CYBERブルー(漫画)

登録日:2015/12/18(金) 01:00:45
更新日:2023/11/04 Sat 04:47:15
所要時間:約 20 分で読めます











『CYBERブルー』とは、『北斗の拳』で知られる原哲夫作画のSFバイオレンスアクション劇画である。
原案はBOB、脚本は三井隆一だが、1988年以降はノーススターズピクチャーが版権を有している。
北斗の拳』終了後の1988年に連載が始まったものの、全4巻で打ち切りを喰らった。
そのマイナーぶりや、北斗の拳から脱却し損なったような終盤の展開から
一部では『北斗の拳と花の慶次の間のヤツ』と揶揄されることもある。

しかし作者が途轍もなく有名ということもあり、打ち切り作品にも拘らず文庫版、廉価版が発売され、
しまいにはパチスロ化まで果たした。
やはり北斗・慶次パワーは強力ということか…
後にコミックゼノンにてリメイク作『サイバーブルー 失われた子供達』『クロスバトラーズ』が掲載された。
それどころかリメイクのリメイク漫画までWEB配信されていたのだから、
いかに打ち切りが惜しまれていたかということがよーくわかる。

基本的に強すぎる主人公が外道をバイオレンスたっぷりにブチ殺す痛快活劇という点では北斗と似たり寄ったりだが、
『拳法』『銃火器』(銃のデザインがまた重厚で燃える)『世紀末の荒野』『異星のディストピア』に、
『ヒャッハー』『ヒャッハー』に置き換えた*1絵作りは独特の妙味があり、
素人が撃ったら肩が外れそうなくらいゴツイ銃で人体がグズグズに爆ぜるまで鉛玉をブチ込むファッキン銃殺描写
後年原哲夫が執筆した化け物銃をぶっ放してヤクザを挽肉に変える漫画『九頭龍』にも受け継がれている。

素人目にも『ターミネーター』『ロボコップ』などのSF洋画の影響が強く見て取れる雰囲気で、
基本的に主役は日本人でないとウケないというジンクスのあるジャンプ漫画には珍しく
キャラのビジュアルやセリフ回しも洋モノっぽさが強調され、1話に1回は誰かが「ファック!」と叫んでおり、
ジャンプ史上一番主人公の口が悪い漫画とも言われている。


あらすじ


時は西暦2305年、太陽系を遠く離れた植民惑星ティノス。
生命維持装置無しでは数分と持たない地獄の世界で、一人の少年がその命を散らした。
少年・ブルーは、悪徳業者に騙されて全財産と引き換えに300年前のポンコツコンピューター「ファッツ」を買わされ、
自分の名の下にもなった地球に行くというを悪用され、悪徳保安官・ワイザーの罠に嵌って銃撃を受けたのだ。
同じくワイザー一派に銃撃を受け、機能停止が近いことを悟ったファッツは、自分の最期の友達であるブルーを生きながらえさせるため、
自らの身体を分解してブルーと融合し、最強の自己進化改造人間「サイバービーイング」へと変貌を遂げる。
かくてサイバービーイングとして生き返ったブルーはワイザー一味を葬り去り、ティノスにはびこる悪の根源となっている
四人の「元老」を撃ち滅ぼすため、銃を手に蒼き惑星・地球へと向かう…。


用語解説


  • 惑星ティノス

物語前半の舞台。2300年代の植民惑星群の中で、最も地球から遠い星。通称「赤い星」「野蛮の星」。
地球の半分ほどの空気に寒冷な気候、そして砂漠の大地。風により砂塵が巻きあげられ空は赤い。
生命維持装置なしでは数分と生きられない程劣悪な環境であり、『貧困=死』な世紀末惑星。
治安を司る保安官が年端もいかない子供にマッチ売りの少女の如く麻薬の売人をさせるなど、その社会は根底から腐りきっている。

開拓者が降り立ってから300年近い年月が経過しているが、その役割は棄民の吹き溜まりである。
ゆえにこの星で生まれた者は誰もがまだ見ぬ母星である地球への帰還を渇望しており、
地球行きのスペースシップのチケットはそれを巡って犯罪が絶えない程の価値がある。
ただしそれを手にできるのは一部の裕福な上流階級の人間だけである。



