ソードアート・オンライン プログレッシブ

登録日:2015/12/22 (火) 15:19:18
更新日:2023/08/19 Sat 13:50:51
所要時間:約 17 分で読めます




☆概要

ソードアート・オンライン プログレッシブとはライトノベル「ソードアート・オンライン」シリーズの派生作品。
作者はソードアート・オンラインと同じく川原礫
略称はSAOP。既巻8巻。

第1章の舞台であったデスゲーム・Sword Art Onlineの舞台となった「アインクラッド」攻略に焦点を当て、第1層から順に描いていく新シリーズ。
もともとSAOが電撃文庫大賞への応募作品だったこともあり、本編では1層序盤と74層と75層しか描けなかったアインクラッド攻略を最初からきっちり描いていきたいという動機で始まった。

SAO本編につながるような話が随所で描かれており、本編を読んでいる人ならより楽しめるはずである。

なおSAO本編でもプログレッシブでの話が回想として描かれることがあり、現在ではこちらが正史扱いのようだ。
劇場版アニメも展開されており、2021年10月30日に「星なき夜のアリア」、2022年*110月22日には「冥き夕闇のスケルツォ」が公開されている。

☆本編との矛盾点について



公式「設定のアップデートです。いいね?」



矛盾やパラレルワールドということにしたい人が少なくないが、作者を始めこういう開き直りスタンスである。
アプデっつったらアプデである。ハドラーよ、カヤバーン様のお言葉は全てにおいて優先される…!!
要するに「矛盾したらどこぞの運命に出会う系の世界観のように後からお出しされた設定が優先」と思っていい。
とはいえ公式も節度はわきまえている*2ので安心していい。

ダンジョンの奥底でキリトと敵として出会った孤独な魂のチートお嬢様はもういないのだ…

☆あらすじ


これはゲームであっても、遊びではない


次世代VRMMO『ソードアートオンライン(SAO)』
本当の意味での仮想現実が体験できる新型ゲームマシン『ナーヴギア』によって、かつてないリアルさを手に入れたVRMMOをユーザーは熱狂的に歓迎した。

しかし、全ては罠だった。
ゲーム公開初日に突如現れたゲームマスター『茅場晶彦』によって、明かされた真実。
現実世界で無理に機械を外したり、ゲーム内のプレイヤーのHPがOになったりすれば、ナーヴギアに仕掛けられたトラップによって脳を焼かれ永遠に復活出来ない。

ゲーム内の“死”は即ち現実での“死”。ログアウトは不可。
脱出方法はただ一つ。アインクラッドの100層ある階層を突破すること。

ゲーム開始1ヶ月で2000人が死んだ。
未だ第1層はクリアされていない。



☆登場人物


キリト/桐ヶ谷和人
CV:松岡禎丞
ご存じ本作の主人公。元βテスターでβテスト時からトッププレイヤーだった。
情に厚い性格だが、デスゲーム開始直後にSAO内で初めてできた友人を見捨ててしまったことと、SAO内で最初にパーティを組んだ相手であるコペルに殺されかけたことがトラウマとなっており、本編よりも自罰的。
そのため、第1層ボス戦でのディアベルの死の直後に噴出した元ベータテスターへの憎悪の増幅を防ぐために自ら嫌われ役を買って出て「ビーター」を名乗ってソロ攻略を中心にしようとするが、真意を理解したアスナが付いてきたためそのままコンビを継続する。
アスナがゲーム初心者であり勿論βテスターでもないためβテストの知識などの攻略情報やゲームのセオリーなどを教える教師役になっている。
第2層以降もボス攻略には絡んでおり、多くの場合でラストアタックボーナスを取得している。
また、本作はキリトの過去回想のような形で語られている。

