カイロ・レン

登録日:2015/12/20 Sun 06:50:30
更新日:2023/12/30 Sat 12:33:41
所要時間:約 15 分で読めます





「あなたが始めたことを私が終わらせるために」



映画『STAR WARS』シリーズ第七作『フォースの覚醒』から登場するキャラクター。

西洋風のマスクを被り、フード付きのマフラー、ノースリーブのロングコート、ロングブーツを装備した全身黒ずくめの仮面の男であり、
2015年12月から開始された新たな3部作における暗黒面のフォースの使い手(いわゆるダークジェダイ)の一人である。
演じる俳優はアダム・ドライバー。吹き替え声優は『海馬瀬人』でお馴染みの津田健次郎氏。

●目次

人物

新共和国と講和を結んだ帝国を見限り、離脱した過激派組織「ファースト・オーダー」の前線指揮官。
トルーパー隊隊長のキャプテン・ファズマは彼に敬意を払っており、作戦本部指揮官であるハックス将軍も彼については少々無礼な態度も許している。
とはいえハックスからの受けはあまり良くなく、レン自身も実戦経験が少ない彼を見くびっている。

直属の上司と言える人物は、ファースト・オーダーの最高指導者・スノーク。
自身をトップとする レン騎士団 を与えられている(騎士団は7時点ではレイの予知夢にのみ登場)。

実はかつて、ルーク・スカイウォーカーが興した新たなジェダイの訓練組織に属していたが、
全盛期の帝国に所属したシスの暗黒卿ダース・ヴェイダーを崇拝するがあまり暗黒面に落ち、賛同者たちと共に離反した。
この一件はルークの精神を大きく揺り動かし、人知れず隠遁生活に入ってしまう。

平時はフォースの力を利用し冷静な判断を下すクールかつ有能な指揮官であるが、
ファースト・オーダーの主目的の一つ「ルーク・スカイウォーカーの殺害」に強い執着を示している。
また部下の失態等により計画に狂いが発生すると、周囲の物をライトセーバーでずたずたに切り裂き精神を落ち着かせる悪癖がある。
この悪癖は組織中に知れ渡っているらしく、ライトセーバーを振り回しながら「衛兵! 衛兵!」と呼んでいるところに通りかかった二人組のトルーパーが、
「うわぁ……」とでも言いたげなしぐさをして来た道をそそくさと戻ってゆくシーンはシリアスな笑いを誘う。
この他にも、エンドアで葬られたはずのダース・ヴェイダーのマスクを所持しており、祭壇のように祀って不安を感じたときに縋るなど、かなり脆い面が目立つ。

一方で、彼自身のマスクはヴェイダーに対する憧れのような存在であり、別にこれがないと生きていけない、という類のものではない。
そのため、劇中では割とあっさり仮面を外すシーンもある。素顔は結構なイケメンだが、もじゃもじゃ髪のせいでなんかもやしっ子っぽい
演じるドライバー氏は日本の取材にて「ライトセーバーの磨かれておらず完璧でもない見た目がカイロ・レン自身を表している」とコメントしており、
様々な要素でレンがまだ未熟な状態であることが示唆されている。


今までのシリーズにいなかった「悪に染まりきれない等身大の悪役」。
そして某スーパーヒーロー集結映画の笑いの神様みたいな哀愁漂うへタレっぷりからネタキャラ扱いされたりと、良くも悪くも新生SWを象徴する悪役と呼べるだろう。
一方、ダース・シディアスやヴェイダーのようなカリスマ性のある悪役を期待していたファンからはあんまり人気がない。
また、EP7終盤のとある凶行から、シリーズ通してのファンからは好意も否定も放り投げて親友の仇の如く恨まれている。


アメリカのバラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」ではカイロ・レンが平社員の整備士マットとしてファースト・オーダーに潜入するコントが2016年に放送された。
「カイロ・レンは腹筋が8つに割れている」と自画自賛したりカイロ・レンの悪口を言う部下をフォースグリップで粛清したり家族を失ったストームトルーパーにファンシーな手紙を送って励ましたりと、案の定バレバレだった。
しかも整備工として潜り込んだにも関わらず猛烈な機械音痴だったことが発覚する。残念ながらメカニックの才能は血縁者達(後述)から受け継がれなかつたようだ。
なおこのコントはディズニー公認でカイロ・レンもアダム・ドライバー本人が演じていた。

そしてそれから4年後の2020年、奇跡は起きた。
同番組でまたしても職場潜入に挑むこととなったのだ。今度はインターン生ランディを名乗り、部下や他のインターン生とコミュニケーションを取りつつ雑用に励む。
全く以てどうでもいい(本人にとっては最重要事項だが)内容の質問をして周りを呆れさせたり、飲み物を配る時にミスをしたせいでボロクソ罵倒してきた幹部を始末したりとやりたい放題。今回も当然正体はバレバレ。
更には単にプリンターのトレイが空っぽなだけなのに故障したからコピー出来ないと勘違いして、二度もプリンターをぶっ壊すというもはや機械音痴などといった次元を超える存在と化していた。
演じるのはもちろん例によってアダム・ドライバーその人である。

光の誘惑に負けたのか、米ディズニーランドではカイロ・レンのグリーティングが行われていたりする。





戦士として

フォース使いとしての才能は確かなものがある。
ルークとスノークの教えを受けた彼は、光と闇、両対のフォースに通じた青年と言える。
EP7ではフォース・グリップを巧みに操る姿を見せ、時にはブラスタービームを空中に長時間静止させる離れ業をやってのけている。
フォースを使った精神的拷問・自白術にも長けている。

彼の赤いライトセーバーは、鍔の部分から左右に余剰エネルギーを放出し、さながら十字架のようなシルエットを形成する。
どうやら古代のシスの記録にあった物を復元したようだが、実際はセーバー作成時にクリスタルにヒビを入れてしまい、それが影響して出力が不安定な為、左右の鍔から余剰エネルギーを逃がして安定させる為の機構。
刃も火花が散るような見た目であり、エネルギー収束も覚束ない。
加えて握り手の作りも非常に雑で、配線が外部にはみ出し、内部機構が露出している。
このライトセーバーこそがカイロ・レンの『不安定さ』を象徴している。

戦闘時は一呼吸ごとに柄を回転させる独特の動きを見せる。鍔競り合いで拮抗した際には強引に刃を押し込み、鍔のセーバーで抉りに行くエグイ戦法を使う。

しかし、前述した悪癖からもわかるように、メンタル面においてかなり大きな不安が残る。
ヴェイダーのように強くなりたいと願う一方、自分ではその域に到達できないのではないかという不安。
そして「光に対する憧れ」という恐怖。
これらはスノークにも指摘されており、克服すべき点として意識している。






※以下、本格的なネタバレに入ります。ガラケーユーザーはご注意を









その正体


EP8で語られた過去


シリーズにおいての活躍(時系列順)







追記・修正は周囲の物を破壊して精神を落ち着かせてからお願いします。

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最終更新:2023年12月30日 12:33

*1 「ジェダイは相手の敵意を確認してから抜刀する」という。もっとも、メイスが完全無警戒だったジャンゴに不意打ち同然に光刃を突き付ける、メイスら評議員が席を立ってもいないパルパティーンに抜刀する、オビ=ワン&アナキンがいつもドゥークーより先に抜刀するなど、この掟は昔から守られていなかったが。

*2 米国の声出し可能な上映では一部から歓声が上がったとか

*3 フォースによるライトセイバーの奪い合いだが、とあるファンムービーにほぼ同様の場面がある。そのムービーを制作した人物はそれがきっかけでルーカスフィルムの社員になったらしいが、参考にしたのだろうか?

*4 師弟関係にあった当時の姿でアナキンのライトセーバーを振るうという、レンが最も冷静さを失うであろう姿を選んでいるのも時間稼ぎのためであった。