  • 星舟

300年前の宇宙開拓時代、ティノスに辿り着いた宇宙船。
これに乗っていた5人の少年たちの内、重傷を負ったスタンを除く4人の子孫が元老となった。
フロンティア精神と夢を持って旅立った少年たちだが、辿りついたのは荒野の星であり、
なおかつ地球連邦政府が彼らを捨石としたことで憤激した4人は、復讐として地球を支配すべく暗躍する。
現在は元老ロザリエの管轄下にあるSECが防衛しており、ちょっとでも秘密を知ろうとした市民はすぐに殺される。



  • 元老

ティノスを支配する権限を有する4人の男たち。
あくまで陰から星を支配しており、表社会では誰が元老なのかは明かされていないが、
『フェイル・セイフ・カフ』というブレスレット型の洗脳装置で住民を意のままに操ることができる。
チケットで地球に向かったティノス民も同様の洗脳を受けており、無意識のうちに破壊工作員として地球各所でテロ行為に従事している。

祖先が抱いた地球への復讐の念を受け継ぎ、秘密裏に地球制服計画を進行させているが、
役割を果たすことに疲れ死を求めるようになったブレイや純粋な支配欲から地球を狙うガザのように、
現在ではその使命には当初とかけ離れた歪みや綻びが生じている。
ちなみに打ち切りのせいで1人は名前すら分からぬままに殺された。


  • ネオ・プルーク

元老ロザリエ配下の宗教団体。麻薬密売により多大な暴利を貪っていた。
宗教にドラッグとか扱うネタがヤバすぎる。


  • サイバービーイング

赤い星の新人類にして史上最強のサイボーグ。涙を持ったスーパーコンピューター。
プロセスとしては死に体のブルーを素体にこれまたスクラップ寸前のファッツが自身をバラバラに分解して
パーツを組み込むという形で誕生したが、実際は人間のみが持つ未知にして無限の可能性
ファッツが受け継いだ300年の叡智が触れたことで突然変異を起こし、機械と人間が完全融合した
まったく新しい人機一体の新人類と言うべき存在に進化している。作中の時点では該当するのはサイバーブルーのみだが、
可能かどうかは不明だが人間の女性とファックして繁殖が可能ならこれからもどんどん増えていくかもしれない。

自己進化・自己復元機能を有し、周囲の環境を知って最適な能力を勝手に開発し、勝手に進化していくというトンデモ性能。
もう完全に真ゲッターロボとかデビルガンダムの領域に片脚をつっこんでる。
能力が覚醒すると腕が剣に組み変わったり施設の核融合ジェネレーターと直結して馬鹿力を発動するなど無茶苦茶な現象を引き起こす。
そのため、物語終盤はもはや手持ちの火器などほとんど必要なくなり、肉体による直接攻撃だけで戦えるようになっていた。
…ぶっちゃけ北斗の拳と大差なくなってしまっており、個性を放棄してしまった気もする。


  • バイオビーイング

地球で開発された、人間と他の動植物の遺伝子を結合して生まれた改造人間。固有名とは別に「キメラ〇〇」というコードを持つ。
設定的に仮面ライダーにでも蹴り殺されてるのがお似合いの連中である。ジャンプ的には『バオー来訪者』か。
そこまで強くない部類のやつでも宇宙最強クラスの傭兵であるジョーKをボコり倒せるほどの強さを有する。
無敵の兵士のように思えるが、未だ発展途上の技術を使って無理に人間を作り変えているため、個体の寿命そのものは短い
人間離れした化け物もいるが、高等な戦士は割とヒトに近い外観を持つ。
最高幹部はガルゴとバルタ。


  • 光子棒(フォトンスティック)

ジョーKがシャドーフォースを操るバルタとの戦闘に臨まんとするブルーに託した装備。
光子を放ち、磁気や粒子から身を護る特殊な装置で、これにより万物を無に返すシャドーフォースから一時的に身を守ることが出来る。
当初は交通整理の誘導棒みたいな感じだったが、ブルーのサイバネージョンによってヒロイックな両刃剣のような形状の
フォトンソードに生まれ変わり、特殊な力場を切り裂く武器となった。


  • SF(シャドーフォース)

「気」「超能力」と言ったものとは全く別の、「虚数」のエネルギー。
…といっても実際どう違うのかは絵的には判別できず、むしろ「気」にSF風味の御託をくっつけただけにも思える。
あらゆる物体を照射しただけで分解、再構築することが出来る。
ぶっちゃけチートすぎて面白みに欠け、戦闘の構成が単調になってしまった感あり。