アスナ/結城明日奈
CV:戸松遥
本作のヒロイン。後のキリトの妻。1層のボス攻略のためにキリトとパーティを組んで以降、彼とコンビを組み続けている。
今までずっとキャリア重視の母親からの過度なプレッシャーをかけられていたこともあり、SAOに囚われたことに絶望していた。
そのため、第1層で破滅的な行動を繰り返していたが、ダンジョンでキリトと出会い、行動を共にするうちに少しずつ前向きに物事を考えられるようになり始める。
そのため当初はかなり暗い雰囲気だったが、徐々に本来の明るい雰囲気を取り戻し始める。
ゲーム初心者ではあるが持ち前の反応速度とキリト仕込みのゲーム知識により既に攻略組でもなくてはならない存在になりつつある。
キリトはアスナにはリンドやキバオウ、ディアベルを超えるリーダーの素質があると感じており、自分の持つすべての技術を通してアスナを導くことを目標の一つに掲げている。
もう落とされてるような気がするが一応アスナ本人によれば落ちたのはもっと先の話らしい。
既に鍛冶職の女性プレイヤーと知り合っているらしい
ちなみにSAOPにおけるアスナとキリトの関係は本編と矛盾したところが相当あるが、作者も謝っているので気にしないであげよう。
最初のコミック版は彼女の視点で描かれている。

アルゴ
CV:井澤詩織
もともとは本編の2巻の短編「赤鼻のトナカイ」に名前のみ登場した人物。
情報屋をしている元βテスターの少女。βテストの時からキリトとは知り合い。本作の事実上のサブヒロイン枠。
頬のネズミのヒゲのような3本線のフェイスメイクがトレードマークで通称「鼠のアルゴ」。
情報屋としての腕前は一流で、「彼女と5分話すとそれだけで100コル分のネタを持って行かれる」とまで言われている。
一方で曖昧な情報にはきっちりと裏を取り、モラルもしっかり守るなど、情報屋としての自分なりの矜持も持ち合わせている。
デスゲーム開始後は自分が元βテスターであることを明かし、βテスト時に得た情報や、その後得た情報の中からプレイヤーの生存に必要不可欠と判断した情報を「攻略本」という形でまとめ上げて無料配布している。
敏捷性に特化したステータスで、クロー系の武器を得物にしている。戦闘にはあまり参加しないが、ゾロプレイで情報を収集しているだけのことはあり、実力は高い。
ちなみに頬のヒゲのペイントはβテストの時に体術スキル習得イベントの失敗によってついてしまったもので、そのキャラが立ちまくったため、正式サービス後もペイントを継続している。

◆ディアベル
CV:檜山修之
バラバラだったプレイヤー達を纏め上げ、第1層のボス攻略の指揮を執ったプレイヤー。青にカスタマイズした髪に爽やかな印象を持つ風貌で、自称「騎士」。
確かなリーダーシップを持ち合わせ、リーダーとしてはかなり優秀な人物だった。
周囲には隠していたが実は元βテスターの一人。SAO攻略のためには力強い強力なリーダーが必要不可欠という考えを持っており、ラストアタックボーナスを狙っていた。
そのために陰では仲介人を通じてキリト達他のテスターの装備を買収することで一時的に戦力をダウンさせようとするなど、そのカリスマ性の裏には、したたかで狡猾な一面も持ち合わせていた。
また漫画版では万が一自分が離脱しても、キリトがスケープゴート(生贄)として攻略組を引っ張っていけるだろうと期待していたことをアルゴに話していた。
第1層ボス戦でも的確な指揮を執っていたが、ラストアタックボーナスを狙い、功を焦った結果、βテスト時と異なるスキルを出してきたボスの攻撃に対処し切れずにクリティカルヒットを連続で食らってしまい、キリトに後を託して死亡した。
彼の死はキリトやリンド、キバオウをはじめとした多くのプレイヤーに影響を与えた。
ディアベルも死にたくて死んだわけではないはずなのでこんなことを言うのは酷な話だが、彼が死んでしまったせいでプレイヤー同士の関係が相当こじれた。

エギル
CV:安元洋貴
本編でも主要人物として登場した斧を携えた大柄の黒人プレイヤー。
年長者らしく冷静で理知的で、2大攻略ギルドとは距離を置き仲間達と攻略に挑んでいる。
キリト・アスナとはこの頃からの付き合いで、基本的に独自行動をとる二人をボス戦の際パーティに入れている。
ディアベルが死亡した際にキリトが汚れ役を買って出たことに気が付いた数少ない人間の一人であると同時にキリトの理解者でもある。
キリトから、どこでも商売を行えるアイテム「ベンダーズ・カーペット」を譲り受けたことが商人を始めたきっかけであることが明かされた。

