファルコン号を取り逃がし、それがデス・スターⅠ崩壊の遠因となった。



最強死の星伝説


  • 建造するだけで人を殺戮した。
  • ちょっとイオンエンジンを吹かせただけで操縦要員が被曝した。
  • 惑星オルデランを破壊し、数十億人の人々を殺戮した。
  • あまりにも強すぎたのでわざとシールドに隙間を空けた。
  • デス・スターⅠは破壊され、凄まじい数の操縦要員が死んだ。
  • デス・スター崩壊にキレた皇帝が設計者ベヴェル・レメリスクを肉食昆虫の餌にして処刑した。
  • わざわざレメリスクをクローンボディを使って蘇生させ、失敗を犯す度に毎回趣向を変えて残虐な方法で処刑した。
  • レメリスクは皇帝に泣いて謝り、デス・スターⅡを設計して名誉を挽回した。
  • 完成すれば破壊は不可能、破壊されるとしたら建造中に攻撃を受けた場合のみというレメリスクを信じて、デス・スターⅡ完成前に情報流してエンドアの戦いを起こした。
  • デス・スターⅡになってからさらに強くなったので偏向シールド発生装置を衛星エンドアに設置した。
  • エンドアの戦いにおいてデス・スターⅡはスーパーレーザーで反乱同盟軍の宇宙巡洋艦を撃沈した。
  • 親子の愛情を思い出したダース・ヴェイダーが息子を虐めた皇帝をデス・スターⅡの核融合炉に投げ込み、皇帝は死亡した。
  • 反乱同盟軍のランド・カルリシアン将軍率いる宇宙戦闘機部隊がデス・スターⅡの核融合炉を破壊し、またも多くの操縦要員が死んだ。
  • 爆発した際、表面に刺さっていたエグゼキューターを乗員ごと道連れにした。


余談

デス・スターの外見は、現実に存在する土星の第一衛星・ミマスと酷似していることでも知られている。
ミマスにはその直径の1/3ほどの大きさを誇る巨大クレーター「ハーシェル」があり、その姿はスーパーレーザーを有するデス・スターそっくりである。
しかし、映画第一作の公開は1977年であり、ボイジャー1号が撮影した写真によりミマスの姿が明らかになったのはその3年後。
つまりジョージ・ルーカスがミマスをもとにデス・スターを産み出したのではなく、単なる偶然の一致である。
ちなみにミマスの直径は約400kmで、デス・スターⅠの約2.5倍である。

レジェンズ設定ではデス・スターIIのメインコンピュータはIG-88に乗っ取られていたとかなんとか。

2013年、これを作りたいという技術者の陳情に対しアメリカ政府は「クソデカいうえに欠陥だらけのモンなんか金がかかるから作らん。うちも財政厳しいんやぞ? というか惑星ぶっ壊すのに賛成してないし」(大意)と回答し要求を蹴ったという。
しかしこれには続きがあり「でも宇宙分野とかこれから重要やし、それに関心あるひとは頑張ってね。フォースと共にあらんことを」(大意)と締めくくられている。



追記・修正はフォースの導きに従ってデス・スターの放熱ダクトにプロトン魚雷を撃ち込んでからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 死の星
  • デス・スター
  • スター・ウォーズ
  • 帝国軍の象徴
  • 移動要塞
  • 宇宙要塞
  • 要塞
  • 惑星破壊兵器
  • STAR_WARS
  • 大量破壊兵器
  • 戦略兵器
  • 人工衛星
  • 宇宙ステーション
  • スーパーレーザー
  • ローグ・ワン
  • ウィルハフ・ターキン
  • スターウォーズ
  • 銀河帝国
  • 銀河帝国軍
  • SW
  • ザル警備

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月18日 04:53

*1 「ローグ・ワン」ではその際の反乱者軍勢とのゲリラ戦の様子も描かれている。また、「クローン・ウォーズ」に出てきたカイバー・クリスタルの一大産地である未知領域に存在する極寒の惑星「イラム」は、カイバー・クリスタルがほぼ枯渇して地表が抉れるまで乱獲された