登場人物紹介


ブルーと協力者たち


  • ブルー

本作の主人公。ブルーという名は蒼い星・地球の色に因む。
早くに父を亡くし、母(超美人)も幼い頃に死別して天涯孤独の身となり、孤児たちと共にティノスで暮らしていた。
悪徳保安官・ワイザー一味に利用され1話でいきなり死亡する。その直前に生命維持装置として売りつけられた旧式工作ロボット・ファッツと融合し
超人・サイバーブルーとして新生。実際は一命を取り留めており記憶も受け継いでいるが、純粋な人間としては享年17歳。
生前はけっこうノリが軽くおちゃらけているが、銃の腕は警官から見込まれるほど高かった。


  • ファッツ

正式名称は『ZZ-7011』FAZZではない。
生命維持装置を奪われてしまったブルーが代りの装置として騙されて売りつけられた年季の入りまくった工作ロボット。
普通の生命維持装置は胸に張りつけるアイアンマンのアークリアクターみたいなサイズ&形状なのだが、
ファッツの場合は掃除機のホース状態で本体とつながっている。

外見はR2D2のパチモンのようなドーム状の頭部を備えたズングリ体型で、
ファッツ(ふとっちょ)というのはそのフォルムを見たブルーが死にぎわにつけた愛称。
偶然にもこれは300年前にティノスに送り込まれた5人の少年たちが彼につけた仇名と同じものであった。

その前身はティノス開拓船団に積まれたコンピューターで、長生きしてる分だけ膨大な叡智を蓄えている。
生存プログラムに従い自身の機能をアップデートしながら300年間の放浪を続け、ブルーの下へと辿り着いた。

善人ほど早死にし、悪党だけが笑っているティノスにおいて珍しい程のお人よしであるブルーを気に入り、
ワイザーの雇ったチンピラから銃撃を受け、自身が修復不可能な状態に陥ったのを知ると、自らを分解し息絶えたブルーと合体した。
ボディはバラバラに損壊してしまったものの、ファッツの意志自体は別個の人格としてサイバーブルーの中にも存在しており、
一種の電子的な守護霊のような存在となったようである。

後のサイバーブルーがファックファックうるさいのはコイツのせいと言っても過言ではないくらい口が悪い。


  • サイバーブルー

ブルーとファッツが合体・新生したサイバービーイング。
ロボコップの経緯(犯罪者に蜂の巣にされる)で誕生したターミネーター(復活時は全裸。無表情で仁王立ち)とでも言えばだいたいあってる。
300年生きたファッツと享年17歳のブルーがひとつとなったので、年齢は「300と…17だ!」と申告し、老人相手でもボーイ扱いする。
しかし精神年齢はあくまで17歳のままのため、ちょっと天然が入っている一面も…。
劇中ではこの姿になった後も一貫してブルーとしか呼ばれていない。

ブルーの面影は残っているが、190㎝は越えていそうなタッパにムキムキのマッスルボディの偉丈夫。
顔つきも精悍な青年のものになっており、どう見ても17歳のそれではない。ツンツンに逆立った金髪と青い眼を除けばほぼケンシロウ

生前に比べると無表情・無口になり、女性に対してもそっけない対応を取るようになったが、
性格そのものはハジケまくっており、そのふてぶてしく傍若無人な言動と悪党に対する情け容赦の無さ
中坊林太郎や霞拳志郎に代表される原哲夫作品のヒーロー像と完全に一致している。
無論、なんだかんだで弱者に優しく正義感が強いという点も同様である。…それでもあまりの破天荒っぷりに周りはハラハラさせられ通しだが。

舌打ちや地団太くらいの意味合いで「ファック!」Fワードを吐き捨てまくるとんでもなく口の悪い男。
「ファック ユー!」「ダム ファッカー!」「ケツの穴から脳みそはき出しやがれ!!ファックヤロウ!!」
「死ぬのはてめえだファックヤロウ~~~~ッ!」「ふぁくゆう☆!」など派生は数限りなし。コンビニコミックス版のコラムでもネタにされている。