◆コタロー、イスケ
第2層に現れた自称ギルド「風魔忍軍」に所属するコンビの忍者。
βテスターであり敏捷極振りのステータスで高速戦闘を得意とするが、形勢不利と見ると全力逃走しほかのパーティにモンスターを擦り付けていくというスタイルで有名だったため他プレイヤーからの評価は高くない。
忍者としての完成を目指して体術スキルを教えてくれるNPCの情報を買うためアルゴを追い回していたがフィールドだったためモンスターにタゲられて全力逃走する羽目になるなどかなりマヌケ。


ミト/兎沢深澄
CV:水瀬いのり
劇場アニメ化に際して作られたオリジナルキャラクター
アスナ視点で物語を再構成するにあたり、彼女をSAOに導く役として川原氏自ら提案した。
絶望するアスナをなんとか奮い立たせ二人三脚で強くなっていく。
かに見えたが………詳細は個別記事にて。

◇ドラゴンナイツ・ブリゲート(DKB)
リンドを中心とした亡きディアベルの派閥を基に結成によって立ち上げられたギルドで5層時点における2大攻略ギルドの一角。
のちに血盟騎士団とともに2大最強ギルドとして名をはせることになる聖竜連合の前身になったギルド。
指揮系統と上下関係を重視しており、平等と分配を主義として掲げるALSとは対立関係にある。

◆リンド
CV:大塚剛央
亡きディアベルを特に慕っていた人物の一人で、DKBのリーダーである曲刀使い。
一見すると理知的な態度をとっているが、実際は感情に流されやすい性格で、ディアベルが死んだ際にキリトを糾弾した人物の一人でもある。
キバオウの代名詞「なんでや!」も原作では彼のセリフで口調も標準語の「なんでだよ!」である。
ディアベルが死んだあとはアバターの髪色を彼と同じ色に染めなおすなど思い入れは強く、彼のような存在になることを目指しているが、狡猾な二面性を持っていたディアベルと直情的すぎるリンドではタイプが全く異なるため、成り替わるのは難しいのではないかとキリトは考えている。
また、やや独善的な一面があり、アスナは彼のことを「心のどこかでほかのプレイヤーのことを見下している」と酷評している。

◆ハフナー
DKBのサブリーダーの両手剣使い。アインクラッド攻略は他の何事よりも優先されると考えており、やや強引な所がある。
ALSの事はあまり快く思っていないものの、ゲーム攻略と何千人といるプレイヤーのためにはALSもDKBも両方なくてはならない存在だと話すなど、大局的な見方ができる器の大きい人間でもある。

◆シヴァタ
CV:永野由祐
DKBの立ち上げ当初からのメンバーの一人で幹部。
盾持ちの片手直剣使い。
冷静な人物でDKBの幹部の中では一番の穏健派。
キリトやALSに対しても理解を示している。
DKBのメンバーの中で一番物わかりがいい人物で、キリトは頭に血が上ったリンドを諌められる人間だと評している。
ALS、DKB双方のメンバーの中でおそらく一番キリトと仲のいい人物。
ALSのリーテンと付き合っている。




◇アインクラッド解放隊(ALS)
リンド達の指揮系統を重視したやり方に反発したキバオウ達の派閥を中心として立ち上げられたギルドで、5層時点における2大攻略ギルドの一角。
《軍》と呼ばれた巨大ギルド《アインクラッド解放軍》の前身になったギルド。
平等と分配をモットーにしており、攻略のためなら一部のプレイヤーが多くのリソースを得ることもやむを得ないと考えているDKBとは対立関係にある。