体中にありえないほどの量のセンサーやギミックが仕込まれており、出来ないことがあるのかというくらいなんでも出来る。
強さはさておき、出来ることの膨大さで言えば彼に勝てるジャンプ主人公はめだかちゃん斉木楠雄くらいしかいない。
怪力に鋼鉄並の身体(正確には特殊パレンティン樹脂。半端な出力のレーザーなら無効化できる)、
明晰な頭脳にサイコメトリー(相手のクサレた脳みそをハックして記憶を勝手に読める)、そして生前に輪をかけた銃の腕で悪を殲滅する。
自己進化プログラムにより、身体を変形させたり、周囲の物質と同化したりすることも出来る。どうかしてるぜ!
全ての元老を抹殺し彼らの地球侵略プロジェクトを瓦解させた後は、荒れ果てた故郷を救うという遠き日の誓いを胸に、
友とティノスへと帰っていった。

リメイク版では年相応の細マッチョでシャープなイケメンになっている。


  • アレン

ブルーと行動を共にしていた孤児の少年。北斗で言う所のバット。
サイバービーイングとして生き返ったブルーと共にティノス星府を倒すべく旅に同行する、やんちゃな少年。
かつて浮浪児狩りで脚に猛毒の針を受け、助かるために自らその右脚を切断するという壮絶な過去を背負っており、
現在はサイバネティクス義足を代りとしている。この義足は当初は旧式の劣悪なものだったが、
後に再会したブルーに高性能な新型を送られ生身と変わらない動きができるようになった。

孤児たちの中では副リーダー的なポジションであり、上記のような悲惨な背景もあってか
当初は張り詰めた表情が多かったが、親友であるブルーが頼れる「大人」として帰ってきた反動から
仲間入りしてからは年相応の幼くコミカルな顔も見せるようになった。


  • ローニィ

ブルーとアレンの親友。金髪白皙の美少年でアレンに続くショタ枠その2。
先天的にSFを操る力を持ち、ティノスで暮らしていた所をガザに誘拐されて
バイオビーイングたちにSF操作能力を付加するための「素材」としてその五体をズタズタに切り刻まれ、
今やその身体は人体模型のように歪に生命維持用の機械化処置が施された痛々しい有様となっている。

いわゆる超能力っぽい事ならだいたいできるが、戦闘力は皆無。
そのためガザによって不死生物と同化させられそうになっていたが、逆に不死生物とガザを取り込んで絶命。
これにより4人の元老は全滅することとなった。最後はガルゴから「友」と認められ、ガルゴの肉体合体することで生き返った。
ライオンヘアーのガチムチ巨漢が目だけ純真な少年のようにキラキラになるのはちょっと笑える。



地球連邦警察


  • クレア

特別麻薬捜査官。本作のヒロイン(出るのは12話目だが)。原哲夫作品らしい威圧感のある長身&ダイナマイトバディなパツキン美人。
北斗で言う所のマミヤ。わずか23歳の若さ、なおかつ単身でビロドウ星の麻薬組織を壊滅に追いやりその功績で七階級特進。ティノスに潜入を果たした。
ティノスのマフィアを潰すため、ブルーを重要参考人として連れ帰ろうとするが失敗。なし崩し的にブルーに協力するハメになる。
外見はクールビューティーっぽいが、ブルーにからかわれて真っ赤になり彼をボーヤ呼ばわりするなどのかわいい一面もある。
情報工学の博士号を持つ天才ハッカーでもあり、文武両道の完璧超人。たぶん原作品の中でも指折りのいい女。
ブルー曰くあと50年は無病息災で生きられるほどの健康体。


  • トニー・ツツミ

クレアの同僚。ガザを倒すため地球にやって来たブルー一派を歓迎する。ちょっと慌てん坊。
原作品の脇役によくいる無意味にテンションの高いネアカ男で困ってる時も怒ってる時も
物騒で不謹慎なことを口にしている時もどこか朗らかで楽しそうな顔をしている。



SPC(スペースポリスカンパニー)


  • ワイザー保安官

ティノスの治安を一任する、早い話がロザリエの私兵集団の幹部。口ひげを生やし一見上品でにこやかな壮年紳士といった風貌だが、
実体は権力を握るためには手段を選ばない冷血・卑劣な人でなしで、悪事をもみ消すために仲間や上司も平気で殺し、裏では犯罪者とも癒着していた腐れ官憲。
ブルーの腕前を(ヒットマンとして)見込んで、(地球に行きたがっていた)無関係の市民を賞金首と偽って狙撃させると、
手下のチンピラたちと共にブルーを蜂の巣にして死に至らしめ、更に口封じのためにその市民の息子とファッツさえも銃撃。
上記の事件を踏み台にしてティノス警察署長にまでのし上がったが、ワイザーを憎む元警官とブルーにより討たれる。
断末魔は「あえ」