キバオウ
CV:関智一
もともとは本編の2巻の短編「朝露の少女」に名前のみ登場した人物。
平等をモットーに掲げるALSのリーダー。ツンツン頭と関西弁が特徴。「ゲームのクリアのためには強者が得たものを弱者に分け与える必要がある」という信念を持つ。
また、「最初に多くの死者が出たのは元βテスターが他のプレイヤーの事を顧みなかったからだ」と考えており、それ故元βテスターのことを毛嫌いしている。
ディアベルの事を特に慕っていた人物の一人だが、彼が元βテスターであったことや、彼に利用されかけていたことには気が付いていない。
ディアベルの死後、後を継いだリンドの指揮系統を重視するやり方に反発してALSを立ち上げた。
その後もDKBを始め、他のプレイヤーと衝突を繰り返すなど攻撃的な性格だが、通すべき筋はきちんと通すところがあり、根は話の分かる人物。
アニメではキリトが「ビーター」を名乗るきっかけになった元凶の一人として描かれているが、こちらではキリトが汚れ役を買って出たことに気が付いた数少ない人間の一人として描かれており、キリトを気に入らないとは言いつつも彼に感謝の言葉を残している。

◆ジョー
CV:逢坂良太
ALSのメンバーの一人でダガー使い。「オレ知ってる!!」の人。
何かあるたびにあれこれと喚き立てる悪い癖があるうえ、不確かなことまで事実であるかのように話すなど問題のある人物。
ディアベルが死んだ際にプレイヤーがβテスターへの敵意をもつようなことを最初に口走った人間で、キリトが「ビーター」を名乗ることになった一番の元凶。
他にも彼が原因でネズハが処刑されかけたりと、彼の不用意な言葉が多くのトラブルの火種になっている。
TVアニメでは彼の役目がキバオウに置き換わっている。

◆リーテン
CV:本渡楓
ALSのメンバーの一人。全身鎧に身を包んだタンク職の女性プレイヤー。融和派のメンバーでキリトやDKBに対しても理解を示している。
鎧は始まりの街で友人になった鍛冶職の少女に作ってもらったもの。
DKBのシヴァタと付き合っていて、彼を通じてキリトやアスナとも親しくなる。

◆オコタン
ALSのメンバーの一人。両手斧槍使い。リクルート班の班長でALS幹部の中では一番の穏健派。
キリトやDKBにも理解を示している。



◇レジェンド・ブレイブス
2層攻略の際に急速に力をつけてきた新興ギルド。メンバーはSAO以前から他のゲームでもギルドを組んでいた知り合い同士。
実は後述する黒ポンチョの男の口車に乗せられ、「強化詐欺」に手を染めており、他のメンバーの装備をだまし取っていた。
そのことが露見した後は装備を全て差し出して賠償を行い、現在は一からのやり直しを図っている。

◆ネズハ
鍛冶職のプレイヤーで強化詐欺の実行犯。
軽度のフルダイブ不適合者で中近距離の遠近感がうまくつかめないという障害を持っている。
自分が仲間の足を引っ張り、出鼻をくじいてしまったと考えており、それ故罪悪感を抱きつつも詐欺を続けていた。
その後手口を見抜いたキリトに諭されて足を洗い、キリトから譲り受けたチャクラムと投剣スキルを武器に戦う戦闘職へと転向した。
遠近感に障害があるにもかかわらずその腕前はなかなかのもので、第2層ボス攻略ではパーティの窮地を救った。
一度は全ての罪を一人で被ろうとし、ジョーの不用意な言葉がきっかけとなって激怒したプレイヤーに断罪されそうになったが、レジェンド・ブレイブスの仲間たちの命がけの懇願で事なきを得た。
以来キリトの事を慕っており、「もしキリトがギルドを立ち上げたら仲間ともども喜んで入団する」と語っている。
キャラクターネームは「Nezha」とつづるが、実際は「ネズハ」ではなく「ナタク」と読むのが正しく、中国神話のナタが元ネタ。
仲間への負い目からネズハと名乗っていたが、以降も「愛着が湧いてしまったから」という理由でネズハと名乗り続けている。

◆オルランド
レジェンド・ブレイブスのリーダー。
ネズハに詐欺を行わせていたが、魔が差しただけで根は悪い人間ではく、彼が断罪されかけた時には仲間と一緒に土下座して謝罪した。
その後自らの装備品や所持品の全てを差し出し、プレイヤーに賠償を行うことを誓った。




◇煽動PK集団
1層から陰で暗躍している謎の集団。
多くのプレイヤーを陰から扇動し、撹乱し、誘導することでプレイヤー同士が互いに殺し合う煽動PKをたくらむ人物たち。
集団の正式な名称は不明。
おそらく後のSAO最悪の殺人ギルド《ラフィン・コフィン》。

◆黒ポンチョの男
PK集団のリーダー格。
ネズハ達「レジェンド・ブレイブス」に「強化詐欺」の手口を享受し、それを実行に移すよう誘導した人物。
言葉巧みに人の心の闇や弱さに付け入り、誘導することを得意としている。
「イッツ・ショウ・タイム」が口癖。
後の殺人ギルド《ラフィン・コフィン》のリーダー・PoH

◆モルテ
CV:小林裕介
鎖頭巾に身を包んだプレイヤー。元βテスター。ふざけたような軽い口調で話すが、殺人を肯定するような言動をする危険人物。
DKBとALSの双方に陰から情報を提供することで、二つのギルドを衝突させ、殺し合いになるように仕向けた。
また、デュエルの半減決着モードの穴を付いてキリトを合法的にPKしようとしたこともあり、3層時点ではキリトを上回る対人戦闘の実力を持っている。

◆黒マントの男
5層の地下ダンジョンでモルテと接触していた人物でPK集団のメンバーの一人。
会話の内容からDKBもしくはALSのメンバーで、どちらかのギルドにスパイし、両ギルドをぶつけ合わせることを画策している。
明言はされていないが、その正体は上述したALSのメンバー・ジョー
彼がトラブルが起きるような不用意なことをすぐに口走っていた理由は彼がPK集団のメンバーとして意図的にトラブルの火種を作っていたことであると示唆されている。
その正体そして使用する武器から、後の《ラフィン・コフィン》の幹部ジョニー・ブラックである可能性が高いと見られていた。
そして劇場版にてUW編に登場した金本敦=ジョニーその人として登場し(CV:逢坂良太)、ついに同一人物であることが確定した。




◇NPC
◆キズメル
CV:伊藤静(ゲーム)
キリトとアスナが第3層から始まる長期クエストで助けたNPCで黒エルフの女剣士。
イベントの仕様で本来なら強制イベントによって死亡してしまうはずだったのだが、何故か生き残った。
以降クエストの間、キリトとアスナと共に行動をとるようになり、絆を深めていくことになる。
他のNPCと明らかに異なる、人間のような感情と人格を持っているようなのだが、それが何故なのかは不明。
βテスト時にはなかったはずのアインクラッド誕生の秘密などの世界観に合わせた知識を持っているほか、装備も特殊で実力やレベルもキリトやアスナをしのぐ。
ちなみに、厳密にいうとシステム的にはNPCではなくモンスターのくくりに入る。亡くなっているが妹・ティルネルがいた。
漫画版では妹に夫がおり、更に妹を殺した森エルフの仇がいる。
なお、プログレッシブ発のキャラで唯一ゲームにも登場している。

◆ヨフィリス子爵
黒エルフの貴族で第4層にあったエルフの城「ヨフェル城」の城主。かつて顔に受けた傷を恥じており、病と偽って自室に引きこもっていた。
キズメルと同様に実力やレベルは相当高く、水の上を走り回るなどの特殊スキルを持つ。
クエストでキリト達に助けられた後はボス攻略に加担し、第4層のボスを瞬殺してしまった。
これが仕様だったのかどうかは不明。