リメイク版では序盤のボスとして出番が増やされており、
「希望」や「笑顔」を病的に憎むなど、より冷酷な外道としての側面が強調されている。



ロザリエ一味


  • 元老ロザリエ

四元老の一人。ブルーが最初に潰した元老で、事実上のティノス星府総督。
配下の宗教団体「ネオ・プルーク」を使いティノス中に麻薬を蔓延させ、暴利を貪っていた。
人間爆弾を使う、子供を人質にとる、デモンストレーションのために部下を自害させるなど
政治家…というか人間の風上にも置けない程の腐れ外道であり、部下も教会に安置された十字架で気に障る報告をした部下を撲殺する生臭神父
十字架にかけられたあの男に偽装された殺人ロボット(純粋なパワーはブルー以上)と、
モノホンのクリスチャンに中指を立てるようなイカれた面子が揃っている。

ティノス中の麻薬を差し押さえ、それを報酬にヤクのためなら何でもするジャンキーどもに
「こいつ(ロザリエ)を殺れ」というWANTEDを発布するブルーのクレイジーすぎる作戦(サブタイ曰く「最悪最高の作戦!」)により追い詰められるが、
逆にブルーを分厚い特殊防弾ガラスの部屋に閉じ込め毒ガスで殺害しようとする。

しかし、防弾ガラス壁に押し付けた自身の両手をガラスと融合させた上で再度元に戻して破砕するというトンデモナイ方法で脱出され、
最期はブルーが「ファ~~~~~ック・・・ユーーーーーッ!!」の掛け声で蹴りつけてスライドさせた
氷山の如く分厚いガラスの破片に轢断されて無残な死を遂げた。
断末魔は「やびィ」


SEC(スペースエネルギーコーポレーション)


  • ギルモア大佐

ロザリエ傘下の中央情報軍の士官。ヒゲオヤジ。軍服の襟の中には隠し銃。
ティノスの星舟の遺された採掘鉱から一般市民を遠ざけていた。ブルーの襲撃を受け、彼が「ノエルの盟約」を知ると
部下を皆殺しにして自分だけ逃げようとするみっともないマネを行うが、
そんな外道をブルーが生かしておくはずもなくバラバラに切り刻まれて殺害された。
断末魔は「え!!」


  • ジョーK(キング)

修羅の惑星「ジーク星」特殊部隊最後の生き残り。北斗で言う所のレイのポジションだが、
外見は金髪ロングの美形でキングだけにシンに近い。間を取って修羅の国編のシャチでも可。
ジーク星の戦士にとって死は消滅と同義であり、彼自身も自爆装置を身に着けて常に死地に立つ覚悟で戦いに臨んでいる。
また、ジーク星の風習で笑み(スマイルではなくラフか)は死の別れの仕草であり、彼の前で笑うことは死を意味するという逆ウォーズマン男。
本名レッドイーグル。その名の通り赤いワシの刺青が胸板に彫られている。…南斗赤鷲拳伝承者かな?

金次第でいかなる任務をも請け負う賞金稼ぎで、いかなる時も己のルールを汚さないニヒルな男。
愛銃は腕に装着し、展開することで五連装の銃身が同時に火を噴き標的を粉々に吹き飛ばす「スネーク・ファイヤー・キャノン」。
他にもソノーム合金製の刃など、遠近問わず多彩な武器を使いこなす万能兵士。ドーピングによって身体能力も増強されている。

ギルモアに雇われてSECに殴り込んできたブルーと闘おうとするが、彼が最大禁書たるノエルの盟約を知ろうとしていると聞かされると
一旦勝負を預け「ノエルの盟約を知れば更に懸賞金も上がるに違いない」と嘯き、彼を星舟の下に向かわせた。
再戦後はブルーを死の一歩手前まで追い詰めるものの、寸前で自己進化能力に覚醒したブルーの変身能力に敗れ去る。

実はジークの将軍の息子であり、戦友たちの遺児を養うために賞金稼ぎをやっていたという
原作品定番の負かした相手が実は結構いいヤツの法則に救われ、
自爆装置をブルーに外されたうえで依頼によりブルー一派より一足先に地球に向かう。