☆Sword Art Online


この物語の舞台となっているVRMMORPGデスゲーム。
全100層の無限の蒼穹に浮かぶ巨大な天空城「アインクラッド」の攻略を目指す。4巻時点で第5層までクリアされている。
あらすじにもあるように第1層の突破には1ヶ月もの時間を有した。
しかし、1層と2層の突破を経てプレイヤーのレベルが上昇したことや、攻略手法が確立したこと、攻略ギルドの結成もあり、第3層は1週間、第4層は6日間、第5層は4日間でクリアされている。
また、1層のフロアボス攻略ではディアベルが犠牲になったものの、2~5層のフロアボス戦では1人の犠牲者も出ていない。
フロアボスは全てがβ時代と比べて何らかの変化が生じているが、2層でフロア内のクエストを進めることでフロアボスの変化や攻略法などの情報が得られるということが発覚した。


◇第1層
アインクラッドで一番広い層でその広さは80平方キロメートルにも及ぶ。
草原、森林、山岳地帯と他の層に比べて地形のバリエーションに富んでいる。
主街区はSAOのスタート地点でもある「はじまりの街」。

◆イルファング・ザ・コボルドロード
第1層のフロアボス。斧とバックラーを携えた獣人の王。HPが少なくなると武器を変え、攻撃パターンも変化する。
正式サービス時にはβテスト時に比べてこの持ち替え武器とスキルがより強力な物に変更されており、ディアベルの命を奪った。
ラストアタックボーナスはレア防具の「コート・オブ・ミッドナイト」。



◇第2層
草原と岩石地帯の広がるサバンナにテーブルマウンテンが乱立したようなエリア。
主街区はテーブルマウンテンをくりぬいた中に作られた町「ウルバス」。
メインテーマは「牛」で、野牛のようなモンスターや牛の獣人である「トーラス」など、モンスターの種類も牛推し。なお、「オックス(雄牛)」の方の味はよろしくないらしい。

◆バラン・ザ・ジェネラルトーラス
牛男「トーラス」の将軍。通称「バラン将軍」。
2回連続でまともに食らうと麻痺してしまう、電撃をまとった特殊攻撃を使う厄介な相手。
βテスト時は第2層のフロアボスだったが・・・
ラストアタックボーナスはSTR上昇とバッドステータス耐性を上げる効果を持ったすっごいダサい赤地に金の牛柄のパンツ。

◆アステリオス・ザ・トーラスキング
第2層の真のフロアボス。βテスト時には存在すらしなかった。
麻痺の効果を持った雷系のブレスを放ち、パーティを壊滅寸前まで追い込んだ。
頭にかぶった王冠が弱点で、そこを攻撃されると動きが止まるという特性を持ち、ネズハに王冠を連続でヒットされて動きを止められ、その隙に倒された。



◇第3層
フロア全体が森で覆われたエリア。
9層まで続くエルフの絡んだ大型クエストのスタートイベントや、ギルド結成のために必要なクエストなどが用意された重要なフロア。
主街区は巨大なバオバブをくりぬいて作られた町「ズムフト」。

◆ネリウス・ジ・イビルトレント
第3層のフロアボス。大型樹木の姿をしたモンスター。β時代とは異なり、広範囲に毒のバッドステータスを与える攻撃を持っていたが、クエストの結果、事前にその情報を得ていた攻略組は解毒用ポーションを複数用意していたため、あっさり撃破された。
哀れなことにボス戦の描写はたった1ページ、10行にも満たなかった。
不憫。



◇第4層
β時代はからからに乾いた渓谷のエリアだったが、正式サービス時には谷は水で覆われ、水と緑のあふれるエリアに様変わりしている。
主街区は水路が町中に廻ったヴェネチアを彷彿とさせる街「ロービア」。

◆ウィスゲー・ザ・ヒッポカンプ
第4層のフロアボス。前半分が馬で後ろ半分が魚の怪物。β時代とは異なり、ボス部屋を水没させる特殊スキルを使う。
一度はパーティを追い込んだものの、「外から誰かが扉を開ければ水が排出され、特殊能力が無力化される」という事が発覚したことと、途中から助っ人に入ったNPCのヨフィリス子爵が恐ろしく強かったこともあり、こちらも割とあっさり撃破された。
合掌。



◇第5層
フロア全体が遺跡で覆われたエリア。
主街区は遺跡の中に作られた街「カルルイン」。
いわゆる「区切りの層」であることから、やや強力なフロアボスが出現することが予想されている。