そこでガルゴと闘い敗れたことでバイオビーイングの実力を知り、不本意ながらもブルーと地球連邦警察に協力を申し出た。
だが、所詮は「めっちゃ強い達人」にすぎない彼が生来の生物兵器であるバイオビーイングと戦うのは無理があり、
噛ませの試作型にすら敗れることとなる。

しかしそれでも決してブルーの道を閉ざすわけにはいかないと、SF避けの光子棒をブルーに手渡し、
単身ガザの下に殴り込みをかける。そこで待ち受けていた、天と地ほどの実力差があるガルゴにも果敢に挑むが敗北。
自分がローニィを救うための時間稼ぎにはなったと確信すると、最後は
「貴様が死しても誰も悲しまないというのなら、せめて俺が泣いてやる」とガルゴを友と認め、戦死。
その死はガルゴの冷たい心をも感動に包んだ。


ブレイ一派


  • 元老ブレイ
四元老の一人。ティノスで幼少期をガルゴと共に育っていた青年。見た目は北斗のヒョウに似ている。
ガザの命を受けて暗殺に向かったガルゴに弑されるが、実は元老の宿命を知って地球侵略を否定し、
ガルゴに殺されることを望んで戦いに臨んだ事が明かされ、皮肉にもガルゴに「友情」の脆さを教える結果となった。



ガザ一味


  • 元老ガザ

四元老の中で最大の権力を有し、地球と全ての植民惑星を手にするために暗躍する悪の塊のような心を持つ男。
彼を動かしているのは祖先から受け継いだ地球への怨みなどではなく、自身の純粋な欲望である。
本作のラスボスポジションだが、ガザ自体はエキセントリックなところはあるものの所詮は小心な権力者タイプであり、戦闘能力はない。
そういう意味では配下のガルゴが最大の脅威であり、両者の関係は北斗の拳・帝都篇のジャコウとファルコのそれに似ている。

ガタイはマッチョだがお顔は完全にミュージシャンのプリンス。
また、原哲夫の尊敬する俳優・松田優作の急逝に伴い、コミックス4巻表紙の彼の顔は松田優作似に変更されてしまっており、
ぶっちゃけ同じキャラと判別するのも難しい。

パシリのバイオビーイングの擬態能力を利用してブルーたちの前に全裸ジョジョ立ちみたいな変なポーズをキメながら現れたり、
恋人をNTRするために実の弟を絞め殺したり、裸の美女が組体操みたいに寄せ集まった「人間椅子」にガウン1枚で腰かけたり
やることなすことがインモラルで悪趣味なド変態オヤジ。

当然人間の尊厳だの生命の価値だのには無頓着でバイオビーイングの開発に多大な出資を行っており、
「全知全能の神」を目指している。副産物で美女の人魚・キメラマーメイドを作って抱っこしてブチューとかやっぱり変態。

欲しい者の為なら人の命をゴミの様に奪うファックヤロウだったが、
最後は永遠の生命を手に入れようとして、逆に不死生命体によって自身の生命を枯渇させられミイラのように干からびて粉々に崩壊する
というさもしく惨めなものだった(打ち切りのせいでもあるが)。
断末魔は「いやだば!」「な! なんだああこりゃああ!!」「ジーザスクライスト!」「かああ…な、なぜだ~! くそ~…ぐぞ~…」


  • キメラスフィンクス・ガルゴ

ガザの側近であり、史上最強のバイオビーイング。改造素体はライオン。ティノス出身。北斗で言う所の元斗皇拳のファルコ。
人外だが正々堂々の戦いを愛する気高き格闘者、という点では『ジョジョの奇妙な冒険・戦闘潮流』に登場したワムウにも似ている。

歌舞伎の連獅子のような金色の長髪に筋骨隆々の巨体を備えた野性的な美丈夫。
ローニィの肉体を移植することでシャドーフォースの制御を高レベルで会得しており、
分子破壊能力に加え電磁場を操る・野性の勘の延長線上にある優れた予知能力、剛力に鉄をも断つ爪などを有する強敵で、
直接バトルする相手としては本作のラスボスにあたる。

ジョーKを葬り去り、ブルーとの一騎打ちに臨むが、ビルの核融合炉と融合して全エネルギーを奪い取ったブルーの渾身の一撃を受け敗北。
最期は贖罪として自らの身体のモトとなったローニィに己の肉体を捧げ、ガルゴの自我は消滅した。まさしく「漢」と呼ぶべき生き様だった。


  • キメラドーベル・バルタ

ガルゴの兄弟分に当たるバイオビーイング。改造素体はドーベルマン。
短く刈り込んだ頭髪に、ドーベルマンの毛並そのままの模様が浮かんだ凶悪な顔の巨漢。
ガルゴと同じくシャドーフォースを操る能力を持ち、SFを口からビームみたいに吐くことで
当たった物を原子レベルで破壊してしまう。パワーをチャージする度に、
「水素よ炭素よ窒素よ酸素よ~~~~!」空気中の元素に大声で語りかける姿がメチャクチャ馬鹿(犬だけど)っぽくて愛おしい。

嗅覚が非常に発達しているため、人間を「臭い」「下等動物」と嫌悪し、すぐにSFで分解してしまう気が荒い男。
「臭い肉を原子破壊してくれる!」とドライブ中のラリパッパな若い衆にSFを照射するシーンは残酷だが笑える。

ガザへの忠誠心は高いが、それはバイオビーイングである自身の短命を憂い、
ガザが研究している不老不死の成果のおこぼれを頂戴するのを期待してのことであり、ガルゴもそれを知ったうえで見て見ぬふりをしていた。
ブルーを襲撃するがその優れすぎた嗅覚を逆利用され、アルゼンチンバックブリーカー(タワーブリッジ)で真っ二つにされて死亡。
その際体内に蓄えられたSFがへし折れた胴体から噴出し、「死の火柱」として空高く立ち昇った。ゴ集団かおのれは…
断末魔は「ふがっ!」


  • キメラスパイダー

試作品のバイオビーイング。改造素体は蜘蛛。やっぱ改造人間のトップバッターは蜘蛛でしょ。

テンションが高いヒャッハー系であり、両手から強力な糸ををして発射したり、猛毒を注入して相手を殺す。
身体は非常に軟らかく、打撃や銃撃にはめっぽう強い。
地球に着いたばかりのブルー達の乗った車を襲撃し、サイバービーイングのバイオチップすらも死滅させるバクテリアを注入して
「電脳破壊だ~~~!」とブルーを苦しめるものの、液化ヘリウムで体を凍らされ両腕を砕かれる。
その後ハゲ頭の側面から眼を8つ出したり、口が耳まで裂けて失った両腕の代わりに腕を四本増やすなど完全にバケモンになって抵抗するものの、体内に注入されたヘリウムが引火して爆裂死した。*2
断末魔は「ひいい、えぼ!!」


  • 不死生命体

ガザ一味の作り上げた丸っこいアメーバみたいな人工生命体。周囲の生物の生命エネルギーを吸収し、無限に生き続ける。
ガザはこれとシャドーフォースを操ることのできるローニィを合体させて自らの身体に取り込み、
虚実両方の力を手にした「神」になろうとした。しかしローニィの精神力とSFで抑え込まれ、
最後はガザの身体から根こそぎ生命エネルギーを奪い尽くして死に至らしめた。


  • シーラ

ガザの愛人。ティノスの巨大カジノのディーラーを務める美女。
全てのゲームに勝ってきたことから「シルバーメデューサ」の異名を持つ。
恋人(ガザの実弟)をガザに謀殺され、Pラッシュという筋肉強化剤を打たれて強化人間にされてしまった。
あえて脳手術を受けて元老の記憶を封印し、「地球を網膜に移すことで封印が解除される」というシステムを予め打ち込むことで
ティノスを出て地球へと向かおうとしたが、恋人との思い出である愛猫シャロンを庇って防衛システムの銃撃を受け、命を落とした。


  • バイオ戦闘員
ブルー抹殺の為にガザが送り込んだ刺客で、地球連邦警察に偽装して襲撃した。
特殊能力はなく銃器を使って攻撃する。



何だこのファック記事は…今すぐ追記修正してやる、首を洗って待っていろ。

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最終更新:2023年11月04日 04:47

*1 実際は腐った権力者やその私兵、機動兵器など全体的に北斗よりは洗練された雰囲気にはなっている。だが、それが逆に各章のボス=強力な敵だった前作と比較して魅力に乏しく人気が伸びなかった原因でもあるのだろう

*2 なお、現実にはヘリウムは非常に安定な物質であり、爆発はしない。有名な飛行船の爆発事故は、ヘリウムが手に入らず、水素で代用していたことによる。