◆フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス
第5層のフロアボス。ゴーレム。
アインクラッドがまだ地上にあった時代に人間たちによって作られた戦闘兵器という設定。β時代とは名前も姿かたちも全く異なっている。
ボス部屋と完全に一体になっており、地面をランダムに動き回るラインを踏むと床や天井から攻撃を仕掛けてくるモンスターというよりはギミックやトラップのような性質を持ったボス。


◇アプリゲーム「インテグラル・ファクター」

プレイヤー自身が主人公となってアインクラッドを順に攻略するという内容で、必然的にSAOPの登場人物も多く登場している。
5層から上はプログレッシブに先駆けての登場だが、設定はある程度反映されている様子(どちらの設定が先にできているのかは不明)。

ディアベルをはじめユナ、黒猫団など多くのキャラクターが生存・攻略組に参加していたり*3後発キャラの参戦があるなど事象がかなり異なるものの、攻略集団から脱落したキバオウが《軍》を立ち上げる経緯や扇動PK集団の暗躍の詳細、ALS脱落後のDKB穏健派(というかシヴァタ)の苦労など本作で先行して明かされた要素も多い。あと二大ギルドの橋渡しも兼ねてシヴァタとリーテンにかなりスポットが当たってる感も。

長らくシナリオの時間経過が不明だったが、85層到達時点で2年ちょっと(正確には「2年半は経っていない」)経過しているらしい。なお、オリジナルヒロイン・コハルの年齢は明かされているがいつ頃の年齢なのか分かっていない*4イベントシナリオ(特に周年イベント)は無視していいだろうけど

◇作風など

4巻時点では比較的明るい雰囲気で物語は進んできている。
しかし、本編の展開を考えると、
  • 確固たる絆を持っているにもかかわらず、のちに一度完全に決別することになるキリトとアスナ
  • ネズハやシヴァタ、リーテンなど理解者が増えつつあるにもかかわらず、のちに孤独感にさいなまれ「月夜の黒猫団」と新たな悲劇を生んでしまうキリト
  • NPCのキズメルと友好的な関係を築いているにもかかわらず、のちにNPCを囮に使う作戦を実行しようとすることになるアスナ
  • きちんと筋を通す性格であるにもかかわらず、のちに弱いプレイヤーから略奪を繰り返し、恩人を殺そうとする外道な卑劣漢へと成り下がるキバオウ
    キバオウの身に何が起きたのかはアニメ第一期DVD1巻完全生産限定盤特典(のちに本編22巻に収録)の「ザ・デイ・ビフォア」にて断片的に明かされており、第二十五層でALSが偽情報に引っかかって単体でボス戦に突入、ALSのメンバーの半分が戦死するという悲劇を経てキバオウは攻略組から離脱してしまったとの事

…などなど、多くの登場人物に過酷な未来が待ち受けていると思われる。
いったいこの後何が起こるのだろうか?

今後の展開に期待したい。


なお刊行ペースは1年に1冊である。
1冊の内容が1~2フロア程度であることを考えると、完結まで何年かかるか想像するだに薄ら寒いものがある。

因みにコミック版では第6層までが描かれ、作画担当は比村奇石氏(1~3層)、三吉汐美氏(4層)、ぷよちゃ氏(5層)、霧月(6層)と交代制になっている。


追記・修正は過酷なデスゲームを生き抜いてからお願いします。

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最終更新:2023年08月19日 13:50

*1 アニメSAOの放送から10年及び劇中でSAOのサービスが開始された年でもある。

*2 アリシゼーション編アニメ化後に発表されたPohの短編等。この他、礫ちゃんねるによればミトが原作小説版に逆輸入されることがあれば劇場版とは設定が変わる(変えざるをえない)模様。

*3 ディアベルは裏方に回っているのでほぼ空気だが

*4 17歳。SAO正式サービス開始(2022年11月)時点だとするとアスナより2歳年上になるが、シナリオではキリトらと同じぐらいを想定しているように見受けられる